主に殺戮の天使の設定について悩んでました。近々設定の大幅変更を行いますね。
「達也。俺たちはどうやらお邪魔なようだね。美月さんと幹比古がこんなにも親密な関係だとは思わなかったけども」
「そうだな。だがここは学校だ。あまり迷惑をかけないようにな」
「「違う(違います!)」」
実験棟のとある部屋で、颯と達也は密会を目撃した。もとはといえば何やら感じたらしい達也についていったのだが、その先にははたから見ればあすなろ抱きをしている二人がいた。
吉田幹比古。精霊魔法の使い手であり、吉田家は有名な家だ。本人は吉田と呼ばれるのに強い嫌悪感を示しているため、生徒は幹彦と呼んでいる。かく言う颯も彼とは知り合いで、幹彦と呼び合っている仲である。
「まぁ冗談として……精霊魔法の練習でもしていたのか?」
「まぁね、今やっていたのは水精の喚起魔法だよ」
「へぇ……それにしてもなんで美月さんはここに来ているんです?」
「はい……青系統の光の玉が見えてここまで来ただけですから」
とは言っても達也の目にはプシオンの塊しか見えなかったし、颯はサイオンがあるということぐらいしか察知できなかったが、どうやら美月は違ったようだ。そしてその言葉を聞いた幹比古はというと。
「色の違いが見えた……? それは本当かい美月さん!?」
「きゃ!」
一部始終を見ていた颯たちには幹比古が何かに驚いて詰め寄る風に美月に近づいていたが、まぁそこはご愛敬。少しいじめることにした。
「……達也」
「あぁ、やっぱり俺たちはお邪魔だったようだな。ただし、合意の上でな?」
「なっ! 違う、ちょっと待ってくれ!」
急いで美月から離れる幹比古。二人の顔は真っ赤に染まっているのが薄暗い実験棟でもはっきり視認出来た。
「ごめん……少しびっくりして」
「いえ……大丈夫です」
「それで、びっくりしたっていったい何に?」
こほん、と咳ばらいをして話し出す幹比古。
「まさか精霊の色を見分けられる水晶眼の持ち主がこんなに身近にいたとは思えなくてね……」
「精霊の色を見分けられることが何か重要なのかい? 差し支えなければ教えてくれないか」
「……まぁ、別に機密事項じゃないし、いいけど」
達也と颯、美月は幹比古の話の続きを待っている。時間はまだまだあるのでちょうどいいタイミングでなることは無いだろう。
「精霊には色があるんだ。僕たち精霊を使う術者は色で精霊の種類を見分けているんだ。でも術の系統とか流派によって色が変わる。例えば僕の流派では水精は青に見えるけど欧州は紫に見えたり、場所によって違うわけじゃなくて術者の認識が違っているから、色が違って見えるんだ」
「つまり、視覚的ではなく術を介して精霊を視覚しているってことか?」
「そういうこと。さすが達也」
まぁ訳すれば、場所や流派によって水精にも見える色が全く異なる。これは目で見るのではなく術で精霊の波動を介して色を知覚しているというわけだ。
「……だから本当は色の違いが、まして青系統とかの別の色が見えるはずがないんだ」
「なるほどね。それが水晶眼ってことか。じゃあそんな有用な目を持っている美月さんは、幹比古にとっては欲しい人材なんじゃないか?」
「確かにそうだけど、今の僕にそんな力はないよ。一年前の僕なら強引にでも手に入れようとしただろうけど、今の僕にはそんな欲はないよ。でも、他の流派からすれば欲しい人材に変わりないからね。柴田さんのことは誰にも言わないよ」
そんな強い目で語る幹比古はどこか狂おしい光を有していた。恐らく美月が欲しいことには変わりないだろうが、友人としてそんなことをしたくないという優しさも感じた颯であった。
***
いよいよ八月一日。九校戦に出発する日になった。
「颯さん、色々相談に乗ってくれてありがとう」
そんな中で、バスに乗ろうとした颯の背に、雫が話しかけてきた。
「いや、俺は気持ちの問題だと思ったから少し口出しただけだから、そんなに気にしなくていいよ」
「でもおかげで助かった」
あくまでも自分の功績ではないと言い張る颯に少し強めに言う雫。颯がしたのは、憧れという九校戦の舞台で極度に緊張していた雫に気の抜き方や考え方を少し教えただけだ。
「それにしても、なんでエンジニアと選手の専用バスが違うんだろ。颯さんと一緒に座りたかったのに……」
「まぁ、仕方ないでしょ。優先度はどう考えても選手にあるからね。それにバスの席のこともあるだろうし」
「……むぅ」
なんでこんなに雫が拗ねているのか分からない颯は首をかしげる。この男、達也と同じく鈍感である。
「それより、体調は大丈夫かい? ここ数日わくわくしていたようだし、ちゃんと眠れているか?」
「……そこまで子供じゃない」
「それは失礼。ほのかと違って、って言い方はアレだけども雫さんは九校戦のファンだろう?」
「……名前」
「ん?」
名前、と言ってそのまま黙り込んでしまう雫に違和感を感じたので疑問を感じる颯。
「ほのかは呼び捨てなのになんで私はさん付けしてるの?」
「ん? 達也と風紀委員の仕事しているときに丁度会ってね。その時にそう呼ぶように言われたんだよ」
「私も、名前で呼んで」
「……なんでそんなに怒ってるのか分からないけど。分かったよ」
なんで怒っているのか本気で分からないような表情をする颯。雫はその颯の表情に笑みをこぼして颯に別れの挨拶を言った。
「じゃあ、またね。颯」
「……はい、じゃあまた後で。雫」
雫の見慣れない笑顔に、少しだけ胸が痛くなった颯であった。
***
ほのかは疑問に思っていることがあった。いつもはあまり表情をあらわにしない雫が少しだけ、それこそ長年付き合ってきたほのかにしか分からないほどであったが頬を緩んでいた。
「雫?」
「……どうしたの、ほのか」
やっぱりだ、とほのかは確信する。どうやら彼との進展があったようだ。ほのかはなんとなく雫が颯に惚れているのでは、と睨んでいる。
そのためにわざと颯に呼び捨てさせるように言わせた(達也と話すこともできたし)ことで嫉妬するのかと思ったが、恐らくそれをエサにして呼び捨てで呼ぶようになったのだろうと。
ほのかは親友のことについてはものすごい鋭さを発揮するようだ。
「颯さんと何かあった?」
「……っ!? 何もないよ?」
「もう! 照れちゃってかわいいなぁ」
「……むぅ」
顔が赤く染まっている雫を撫でながらほのかは別のところ……見るのも憚れるほど冷たい雰囲気を出している深雪の方を向く。
「なんでお兄様がお熱い中外に出なくてはならないのですか……!」
「もう! なんで啓と一緒じゃないの!?」
「颯さん……早くCADについて話したいなぁ……」
……今日も第一高校は平和です。
***
「「はくしょん!」」
「大丈夫かい二人とも? 風邪でも引いた?」
「そんなことは無いはずですが……」
一方そのころエンジニア専用バスでは、五十里と話している颯と達也がいて、くしゃみをしたのが後者の二人であった。ここでは女子のように恋話などはせずにCADの調節について話し合っていた。
「達也はシルバー様を実際に見たことはあるのか?」
「……いや、残念ながら見たことは無いな。テスター用のCADを買うときも仲介しているからな」
「そうか……」
明らかにしゅんとする颯。CADのことになればなぜか精神年齢があずさに近しい感じになるのは彼が小さいときにCADの本ばかり読んでいたからだろうか。
「あずさ先輩に伝えとこっと。達也はシルバー様を見たことがないっと……」
「……」
「あはは……」
そんな颯の様子をあきれ顔で見ながら、もしも颯がシルバーの正体が自分だと知ってしまったらどうなるか少し不安になったが、ばれることは無いだろうと一蹴した。
その後は五十里は退席し、達也と颯で会話を続けていた。
ふと達也が真面目な表情をしてとある方向を見た。そこにはレジャー車が不規則な挙動を起こしてあろうことか対向車用の壁を乗り越えてこちら……というよりは選手用バスにぶつかってくる。
明らかに挙動がおかしい。まるで魔法が使われたような挙動だ……と颯は感じ取った。
「颯」
「……そういうことか!」
言いながら颯はCADを向かってくる車……ではなく後ろの選手バスに向け、術式解体を発動させる。
「颯、助かった」
「まぁ、あの状態だと焦って魔法を発動してしまうだろうしな」
暫く経った後、克人の障壁魔法と深雪の消火魔法でレジャー車は何事もなく動きを止めた。颯は混乱の中にあった選手バス内の魔法を打ち消したのだ。
魔法というのは同じ対象に多くの魔法を使えばサイオンの乱れが発生して魔法そのものが発生しない。それを颯の魔法で起動式ごと分解したのだが、それを知るのは達也と深雪、後は本人だけだ。
「とにかく、魔法が使われた可能性がある。現場を見に行くか」
「そうだな」
出発から明らかに狙われたような現象に訝しげに思いながら何か魔法の残骸が残っていないか調べに行くことにした。
個人的に好みな作品(安寧の天使制作に付き、二回目)
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SAO 仮題:其の者、ただの愚者につき。
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魔法科 仮題:魔法科高校のニ科生
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殺戮の天使 仮題:安寧の天使
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なし