書きたいことを書くだけの短編集   作:如月風牙

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入学編 五話 風紀委員会、加入

「さぁ、ここが風紀委員会本部だ」

「「……」」

 

 深雪は生徒会の仕事のせいでしぶしぶ達也と離れ颯と達也の二人は摩利に連れられて風紀委員会本部に足を踏み入れた……いや、足を踏み入れることすらはばかられるほど中は散らかっていた。

 

「「掃除しましょうか」」

「あ、ああ」

 

 二人の圧に押されて掃除を始めることになったのだが、颯と達也の担当している場所は徐々にきれいになっているのだが、摩利の場所は何の魔法か逆に汚くなっている。

 

「……どうも、こういうのは苦手でな」

「とりあえず、先輩は大人しくしていてください」

 

 颯は摩利に苦笑いしながらそう言って再び掃除に戻る。

 

「このCAD初期限定モデルじゃないか……! なんでこんなに乱雑に……今でも単価数万はするのに……」

 

 数分もしないうちに風紀委員会本部は生まれ変わった。乱雑に置かれていたCADや書類は種類ごとにまとめて机や収納にしまわれ、ほこり一つない部屋になった。どうやら達也と颯は片づけ上手のようだ。摩利が下手すぎるだけなのかもしれないが。

 

「よし、これでいいか。先輩、書類はちゃんと種類ごとに分けてありますから付箋をちゃんと見てしまってくださいね」

「……お前、初対面の時の態度はどこに行ったんだ」

「ある程度先輩の性格がわかってきましたからね」

「それでこの態度か……」

「ええ」

 

 そのあとは颯たちが入れられたのは二科生のイメージ払しょくであることや教職員推薦枠に森崎がいること。生徒会選任枠に達也が、部活連選任枠に颯が入ることになったのだという。

 

「それって大丈夫なんですかね? いろいろ反感受けません?」

「まぁいいだろう。こちらとしても人出は欲しいところではあったしな」

「……そうですか」

 

 そんなこんなで話をしていると、威勢のいい挨拶と共に二人の生徒が風紀委員会本部に入室してきた。

 

「ハヨース!」

「おはようございます!!」

「おっ、姐さん。いらしてたんですかい?」

 

 そんな大昔、とは言わずともそれなりに大昔の呼び方に颯と達也は思わず顔を見合わせてしまった。

 

「本日の巡回、終了いたしました。確保者、ゼロであります!」

 

 そのあとに姐さんといったガタイのいい生徒(双方ガタイはいいのだが)を丸めたノートをたたきつけられた生徒がこちらに気づいたようで。

 

「ところでそいつらは? ……へぇ、紋無しですかい」

「辰巳先輩! このその呼び名だと禁止用語に抵触可能性があります! ここは二科生というべきかと!」

「ふっ、そんな了見だといつか足元掬われるぞ? すでに服部がこの二人に掬われたがな」

 

 その摩利の言葉に驚いた顔をする二人。

 

「あの服部が、ですか? 入学以来負け知らずの服部が負けるとは……しかも二人に」

 

 そしていつもの一科生のように嘘だなんだと言ってくると思った二人だったのだが、

 

「そいつは逸材ですね」

「こいつぁ心強い」

 

 その言葉に拍子抜けする二人。目を見開いて珍しいものを見るような颯たちを見て笑みを深めた摩利が、

 

「ここの奴らはくだらない価値観でものを図るような奴じゃないぞ?」

 

 と、なんとも格好の良いことを言ってくれるものだ。と二人は感心したのだった。

 

 そうして三年生の辰巳鋼太郎と二年生の沢木碧と知り合うことになった。

 

***

 

 

 魔法科高校といえどもクラブは存在する。クラブがあるということはクラブ勧誘がある。そしてクラブの多くは魔法。CADを用いることが多いため、この時期だけ、CADの携帯が許可される。

 

「一応審査はあるがほとんどフリーパス状態だ」

 

 とは風紀委員長のお言葉であり、さらに

 

「しかも、学校側としても九校戦の成績を上げてほしいからか新入生勧誘での多少のルール破りは黙認状態なの」

 

 と。生徒会長も。

 

「つまり、これから一週間の間風紀委員はフル回転で業務を行うってことですか?」

「そういうことだ。即戦力として期待しているぞ?」

 

 その言葉にうなだれる颯と内心あきらめが付いている達也であった。

 

 

 そして風紀委員のみで集まった会議の中で。(先ほどまでは生徒会メンバーと颯、達也、摩利の会話であった)

 

「というわけで、今年もこの騒がしい時期がやってきた。しかし今回は幸いなことに新入生補充が間に合った。立て」

 

 そういって立ち上がるのは三人。言わずもがな颯と達也。そしてもう一人が、森崎。

 

「一年E組の司波達也と柊颯。一年A組の森崎俊だ。今日からパトロールに加わってもらう。司波は起動中の魔方式を読み取れる。そして柊は術式解体の使い手だ。正直、個人だけでもかなり役に立つ。森崎のデバイスさばきもなかなかのものだ。それは保証する」

 

 委員長の話はそこそこに、各自解散となり、新入生だけが残った。渡されたのは薄型のビデオレコーダーでこれを用いて証拠音声や連絡を取るとのこと。

 

 そして単独で行動する。それは新入生だろうが変わらないようだ。

 

「では、いってこい」

 

 その声を合図に俺たちは警備の巡回を始めた。

 

***

 

「さて、とりあえず広場に……」

「きゃあああ! 颯さん助けてぇぇぇ!!」

「……きゃー」

「……えぇ」

 

 外に出て行動を起こそうとした瞬間に目の前を知り合いが通り過ぎて行った。ほのかは大声で、雫は棒読みで。

 

「早すぎやしませんかねぇ!! こちら柊、明らかに逸脱した勧誘行為を行っているクラブを確認。これより追跡を行います!」

「仕事が早いことだな」

「ありがた迷惑ですよ!」

 

 どうやら雫とほのかは魔法でホバーするボードに連れ去れているようだ。まんま誘拐にしか見えないのでこちらも魔法を行使する。使うのは加重系魔法と加速系魔法。慣性を制御しつつ重力を減少させて軽量化させる。そして足を踏み込み……駆ける!

 

「なっ、なんて速さしてるの!? 本当に人間!?」

「人間ですよ、失礼な」

 

 スピードをさらに上げ、並走するまでに追いつくと抱えられているほのかと雫の位置を確認し、いつでも確保ができるように準備をしようとしたのだが。

 

「きゃ!」

「な! まずいっ!」

 

 颯が恐ろしいスピードで追いついてしまったためか。

 先輩が颯から離れる為に加速をしようとしたところ、慌てていた彼女の魔法式に弊害が出てしまい何かに躓いたかのようにほのかと雫、ボード含めて空へと飛びあがってしまった。

 

 重力魔法を用いてすぐに落ちそうな先輩とほのかに慣性遅延化魔法をしたあと、先輩たちより小柄な雫がかなり高いところにおり、颯は思いきり飛び上がった。雫のいる地点は上空六メートルほど。

 

「ちっ!」

 

 慣性を遅延化させてもなお、かなりの速度で落ちていく、これだと地面に激突してしまう。そして魔法は今ほのか達に回しているため新たに発動ができない、そうなればやることは一つだと考えた颯はさらに足に力を入れ、雫のもとへ走り出す。

 

「ぐっ!」

 

 思わず口からうめき声が出る。間に合わないかもしれないという不安を押し切り、足を止めることなくグングンとスピードを上げ、雫のもとへ飛び込む。高さは一メートル程度、横っ飛びで抱え込みながら雫を抱きかかえる。その際に尻餅をつくように強く打ってしまったが痛みを無視して雫に話しかける。

 

「っぶねぇ……大丈夫ですか雫さん」

「……ありがとう、颯さん」

 

 そのまま颯はなぜか赤くなっている雫を優しく地面に降ろす。そして、ボーっとしている先輩に近づいて確保する。本人も反省しているようで、抵抗はなかった。

 

「こちら柊、違反者確保しました」

 

 風紀委員に報告を終えたのであった。

 

***

 

「あの、颯くん」

「……はい? どうかしましたか?」

 

 渡辺委員長に違反者の受け渡しが終わった後、ほのかと雫の二人が何やら言いたそうな顔でこちらに来た。

 

「その、ありがとうございました!」

「……ありがとう。おかげで助かった」

「いえ、もとはといえばこちらの不注意でもありましたし……」

「……」

「……はい、どういたしまして」

 

 無言の圧力に押された颯は結局押し切られる形であった。そんな二人が話している中、どうやら達也の方でも何やら事件があったようで、確保したとの旨の通話が入ってきた。どうやら達也も厄介ごとに巻き込まれたようだ。

 

「颯さん」

「……どうしましたか?」

 

 そのまま次の事件がないか見回りに行こうとしたのだが、雫が話しかけてきたため、雫の方向を向く。

 

「この辺り、一緒に周らない?」

「え? 雫何いってるの?」

「……まぁ、大丈夫ですよ。被害者の二人がまた襲われないとは限りませんし」

 

 断る理由も見当たらなかったため快諾する。本当にこの二人は一科生で成績もいいので狙われるリスクが高いと考えたのだ。

 

「うん。ありがとう颯さん」

「まぁ、いいですけど……ほのかさんはいいんですか? 二人の邪魔はしたく無いですし」

「い、いえ! 構いませんよ! ただ、雫がこんなこと言うのが珍しくて……」

 

 とのことだが、さして気にしていないような雫と颯。ほのかだけが謎に気になっているようで、何故だか自分を恥じるほのかであった。

 

「周る、といってもどうしましょうか。部活を見て回るぐらいしかすることはないと思いますが……」

「ん、どこでもいいよ。……それよりほのか」

「どうしたの雫?」

 

 その前に、と前置きしてほのかに話しかける雫。

 

「バイアスロン部、気になってるんでしょ?」

「えっ!? なんで分かったの?」

「だって、私も気になってたから」

 

 どうやら二人はバイアスロン部……先程誘拐された部活に入りたいようだ。気にはなっているとは言っているが入る気満々なのだろう。

 

「さっきまで危険にあってた原因の部活に入りたいとは……なかなか物好きと言うか……」

「何か言った?」

「いや、何でもありませんよ。バイアスロン部は確か……こっちだったかな。行きますか?」

「じゃあ、お願いします。颯さん」

 

 その後はバイアスロン部へ行き、少し体験のようなことをした。その際には先輩には謝られたが何ともないという旨の話をしてその日は解散となった。

個人的に好みな作品(安寧の天使制作に付き、二回目)

  • SAO 仮題:其の者、ただの愚者につき。
  • 魔法科 仮題:魔法科高校のニ科生
  • 殺戮の天使 仮題:安寧の天使
  • なし
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