真・仮面ライダー-----終章-----『仮面ライダーワールド序章(プロローグ)』   作:狼と踊る男

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~新訳版新章~『仮面ライダーガイア』
新訳版1話『復活!! 仮面ライダーシン!!』


 

 

 

 

河童山・ヒョウタン池。

 

未来へ帰る者達を見送った後、1994年に残った者達にも、それぞれの別れが訪れようとしていた。

 

耕司「ところでセーラさん。あなたはこれからどうするつもりですか?」

 

セーラ「私? 私は一先ずCIAに戻るわ。仕事もあるし、財団も壊滅させないといけないしね」

 

勝「俺達の力が必要なら呼んでくれ。俺達なら、財団のサイボーグソルジャーにも対抗できる」

 

セーラ「こうして出会ったのも何かの縁ね。そうさせてもらうわ。私も、ネオ生命体の言っていた“王様”について分かったら、あなた達にすぐ連絡する」

 

耕司「分かりました」

 

結城「それじゃあ、みなさん。元気で」

 

勝「あなたもな」

 

耕司「そういえば勝は、これからどうする気なんだ? 俺は山の生態を調べながら、王様を追うつもりだが」

 

勝「俺は一度、望月博士の自宅へ行く。博士のお父さんに手伝ってもらいながら、ネオ生命体の資料に王様の手掛かりがないか調べるつもりだ」

 

耕司「王様と望月博士に繋がりがあると?」

 

勝「ネオ生命体のことを知っていたのは、俺と望月博士だけのはずだ。だが、俺の知らないところで、博士が王様と繋がっていた可能性も残っている」

 

耕司「そうか……しばらくは別行動ってことか」

 

勝「何、何かあれば必ず俺も駆けつける。それまで、お互い元気でな」

 

耕司「あぁ!!」

 

こうして一同は、それぞれの場所へ戻っていく。

 

だが、この先、旧財団が風祭親子を狙うことはないだろう。

 

何故なら――。

 

旧財団は、もう壊滅状態なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は日本。

 

時は1994年。

 

そこには、一人の男が訪れていた。

 

仮面ライダーBLACK RX。

 

クライシス帝国との戦いを終えた後、彼は財団を追い、日本へ戻ってきていた。

 

改造兵士レベル2「……!」

 

RX「RXキィィック!!」

 

RXの蹴りが、量産型と思われる改造兵士レベル2へ炸裂する。

 

改造兵士は後方へ吹き飛び、爆発した。

 

続けて、鷲の怪人が空から襲いかかる。

 

鷲の怪人「オォッ!?」

 

RX「とおっ!!」

 

リボルケインの光が走る。

 

鷲の怪人の体に、深々と突き刺さった。

 

鷲の怪人「グゥゥッ!? オォォッ~~!?」

 

RXはリボルケインを引き抜き、静かに決めポーズを取る。

 

その背後で、鷲の怪人は爆発した。

 

RX「良し。これで財団は壊滅するだろう」

 

RXは、周囲に散らばった大量のフロッピーディスクを見下ろした。

 

RX「それにしても……この大量のフロッピーディスクも、怪人に変身するための道具なのか?」

 

RXが倒した鷲の怪人。

 

それは、財団の首領ともいえる人物だった。

 

彼は改造されたわけではない。

 

一枚のフロッピーディスクを体に埋め込み、鷲の怪人へと変身したのである。

 

爆発とともに、フロッピーディスクの破片が散る。

 

だが、この時のRXには分からなかった。

 

それが、後の時代で使われるガイアメモリの原型。

 

ガイアフロッピーと呼ばれるものだったことを。

 

この事件で、確かに旧財団は一度壊滅した。

 

しかし、密かに現首領の方針に異を唱える者達は、すでに新たな組織の結成へ動き出していた。

 

後に財団Xと呼ばれる組織。

 

その誕生の狼煙が上がったことを、RXはまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は流れ、のどか達の時代。

 

風鈴アスミが仲間に加わって、まだ日が浅い頃。

 

のどかはアスミと話しながら、かつて過去の世界で出会った一人の男について語っていた。

 

アスミ「そのようなことが、私が加わる前にあったのですね」

 

のどか「そうなの。それで真さんは今、ちゆちゃんの家の旅館で働いてるの。イクメンする仲居さんって、ちょっとした名物になってるみたいでね」

 

アスミ「私も、その仮面ライダーシンにお会いしてみたいですね」

 

のどか「じゃあ、行ってみる?」

 

アスミ「よろしいのですか?」

 

のどか「多分大丈夫だと思う。一度ちゆちゃんに連絡を取らないとだけど。それに、まだ真さんにアスミちゃんのことをちゃんと紹介してなかったし」

 

アスミ「お願いします」

 

のどかはスマホでちゆに連絡を取った。

 

ちゆからは、今日は真が休みだと聞かされる。

 

そこで、のどかとアスミは身支度を整え、ラビリンとラテも連れて、ちゆの家の旅館へ向かうことになった。

 

だが、旅館に近づいた時だった。

 

のどか「あれ?」

 

アスミ「どうしました?」

 

のどか「真……さん?」

 

一人の男性が、旅館から飛び出してきた。

 

血相を変え、のどか達に気づくこともなく、どこかへ走り去っていく。

 

その人物こそ、今日会うはずだった風祭真だった。

 

すぐ後から、ちゆとひなたも慌てて飛び出してくる。

 

のどか「あっ!! ちゆちゃん!! ひなたちゃんも来てたんだ?」

 

ちゆ「のどか!! アスミ!!」

 

アスミ「こんにちは。わざわざお出迎えしていただいてありがとうございます」

 

ちゆ「ごめんなさい、二人共!! 出迎えた訳じゃないの!!」

 

アスミ「違うのですか?」

 

ひなた「二人共!! それどころじゃないんだって!? もう大変なんだし!!」

 

のどか「えっ!? 何かあったの?」

 

ちゆは息を整え、のどかを見た。

 

ちゆ「落ち着いて聞いて。新君がさらわれたの!!」

 

のどか「えっ……?」

 

時は少し遡る。

 

のどかがちゆに連絡を取った数分後。

 

ちゆは、今日は非番になっている真の部屋を訪ねていた。

 

目的は、真に新しい友達を紹介すること。

 

そして、それがプリキュアに関係する相手だということを伝えることだった。

 

真「そうか……地球が生み出した新しいプリキュアか」

 

ちゆ「えぇ。色々あって、まだちゃんと紹介していなかったので。今日、真さんもお休みですし、せっかくですから新君も連れて、皆でお茶でもどうかと」

 

真「いいな。俺も久々にラテに会いたいしな」

 

ちゆ「それでは決まりですね。ひなたにも連絡して、のどかとアスミが来たら出かけましょう」

 

ひなたにも連絡を取ると、偶然近くに来ていたらしく、二つ返事で参加することになった。

 

数分後、ひなたは旅館へ到着し、真の部屋で新と遊びながら、のどか達を待っていた。

 

ひなた「いやぁ~、それにしても真さん達のこと、あすみんに紹介するのすっかり忘れてたね」

 

ちゆ「ひなた……そんな言いにくいこと、よくはっきりと……」

 

ひなた「あっ!? ごめんなさい、真さん!!」

 

真「いいさ。君達もお手当で大変なんだしな。俺の方も旅館の仕事が忙しくて、なかなか時間がなかった」

 

ちゆ「すみません、真さん。本当なら、もっと休める時間を作ってあげたいんですけど……」

 

真「構わないさ。俺の体のことがあってから、ろくに仕事なんてできなかった。今は幸せなものだ。この仕事にも、やりがいを感じているし」

 

ちゆ「そうですか……そう言ってもらえて、私も家に誘ったかいがあります」

 

穏やかな時間が流れていた。

 

その時。

 

突然、襖が開いた。

 

ちゆ「……?」

 

普段なら、ペギタン。

 

ひなたがいる時なら、ニャトランも隠れている。

 

だから、部屋に入る時には皆、細心の注意を払っている。

 

それ以前に、ここは旅館だ。

 

無断で部屋に入ってくるなど、まずありえない。

 

つまり、入ってきた者は、沢泉家の人間でも旅館の者でもなかった。

 

???「チィィ~ス!!」

 

ちゆ「あなたは!?」

 

ひなた「嘘!? 何で!?」

 

入ってきた人物は、新を見るなり動いた。

 

ひなたが抱いていた新をひったくり、一気に距離を取る。

 

真「新!?」

 

ひなた「こんのぉ~! 新君返せぇぇー!!」

 

???「こいつを返してほしけりゃ、町外れの廃工場に来い。あの紫のプリキュアを連れてな!!」

 

ちゆ「待ちなさい!!」

 

だが、その人物は新を連れたまま姿を消した。

 

ひなた「やばいって!? どうしよう!?」

 

ちゆ「そうね……のどか達もこっちに来てるし、二人が合流次第、私達も――って、真さん!?」

 

真はもう走り出していた。

 

ひなた「えぇっ!? ちょっと待ってよぉ~~!?」

 

話を聞き終えたのどか達は、すぐに状況を理解した。

 

ちゆ「という訳なの」

 

のどか「それで真さんは、先に行っちゃったってこと!?」

 

ちゆ「えぇ。ごめんなさい。私がついていながら……」

 

のどか「ううん。仕方がないよ。とにかく私達も行こう!!」

 

ちゆ「えぇ!!」

 

ひなた「うん!!」

 

アスミ「私も参ります」

 

のどか達は真を追い、指定された町外れの廃工場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真は、一足先に廃工場へたどり着いていた。

 

錆びついた鉄骨。

 

割れた窓。

 

古い機械が放置された薄暗い空間。

 

真「新!! どこだ、新!!」

 

真は新の名を叫びながら、工場内を探す。

 

その声に応じるように、誘拐犯が姿を現した。

 

???「お前だけか?」

 

真「新はどこだ!!」

 

真は強い口調で問いかける。

 

その時、背後から足音が聞こえた。

 

ちゆ「真さん!!」

 

真「ちゆ!? 皆も!?」

 

のどか「お待たせしました!!」

 

???「来たっすね? 紫のプリキュア!!」

 

アスミ「アレは確か……何と言いましたでしょうか?」

 

ちゆ「バテテモーダ!! 新君を返しなさい!!」

 

新を誘拐したのは、キュアアースに浄化されたはずのバテテモーダだった。

 

バテテモーダは余裕の笑みを浮かべる。

 

バテテモーダ「誰が返すかよ?」

 

ひなた「っていうか、なんでアンタが居んのさ!?」

 

アスミ「あなたは、私が浄化したはずですが?」

 

バテテモーダ「はぁ? お前ら、浄化したっつっても、俺の素体になったカピバラがその後解放されたのを見たんすか?」

 

ちゆ「そういえば……」

 

ひなた「っていうか、あいつって動物に寄生してた訳!?」

 

バテテモーダ「あん時は正直、もう駄目かと思いやしたけどね。まだ隠し玉は持ってんすよ」

 

バテテモーダは懐からメガパーツを取り出した。

 

それを見せつけるように掲げる。

 

のどか「メガパーツ……」

 

バテテモーダ「そこの紫のプリキュアの技を受けた時、咄嗟に残ってたメガパーツを体に取り込んだんすよ。一か八かの賭けだったんすけど、賭けは俺の勝ちって訳っす」

 

ちゆ「咄嗟にメガパーツを取り込むなんて……なんて執念なの」

 

アスミ「ならば、もう一度浄化するまでです」

 

バテテモーダ「そう上手くいくっすかね?」

 

アスミ「一度浄化していますので、問題ありません」

 

のどか「真さん、下がっていてください。新君のことは、私達が必ず助けます!!」

 

真「すまない!! 頼む!!」

 

のどか「皆!!」

 

ちゆ・ひなた「うん!!」

 

アスミ「はい!!」

 

しかし、バテテモーダが手を上げる。

 

バテテモーダ「ちょい待ち!! お前らを呼んだのは俺だけじゃないっすよ?」

 

一瞬、のどか達はダルイゼン達のことを考えた。

 

だが、ラテが天井へ向かって吠える。

 

一同が見上げると、三人の人物がゆらりと降りてきた。

 

白いローブをまとう三人。

 

一人は老人。

 

一人は女性。

 

そしてもう一人は、岩のような肌の顔を持つ男。

 

三人はバテテモーダの背後に降り立った。

 

老人「ようこそ。風祭真……いや、こう呼ぶべきかな。改造兵士レベル3。またの名を、仮面ライダーシン」

 

老人は次に、のどか達を見る。

 

老人「そして、ヒーリングっど♡プリキュアの小娘達よ」

 

真「何!?」

 

のどか「私達のことだけじゃなくて、真さんのことも知ってる!?」

 

アスミ「あなた方は、ビョウゲンズではありませんね。そして、この世の者でもないですね?」

 

老人「ほぉ。よく気づいた。流石はこの星が生み出したプリキュアだ」

 

ちゆ「あなた達は一体何者なの!?」

 

老人「我々は、暗黒結社ゴルゴムの三神官」

 

のどか「ゴルゴムって、どこかで聞いたような……」

 

ちゆ「そうだわ。仮面ライダーBLACK。過去の世界で、地空人の世界で聞いた組織よ!!」

 

老人「その通り。私は大神官ダロム」

 

女性「私は大神官ビシュム」

 

岩の男「我は大神官バラオム!!」

 

ちゆ「仮面ライダーBLACKに壊滅させられた暗黒結社ゴルゴムの人達が、どうしてここに?」

 

ダロム「我々は、死後の世界からやってきた」

 

のどか「死後の世界……?」

 

バラオム「お前達人間どもに分かりやすく言えば、あの世だ」

 

ひなた「あ、あの世って!? っていうことは、アンタらもしかして、ゆっ、ゆゆ、幽霊!?」

 

ビシュム「そう思ってもらってもいいでしょう。我々は仮面ライダーBLACKに敗れ、死んだのですから」

 

のどか「でも、なんであなた達が私達や真さんのことを知っているの!?」

 

ダロム「我々は生前、創世王様に仕える身であった。しかし、死んだ今となっては、そのようなしがらみもなくなり、暇を持て余しておった」

 

ビシュム「ブラックサンに敗れ、今ではBLACKと戦ったあの頃の日々を懐かしむばかりの日々が、延々と繰り返される毎日」

 

バラオム「この世の情勢を覗き見るぐらいのことはできたからな。貴様らが過去の世界で、シャドームーンが余興で復活させたネオ生命体、そしてフォッグ・マザーと戦った所も見ていた」

 

ひなた「あの時のこと、見られてたんだ!?」

 

のどか「じゃあ、私があの時感じた視線って、あなた達のものだったの!?」

 

ダロム「そういうことになるな」

 

真「俺が改造兵士の力を持っていたことを知っていたのは、そのせいか……」

 

真は三神官を睨む。

 

真「だが、何故新をさらった!? お前達が俺達に何の恨みがある!?」

 

ダロム「ほほほっ。我々はお前達に恨みなど持っていない。お前のことを恨む者は、他にいるのだ。風祭真」

 

真「何……?」

 

ダロムの言葉に、一同が困惑する。

 

その時、横から一人の男が現れた。

 

男は煙草の火をふかしながら、気さくに片手を上げる。

 

氷室「やぁ」

 

のどか達「……あ、どうも……」

 

思わず挨拶を返してしまったが、のどか達の顔にははっきりと「誰?」と書いてあった。

 

ただ一人、真だけがその男の正体を知っていた。

 

真「所長……!?」

 

ちゆ「真さんのお知り合いですか?」

 

真「そんなはずはない……。あいつは……俺が……この手で殺した!!」

 

のどか「殺したって……まさか、あの人が前に言っていた財団の所長さん!?」

 

氷室「その通り。あれから随分と時間が流れたものだな」

 

真「どうしてお前が生きている!? 俺が殺しただけじゃない!! 財団のあのアジトも木っ端微塵に爆破された!! 遺体など、CIAがとっくに処理したはずだ!!」

 

氷室「確かに私は、お前に殺されたよ。しかし、私は死後の世界からこの世へ蘇ったのだよ、真」

 

真「一体どうやって……?」

 

ダロム「ふふふっ。財団はブラックサン……いや、仮面ライダーBLACK RXによって壊滅した。しかし、その後、生き残った者達は財団Xと呼ばれる組織を結成した」

 

ダロムの声は、淡々としていた。

 

ダロム「彼らは改造兵士計画から手を引き、別の技術へ進んだ。その一つが、死者蘇生の技術――ネバー。我々はその技術を試し、この男に施したのだ」

 

のどか「死者蘇生の技術!?」

 

真「そんな馬鹿な!? 死んだ人間を生き返らせるなんて……!」

 

氷室「だが真実だ。現に、私もこうして蘇っている」

 

真「父さんを騙して、愛を殺した。それだけのことをしておいて、貴様は一体何を望んでいるんだ!?」

 

氷室「復讐だよ。真。君にね」

 

真「復讐……?」

 

氷室「あぁ。そのための力も、三神官様が財団Xから用意してくださった」

 

氷室は懐から一本のUSBメモリのような物を取り出した。

 

それは、後の時代でガイアメモリと呼ばれる道具。

 

氷室はそれを首筋へ突き立てる。

 

――レベル2!!

 

音声とともに、氷室の姿が変わっていく。

 

一瞬で、かつての改造兵士レベル2と同じ姿へ変貌した。

 

真「レベル2だと!?」

 

レベル2D「どうかね? 素晴らしいだろう? ガイアメモリと言ってな。改造兵士の力を、このメモリの力で再現させたのだよ」

 

バテテモーダ「ヒュゥゥッ~!! イカしてるっすね、氷室の旦那」

 

ダロム「さぁ。お前達も変身してはどうかな?」

 

のどか達は警戒しながらも、一歩前へ出た。

 

ラビリン達「スタァァート!!」

 

のどか達「プリキュア!! オペレーション!!」

 

グレース・ラビリン「重なる二つの花!!」

 

グレース「キュアグレース!!」

 

ラビリン「ラビィィ!!」

 

フォンテーヌ・ペギタン「交わる二つの流れ!!」

 

フォンテーヌ「キュアフォンテーヌ!!」

 

ペギタン「ペェ!!」

 

スパークル・ニャトラン「融け合う二つの光!!」

 

スパークル「キュアスパークル!!」

 

ニャトラン「ニャッー!!」

 

アース・ラテ「時を経て繋がる二つの風!!」

 

アース「キュアアース!!」

 

ラテ「アンッ!!」

 

ラビリン達「地球をお手当!!」

 

グレース達「ヒーリングっど♡プリキュア!!」

 

グレース「真さん、ラテをお願いします!! 新君は私達が助けますから!!」

 

真「すまん!! 頼む!!」

 

ダロム「氷室巌、バテテモーダ。我らはキュアグレース、キュアフォンテーヌ、キュアスパークルを相手する。お前達はキュアアースと戦え」

 

バテテモーダ「おっ!? 分かってるっすね、ダロム爺さん? そうこなくっちゃ!! 行くっすよ!!」

 

グレース、フォンテーヌ、スパークルは三神官と。

 

キュアアースは、バテテモーダとレベル2Dと。

 

それぞれの戦いが、廃工場の中で始まった。

 

グレース「はあぁぁっ!! やぁ!!」

 

グレースはダロムへ左拳を放ち、続けて右回し蹴りを繰り出す。

 

だが、ダロムはふわりと宙に浮き、それを軽くかわした。

 

グレース「ふぁっ!? 浮いてる!?」

 

ラビリン「超能力ラビ!?」

 

ダロム「ふん」

 

ダロムが腕を上げ、指を動かす。

 

次の瞬間、グレースの体が宙に浮いた。

 

グレース「うわっ!?」

 

ダロムが腕を下へ振る。

 

グレースの体は急降下し、床へ叩きつけられた。

 

グレース「くぅっ!?」

 

ダロムは倒れるグレースを、冷たい目で見下ろした。

 

一方、フォンテーヌはビシュムと対峙していた。

 

ビシュム「……」

 

ビシュムの目から光線が放たれる。

 

フォンテーヌ「ふっ!! ふっ!!」

 

フォンテーヌは側転でかわし続ける。

 

だが、光線の間隔は速い。

 

ペギタン「プニシールド!!」

 

シールドで一度防ぎ、フォンテーヌはステッキへボトルをセットした。

 

フォンテーヌ「氷のエレメント!! はあっ!!」

 

氷の光線を撃つ。

 

だが、ビシュムも即座に光線を放ち、両者の攻撃は相殺された。

 

煙が上がる。

 

フォンテーヌはステッキを構え、警戒した。

 

しかし、ビシュムは煙を吹き飛ばし、再び目からビームを放つ。

 

フォンテーヌ「なっ!? うぅっ!?」

 

直撃。

 

フォンテーヌは数歩後ずさり、膝をつく。

 

スパークルは、バラオムへ雷のエレメントを放っていた。

 

スパークル「雷のエレメント!! はあぁぁっ!!」

 

バラオム「むんっ!!」

 

雷の光線は直撃した。

 

しかし、バラオムは止まらない。

 

スパークル「効いてない!? うっ!?」

 

バラオムは空中から迫り、スパークルの首を掴んだ。

 

そのまま壁へ叩きつける。

 

スパークル「がっ!? ぁぁっ……」

 

バラオム「弱い。弱すぎる。こんなもので、よくビョウゲンズやネオ生命体、フォグと戦えたものだ」

 

一方、アースは真とラテを守りながら戦っていた。

 

バテテモーダ「おらっ!!」

 

アース「真さん!!」

 

バテテモーダの切り裂き攻撃が、ラテを抱えた真を狙う。

 

アースは咄嗟に真を抱え、攻撃をかわした。

 

アース「お怪我は?」

 

真「あぁ、大丈夫だ。ラテも無事だ」

 

バテテモーダ「そんなお荷物を庇いながら戦うとか、ほんとお前って甘ちゃんっすよね」

 

アース「いいえ、違います。この方はお荷物という名前ではありません。風祭真と言います」

 

バテテモーダ「そういう意味で言ったんじゃねぇよ!?」

 

そこへ、レベル2Dが踏み込む。

 

レベル2D「ふんっ!!」

 

アース「ふっ!! 真さん、危険ですので離れていてください!!」

 

真「すまん!!」

 

アースはレベル2Dの攻撃を受け止める。

 

真に逃げるよう促し、すぐさま反撃に転じた。

 

レベル2Dが強靭な右腕を振るう。

 

アースはそれを右フックで弾き返し、続けて右の張り手を胸部へ叩き込んだ。

 

レベル2D「むぅ!?」

 

レベル2Dが数歩後退する。

 

その間に、真はラテを抱えて離れようとした。

 

だが、その前にバテテモーダが立ちはだかる。

 

バテテモーダ「行かせねぇっすよ?」

 

真「おぉっ!!」

 

真は右拳を放った。

 

だが、バテテモーダはそれを片手で掴む。

 

バテテモーダ「……なんすかそれ? 攻撃してるつもりっすか?」

 

次の瞬間、衝撃波のような力が発生した。

 

真はラテを抱えたまま後方へ吹き飛ばされる。

 

ラテは真が抱えていたため無事だった。

 

しかし、真は背中を強く打ち、すぐには起き上がれない。

 

バテテモーダ「しぶといっすね、アンタ。……おっ!? そうだ。いいこと思いついた!!」

 

バテテモーダは、懐から残っていたメガパーツを取り出す。

 

それを真の体へ押し当てた。

 

真「ぐっ……うあぁっ!?」

 

メガパーツが、真の体内へ取り込まれていく。

 

真は苦しみ、床の上でもがいた。

 

アース「メガパーツを人間に埋め込むとは……!」

 

レベル2D「おい!! そいつは私が殺す!! 余計なことはしないでもらおう!!」

 

バテテモーダ「なぁ~に、殺しやしませんよ。ちょっとした実験っすから」

 

真の体から、黒い靄が噴き出す。

 

靄は宙でうねり、次第に人の形を取り始めた。

 

やがて、成形が完了する。

 

その姿を見て、アースとバテテモーダを除く一同は目を離せなくなった。

 

真「こいつは……!?」

 

グレース「あれって……仮面ライダーシン!?」

 

黒い靄から現れたのは、仮面ライダーシン――いや、改造兵士レベル3と瓜二つの姿だった。

 

だが、色が違う。

 

シンが緑の体を持つのに対し、目の前のレベル3は黒い体を持っていた。

 

グレース「黒い……シン……」

 

バテテモーダ「成功成功!! 大成功!!」

 

バテテモーダは満足そうに笑い、黒いシンへ声をかける。

 

バテテモーダ「んじゃま、先輩に挨拶しろ。お前、名前は?」

 

黒いシン「……ヤンデモータ」

 

バテテモーダ「ヤンデモータか。良し、ヤンデモータ!! あの紫のプリキュアを片付けるぞ!!」

 

ヤンデモータはバテテモーダの命令に従い、同時にアースへ襲いかかった。

 

幹部クラスの怪人が二体。

 

その同時攻撃は、アースであっても簡単には捌き切れない。

 

アースは防戦に回るしかなかった。

 

その隙を突き、レベル2Dが真へ迫る。

 

レベル2D「むん!! ふんっ!!」

 

真「うっ!? ふっ!!」

 

レベル2Dは右腕を横八の字に振るい、連続攻撃を仕掛ける。

 

真の身体能力は、もう普通の人間と大きく変わらない。

 

それでも、かつての戦闘経験で何とか避ける。

 

真「はぁ!!」

 

反撃として蹴りを入れた。

 

だが、硬い体のレベル2Dには効かない。

 

むしろ、真の足に衝撃が返ってきた。

 

真「うぅっ!?」

 

レベル2D「あの時とは立場が逆になったな、真」

 

レベル2Dは真の胸倉を掴む。

 

レベル2D「今はどんな気分だね? かつて虫けらのように殺した者に組み伏せられる気分は?」

 

真を力任せに放り投げる。

 

真は背中を強打し、咳き込んだ。

 

ダメージのせいで、すぐには起き上がれない。

 

そこへレベル2Dが迫る。

 

その前へ、小さな影が飛び出した。

 

ラテだった。

 

ラテ「アン!! アンアン!!」

 

ラテは明らかな敵意を向け、真を守るように吠える。

 

アース「ラテ!?」

 

レベル2D「五月蠅い子犬だ!!」

 

真「ラテ!!」

 

ラテを叩き潰そうと、レベル2Dが腕を振り上げる。

 

真は咄嗟にラテを抱え込み、庇った。

 

アース「危ない!!」

 

バテテモーダとヤンデモータを振り切り、アースが駆ける。

 

レベル2Dの腕が振り下ろされる直前、アースは真の背中へ覆いかぶさった。

 

真とラテは守られた。

 

しかし、その代わりにアースが背中へ攻撃を受ける。

 

真「アース!?」

 

ラテ「アン!?」

 

レベル2D「邪魔をするな!!」

 

レベル2Dはアースを掴み、真から引き剥がす。

 

アース「うぅっ!? あぁっ!?」

 

アースは床を滑るように転がった。

 

背中のダメージが大きく、すぐには起き上がれない。

 

レベル2Dは、再び真へ向き直る。

 

レベル2D「これで……終わりだ」

 

グレース「真さん!?」

 

フォンテーヌ「真さん!!」

 

スパークル「真さん!?」

 

アース「真……さん……」

 

グレース達は三神官と戦っている最中だった。

 

今から駆けつけても、間に合わない。

 

三神官にも隙がない。

 

誰もが、一瞬で悟ってしまった。

 

無理だ、と。

 

その時。

 

彼女がやって来た。

 

廃工場に、エンジン音が響き渡る。

 

一同が音の方へ視線を向ける。

 

そこへ突入してきたのは、一台のオートバイ――ではなく、原動機付き自転車。

 

スクーターだった。

 

スクーターは工場内へ入ると、さらに速度を上げる。

 

一番手前にいた三神官へ突っ込んだ。

 

三神官は空中へ浮かび、これをかわす。

 

スクーターはその下を通り抜け、急停止した。

 

乗っていた少女がヘルメットを外す。

 

坂上あゆみだった。

 

グレース「あゆみちゃん!?」

 

あゆみはグレース達を見るより先に、真へ叫んだ。

 

あゆみ「真さん!! これを使って!!」

 

あゆみは一本のガイアメモリを取り出す。

 

指でボタンを押した。

 

――真!!

 

続けて、ロストドライバーへメモリを差し込む。

 

それは、左翔太郎や鳴海荘吉が使っていたものと同じ型のドライバーだった。

 

あゆみ「えいっ!!」

 

あゆみはロストドライバーを真へ投げた。

 

ドライバーは空中で光を帯び、真の腹部へ自動装着される。

 

同時に、レベル2Dが腕を振り下ろした。

 

レベル2D「終わりだ!!」

 

だが、その一撃は真を殺せなかった。

 

真は左腕で、レベル2Dの攻撃を受け止めていた。

 

いや。

 

よく見ると、それは真の人間の腕ではない。

 

緑の異形。

 

もう一つのシンの腕だった。

 

レベル2D「うっ!? 何!?」

 

真の体に、仮面ライダーシンの力が重なっていく。

 

かつて浄化され失われたはずの改造兵士レベル3の力。

 

だが、それは肉体の中に戻ったのではない。

 

真ボトルに宿った力。

 

ガイアメモリによって再構成された記憶。

 

ロストドライバーによって形を得た、もう一つの仮面ライダーシン。

 

真自身の体を再び怪人に変えるのではなく、真の意志に応じてまとわれる外なる力として、シンが蘇ったのだ。

 

あゆみ「上手くいった……」

 

スパークル「えぇっ!? 嘘ぉ~!?」

 

フォンテーヌ「あの姿は……」

 

グレース「仮面ライダー……シン!!」

 

真はゆっくりと顔を上げる。

 

その瞳には、かつての恐怖ではなく、守るための覚悟が宿っていた。

 

 

 




~最終回~

新訳版『変身!! 仮面ライダーガイア!!』へ続く
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