被造物に、意義はいらない
造られたモノに自我は必要ない
それらはただ、創造物を愛してさえいればいい
それだけの事だよ、■■■
遥か未来、戦争によってすべてが消えた、荒れ果てた世界
過去の事象は灰と化し、ロストテクノロジーへと近づいていく先の技術
その世界は鉄の臭いであふれていた
己が身を第一とし戦うことをあきらめた人類
その中で、日銭の為に戦う者
賢く、厚かましく、下劣で、それでも理念を持ち続けて戦う傭兵
彼らの世界は、3つの世界に分かれていた
貧民層が押し込まれた命のない大地
富裕層に与えられたまだ生きやすい海上
王族とそれに連なるものだけが足を踏み入れることが出来る天空
この3つ、人種の差異を明確にし愚かにもまだ生き続けることを選んだ人類のはびこる世界
未だにヒエラルキーの頂点にいると錯覚している獣たちの世
かつてあった世界を滅ぼした彼らの時代は、一種の氷河期へと到達していた
無駄に偉ぶって、頭のいい振りして
それでも、昔と変わらない
血脈など、誰でも同じだろうに、そこに差別が生まれていいなどと誰が考えた
狂人だ、確かにそれは、人の業だ
その世界にはとある技術があった
人を死なずに近づける、それでも不完全な延命技術
けして人道的でない、それでも頼ることになった背徳の業
彼らには光が詰め込まれていた、本来命を救うはずだった粒子の光
微かな傷ならすぐさま塞ぎ、体の半分が吹き飛ばされても蘇る、悪魔の御業
その光は時に武器になり、盾にもなる
ある種の兵器として調整されたモノ、かつて人だった、人の心に囚われる人外
人は彼らを、強化人間と呼んだ
例えどのような下らぬモノでも、必ず贋作が出回ることになる
これも、その一種だ、強化人間を超えるなど、しようがなかったのさ
■■■、お前も、その仲間だ
これはとある人物の、その紛い物の命の存在意義を巡る物語
この世界に神などいない
この世界に、慈悲などいらない
戦い続ける、先の事など必要はない
それしか、俺には許されない
奴らが指し示した道は、それしかなかったのだから
報復だ、それが、俺に許された在り方だ
だけど、それでも、生まれる意義はあったのでしょう?
なら、人よ、他と変わらぬ、命なの
見下すものを持って初めて人は人足り得る
それが、世の常だ、けして変わらぬ、人の在り方だ
俺は、違う、どうあっても人ではない
こんな体に、こんな入れ物に
命など、収まるものか
その造り手の祈りが、因果を超えるなら