結局、エリカたちには十文字家と協力してブランシュのメンバーを制圧した。ということになった。全員不満げだったが、克人の証言で頷かざるを得なくなった。世間には十文字家の総領である十文字克人が制圧したということになっている。
壬生は入院することになり、五月で退院することになっているようで。一応関係者として颯もついていくことにした。
「あれは……誰ですか?」
「桐原先輩ですよ。あの時一緒に来た方です」
「あぁ、あの見知らぬ足音の方は桐原先輩だったんですね」
深雪、達也と話しながらエリカたちの方へ向かう。どうやらあの壬生と親しげに話しているのが桐原だったようだ。
「桐原先輩、毎日お見舞いに来ていたんだってさ」
「ぞっこんですね。しかしじゃあなんで桐原先輩は壬生先輩と言い争いになったんだ?」
颯の視線の先には看護師や家族に囲まれて笑みを浮かべている二人を見ながらふとそんな疑問が浮かんだ。達也が鎮圧したときには桐原が壬生に危険ともいえる魔法を使用したのだが……
「何でも、『壬生の剣を汚しやがったのはお前かぁぁぁ!!』だってさ」
「ああ、桐原先輩は壬生先輩がおかしくなっていたことはなんとなくわかっていたんですかね。愛ってすごいですねぇ」
思わず笑みを浮かべる颯。彼自身そういう色恋沙汰に覚えがないため、そういうカップルたちを見ているとなんというかほほえましい気持ちになるのだ。
「じゃあ、いこっか」
何を? という前にエリカは壬生たちの方に足を進めていった。その堂々とした態度にはこちらも学ばなければならないかもな。と感じた颯であった。
「壬生先輩」
達也が颯たちを引き連れて壬生たちの輪の中に入っていった。
「司波君! 来てくれたの?」
達也が着た途端満面の笑みで達也を迎える壬生。そしてその横でむっとした顔をする桐原にそれをほほえまし気に見つめる家族や看護師の方々と颯。
「って、なんでお前までそんな微笑ましげに見つめてるんだよ!?」
「いえ。愛って、いいものだなと思いまして」
「なんかお爺さんみたいなこと言うね、颯くん」
珍しくエリカがツッコミを入れる状況に少し驚く達也。本来なら乗っかるはずなのだがな……。
「ご退院、おめでとうございます」
深雪が両手に抱えていた花束を差し出す。
「ありがとう、司波さん」
再び笑みを浮かべる壬生に桐原は少し顔を赤らめる。
「あれぇ? 桐原せんぱ~い? 顔真っ赤ですよ~?」
「うるせぇ! お前は少し黙ってろ!」
相変わらずいじられている桐原から視線を外し、壬生の父親らしき人物に話しかけられている達也の方を見る。あまり聞き取れなかったが、訓練されていた颯の耳はしっかりと【風間少尉】の単語を聞き取った。達也にはどうやら軍人のお友達がいるようだ。
(達也の知り合いが凄い件について……シルバー様関係の知り合いに、軍人の知り合いに……達也の正体って......はぁ)
なんか頭が痛くなってきた颯であった。
***
お見舞いも終わり、解散の流れになった。いつもならば颯は達也たちと帰ることが多いのだが、今日は違った。
「あずさ先輩」
「あ、颯くん。どうしたんですか?」
生徒会の仕事を終えた時期を見越してあずさを呼びに行った颯。あずさの方はといえばなぜ自分が呼ばれたのか疑問に思っているようだ。
「少しお話がありまして」
「......? 分かりました。すぐ行きますね」
いつにもまして真剣な表情をする。あずさもなにかを感じ取ったのか、話を聞く体制をとる。
「七草生徒会長についてなんですが。あずさ先輩から見て、七草生徒会長はどのような人柄だと考えていますか?」
「生徒会長の事ですか? 言い方ですよ。名前はどうにかして欲しいですが......私の憧れです!」
堂々とした顔で言っているあずさを見て、颯はふふっと笑ったあとに、
「そうですか。すみませんいきなり話しかけてしまって。では自分は帰らせてもらいます」
「あ、少し待ってください!」
そのまま礼を言って帰ろうとしていた颯の足が止まる。
「はい? どうかしましたか?」
「えっと......ですね。一緒に、帰りませんか?」
「はい、自分でよければ」
「駄目ですよね......って、いいんですか!?」
何故か断られること前提だったらしく、答えを聞く前に謝っていたあずさを見て本当に気が弱い人なんだなと思う颯。
「えぇ、自分だけ話させておいてあずさ先輩の頼みを聞かないわけにはいきませんから......では、帰りますか。先輩とはCADの事とか聞きたいことたくさんありますから!」
「颯くん......はい! いっぱい話しましょうね!」
そのあと二人は周りが理解できないほどのマシンガントークを話ながら帰路についたのだった。
個人的に好みな作品(安寧の天使制作に付き、二回目)
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SAO 仮題:其の者、ただの愚者につき。
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魔法科 仮題:魔法科高校のニ科生
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殺戮の天使 仮題:安寧の天使
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なし