SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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メインシナリオ 第二章 9話

 全ての判断を決闘(デュエル)にゆだねる。という事が決まったのち、二組で以下のルールが定められた。。

 ・決闘(デュエル)は≪初撃決着モード≫にて行われる。

 ・双方二人ずつの代表を選出し二試合行う。先に二勝した方が勝者となる。

 ・もし一勝一敗のイーブンとなった場合は、もう一勝負行うこととする。

 要約するならばこんな感じだ。

 ここで、SAOの決闘(デュエル)についておさらいしておこう。

 SAOにおいて、決闘(デュエル)の種類には三つがある。≪初撃決着モード≫≪半減決着モード(制限時間モードとも呼ばれる)≫そして、≪ノーマルモード(完全決着モードとも呼ばれる)≫。この三つだ。

 初撃決着モードは、その名前の通り初めの一撃を相手にヒットさせた方が勝利となるモード。初撃にのみ判定があり、もし初撃が当たらなかった場合は、半減決着モードと同じルールとなる。

 その半減決着モードは、読んで字のごとく、相手のHPを半分にした方が勝者となるルール、である。

 そして最後にノーマルモード。これは決闘(デュエル)の言葉の文字通りに先に相手のHPを全損した方が勝者となる。

 この三つのうち、明らかにデスゲームにふさわしくないモードがあるのはお分かりであろう。

 ノーマルモードである。このモードでの決着は、すなわち相手の死を意味するものとなる。それ故に、SAOがデスゲームとなったその時からこのモードで決闘(デュエル)を行ったものは存在しない。いや、もしいたとしても公にはしていないだろう。

 なぜなら、自分がノーマルモードで決闘(デュエル)をしたということはすなわち、自分が殺人者であると言いふらしているようなものなのだから。

 また、半減決着モードに関しても、HPが半分になれば強制終了ではなく、極端に言えば、HPが五割のあたりから一分を減らしたときに勝者となるモードである。

 もしもその最後の一撃がクリティカルーダメージが上昇する偶然の一撃ーが出た場合には、そのままHPが全損となり、死亡する可能性がある。

 以上の事から、このゲームが≪正式に≫開始された時から、決闘(デュエル)の方法は九割九分初撃決着モード一択となっているのだ。

 この決闘(デュエル)を提案した当初、アランとスミシーは自分たちの勝利を確信していた。なぜなら、彼らのうちの一人は、元βテスターだったから。もともとSAOがデスゲームではなかった時から、何十時間、何百時間もゲームをプレイした経験を持った人間がいる以上、引き分けにまで持ち込まれることあっても負けることはあり得ない。

 と、二人組は思っていたことだろう。

 しかし、そうではないのだ。なぜならば。

 

「ぐわぁ!?」

「なっ……」

「し、シシーラさん……」

「つ、強い……」

 

 単純に、彼女が強すぎたから。

 まず最初に戦いに出たのは男二人組側は、元βテスタ―ではない方のプレイヤースミシー。そして、ベーゼラ側の代表はシシーラだった。

 どちらも片手剣同士の戦いとなる。同じ種類の武器を使用するもの同士の戦いの場合、スキルや攻撃方法、そして攻撃範囲は似たようなものとなってしまう。

 初撃決着モードは、相手に最初の一撃を与えなければならないシビアなモード。だから、最初は双方ともに敵の隙を見つけるための様子見の時間が多くなるだろう。そう考えていた。

 だが、決着は彼らが想像もつかない程に早くについてしまった。

 シシーラの完全勝利という結果で。

 

「き、汚ねぇぞ! 自分の本当の武器を隠していたなんて!!」

 

 シシーラの攻撃による衝撃で地面に倒れこんだ男は、起き上がりながら彼女に指をさしながら言った。

 そう、シシーラの持っていた武器は細剣。先ほどまで彼女が持っていた片手剣とは違う、やけに刀身が細い武器だった。

 最初からおかしいと思っていたのだ。決闘(デュエル)の受諾をした直後、ルールを決め、六十秒のカウントダウンが始まったとき、彼女は武器を持つ動作もしなかった。それが何だか不気味で、とても不可解だった。

 当然のことながら、決闘(デュエル)というのは武器による攻撃を仕掛ける事によって初めて成立する。故に、武器を持たないというのは十中八九、勝つ気がないという意思表示に他ならない。

 しかし、そうではなかった。彼女は、カウントダウンの数字が残り10カウントを下回った瞬間、メニューウインドウを出現させ、武器を選択。そして、数字がゼロとなったそれと同時に出現したのは、細剣のアイアン・レイピアだった。

 ―片手剣じゃない!―

 そう、男が驚愕した。その隙を彼女が逃すはずもなく、あっさりと一直線に敵を突くソードスキル、リニアーを当てられ勝者が決まってしまったのだ。

 

「別に、僕の武器が片手剣だなんて、言ってないけど」

「てめぇ……」

 

 だが、彼女のいう通りだ。決闘(デュエル)前、彼女は確かに片手剣を男二人組に向けていたのだが、別にそれを使用して攻撃するつもりではなかった。

 彼女たちだって、この圏内において決闘(デュエル)の承諾なしに敵のHP減らすことはできないと知っているのだから。

 では、何故わざわざ偽の武器を見せるような真似をしたのか。男二人組が、決闘(デュエル)を申し出るという事を考慮して近づいたのだ。

 いや、彼女たち自身はそれ以外にも多くの可能性を考えていた。決闘(デュエル)による決着の提案は、その可能性のうちの一つだった。

 そして、もしも決闘(デュエル)を相手が申し出た場合には、シシーラの方が相手になる。という事も最初から決めていて、片手剣を相手に向け、自分が片手剣使いであるという印象を強めたのだ。

 全ては、この本番において最初の一撃を当てるために。

 

「もういいスミシー」

「アラン……」

「心理戦において相手の方が一枚上手だっただけのことだ。だが、次は通用しないぞ」

「……」

 

 確かに、こういった奇襲は最初に一発で弾切れとなる。もしも次に戦った時には、経験豊富な元βテスターの、アランというプレイヤーから細剣に対処する方法を教え込まれることだろう。

 ならば、やるべきことは一つ。次の元βテスターアランとの戦いに勝って二勝として、この不毛な戦いに終止符を打つという事だ。

 

「よし! んじゃ、次は俺の番だな!」

 

 と言いながら前に出たのは、メンバーの中で唯一の男性プレイヤーであるキッドだった。

 キッドは、目の前にいるアランに対して、デュエルの申し込みを、メニューウインドウによって行う。

 

【キッド から1VS1デュエルを申し込まれました。受諾しますか?】

 

メッセージを受諾したアランは、そこに書かれているYES/NOのボタンのうち、当然YESのボタンを、そしてその下にあるいくつかのオプションの中から初撃決着モードを選択。その瞬間メッセージが

 

【キッドとの1VS1デュエルを受託しました】

 

 と変化し、六十秒のカウントダウンが開始となる。

 この六十秒というカウント。かなり長いようにも感じ取れるのだが、しかしだからこそ徐々に減っていく数字に対して程よい緊張感という物が生まれ、バトルを面白くさせる。そう、アランは考えていた。

 ある意味、アランは戦闘狂であるのかもしれない。戦うという事に喜びを感じ、どんな状況になっても、最後には戦うという物を選択する、狂気の人なのかもしれない。

 たいして、キッドはその真逆を行く人間であった。

 

「なぁ、本当に戦うのか?」

「なに?」

「キッドさん?」

 

 キッドは手に持った片手剣の先を一度下に向けながらそう言った。

 

「なんだ? 急におじけづいたのか?」

「そんなんじゃない! ただ……」

 

 キッドは恐れていたのか、それとも迷っていたのか。今の自分の胸の内をさらし始める。

 その間も、徐々に徐々に戦闘開始のカウントダウンは続けられて行っていた。

 

「俺たちがいまするべきことは戦う事じゃない。ゲームを攻略することだ。だから、こんな争い無意味なんじゃないかって、そう思った……」

「なら」

「でも!」

 

 なら、こんな戦いはとっとと終わらせて、ベーゼラをこっちに渡せばいいだろ。無意味な戦いに首を突っ込むな。そんな言葉が返ってきそうだったのを、キッドは止めた。

 

「それでも戦うことが必要だっていうんなら、俺は戦う。戦って、絶対に見つける。この戦いの意味を!」

 

 たとえどれだけ迷ってもいい。戦いの中に答えがあるのならば、たとえそれがどんなに不毛な戦いでもやり通して見せる。そんな彼の決意を、アランは鼻で笑うと言った。

 

「意味なんざどうだっていい。戦いたいから戦う。奪いたいから奪う、それで十分だ」

 

 キッドは、その言葉を聞いたとき、ある人物のことを思い出そうとしていた。遠い過去、どこかであったのかもしれない。でも、よく思い出すことができない霞の中にいるかのような人物。名前も、顔も、その霞の中では意味を無くしてしまう。

 自分自身にとって、とても印象深い人物だったはずなの人、決して忘れないと思ったほどの人物だったはずなのに、それでも思い出せないのは、自分が本当に知らないだけなのか、それとも、記憶に封をかけてしまっているからなのか、分からない。

 

「そうかよ……なら」

 

 ならば、キッドは片手剣を持つ手をゆっくりと、しかし確実に上げながら、決意を込めた目で言った。

 

「俺は戦って答えを見つけ出す!」

 

 たとえ、それが矛盾した行動であったとしても、その矛盾の先に、きっと答えがあるから。

 その瞬間、カウントダウンは終了し、二人の目の前のウインドウに≪DUEL‼≫の文字が浮かんだその刹那。

 

「しゃぁ! うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 キッドは、一度気合を入れるかのように手に息を吹きかけ、駆けだした。

 この時、エイミーは何か嫌な予感を感じていたそうだ。言葉に出すのも憚れるくらいに小さい違和感。でも、このすぐ後に彼女は思い知るのであった。

 

「うわっ! 折れたぁ!?」

「……え?」

 

 キッドという男の戦い、その真の姿を。




 何があっても、今投稿している小説だけは書き切ってやります。、
 例え、何年かかろうとも。

≪6月13日追記≫
 活動報告にある様に、しばらく自分を見つめ直す為に休載致します。が、絶対に私は戻ってきます。そして、この小説を完結させてみせます。絶対に。

タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。

  • ヴァルキリーズfeatボーイ
  • プロジェクトSAO
  • アルティメットカオス
  • 無への逃走
  • 肯定あるいは否定
  • フィクションスターズ
  • 〜いろんな著作物から以降はいらない
  • タイトルはそのままでいい
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