SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
かつて、この星に飛来してきた巨大。ソレは、東京のとある都市を中心として甚大なる被害と、そして最悪なプレゼントを地球人類にもたらした。そのプレゼントというのが地球外生命体、ワーム。
彼らは、人間に擬態する事ができ、人間社会に潜り込んだ。時に人間を殺し、利用して仲間を増やそうと画策するワームもいた。
彼らの恐るべき能力は、その完璧なる擬態能力にはとどまらない。彼らには、もう一つ大きな特徴があったのだ。それが、高速移動能力である。
この能力を使用されれば、人間の目では追うことができない。別世界とも言うべき速度で移動できるのだ。
この能力の前では、人間は無力である。そう、誰もが思っていた。
しかし、その能力に対抗できる力があった。それが、マスクドライダーシステム。
これは、そのマスクドライダーシステムに選ばれし男たちの親類二人による戦いの一つに過ぎない。しかし、この出会いが後に運命の出会いに変わる。
「おばあちゃんが言ってた」
のかもしれない。
「世の中のすべての人間は他人と食を尊重すべきだ、って」
「は?」
彼らの前に現れたのは二人の、大人の女性だった。しかし、そのうちの一人が言った言に、男性プレイヤーは意味不明と言わんばかりの表情を浮かべている。
そんなことも無視して、二人は、キッドとエイミーに後から近づき、まず謎の格言を口走った女性が言った。
「初めまして。私は天……じゃないか。≪フラウ≫、よろしく!」
「僕は≪シシーラ≫……よろしく」
「あ、えっと……≪ベーゼラ≫です……」
「あぁ、俺はキッド。よろしく」
「あ、エイミーです! って、こんなことしている場合じゃないような……」
ごもっともである。さすがに二人にこの状況を把握しろと言っても無駄なことなのかもしれないが、それにしても少しは空気を読んでもらいたいところ。
「何?」
「あ、いや。何でもないです……」
シシーラの鋭い目がキットに突き刺さる。まるで自分の心のうちまで読まれてしまったかのようだ。どうも、感性の鋭い女性であるような気がする。
「と、とにかくここじゃなんだからどこかのカフェに行こう。俺、おごるから」
「やった! ありがとうございます!」
と、いう事でキッドたちは突如として現れた二人の女性とともにその場から立ち去ろうとした。
「おい待て! まだ話は終わってないぞ!」
と、行こうと思ったのだがそうは問屋が卸さない。というか、さすがにこれはごまかしきれなかったようだ。
この、微妙な空気感の流れで、なんとか穏便に立ち去れないかと思ったキッド。
けど、やっぱりこの争いには決着をつけなければ、先には進めないのだ。
「貴様ら、さっきから次から次へと一体何の真似だ?」
「そうだそうだ! その女性プレイヤーは、お前たちの仲間でもないんだろ!?」
「そうだけど……でも、この子が嫌がっているじゃないか!」
「嫌がっている女の子を無理やり引き抜こうとするなんて……そんなの、ひどすぎます!」
キッド、エイミーの言葉に、男たちは怒り心頭である様子だ。しかし彼らが怒るのも無理はない。そもそも彼らは追いかけられていた少女、ベーゼラと初対面であるという事は間違いないのだから。どうしてそんな少女を守ろうとするのか、利己的にネットゲームをしてきた彼らには分かるはずがないのだろう。
その証拠に、先ほど自分たちの方からこの圏内での戦闘の無意味さを指摘したはずなのに、今にも剣を抜こうとしているほど。怒りに我を忘れるタイプなのだろうか。
そんな彼らに対して、先ほどこの場所に来た二人組の女性プレイヤーの一人が言う。
「その女の子が嫌がっているのは事実でしょ?」
「き、貴様……」
「人には、人の生きるべき場所がある。それを選ぶのは、その人自信……あなたは、どうなの? ベーゼラ」
「え?」
突然話を振られたベーゼラ。フラウが、その言葉に補足するように言う。
「大事なのは、あなたの意思だってことだよ。あなたがあの人たちと一緒に攻略に行きたいんだっていうなら、私たちは止めない。でも、もしも嫌なら……」
そういいながらフラウ、そしてシシーラの二人はともに剣を抜いた。フラウは、細剣の武器、アイアン・レイピア。そして、シシーラは片手剣のブロンズ・ソードだ。その二人の姿は、どこか武人のようにも思えるくらいにたくましく、そして強さを醸し出していた。
「私たちも、その意思に答える」
ここにきて、男たちに状況が不利になった。人数が増えたこともそうだが、それ以上にもっと問題になるのは、女性プレイヤーが増えたという事。
人数が増えたことによって、先ほどのようにブロックを多用することによってターゲットの少女を追い込むことが難しくなった。
だが、それ以上に厄介なのは、このSAOの仕様。いや、もしかすると、今後のVRMMORPGにおいて主流となるのかもしれない仕様だった。
「くそッ……」
「なんだ、動かなくなったぞ?」
「動かないんじゃななくて、≪触れない≫じゃないかな?」
「へ?」
「クッ……」
そう、フラウが言った瞬間に、二人の表情が苦しいものと変わった。どうやら、彼女の言葉は図星であるようなのだが、しかし一体どういうことなのか。
「あ、そっか! ハラスメント防止コード!」
「え?」
意外にもキッドがその真相にたどり着く。
「俺、現実じゃネット記事書いてるんだけど、その時にSAOについて調べているときに、VRならではの問題について取り上げたことがあったんだ」
「VRならではの、問題?」
「そう」
個人情報の漏洩、脳からの電気信号を一時的に遮断することによる身体への影響。彼は、そのネット記事の会社でありとあらゆる問題に関する記事を徹底的に調べ上げるようにと、若いころから世話になっている編集長の指示で文字通り隅から隅まで調べようとした。
結果は少しはまともな記事をかけたと自負しているのだが、編集長からはとりあえず記事として公開できるだろう、というくらいの評価をもらった。
その時に調べたことの中に、ハラスメントに関する対処に関する者があったのだ。
「VRだと、普通のゲームみたいに誰かが操作するんじゃない、自分自身で動くってことができ、かつ完全にとまではいかないまでも衝撃や感触までも追体験ができる。だから、もしもハラスメント行為……抱き着く、とか、その、胸を触るとか……そんな行為があったときどう対処するのか。その答えが、ハラスメント防止コードなんだ」
ハラスメント防止コードについて要約すると、キッドのいうような行動、いわゆるセクハラに値する行動をとると、された側のプレイヤーのシステムメッセージにハラスメント防止コード、という物が現れる。
そこには二つの表示があり、仮にYESの文字に触れる、触れられない場合は叫べばいい。その瞬間、セクハラをした、あるいは迷惑行為をした相手を、黒鉄宮の中にある監獄エリアに飛ばすことができる。
監獄エリアに飛ばされれば、かなり長期の間その場所から出ることができない。故に、攻略にせいを出しているプレイヤーは、無駄な時間をその場で過ごさなければならなくなるのだ。
「つまり、これ以上二人が乱暴を働くと、ハラスメント防止コードが発動して、監獄エリアに飛ばされる。そんなリスクがあるから、これ以上何もすることができないんだ」
「なるほど……」
と、なると有利なのは女性が四人もいるキッド側という事なのだ。
この状況、非常にまずい、と二人組の男プレイヤーたちは考えていた。少女をパーティーに引き入れたいいという思惑は確かにある。だが、そのために長い間前線から離れて遅れをとるというのはかなり面倒なことになる。
こういったMMORPGにおいては、少しのクエストへの不参加、攻略のサボリがそれ以降の攻略に非常に大きな影響を与えてしまうのだ。自分の、元βテスターであるというアドバンテージなんて、道端に落ちている鏡のように簡単に割れてしまうほどの脆い物。
かといって、ここで引き下がるわけにはいかない、という無駄な男のプライドが影をのぞかせている今、二人が退くことはないのは明白。
果たして、二人の、というよりも元βテスターが下した結論は。
「よし、分かった……」
「え?」
「
「デュ……」
「
彼女たちの意思という物を全く尊重しない、下種な人間の選択に他ならなかった。
決闘、それはこのSAOにおける対人先頭の名称である。
圏内において唯一といっても過言ではない、他のプレイヤーのHPを減らすことができる方法、決闘。
本来は相手との力試しのために使われるソレを、男たち二人は要求するのだ。少女を身柄という、最低な報酬のために。
「お前ら、人の立場を景品にするなんて、最低だと思わないのかよ!」
「ハッ! このゲームを攻略するためなら、なんだってやってやるさ!」
「お前ッ……」
狂っている。攻略という言葉に目がくらんで、正しさという物を忘れてしまっている。
いや、もしかしたら狂わされたという言葉が正しいのかもしれない。デスゲームという異常な環境に置かれてしまって、正常な判断という物が分からなくなってしまったのか何にしても、こんな人間たちに彼女を渡すわけにはいかない。こんな提案、乗る必要がないのだ。
そう考えていたキッドだったが、しかし思わぬところから思わぬ言葉が飛んでくる。
「その提案、乗りました」
「ベーゼラさん!?」
この状況における最重要人物である、ベーゼラ本人だ。
彼女は困惑していた。どうして、自分がこんな状況に陥らなければならなかったのか、何故彼らは自分なんかを欲しがるのか。
彼女は、自分自身のことをなんかと、下手に見ている。しかし、考えてみればこのゲームは日本でのみ販売されたゲーム。故に、外国人でのプレイヤーはかなり少なく、さらにその中にいる女性の綺麗なプレイヤーなんて出会える確率はゼロに等しい。
そんな人間を私利私欲のために仲間に引き入れたいと考えるのはある意味であり得ることであるのだ。
話を戻そう。自分のような人間を巡り、これ以上他人どうしが争う姿なんて、もう見たくはなかった。この状況を早く終わらせたかった。そのためには、自分自身が景品となる決闘に賛成することも辞さなかった。
先ほど、彼女の意思を尊重するという言葉を言ってのけたシシーラ。彼女の覚悟を知った彼女は、頷きながら言う。
「分かった、僕たちもそれでいい」
「シシーラさん……」
こうして、ベーゼラという一人のプレイヤーの、尊厳を守るための戦いが、始まろうとしていた。
プレイヤー№ 80 ???(フラウ【Flowe】)≪原作:???≫
プレイヤー№ 81 ???(シシーラ【sisyra】)≪原作:???≫
プレイヤー№ 82 ???(ベーゼラ【Bezella】)≪原作:???≫
タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。
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ヴァルキリーズfeatボーイ
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プロジェクトSAO
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アルティメットカオス
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無への逃走
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肯定あるいは否定
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フィクションスターズ
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〜いろんな著作物から以降はいらない
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タイトルはそのままでいい