約1ヶ月でしょうか、申し訳ねぇ…。
言い訳とは行きませんが理由の遷移を説明します。
前半:他の小説投稿に手間取った。
中間:英語期末! 学科仮免! 週6バイト! ジェットストリームアタックだ!
後半:ワールドトリガー! 生徒会役員共! クトゥルフリプレイ! ジェットストリームアタックだ!!
…後半何かがおかしい?
んな娯楽に時間費やすなら投稿時間あっただろう?
………クトゥルフにハマり過ぎてストーリー作りそうになってただけです。
クトゥルフやりてぇええぇえええええ!!(クソデカボイス)
フィリピン爆弾投げたり、1クリ逆転したり、日本語読み間違えてぇええええええ!!!(ダメな参考例)
まあ、正気に戻ったので投稿していきます。
あとこの作品は取り敢えず来週から金曜投稿になると思います。
そうして制約作らないと私ダラダラしちゃうんで…。
ほんじゃ! どうぞ!
1、これからの事
再び朝が来る。
果たして自分はどれだけ寝ていたのか。体のダルさから長期間眠っていたのは確実。関節を動かす度、ポキポキと音を鳴らした。
それでも体に痛みや違和感は無い。寝ている間に治ったようだ。恐らくは彼女のお陰であろうと、感謝を捧ぐ。
そして動けるならば──いかねばならない場所がある。
──譲ることの出来ないこの想い、そしてあの日誓った新たな約束の為に。
もう後ろは振り向かない。
少年は再び立ち上がったのだから。
「──なので僕に特訓を付けてください!」
「開幕土下座か、坊主!?」
そして起きて早々、ハジメはメルドに土下座をかましていた。
そう、ハジメはあの日強くなる事を決めた。あらゆる逆境に耐え得る為、力や名誉を手に入れて見せると宣言した。
しかしハジメの天職は非戦闘職たる【錬成師】、おまけにステータスや技能も凡庸以下。あんな決死行を繰り広げたというのに、ステータスプレートに大きな変化は見られなかった。
そして肝心の戦闘方法だが…魔法適性がない以上、接近戦という手段の他無い。一応“錬成”も魔法にカテゴライズこそするが、発生速度が遅く、範囲効果が狭く、攻撃性皆無であるため、戦闘面において活用するのは難しい。
ベヒモス相手で成功したのは単純にベヒモスの行動パターンが単純かつ遅いのが理由だ。あと何割か幸運も作用しているだろう。
兎も角、ハジメの戦闘手段において接近戦以外はあり得ない。そしてその接近戦を教えてくれそうな相手がメルドただ一人だったのだ。一応他にも雫という選択肢もあったが、『使徒』との接触は控えるのが今の最善である。
一方メルドは『使徒』の監督役という側面もあり、現在ハジメも接触だけならば許されている。だからこそこうして対面し、話を出来ている訳だ。…ハジメの面は地面と平行の状態ではあるが。
だからこそ請い願うのは個人的な訓練、その監督である。現在、懲罰自体は執行されていないハジメではあるが、極力の接触は咎められているのが現状だ。すなわちハジメは通常の訓練にすら参加出来ない。
ならば一人で行えるかと言えば、まあ素人であるハジメに出来ようはずがない。そこでメルドである。
とはいえメルドは『使徒』の監督と同時に騎士団長。彼の
かなり無理がある話だが、ハジメが頼れる相手はまず少ない。きっと断られようと第二第三のハジメが土下座しに来るだろう。
ただそんな覚悟は杞憂だとばかりにメルドは頷いて見せた。
「まぁ、分かった。とは言え昼や夜にはやるべき事が多い。出来るとすれば早朝のみだ。そこで良いならば受け入れよう」
「ありがとうございます!」
再び土下座を見舞うハジメに「もう良い、席に座れ」と座るように促すメルド。それに従い席に着くと、今度はメルドが頭を下げた。
一国の騎士団長が己に、冤罪とは言え罪人に、頭を下げているという事実にハジメは思わず狼狽する。
「な、何してるんですか!?」
「まず坊主…いや、ハジメ。すまなかった。あの時、俺はお前を守ってやるなどと言ってやったというのに、結果はこのザマだ。お前は期待以上の戦果を見せたというのにな…本当にすまなかった」
あの時、というのは迷宮での話だろう。確かにあの時、メルドは作戦を実行しようとするハジメの背にそう語りかけたことを思い出す。
メルドは本気でその事を悔やんでいるようだ。見れば膝の上に置かれている拳に凄まじい力が込められているのが見て取れた。それを見て普段は豪放磊落な彼だが、義理人情に厚い人でもあるのだと知った。それこそ王国が罪人とした今もなお真摯に向き合う程に。
そんな彼に少し感動しながらハジメはメルドに頭を上げるように促した。
「大丈夫です。その言葉だけでも嬉しいですから。それで納得出来ないなら…それこそ僕を強くしてください。なかなか難題ですよ。なんて言っても非戦闘職、凡ステータス、固有技能無しの三拍子ですから」
「…ふっ、あい分かった。必ずお前を強くすると約束しよう。だが朝のみというのもある。かなり厳しい内容になるぞ。覚悟はできてるか?」
「ええ、とっくに出来てます」
なお訓練自体は二日後の朝から、と言うことになった。当然ハジメが起き立てというのもあるが、訓練メニューを細かく考える為というのもあるらしい。そもそも王国の騎士団は才能ある者ばかりだ。ハジメレベルの人間に訓練を付けることはまず無い。そのため、メルドも細かくハジメに合ったメニューを考えたいそうだ。
何ともありがたい話だ、と感傷に浸るハジメ。そんな彼の目の前にバンッと紙の束が置かれた。どうやら何かの資料の様だ。
「よし、それではお前の今後の話だ。まずお前に科せられた冤罪、その懲罰自体は半年後に延期だ。その間にお前の行動なりを見て、最終的な判断を下すとこの事だ」
「あれ? 思ったよりも期間ありますね」
「リリアーナ姫や畑山愛子殿が協力してくれたからな。特に畑山愛子殿は【豊穣の女神】として国民に名を馳せている。そんな彼女の言葉を教会が無碍には出来なかった、という所だ」
「なるほど…」
愛子の思考の主軸は生徒だ。空回りする事も多くあるが、その全ての行動には彼女なりの思いやりが存在する。そしてどうやらその性分はこちらに来てもなお変わる事は無いらしい。
はたまた感動していると、メルドが二つの指をハジメに向かって立てた。
「そしてお前を無罪とする方法は主に二つだ。一つはお前が無実だと言う証拠を見つけ出す事。だがこれは現実的に考えて困難だ」
「王国と教会がその証拠を揉み消すから、ですよね」
「ああ、そうだ。その上、下手に証拠を出して向こうを刺激するのも悪手だ。お前が犯人だと言う捏造された証拠を出しかねん。そうなってしまえば宣伝力がある教会や王国の独占場だ。こちらち勝ち目は無くなる」
畑山愛子という名声も王国と教会のタッグの前には明らかに霞んでしまう。延期を行えたのも下手な衝突を避けたかった向こう側の思惑故の物。こちら側に賛同する者が少ない以上、その条件下でハジメが無実を勝ち取るのはまず不可能だろう。
メルドは立てていた指の内一つを折り曲げた。そして残り一つ立てられている指。それが最後の可能性を暗喩する。
「故に主軸となるのはもう一つの手段…裁く事自体を困難な状況を作り出す事だ」
「………うん? 変わらなく無いですか?」
「ふむ…言い方が悪かったか。すまんな。順を追って説明するぞ?」
そうしてメルドはより詳しく説明を行なっていく。
「まず現状、良くも悪くもお前は今多くの人々から注目を集めている。そして同時にお前の『罪』は知っていても『南雲ハジメ』という人間自体を知っているわけでは無い。そう言った民衆はどうしても自分の目で確認したがる。本当に悪人かどうかをな」
「…確かに、そうですね」
地球にいた頃、メディアで醜態が暴かれた芸能人に対し、多少ながらも目線が行っていた事を思い出す。まさか自分が暴かれる側に行くとは当時思いもしなかったが、状況としてはかなり近いだろう。
「だからこそもしお前が公の場で揉み消せない程の『偉業』を成し遂げた場合、それは民衆に素早く伝わる。そして王国や教会は民衆の支持にて成り立っている。その地盤を危うくする様な真似はしないだろう」
「…つまり罪自体は被った上で、教会や王国が僕を赦さざるを得ない状況を作る…ていう事ですか?」
「そうだ。悪いが俺が考えた限りはこれが最善だ。」
迷宮での決死行、あれを王国が揉み消せたのはその場にいたのが王国騎士や『使徒』という御し易い相手だったというのが挙げられる。僅かながらハジメの味方を主張する『使徒』や騎士もいるが、なんせ絶対数が少ない。
だが流石の王国も民衆の目がある場所で『偉業』を為されれば、欺く事が出来ない。百聞は一見にしかずという様に、人は伝聞した物よりも遥かに見た事実を信頼する。
確かにそれが出来るならば、向こう側はハジメに刑罰を下す事が困難となる。そのプランには納得出来る。
ただ問題は数多く存在する。
まずハジメ自体に掛けられている【裏切り者】のレッテル。これが正確にハジメを判断する事を妨害する。現に今のハジメの状況は『使徒』の虚言により作られた物だ。同じ様に色眼鏡で見られ、正当な評価を受けられない可能性が高い。
次に王国や教会が妨害を行う可能性がある、ということだ。ハジメに罰を執行しないという事は即ち、神の意思に背くことに他ならない。確かに公の場でハジメが『偉業』を成し遂げたならば覆す事は出来ないが、その状況に持ち込ませない事ならば不可能では無い。
そして何よりも…ハジメが【無能】という事実、それこそがこのプラン何よりもの問題だ。
ステータス、天職、技能…これらはこの世界における絶対的な序列。これらの優劣がその者の人生を左右する。
ただ一つ劣っていたとしても蹴落とされる様な世界だ。ましてや三つ全てが凡庸以下のハジメではまず『偉業』など成し遂げられる訳がない。
そんな事は賢い者ならばまず分かる。抱く夢の色も褪せて、現実を知る。そして背を向けて、世界における己の役割を果たしていく人生を送るのだ。地球でさえもそうだった。上から下が隔絶している世界ならば尚更だ。
ただ、だ。メルドは確信している。目の前の男はそんな常識的な、賢い人間などでは無いと。あの迷宮での戦い然り、先日に見た少女への宣言然り。
「上等ですよ、やってやろうじゃないですか。周りの奴ら全員、ぎゃふんって言わせてやりますよ」
──
大胆不敵にハジメは言ってのける。そして目には消える事の無い闘志を宿していた。
そして実際にそう応えて見せたハジメに、メルドはニヤリと笑みを浮かべた。
「お前ならばそう言うだろうと思ったぞ、坊主。だが具体的にはどうする? 言っては悪いがお前は戦いの方面では功績は残しづらいだろうが…」
「力を付けたいのは護身的な理由と個人的な拘りですからね。“錬成”か学問の方になりますかね…後者に関してはもしかしたら…っていう『アテ』もあります」
「ふむ…“錬成”ならばお前にピッタリな指導者に心当たりがある。進捗があれば連絡しよう」
「ありがとうございます」
強くなりたいという思いに間違いは無い。しかし最優先はそちらでは無く、罰を免れることだ。それが無ければ強くなろうと意味が無い。その為、力を付けることは最低限にし、半年の大部分を学問等に当てる事が良いだろう。
「しかし、てっきりお前さんはあまり周りの事を気にしないとばかり思っていたが…そうでも無い様だな」
以前までのハジメは究極の事勿れ主義。他人からの評価を気にせず己を貫く人間だ。今もそれはあまり変わらないが、それ故にメルドはハジメの「ぎゃふんと言わす」という宣言に少し違和感を感じていた。
するとハジメはにっこりとした笑顔を浮かべた。…額に青筋を立てた笑みを。
「僕は聖人君主なんかじゃ無いですから、そりゃあ腹も立ちます。知らない罪被せられるわ、散々心無いこと言われるわ、殴られるわ蹴られるわ…。終いには白崎さんも泣かされましたしね。ぜっっったいに教会も! 王国も! あとクラスメイトのみんなも! 全員見返してやりますよ! …まあ、この上なく子供っぽいですけど」
「むしろ普通なら一生恨むレベルだと思うがな…」
「まあ、そもそもの原因は僕が馬鹿にされる様な人間だったって言うのもありますから全面否定は出来ないんですよね。…流石にこのレベルはやり過ぎですけど」
どうやら流石のハジメも堪忍袋の緒が切れたらしい。笑顔から「ぜってぇみんなの目ひん剥いてやる…」という覇気を感じる。ただ今までの理不尽に対し、復讐や裏切りに走らないハジメは途方もなく善人ではあるが。
するとメルドは何か思い出したのか、ハジメにある話をする。それは積もり積もった鬱憤が弾けていたハジメを、再び冷静にするには十分なものだった。
「まあ、お前さんを気に掛けている連中も居たぞ。香織や雫は勿論だが…龍太郎や優花達もしょっちゅうお前を気にしている。他にも『神の使徒』やあの場に居合わせた部下の何人かもお前を心配していた。…まあ、そいつらは立場もあって現状中立と言った所だがな」
メルドの説明から察するに、『使徒』間における現状のハジメを巡る賛否は以下の通りだ。
味方…白崎香織、八重樫雫、坂上龍太郎、園部優花
中立…永山重吾、野村健太郎、遠藤浩介、辻綾子、吉野真央、相川昇、仁村明人、玉井淳史、菅原妙子、宮崎奈々、清水幸利
対立…天之河光輝、谷口鈴、中村恵里、檜山大介、中野信治、斉藤良樹、近藤礼一、その他全ての『使徒』
中立派の意見は様々だが、要は煮え切らない状態と言えよう。完全に味方もしなければ敵対もしない。敢えて言うならば様子見と言った所か。
メルド曰く、中立派殆どの者はハジメに悪意は持っていない。しかし己等が対立組と敵対する事を避けている者達、との事だ。まあ無理もない。ハジメの味方をすると言う事はイコールで、王国・教会に逆らう事となる。
『使徒』と言えど子供。その様な真似は避けたいのが当然と言えよう。ハジメからすれば、己の言葉に責任を持った上で、冤罪を掛けてこないだけ、全然マシだ。
ただハジメからすれば意外だったのは味方派の龍太郎と優花の存在だ。優花は学校でまず接点も無かったし、龍太郎に至っては嫌われていると思っていたためだ。
ちなみに言っておくとハジメは先日の記憶を、香織への宣言以外大体忘れている。体が限界にも関わらず動かした代償とも言えよう。愛子や優花、メルドがあそこにいた事すら記憶の彼方に行っている。
「龍太郎、優花の二人は迷宮の件で何かしら思う所があったらしい。今度会った時は中立性の奴等も含め、何かしら話してみると良いだろう」
兎に角お前には今、味方が必要だならな、と付け足すとメルドは席を立つ。そして掌をハジメに向けて、部屋から出て行ってしまった。
後ろの時計を見ると長針が真上一歩手前だ。一般的な『使徒』における訓練の時間だ。どうやらメルドは時間をギリギリまでハジメに割いてくれたらしい。
それ程、自身に力を注いでくれるメルドに感謝を捧げながら、ハジメもまた席を発っていった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「『無意識的な非干渉領域生成説』、『属性魔法の発動プロセスとその簡略化』、『技能分類絵図』……うーむ、何というか読み進める程に己の才能の無さを自覚するな」
今、ハジメがいるのは【ハイリヒ王国】において1番の蔵書量を誇る王立図書館だ。子供向けの絵本から学者向けの論文まで、様々なものが置かれている。
そして一般人が読むにはあまりにも凄まじい文字量を誇る論文の数々が、ハジメの目の前では山を築いていた。
頭を悩ませながらもそれらの論文を読み進めていくハジメ。というのもここに来てハジメの数少ない技能、“言語理解”が日の目を浴びていた。
“言語理解”は『使徒』専用、具体的に言えば異世界から来た者のみに与えられる特殊技能だ。それ故に技能発見からの日は浅く、『使徒』間での認識は単純な翻訳技能とされている。
しかしその真髄は文字通り言語を理解することにこそある。
流石に単語のルーツや歴史、また個人ごとの思想の違いや異種生物間の言語を理解するのは不可能だ。しかし単語の意味、用途などは『見る』、『読む』、いずれかを通して理解する事ができる。
また多少記憶補正もかかるらしい。これにより『使徒』のメンバーは詠唱文の記憶や騎士達の動きの
そして今、ハジメはこの技能を辞書代わりに論文を読み解いている。なお技能による理解度は本人の知性に比例するが、ハジメレベルならば難なく読み解けた。
余談だがここでの知性とは記憶能力などとは異なり、理論展開能力の事を指す。要は理屈屋な者ほど良い、という話だ。
これこそがメルドに話していたハジメの『アテ』だ。普通ならば必要な単語ごとの記憶という過程を飛ばし、知識を広げられるというのは学問という方面に置いて絶対的なチートだ。単なる時間のショートカットのみならず、齟齬が発生しないという点も凄まじい。
そしてその技能を持つ『使徒』は基本的な勉学のリソースは少ない。世界の常識は勉強するが、それ以外はと言われれば社交場でのマナーや詠唱の暗記・発展を行う『詠唱基礎』や魔法ごとに使い分ける魔法陣を知る『魔法陣基礎学』ぐらいである。とても“言語理解”を有効活用出来ているとは言えない。だからこそハジメは学問を本格的に学んでいるわけだ。
ちなみにハジメが読み解いているのは魔法の発生過程を理論化する『魔法応用学』や魔力の可能性を説く『魔力環境論理学』、多種多様に渡る技能への見聞を深める『技能収集学』…要は魔法や技能などのプロセスを学ぶ、
そもそも『使徒』達が『詠唱基礎』や『魔法陣基礎学』しか学んでいないのは、戦いにおいて余分な知識は必要ないからだ。むしろその発生過程などを考え始めると、ノイズが掛かることが多いのが魔法という代物。
魔法とは突き詰めればイメージだ。確かに正解となる魔法の発生過程は存在するのだろう。そこに行き着く事が出来れば、魔法は更なる発展を得られるだろう。
だが逆に間違えたプロセスで魔法を理解した場合、魔法は良くて弱体化、最悪使用不可能になる。脳内における魔法プロセスと現実に発生する魔法プロセスが齟齬を起こし、結果現実への干渉が弱まってしまう為である。
現にトータス史において名のある魔法師達が真の魔法過程を求め、研究を行った結果廃れていったという事例は少なくない。故に国定魔法師や貴族の魔法私兵等はその研究を禁じられている。それこそが『使徒』にそう言った学問が伝わっていない理由だ。
だがハジメは魔法が使えなくなったとしても“錬成”のみ、更に『使徒』の称号は実質無くなった様なものだ。学んだとしても誰も文句を言う者はいない。
しかし学問で功績を残す以外にも、別の目的がハジメにはある。それは強くなること、それに他ならない。
ハジメは戦略面ではこの世界から見れば最底辺。例え努力をしようと、才能ある者達には追いつけない。そもそも上位にいる者達も努力をしていない訳がないのだ。多少努力が上を行ったからといって、実力が超えることなどあり得ない。
故にそもそものステータスの不利、これを覆す様な手をハジメは探し求めている。とはいえそんな事は今まで模索されてきたのは想像に難くない。それでもなお方法が確立されていないのだ。幅広く、深く学んでいく必要があった。
ただ調べてみた結果、より己の無能さを知らしめられただけだった。より実感した頃には外も暗くなっている。
進捗も無く、やるせない気持ちになりながらも帰路に着く。途中罵声なども浴びせられた事もあったが、それらは全スルーして真っ直線で己の部屋の前へと辿り着いた。
(取り敢えず暫くは魔力の方に焦点を当てた方が良さげかな。属性魔法とかは適性が無いと発動も現実的じゃ無いし、魔力の体内操作の精度を上げる方が力を付けるには効果的な気が──)
そしてハジメは鍵を開ける事なく、ドアのノブを捻った。己担当の侍女は実質職務放棄しているので、部屋の片付けなども自分でしなければならない。己の時間が削られるのを億劫に思うと同時に、地球にいる母の有り難みを感じながらドアを押して部屋に入る。
ここで違和感に思うべきだったのは鍵が元々開いていたことだ。他の『使徒』に比べてハジメの部屋のセキュリティはガバガバだ。だからこそハジメは部屋に侵入されない様、必ず鍵を閉めてから外に出ている。それは今日の朝も例外では無い。
だというのに今このドアは開いていた。つまりそれは別の誰かが部屋に入る、もしくは何かを仕組んだ可能性がある訳だ。
しかし今、疲労からハジメは思考をこれからのプランのみにしか当てられていない。ドアへの違和感をも忘れて、地面に一度体を放り出さんとして──
「ゴブフォオ!!?」
──ものの見事に目の前の埃やら丸められた紙などの山に体を突っ込ませた。
当然目覚めてすぐにメルドの所へ向かったハジメに、そんな山を作る時間は無かった。ならばこの山は一体誰が作ったものか…
そこまで思考を巡らせて、ゴミの山から頭をひっぽ抜くと山のすぐ隣に箒を持った誰かがいた。衣装から城の侍女である事はわかったがどうも見覚えが無い。顔立ちは大人びており、全体的にTHEメイドといった感じを醸し出している。
「申し訳ありません、南雲様。無断での掃除を行った挙句、御身を汚す真似を…言葉で済むとは思っておりませんが謝罪させて頂きたく存じます」
すると彼女は流れる様にハジメへ頭を下げた。普通の侍女と違いやらされた感じが無い。自発的に自然と謝罪している、そう思わされる様な所作だった。
最近見てきたメイドとかは舌打ちとかそもそも謝罪しないとかばかりだったので衝撃を受けるハジメ。それが酷い慣れである事を己は気づいていない。
そんな衝撃を受けたとは言え、気になるのは彼女の正体だ。己の担当を務めている侍女は先日罵詈雑言と汚水をぶっ掛けて来た者達だ。決して目の前の超エリート風なメイドではない。
ハジメの脳裏に浮かぶそんな疑問符の数々を読み取ったのか、侍女は今度は謝罪とは異なる角度のお辞儀を見せた。
「改めまして南雲ハジメ様。此度から貴方様の代理侍女をさせて頂きます。名をヘリーナ、リリアーナ様の【傍付き】にて御座います」
どうぞよろしくお願いします、と軽やかな笑顔を見せるヘリーナ。だというのにハジメの背筋には、何故か悪寒が走るのだった。
『無意識的な非干渉領域生成説』…要は『体内魔力が濃い場所(=人・魔物の体)の中で他人の魔法が
『技能分類絵図』…技能は基本的に魔法適性系、固有魔法系、魔力干渉発展系、増幅系に分かれてるよ!って話。他は全部特殊系だよ!
うーむ、何故私はたかが二次創作程度でこんなに設定を編んでいるのか…?
ただ今の私は魔力とか“錬成”の話をガチですれば、一話ぐらい作れるし、実際書くつもりでもいる。
一応言っとくけど原作設定じゃなくて、自己解釈だからね!
他の二次創作とかに迷惑かけないでね!
あとこっから一部スタートな訳だけどほぼ繋がりと修行の為の部としか言えない。
そのくせ話数が多い。
やることが…やることが多いっ!!
それもこれも全部チート技能ほぼ無しのハジメ君のせいです。
手間が掛かるな、この主人公…。
追記
風音鈴鹿様
鬼龍様
simasima様
アンノウン・オリジー様
あんぎらす様
評価ありがとうございます。
素直に評価は嬉しいです。感謝いたします。
この作品、アナタは何メイン目的で読んでる?
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ハジカオ!
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オリジナル展開!
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成り上がり要素!
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考察要素!
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曇らせ!
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感想返し!
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ダイレクトマーケティング!