書きたいことを書くだけの短編集   作:如月風牙

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ザクレイの口調が難しい…
そもそも話の構成が難しい…


川。

「そういえば、身体洗ってない……」

 

 次の朝、ザックより早く目覚めたレイは自分の装いを確認しながらふとそんなことを呟いた。

 いくら無関心なレイであろうとも自身の今の状況は良いものではなかった。

 

「近くに川があったはず」

 

 確か昨日この家に来る前に川を目にした。目にした、というよりはこの家の真ん前に流れている。季節的にも今は暖かいため、朝から体を清めに行ったとしても構わないだろう。

 

「……ザック」

「……ん」

 

 ゆさゆさ、とレイがザックの肩を揺らす。ザックは少し煩わしげにしながらも目を開く。

 

「あ? どうしたよ」

「そこの川で、身体洗ってくる」

「……はぁ、んなことのためにわざわざ起こしたのかよ」

「だってザック、私がいないと焦るでしょ?」

「んなわけねーだろ。行きたきゃ勝手に行けばいいだろうが」

「……分かった、行ってくる」

 

 ザックのウンザリしたような声音を聞きながら、レイは川に向かうことにした。

 

 

 

***

 

 

 

 言い忘れていたが、この廃屋は山の谷間に位置している村からは多少上の方に存在している。距離にして約三キロ。短いようで長い、そんな距離にこの廃屋が存在している。

 

 ザックとレイはあの誰もいない小部屋で生活をしているが、まだ探索は終わっていない。どことなく懐かしい間取りだ、とレイは感じたのだが生憎ザックはそんなことは無いようだ。

 

「……着いた。やっぱり近くにあったね」

 

 山には川から流れており、今レイがいる川は村にも繋がっているほど長い。近くには大きな街等が無いためか、ここら辺りは空気も澄んでおり時折聞こえる虫や鳥の鳴き声が心地よいと感じる者も多いだろう。

 

「やっぱり、綺麗」

 

 レイもこの空気が気に入ったのか、空を見上げて大きく深呼吸をする。彼女の黒く濁っている碧眼にも、その緑は映し出されており、どこか幻想的な趣きを感じさせる。

 

 そういえば、とレイはスッキリとした頭で思案する。

 

 ここがどこなのか、というのは正直分からない。指名手配はされているだろうが、国中ましてや世界中にザックとレイの顔が知れ渡っているかも分かっていない。

 何せ出来るだけ人のいない場所を探して、食料はザックの鎌で狩りや果物採集を行ったのだから。

 

 場所は分からないが、ここの村は時代遅れというか、未だに電子機器も行き渡っていないのだろう。

 服装を見れば、彼等の殆どが麻で出来ているであろう服を身にまとっていたのだから。

 

「……考えても、仕方ないことなのかも?」

 

 今ここで考察を立てたとしても、正直何も変わらないだろうと判断したレイは、自らの体を清める為に準備を始めるのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 レイが付近の川で体を清めている間、ザックはというと……

 

「ヒャハハハハハハ!!」

 

 レイとはまた別の方角にある森の中で自分の背丈程もある鎌を振り回して狂気の笑みを浮かべていた。

 どこから加取り出したこの鎌、普段は柄と刃を分けて整理している。まぁつまり折りたたみ式の鎌と言う訳だ。技術の発展というのは思いもよらない所で効果を発揮するのだ。

 

「ヒャハハハハ!!」

 

 もはやまともな言語すら喋れなくなっているザックはこうして時折ストレス発散を‘“動物”に向けて行っている。

 ザックからすれば表情の見れない動物というのは人に比べて満足感こそ劣るが、時折あげる悲鳴はザックにとってのスパイスとなってくれている。しかも食料にもなるということで、毎日とは言わずとも、それほどの頻度で行っていた。

 

「ったくどいつもこいつも面倒ったらねぇ! 大人しく殺されとけや!」

 

 そんなザックの叫びは森を包み、しばらくの間、村の人たちは非常に怯えた野生動物たちを見る機会が出たのだった。

 

 

 

***

 

 

 

「あ、ザックおかえり。……その格好、狩りしてきたの?」

「あぁ、見ての通りだ。ったく、ここらは獣どもが多すぎるな」

「……血塗れ、汚い」

「んなこと気にするだけ無駄だ無駄。とっとと飯にしようぜ」

 

 ザックが廃屋に帰ってきた頃には、既にレイが干し肉や果物を準備して待っていた。

 ザックは“一応”外に獣の死体を置いてきてはいたが、返り血を浴びているからか、体は赤く染まっていた。

 

「……だめ、川があるから、そこで洗ってきて。新しい包帯も持って行って」

「あぁ? んな面倒なことなんでしなきゃならねぇんだよ……」

「……行かないから、ご飯抜きね」

「へいへい、行きゃあいいんだろ」

 

 はあ、とため息をつきながらもザックは川に向かうことにしたようだ。非常に素直なことだ。

 

「……解体、しておかないと。ほんとは、直したいけど……」

 

 あいも変わらず表情の消えたレイは、外でほっぽりだされているであろう獣の死体の解体を始めることにした。

 あの時に貰ったナイフは保護された時に無くなってしまったが、今では別のナイフを買ってきている。

 

「……んしょ。……?」

 

 外に出て、獣から必要な肉を切り取っていたレイは、ふと視線を森の奥に向ける。茂みは生い茂っている中、ガサガサとかき分けるような音が聞こえている。

 

「……だれ?」

 

 レイは音の発生地に問いかけるが、返事はない。そして茂みをかき分ける音は次第に近づいてくる。

 

「……」

 

 流石のレイも緊張したような素振りを見せる。じっと睨みつけるように視線を向ける。

 うねり声は聞こえないため、血に飢えた獣ではないかも知れないが、念のために手に持っている解体用ナイフも手にする。

 

「……え」

 

 バサっと、何かが倒れる音。もちろん、音の震源はレイではなく、レイの見つめる茂みの中。そして、音の震源はレイの視界にばっちりと捉えられていた。

 

「子供……? それに、傷だらけ……」

 

 ザックとレイ。2人以外にもここら辺りに人はいたのだろうか?

  勿論、あの村から人が来ることはあるだろう。だが2人は村から数時間かけてここまで歩いてきた。途中ザックの手を借りないと登れないほど険しい道もあった。

 

 それを、こんな男の子が歩いてきたとでもいうのだろうか。

 

 レイは少年の装いを再び見つめる。服は所々穴が空いているほどボロボロでほとんど布切れとしか言えない状況にある。そして、服の中から見える肌は傷だらけであり、切り傷から打撲、ついには何かに刺されたような傷まで見える。

 

「……っぅ」

「……! とにかく、治療しないと」

 

 そこからのレイの行動は早かった。解体作業を止め、少年の体をおんぶの要領で廃屋まで運んでいき、空き部屋のベットに眠らせた。

 

 ーーこの少年との出会いが、天使たちの今後の行く末を変える。

個人的に好みな作品(安寧の天使制作に付き、二回目)

  • SAO 仮題:其の者、ただの愚者につき。
  • 魔法科 仮題:魔法科高校のニ科生
  • 殺戮の天使 仮題:安寧の天使
  • なし
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