恋する錬成師は世界最強   作:見た目は子供、素顔は厨二

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あっはぁああああああああああああ!!!!(セルフ発狂)

ハジカオが! ハジカオが供給されている!

何故こんなにも作者が発狂しているのかだって!?
それはね! 「ありふれた錬成師は治癒師と共に」を摂取したからさ!(ダイレクトマーケティング)
しかもハーメルンなら無料で幾らでも摂取可能なんだ!
「この作品ハジカオって宣いつつ、ハジカオ全然供給しないじゃん」って不満を持ってるそこの貴方にオススメ!
さあ! 豊潤なハジカオが君を待ってるぜ!
尚、このダイレクトマーケティングは無許可でやってるよ!
なのでふうすけ様(その作品の作者)に怒られたら私はどうしようもないよ!
でも後悔はしない!
何故なら私は魚雷だから!(アホ)

ああ、あと今回久々に一万二千字超えです。
やっぱ戦闘回ラストは書くね。
正直途中で切ろうとか思ったけど、ここが綺麗だと思う。

長々とお待たせしました。
それではどうぞ!


15、『始まりの戦い』下

『ピィー…』

 

 ピナは現在、滞空していた。狭く無い土地である【ウル】を俯瞰出来る程の高さ、逆に言えばそれほどかけ離れた場所にピナはいる。状況を俯瞰するにしても遠過ぎる距離。

 

 しかしそれは全て主が命に従っての事。

 

 ピナの種族は直接的な戦闘能力を持たない。魔物にしては直接的な被害は少なく、単体としては脅威にすら値しないとまでされている。

 

 しかし代わりに使い魔、特に闇魔法使いにとってはこれ以上無く優秀とされている。それはピナが持つ固有魔法が起因しての事。

 

 ──“千里眼”

 

 能力はあまりにもシンプル。遠くからでも物が見える、ただそれだけの技能だ。

 

 しかし戦場の状況理解やスパイ、暗躍にはこれ以上無いアドバンテージを誇る。当然ながら魔物故普通の人間には得た情報の共有は不可能だが…一部の天職を持つ物ならば話は異なる。

 

【闇術師】はその一部に類する天職だ。その有用性は闇属性のある魔法により保障されている。

 

 ──闇属性初級魔法“共眼”。

 

 それはある生物の視界を別の生物へと共有する魔法。そして何とも偶然な事に、レイスと同じ魔法を今清水は使用している。

 

 そしてその組み合わせにより、清水幸利はレイスを()()()()()()()。遥か遠くから、獲物を睨み付けている。

 

『ピュィイイイ!!!』

 

 戦場の動向を法螺貝で知らせる様に、ピナはその小さな身の丈とは反した鳴き声を夜空へ響かせた。

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「もう時間がねぇ! 手短に説明すんぞ!」

「…了解」

「つっても単純だ。お前が投擲武器“錬成”して、ここからアイツにぶち当てる。以上だ! さぁ、やんぞ!」

「待て待て待て待て待て待て待て!」

 

 確かに清水は手短に説明すると言ったが…あまりにも簡易的過ぎるし、無茶振りだ。ハジメは全力で静止の声を張り上げた。

 

「無茶にも程があるでしょ! まずあの魔人何処かもここからじゃ見えないし! 見えたとしても筋力も、コントロール性能もないし! 小学生でもそんな無茶な作戦出さないよ!?」

 

 続々と無茶だと言う理由をピックアップしていくハジメ。だがあまりにもその通りである。清水の言う作戦とは現実性の無い、言わば「あんな事いいな出来たらいいな」という無い物ねだりである。

 

 しかし清水はそう抗議するハジメを他所にローブに刻まれる魔法陣を血色に輝かせた。

 

「だったら一つ一つ解決してやる…其の瞳は私の物──“共眼”」

 

 瞬間、ハジメの片目に映る光景が先程までとはまるで違う物となった。遥か上空から何かを、【ウル】を見下ろしている。そんな非現実的な視界だった。

 

 すると森の浅い場所に魔人族の姿を見つけた。密やかに森の間を縫って移動している。追っ手である神殿騎士の目を逃れる為、魔人族は一箇所には止まらない。

 

 そして奇妙な事にハジメとその魔人族の距離がどれだけ離れているか、どう言う方向にいるか、それらが何となくではあるが理解出来た。

 

「ピナとの視界を共有した。これでどうだ?」

「…確かに場所は分かるよ。不思議な感覚だけど…ここからの相対位置も理解できる」

「よし、そんじゃ次だ。お前に“縛解”って魔法を掛ける…単純に言えばリミッター外しだ。闇魔法上級魔法…しかも珍しい事に強化(バフ)系統だ」

「ちょっ!? はぁ!!?」

 

 素直に感心していたハジメであったが、続く清水の言葉には驚愕と()()が湧いて出た。

 

 だがそれも仕方が無いだろう。何せその“縛解”とやらがあれば【ウル】に今にでも辿り着けた筈だ。ついでに言えば『グロル』との戦いもすぐに済ませられたかもしれない。それを今の今まで隠していた訳だ。何故黙っていたのか、と疑うのは当然の帰結であった。

 

 そしてそれを悟ったのか、清水は“縛解”のデメリットを簡易的に説明した。

 

「すまねぇが“縛解”はとんだじゃじゃ馬魔法なんだよ。発動時間は一分。効果は()()()()だ。強化(バフ)魔法なんて名前だけ…しかも使用条件も厳しい。闇魔法における欠陥品(トップオブワースト)だ」

「おおう…」

「しかも魔力暴走だからな。使用後は使い物にならなくなる。まあ、体内魔力が活性化するって事だからステータスは全体的に向上するが…一度っきりの強化だ。ぶっちゃけ“限界突破”よりもよほどピーキーた。ま、そんだけやっても()()()()だけどな」

「それなら行けるかな?」

「俺が言うのも何だが躊躇いねぇな、お前」

「それ以外に僕らがやれる事は無いんだよね?」

「…おう、()()()()()()()()無い」

「ならそれで行こう」

「…つくづく思うが、お前は話が早くて助かるよ」

 

 魔力暴走はかなり重いデメリットだ。過剰な魔力は体に恩恵と共に確かなダメージを与える。強制的な身体制御(リミッター)の解除、発熱、発汗、一時的な色弱、痙攣、平衡感覚の喪失、血管の破壊など…上げれば本当にキリが無い。

 

 また距離を把握し、身体強化が得られたとしてもここから魔人族までの距離は1km程。正直に言って無謀とも言えた。

 

 だがこれ以上時間を掛ける事はできない。何せ魔人族の攻撃は今に『神の使徒』達を殺し兼ねない。今は神殿騎士達が守っているからこそどうにかなっているだけだ。背丈の高い木も今目の前にある木以上の物は見渡す限り存在しない。

 

 故に大一番の勝負。ハジメは地面から投げ槍を“錬成”した。

 

 そして清水がハジメの背に掌を乗せる。そして血色の魔力を激らせると、“縛解”の詠唱を開始する。

 

「人は傀儡。糸を切れ、眼を写せ、意を担え」

「其は憧憬。枷を解き、声を上げ、意に従う」

「故に宣言する! 解放は有りて! 届かぬ蒼穹に願いを馳せよ!」

 

 “縛解”は長文詠唱だ。人の体内魔力に干渉するのだから、当然それ相応の魔力量が必要となる。故に必然的に詠唱の節数も多くなる。

 

 “縛解”の由来は少し、他の魔法とは毛色が異なっている。本来魔法の開発とは王宮魔法師などの様な名のある者達が神話から言葉を引き出す。神話から引用された言葉の数々は力を持ち、魔力を宿すのだ。

 

 しかしこの魔法は【反逆者】に感化された一人の青年が生み出した魔法なのだそうだ。結果その男は聖教教会が裁きを下し、終身刑を迎えた。

 

 その男の知識はとても良いとは言えず、それ故にお粗末な出来となっている。魔力消費の効率化、干渉力の増加、効果制御、全てが低レベル。上級魔法と言うのも単に使用する為に求められる技量が高いから、というだけで分類されている。

 

 それでもなおこの魔法が成立しているのは、かつて凄まじい力を持って神に歯向かった【反逆者】。彼等の力を借りている事に起因する。力を持っていた者の名は、逸話は詠唱者に力を与える。神話も結局の所、エヒトの名を借りて成立しているのだ。実在の人物でも十分に成り立ち得る。

 

 しかしお粗末な出来なのは変わりない。清水だって、この魔法を見つけた時使うなどとは思っていなかった。

 

 だが今は、僅かにだがこの詠唱に共感を覚える。

 

 製作者()は憧れたのだろう。理不尽や他者を顧みず、己が道を突き進んで見せた【反逆者】の事を。だからこそ彼は、己の意志を詠唱に乗せたのだ。

 

 そしてそれは無力ながらも走り続ける【錬成師(アイツ)】その物で──

 

 そんな事を考えていると、少しだけ笑みが溢れた。かつて彼が持ち得なかった『信頼』と『勇気』。それを持って最後の節文を語る。

 

 ──場面は整った。

 

「汝の戒め、今は在らず! ──“縛解”!!」

 

 ──さあ、最終局面(ラストバトル)

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「汝の戒め、今は在らず! ──“縛解”!!」

 

 瞬間、ハジメの身体から蒼色の魔力がこれでもかと言う程噴き出す。

 

 同時にピナと共有していない方の視界が揺れた。色褪せていき、モノクロとなる。“縛解”の副次作用、それが早速現れたのだ。

 

 急上昇するステータス、己の体の中で暴れ回る魔力。それを体内に留めつつも、ハジメは一つの確信を覚えた。

 

 ──未だ、足りない

 

 確かに“縛解”の力は凄まじい。この距離からでももしかすれば届かせる事が出来るかもしれないと思うほどには、今ハジメは全能感を覚えていた。痛みや気持ち悪さはあるものの、その程度は我慢出来た。

 

 しかし、飛ばす事は出来ても魔人族にはまず当たらないだろう。槍が着弾する頃には、その速度は容易に視認可能になるまで、落ちている筈だ。

 

 故にハジメの選択肢はただ一つ。その膨大さのあまり溢れ出る体内魔力、それを循環させ始めた。

 

「────ッッッ!!」

 

 循環は強化であると共に、毒だ。日頃ハジメが行う魔力循環は量が少ない故に単純な強化として成り立っている。しかし魔力暴走により丈を増やした魔力は更なるダメージをハジメへと与えていた。

 

 全身に走る痛み。されどまだ、まだ足りない。幾度と無く循環を繰り返す。槍を肩より上に掲げ、投げる準備をしつつも鋼の精神で循環を行う。

 

 やがて体内魔力によるダメージは外傷にも現れる。ベリベリと脆い表皮が剥がれ始めたのだ。頬や首元、四肢の皮が血を噴き、露出していく。

 

(まだ──まだっ!)

 

 体内魔力はそれに従い外部へと顕著に現れる。ハジメを覆う様に溢れ出した体内魔力。蒼く静かに、されど荒々しく。魔力は天へと遡る様に放出された。

 

 視界がチカチカと火花を散らした。歯を食い縛り続けたあまり、バキリとひび割れた。情報処理に限界が及んだのか、目から、鼻から、耳から血が流れる。

 

 だが──

 

(まだっ────足りないっっ!!)

 

 足りない。大切な者を守る為には。この手から零さぬ為には。意地を貫き通すには。

 

 初めて出来た友達だ。失いたく無い物だ。例え一度裏切り掛けたとて、ハジメには関係無い。

 

 ただ単純に、明日も共に居たいと願うから──

 

「まだ、だぁああああああああああああ!!!!!!!」

 

 蒼く蒼く、眩くも輝く。そしてやがてそれは()()()()()()()()()()()

 

 そして戦場に立つ尽くは『それ』を見た。

 

 時間にして刹那。一瞬にも満たぬ、秒針の合間。

 

 本来ならば有り得る筈の無い現象。魔力暴走に陥り、それでも尚先へ進もうとしたが故に与えられた奇跡。

 

 それはまるで満天の蒼穹の様で。

 

 南雲ハジメを中心として()()()()の力場が円球を描いてみせた。

 

 

 

 

 

「何だ、あれは?」

「…綺麗」

「まだ、夜だよな?」

 

 バリケードの中で喧騒に包まれていた民衆が見た。

 

 

 

 

 

「まさか、そんな事が…?」

「南雲殿…ですよね?」

 

 森を突き進む神殿騎士達が見た。

 

 

 

 

 

「何だ…何が来ると言うのだ!?」

 

 予想を遥かに超えた事象を魔人族が見た。

 

 

 

 

 

『ピピ…』

 

 遥か上空の白翼の観察者が見た。

 

 

 

 

 

「…嗚呼、なんて素晴らしい…」

 

 その更に上空、月の麓にて黄金の少女が目を輝かせる。

 

 

 

 

 

「…南雲君?」

 

 生徒を守りつつ【豊穣の女神】はその蒼い光に誰かを見た。

 

 

 

 

 

「…おっそいのよ、あの馬鹿」

 

 流血に寝そべる【投擲師】は悪態を付いた。

 

 

 

 

 

「──やっちまえ、南雲」

 

 そして万感の感情と一途な信頼を込めて、親友の背中を押した。

 

 

 

 

 

 だから、もう恐れる事は何も無かった。

 

 自然魔力の力場が南雲ハジメというただの一点に収束する。それにより活性化された体で、跳躍した。

 

 その節に脚が嫌な感触を伝えた。だが無視する。

 

 皮が千切れるほどに握りしめる槍。極限まで後ろに引いた。

 

 蒼は更に集う。槍を握りしめる拳へと。圧倒的な力を伝える。

 

 魔人族は呆けている。否、ハジメの気迫に押され、何が来るのか慄いている。

 

 その刹那の隙を、南雲ハジメは見逃さなかった。

 

「ぁあああああああああああああああああああ!!!!」

 

 獣の咆哮を上げ、身を捻り振りかぶる。そしてハジメはその槍を振り抜いた。

 

 槍は魔力の残滓を残し、突き進む。それはまるで流星の様で、蒼い尾を描きながら夜空を駆けた。

 

 そして槍は一直線に飛び、魔人族へと迫った。魔人族が回避を試みようとした頃には、槍は眼前まで迫っていた。

 

「くっ────!?」

 

 眼を開き、脚を折り曲げ跳びのこうとするが──遅い。

 

 槍は魔人族の()()を掠め、その()()を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──だが、譲れないのは互いに同じであった。

 

「貫け! 水の弾丸──ッッ!!」

 

 魔人族、レイスは最後の足掻きを開始した。

 

 ピナとの“共眼”によりそれを理解するハジメ。だが魔力暴走に重ねて自然魔力まで取り込んだハジメの肉体は、既に限界を迎えていた。

 

「…くそっ」

 

 跳躍の勢いも失せ、ハジメは森の奥底へと失墜した。

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 レイス(自身)には魔人族としての矜持がある。覚悟がある。

 

 だからこそ想定外の一撃により死の瀬戸際に追いやられようと、レイスはバリケードの中へと“水弾”を放とうとした。

 

 レイスは己の死を確信している。ここは【ウル(人族の領域)】、己の仲間は誰もいない、正しく四面楚歌。だからこそ清水を魔人族へと引き込む選択肢は捨てた。

 

 だがこの口が動く限り、殺す事に支障は無い。せめてもと【豊穣の女神】を撃ち抜く弾丸を創り出した。

 

「──“水弾”!!!」

 

 そして口が詠唱を紡ぎ終える。残された片腕に装填される“水弾”の数々。それが一斉に放たれた。

 

(──殺った)

 

 そんな確信がレイスの頭を過ぎった。

 

 

 

 

 

「ああ、そうだ。レイス。俺と南雲はお前に負けた。完敗だ。俺達じゃお前を止められなかった」

 

 森の中腹、ピナと視界を共有する清水は呟く。その視界には今にも魔法を【ウル】へと放とうとするレイスの姿が映っていた。

 

 それはハジメの一撃でも尚、レイスを止め切れなかった事実の示唆。そして字面だけ見れば清水の独白は諦観を受け入れたとしか思えない、小さな呟き。

 

「ところでだ、レイス。俺は執念深いタイプだ。だからこそやられたからにはやり返す主義でな…」

 

 清水は遥か遠くのレイスに語り掛ける。一時は仲間であり、イフを考えたならば戦友となれたかもしれない相手。そんなレイスに清水は僅かな親しみを込めていた。

 

 だが道は違えた。

 

 清水にはもっと大切な馬鹿達がいた。

 

 清水自身を見つめる仲間がいた。

 

 だから清水は──()()()()()()()()()()()()()()()()言ってのけた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そして清水はレイスと()()()()()を見下ろした。

 

 

 

 

 

「────は?」

 

 レイスは思わず目を開いた。計算外、予想外…そんな事は幾らでもあった。

 

 清水幸利の裏切り、南雲ハジメという乱入者、【豊穣の女神】の囮、『キメラ』の弱点の早期発覚、『グロル』の全滅。極め付けにはつい先程の槍。幾度と無い異常事態(イレギュラー)に少なくないダメージを受けつつも、レイスは己が務めを全うした。

 

 しかし、それでもだ。

 

「──ようやく、見つけましたよ。魔人」

「手間を取らせおって…『使徒』を、愛子を傷つけた罪! 償って貰うぞ!」

 

 掃射された“水弾”の数々が一つも残る事無く切断された。神殿騎士のデビットとチェイスだ。その荘厳な鎧は赤く染まっている。ただしそれは全て道中に斬り伏せて来た魔物の返り血であると悟ったのはすぐの事だ。

 

 レイスは彼らを見て思う。何故これほど早く、自分を探し出せたのかと。

 

 レイスの潜伏は徹底していた。“水弾”は常にカーブを描き、発射箇所を誤魔化し続けていた。それに掃射を終える度、レイスはその場から離れていた。

 

 偶然かもしれないが、それにしては奇襲が完璧であった。レイスの“水弾”は容易に全て捌き切れるものではない。だと言うのに神殿騎士達は一つも残らず斬り伏せて見せた。

 

(ならば何故────ッッ!?)

 

 思考を巡らせ、やがて気づく。己へと投擲された槍、その真意に。

 

 

 

 

 

 

「正直に言って、お前を倒す事は出来ない。お前は一流だ。ボロボロの俺達がお前に接近戦を挑んだとしても先ず無謀だ。だからそれは先ず諦めた」

 

 木々の間を抜けながら、清水は痛みから意識を逸らすためか呟き続ける。もしくは作戦が上手くいったが故の興奮から来るものか。そんな事はどちらでも良かった。

 

「なら次は遠距離から狙う方法だ。一撃程度なら喰らわせるかも知れないって一瞬考えたが…()()()()。そもそも当たるかも怪しい。届いた所でダメージを与えられるだけの攻撃力もないだろう。何ならお前は確実に急所は外してくる。ぶっちゃけ攻撃としては意義が薄いだろうと考えたよ」

 

 レイスは強者だ。魔人族は通常の人族の数倍のステータスを優に誇る。それ故に個体としては最強の種族なのだ。だからこそ倒す、という前提をある程度初期から清水は諦めていた。

 

「だから考え方を変えた。攻撃手段じゃなく、()()()()()()()()()()()()()事にした。他でも無い、お前のやり方だよ。レイス」

 

 時に攻撃は何よりも意識を奪う囮になる。それはつい先の『グロル』との戦いにより身を持って実感している。例え攻撃その物が当たらずとも、だ。

 

「お前は狡猾だ。目に付く違和感、それら全てに何らかの対策を講じる。そうじゃなくとも警戒を行う。だからこそ油断を突かれない限り、お前は隙を見せないんだろうな」

 

 数多く存在しただろう異常事態(イレギュラー)。それでもなお任務が継続できる状態に出来たのは他ならぬレイスの手腕だ。予めの対策、もしくは新たに策を練る。厄介だ。しかしそれも()()()()()()()()()()()()()()

 

「だがお前にとって俺達は意識外の存在だ。何故ならとっくの前に戦いの場から突き放した存在だからだ。だからこそお前は俺達に気を張る必要が無い。そして──唯一、俺達だけがお前の油断を突けるんだよ」

 

 必要だったのは会心の一撃では無い。レイスにとっての意識外の一撃。当たらずとも良い。必要だったのは『考慮していない戦力がレイス(自分)を狙っている』と言う事実。

 

「南雲に作戦全部を伝えなかったのは時間が惜しいのもあるが…一番は『魔人を倒す』って言う気迫が欲しかった。その方が…お前もビビるだろ?」

 

 あからさまに意識を釣ろうとする一撃では意味が無い。その一撃こそが真意であるとレイスに思い込ませ、本気で対処させねばならない。

 

 だからこそハジメには「一撃をぶち当てる」事をオーダーしたのだが、見事ハジメは清水の想定を飛び越えてくれた。レイスの意識を完全に奪い取る一撃を、ものの見事に繰り出した。

 

「そんでもって神殿騎士達は優秀だ。潜伏に徹しているお前なら兎も角、()()()()()()お前なら見つけられるだろう。だからこうさせて貰った」

 

 その結果が清水の右目の視界に広がっている。

 

「あー、本当に…()()()()()()()だったよ。まあ、成功して何よりだが」

 

 一か八か、というのは決してハジメの攻撃が当たるか否かでは無かった。ハジメはそう捉えたのだろうが、清水はそんな風に言ったつもりは無い。

 

()()()()()()()()()()()()、そして()殿()()()()()()()()()()()()()()()。そう言った意味の一か八かの大勝負だった。

 

「悪いな、レイス。大人に頼るのは子供の特権なんだ」

 

 やがて騎士達の剣が眩しいまでに光を発する。それは神殿騎士達の信仰を如実に示す必殺技。『神』の名を冠する光属性魔法の奥義──

 

『『────“神威(かむい)”!!』』

 

「だからどうか…数の暴力の前に沈んでくれ、レイス」

 

 当然、レイスにその声は聞こえる筈もない。ただ清水の呟きに応える様に、レイスは光の一撃に吹き飛ばされ…戦いは終結した。

 

 それは、夜明けから残すところ十五分前の事であった。

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「あー。あいつ何処に落ちた? …くそっ、痛ってぇな」

 

 清水は脇腹を押さえながらも歩いた。深い怪我、多量の魔力消費、頭を回し続けた事。それら全てによる気怠さを良く感じながらも清水は歩く。

 

 というのも戦いには勝った。だがその際にハジメは大分高くまで跳躍していた。そしてかつ足の骨を折っていた。

 

 そんな状況で着地が無事に出来る筈もない。だからこそ一刻も早く見つけなければと茂る森の中、歩を進めた。

 

「死ぬなよ南雲…俺を生かしてくれやがったんだ。責任は取って貰うぞ」

 

 清水の表情には憎まれ口とは裏腹に、焦燥が良く見て取れた。せっかく気づいたのだ。己に取って大切な者を。失いたく無いも思う者を。

 

「聞こえるか、南雲! 元気があんなら返事しろ!」

 

 本来ならば魔物に見つかる可能性を講じ、荒げないであろう声。しかし今はそんな事に気を張っている余裕が無かった。何度も繰り返し呼び掛ける。

 

 歩く足の幅が損なわれるスタミナとは反比例して大きくなって行く。それが今の清水の心境を良く示していた。

 

 そして段々と地平線の境界から光が差し込み始める。それが時間の経過を実感させる。

 

「南雲────!!!」

 

 堪え切れず清水は今日一番の声を張り上げた。遠くまで、地平線の彼方にまで届けと。

 

 

 

 

 

 

 

「──こんにちは、ハーちゃんのお友達さん」

 

 それは、不意に現れた。

 

()()()()が月の光を乱反射する中、月の化身は|レッドカーペットを歩むかの様に堂々と清水の元へと歩む。その出立ちからは妖しさと清廉さ、相反する二つを感じざるを得なかった。

 

 木々の合間から差し込む月光を一身に浴びる彼女は、まるで夜を司る女神の様。彼女が目に入った途端、清水は思わず顔を赤らめてしまう程だ。

 

 だがもう一点目を張る場所がある。それは彼女の隣で浮かぶ一人の男子。ねじ曲がっていた筈の脚や腕の痕跡も無い。ただ疲労があるのかすぅすぅと寝息を立てていた。

 

「南雲っ!」

 

 無事だったか、と涙ながらに近づこうとしたその時だ。

 

()()()()()()()()()

「──────ぁ」

 

 ──気が付いた頃には跪いていた。

 

 ついの先程まで寝ぼけていた身体が覚醒する。滝の様な発汗、音に聞こえる様な血の引き。…一瞬にして体に恐怖を刻まれた。

 

「まずは褒めておきましょうか。先程の魔法に策、実に見事です。攻撃に見せかけた陽動。自分達の力量を把握して居なければやり遂げる事は出来なかったでしょう。素晴らしい、花丸を挙げます」

 

 にこやかな笑みを携え、賞賛する美少女。本来ならば赤面なり何なりする所なのだろうが、今の清水にはそんな余裕が無い。

 

 ひたすらに恐ろしかった。目の前にいる少女が。

 

 体が、脳が、魂が、臆病に震えていた。レイス相手には燃やせた勇気。だが今は心の奥底で燻ってしまった。

 

 絶対的に隔絶した実力差。それが両者間には存在する。工夫次第でどうこうなる相手では無い。恐らくは彼女にとって清水は羽虫とそう変わらない。潰そうと思えばいつでも潰せる存在だ。

 

 恐らくは彼女がつい先の戦いに一度介入したならば、一瞬の合間に終わっていただろう。

 

 ならば何故今の今まで介入して来なかったのか。その理由を推測しようとしたが、思考は彼女の言葉により遮られた。

 

「ですが貴方が一度仲間を裏切り、私欲のままに争いを起こそうとした事実は変わらない」

 

 不意に抜け落ちた表情。代わりに絶対零度の瞳が清水に向けられた。だがその奥底に確かな怒りが垣間見えた気がした。

 

()()は他ならぬ人が好きです。何気の無い平穏が好きです。皆が肩を組み合う事が好きです。何よりも人の意志が、大好きです。その為ならばこの身がどれだけ穢れようと構いません」

 

 胸の前に両手を添え、手を握る。人に対する想い。それを胸に、彼女は生きている。それこそが恐らくは彼女の意志。

 

「だからこそ…私は貴方に聞きたい。貴方の嘘偽りの無い意志を」

 

 不意に清水と目があった。その視線に清水は言語化し難い不快感を感じた。

 

 だが清水の思考など考慮もしない。少女は尋ねる。

 

「貴方はもう人族を裏切らないと、そう誓えますか?」

 

 その質問は質問とも言えない程シンプルな物だった。待っている答えはそうだと誓う事だけ。

 

 しかしそれは清水の本心ではない。何かまたあれば人族を裏切るかもしれない。そんな自分本位でどうしようも無い男が自分だ。

 

 そして目の前の彼女には、字面だけで語れど見抜かれる。そんな確信があった。

 

 ならばどう答えれば良いと言うのか。

 

 ──ただそんな意思に反し、口は迷う事無く開いた。

 

「俺は…断言出来ないです。正直に言って裏切る可能性は低く無いと思います。また何か企んで、地位を掴もうとする様な気もする様な…。未来の事だから…此処でそれを誓えって言われても正直無理です」

 

 少女の眉が胡乱げに上がった。どう言う心境なのかは読めない。だがまだ首は繋がっている。どうやら即殺と言うわけでは無い様だ。

 

 だから続けて言葉を紡いだ。

 

「でも…これだけなら言い切れる。俺はもう大切な者を裏切らない。あいつらには…もう心配を掛けない。それだけは必ず守るって…この場で、誓います」

「………」

 

 これが紛れも無い清水の本音。もう、二人を裏切りはしないと言う事だけは誓える。もう『大切』を自ら手放す真似はしないと、己の魂に刻み込む。

 

 それに対して少女は俯いたまま黙っている。表情が見すら見えぬまま、時間ばかりが過ぎて行く。正直恐怖でどうにかなりそうだったが、ありったけの忍耐で耐える。

 

 やがて何分経っただろうか。それとも数秒だったのだろうか。

 

「…フフッ」

「!?」

 

 一声目は吹きこぼれた笑い声だった。上品に指で口を押さえつつ、堪え切れなかったのか笑っている。

 

 場違いな反応に清水は思わず驚く。その一方で何事も無かったように、少女は最初のにこやかな笑顔を見せた。

 

「…失礼。此処に来てから本当に面白い事ばかりだと思いまして。普通殺されかね無い所で()()()()()話します? 本当に貴方達はお馬鹿さんばっかりですよ。ああ、面白くて堪らないです」

 

 貴方達、というのは恐らくそこでプカプカと浮かんでいる南雲(アホ)を含めての話だろう。何となくそれだけは分かった。一緒にされるのは不本意だが納得は出来た。清水は頷く。

 

「申し訳ありません。貴方は思っていたよりも真面目な方なんですね。悪びれてるだけで、ちゃーんと良い子です。ハーちゃんが気に入るのも分かります」

「は? え? っていうかハーちゃんって?」

 

 急なベタ褒めに照れが隠せない清水。あと遅れながらも、『ハーちゃん』という呼称が耳に引っかかった。ついつい尋ねてしまう。

 

 だが少女は当然の如くスルー。そして()()()()()()()()と、その中から一冊の本を取り出す。

 

「貴方は正直者ですね。褒美に治癒魔法とハーちゃん、あとこの特秘魔導書…全部あげちゃいます」

「泉の女神様か何かですか? 有り難いですけど。というか異世界人が何でイソップ物語知ってるんですか?」

「乙女に秘密は付き物ですよ?」

「アッハイ」

 

 すると清水の体が黄金の魔力光に覆われる。一瞬慌てたがそれが癒しを齎すものだとすぐに分かった。清水の脇腹や手に出来た傷が違和感が無いレベルまで回復を果たした。

 

 そうして五体満足に返った清水の元に一冊の本とハジメが()()()()()()()()()()。後どうやら『ハーちゃん』はハジメの事で良いらしい。清水は内心「ふーん、ほーん」となった。

 

 何だか「コイツ、このまま此処に置いて帰っていいんじゃね?」と清水が思い始めた頃、少女は楽しげに清水へと語り掛ける。

 

「フフッ。散歩はやっぱり良いものです。面白い物がいっぱい見られました。とっても満足しました」

「えーっと、それは何よりで?」

「ええ……むむっ、ですが楽しい時間もこれで終わりですね。()()()()()()

 

 少女が見詰める方向を見ると、太陽の光が清水の瞳を焼いた。あれだけ長かった夜が、終わりを迎えていた。

 

 それに感慨深さやら達成感やらを感じていると、背後から声が掛かった。

 

 後ろを向くのは何故だか憚られた。見ては行けない、と本能でも無い何かが訴えかけた。

 

「ハーちゃんをどうか宜しくお願いしますね? きっとハーちゃんは無茶ばっかりしちゃうでしょうから…良き友として、相棒として隣に居てあげて下さい」

「…最後に一つ聞いて良いですか?」

「若さの秘訣かい?」

「違います。つーか、本当に何でサブカルチャーに詳しいんですか?」

「乙女に秘密は付き物ですよ?」

「それでゴリ押す気か」

 

 凄い人なのか、それとも単なる愉快犯なのか。清水にはよく分からない。もしかしたら両方なのかも知れないが、考える気には特にならなかった。

 

 そんな事よりも、清水には聞きたい事があったから。

 

「何で…そんなに南雲に味方するんですか? アンタは、南雲に何を望んでるんですか?」

「……なる程、確かに貴方にとっては気になる事かも知れませんね」

 

 それはハジメの友を名乗るからには尋ねなければならない事だった。少女はハジメを懇意にしている。だがそれが悪意に利用する為にしている事ならば、清水は死んでも止めねばならない。

 

 少女は一瞬黙り込んだ。陽の光が差す中、僅かな静寂が訪れる。

 

「今は答えられません。それを知るにはまだ早過ぎる。我々の目的を大々的に知られる訳には行きませんから」

 

 やがてその沈黙は破られた。しかしその答えは清水にとって満足のいく物では無い。背後を振り返ろうとして──()()()の少女は笑っていた。

 

「──ですが敢えて言うならば、私が彼のファンだから。それだけですよ。それが嘘偽りの無い私の、精一杯の本音です」

 

 その姿とは裏腹に声は明確に辺り一帯に響いた。耳にしただけでも分かる、様々な感情がその一言には詰められていた。

 

 やがて太陽が地平線から全身を出す。眩しいまでの陽光が、【ウル】の森に新たな朝の訪れを伝えた。

 

 そして彼女は完全にその姿を消失させた。置き土産として、短い言葉だけを残して。

 

「それでは。ハーちゃんにも伝えてください。()()()()()()()()()()()と」

 

 まるで幻想の様に、もうそこに彼女はいなかった。夢でも見ていたのでは無いかと思うが、完治した体や手に持つ魔導書が彼女の存在を実感した。

 

 彼女は何者なのか。それは分からない。だが「またいずれ」と言った。ならばまた己らの前に姿を現すのだろう。そんな確信があった。

 

「…たく、コイツ呑気に寝やがって。次目覚ましたらあの美少女について根掘り葉掘り聞かなきゃな」

 

 地面で寝ているハジメを引っ掴み、背負う。有り難いことに先程の治癒で清水の体は癒えた。精神的な疲労などは未だあるが、1Km背負って歩く分には…まあ、何回かに分けてやれば問題ないだろう。

 

「…ん。清水、くん?」

 

 すると背負った際の振動で起きたのか、背中から声が掛かった。この数ヶ月でよく親しんだ、『大切』の声だ。

 

「何だお前、起きたのか?」

 

 数時間前の自分はもう一度こんな風に話せるとは思っていなかった。そんな当たり前を有り難く感じつつも、一切表面に出すこと無く清水は答えた。

 

「うん、起きたよ」

「そっか。なら降りろ。もうこっちもヘトヘトなんだ。お前だけ休むなんて理不尽あってたまるか」

「あはは。そうだね、そうしよう。よいしょっ、と」

 

 結局背負ったのは一瞬だったな、と思いつつも二人並んで歩く。互いに治癒はされているが、精神的な疲労が酷い。ふらふらとゆっくり歩を進めて行く。

 

「ああそうだ。南雲、帰ったら聞きたいことがあるんだよ。根掘り葉掘り事情聴取するから覚悟しとけ。なお拒否権は無い」

「え? 何? 怖いんだけど」

「俺だって怖い目あったんだから、フェアだな」

「僕が寝てる間に何があったのさ?」

 

 くだらない話ばかりだ。激しい戦いの後とはまるで思えない。高校生(ガキ)の会話。そんな何気ない話を繰り返しつつ歩く。

 

『南雲ー! 清水ー! 何処いんのよー!?』

『ピピッ! ピピィー!』

『白鳩さんがこっちだって言っていますよ! 多分!』

『グッジョブです! 愛ちゃん先生!』

 

 すると己らが進む先から声が複数聞こえて来る。馴染みのある声ばかりだ。そこでようやく強く実感する。生き残ったのだと。

 

 ハジメも清水と同じ思いだったのか、互いに顔を見合わせる。あまりにその息が相過ぎていて、少し気持ち悪かった。そんな所もぴったりで、二人揃って噴き出した。

 

 そんな些細な事でひとしきり笑った後、正面を向く。

 

「さて…帰るか、南雲。俺達の居場所に」

「うん。帰ろう。きっと皆んなが待ってる」

 

 陽光が満ち満ちる森の先へと二人は歩く。

 

 きっと少しした後、森に喧しい声が響くだろう。ご機嫌な鳴き声が幾度と無く聞こえるだろう。何度も何度も五体満足か確認されるだろう。

 

 だがそれらが終わると、きっと皆んなが口を揃えてこう言うだろう。

 

 ──お帰りなさい、と。




というわけで色々やり遂げた感がありつつも未だ序盤も序盤な【ウル】戦終了です。
あと二回【ウル】編書いたら新節に移行します。
ハジカオはもうちょっと待つのじゃ…(汗ダラダラ)

ちなみにハジメの最後の一撃は作者なりの原作解釈による物です。
人によっては解釈違いを起こすかも知れませんが、このプロセスは後の節でめちゃくちゃ説明するつもりですので…。

次回予告…三馬鹿合流するの巻(予定調和)


追記
松竹梅684様
いっちゃん様
評価ありがとうございます!
並びに誤字修正を毎度丁寧にしてくださる方々、感想をいっつもくれる皆様にも感謝を!
そして遂に評価の所のゲージ(?)が埋まりました!
しかも赤く!
正直すげぇってなってます!
本気の本気で感謝を!
次回からは【ウル】編エピローグですが力をさらに込めて、頑張っていきます!

この作品、アナタは何メイン目的で読んでる?

  • ハジカオ!
  • オリジナル展開!
  • 成り上がり要素!
  • 考察要素!
  • 曇らせ!
  • 感想返し!
  • ダイレクトマーケティング!

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