SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
目的地であった村に帰ってきたきたエイミー一行。
途端に、村の方から走ってきた女性プレイヤーに質問を投げかけられた。
「あの、すみません! サキ、見ていませんか!?」
「へ?」
あまりの勢いに、一瞬言葉に詰まったエイミー達。
と、そこにもう一人の女性プレイヤーが駆け寄ってきて言う。
「ちょっと、シズ! いきなりそんなこと言っても分かるわけないでしょ!」
「あぁ、そうだった!」
と、後から現れた女性プレイヤーからたしなめられたシズ、というポニーテールが特徴的な、元気印という言葉がぴったりなプレイヤー。
とても細いツインテールを頭に取り付けたかのようなプレイヤー共々、どうやら外見的にはどちらも高校生のようだ。
「シズがいきなりごめんなさい。私はアコ」
「あれ? ≪あこちゃー≫じゃなかったっけ?」
「あ、あれを自己紹介で使うのは恥ずかしいのよ……」
おそらく二人は現実世界からの友人である様子。
それに、その言葉遣いから察するにとても仲が良いらしい。
「じゃなくて! 本題だけど……今、私たち友達を探しているの」
「お友達、ですか?」
「そう! サキって言うんだけど! 知らない?」
「サキ……」
聞いたことのないプレイヤーネームだ。といっても、一行が知っているプレイヤーネームもさほど多くないのが現状であるが。
「何か、そのプレイヤーの特徴みたいなのはないのか?」
ハワードが聞いた。確かに、名前は知らないけれど、その姿だけは見ていた可能性もある。
シズとあこちゃーは互いに顔を見合わせると。
「えっと……髪の色は茶色で、長さはショートヘアー。小動物みたいにビクビクしていることが多いかな?」
「あと、凄いオーラが出てる!」
「オーラ?」
この言葉に一行は不思議な表情を浮かべる。オーラって、あのアニメとかで強い人間に描写されるあの気のようなモノの事だろうか。
けど、先ほどあこちゃーはサキについて、小動物系の女の子だと話していた。それは、自分たちの中にある想像とは真逆といってもよい。
「そう! 魔王みたいなオーラ!」
「ま、魔王……」
ますますわからない。小動物系で、魔王で、オーラを放っている人間。
そもそも人間なのだろうか。
というか、根本的に考えると、普通の人間がオーラなんてものを放つという時点でおかしい。どういうことなのか。
「まぁ、麻雀をやらない人にはわからないみたいだけど」
「麻雀?」
「えっと、貴方たち、それ本気で言ってるの?」
もう、ここまでくると少女たちが妄言を言っている可能性すら出てきてしまう。
麻雀とは、中国発祥の博打。四人のプレイヤーがそれぞれに牌を集めて役を作ることによって点を稼いでいき、最後に一番点数を稼いだ者が勝利となるゲームだ。
その性質上、先述してきた要素との矛盾が見え隠れしている。特に、女子高生と麻雀の部分だ。
先ほども言った通りに、麻雀は博打要素の強いゲーム。そんなものを普通の女子高生がするなんて聞いたこと、
「あぁ! 思い出した!」
あったらしい。
と、言うことで意外なことにここで反応したのはキッドであった。
「君たち、奈良県代表の阿知賀女子学院の麻雀部!?」
「ま、麻雀部?」
「そっ、今年の麻雀全国大会団体戦でベスト四に残った学校の一つよ」
「やっぱり! 俺の会社のネット記事で取材したことがあって、いやぁこんな大会があるんだなぁって思ったんだよなぁ」
つまり、彼女たちが女子高生であるということ、それに麻雀をしているという事は少なくとも事実という事なのだろうか。
「それじゃ、オーラっていうのは?」
「確か、強い人同士だと互いのオーラが見えるって、プロの雀士に取材したときに言ってたんだよ」
「じゃぁ、本当の話だったの!?」
「え? 嘘だと思ってたの?」
逆に意外な顔をされてしまった。いや、そりゃそうだろうと言いたくもなる。この世界にそんなオーラなどという非現実的なものだあるわけが。
いや、プリキュアという非現実的な物の最たる例があったか、ともかく、彼が取材をしたというのならば―――。
何故だろう、どこか信憑性がないような気がするのは。
とにかく、である。彼女たちが麻雀部であるとして、その探し人であるサキというプレイヤーもまた、麻雀部員なのだろうか。
「それじゃ、サキって子も阿知賀女子の麻雀部なの?」
「いえ、サキは清澄高校の子。同じ全国大会のベスト四だったり、私たちの古い知り合いがいたりする学校だから、その関係でね」
「へぇ……」
と、彼女たちや麻雀の全国大会のことについて知ったところでようやく本題で会う。
「それで、サキは?」
「えっと、長々と話してもらってごめんなさい……私たち、そういう感じの子には会ってないな」
結局、外見的な特徴を聞いても、自分たちにはそんなプレイヤーと出会った記憶はなかった。
結果的に、また新しく個人情報の一つを脳内にインプットするだけとなった。
「そうですか……」
「その子とはぐれたんですか?」
「そうなんだ……」
シズは、事の経緯を話してくれた。といっても、話はそう難しいことじゃない。ただ、今朝この村に到着した直後、自分たちが少し目を離している間にその姿が消えてしまった。それだけだ。
「どういうこと?」
「えっとね、サキは信じられない程の方向音痴なの。だから、目を離している間にどこか変なところに行くってこともよくあるのよ」
「私たちとサキの出会いも、サキが迷いこんだ道ですれ違ったことからだったからねぇ」
「へ、へぇ……」
少し目を離している間に迷子になるって、幼稚園児じゃないのだから。
しかし心配は心配だ。特にこの世界にはモンスターという凶悪な動植物が闊歩している。もしもサキという少女がそんなモンスターがひしめくフィールドに足を踏み入れてしまったら、そう考えるとその少女のことを知らない自分たちですらも身震いをしてしまう。
「とにかく、その子の事、俺たちも探すよ!」
「そうね。大勢で探した方が見つかるかもしれないし」
「そんな、別に構わないわよ。私たちも友達と一緒に探しているんだし」
「でも……」
一度その存在を知ったのだから、気にならないわけがない。顔を合わせたことはないかもしれないが、それでもこの世界で生きている、自分たちと同じプレイヤーなのだから。
「ん? 君たち、どうしたのかね?」
「え?」
と、村の入口にいたため目立ってしまったのだろう。とても凛々しい顔の男性に声をかけられた。
「あ、すみません。道の途中で……」
「いや、気にしなくてもいい。私は≪ヒースクリフ≫という。よかったら、私にも相談に乗らせてほしい」
「ありがとうございます! 実は……」
と、突如として現れた正体不明の男性プレイヤーに対し経緯を説明したエイミーたち。するとヒースクリフはそのやや長いともいえる顎に手を乗せると、考え出す。そして。
「もしかしたら、その少女。見たかもしれない」
「え!?」
「本当ですか!?」
「あぁ、確か、フィールドで男性プレイヤー二人に追いかけられていたのだが……」
「追いかけられていた?」
何がどうしてそういう状況になったのかと、シズとあこちゃーは疑念が浮かんだ。
だが、キッドたちはその状況に心当たりがあった。
「まさか……アイツらか?」
「いや、でも。昨日の今日ですよ?」
「でも、あり得ないことじゃない……」
そうだ。自分たちは知っている。というか、昨日経験した。男二人に追いかけられる女の子という状況を。
「どういうこと?」
「実は、この子……ベーゼラも昨日男の二人組のプレイヤーに追いかけられたんだ」
「え?」
「そう。その二人は、女の子を自分たちのパーティーに入れようとしていたから……」
「今度は、サキが標的になったってこと!?」
そうなれば、サキが危険だ。ベーゼラの場合は場所が場所であるため命の危険もなかったが、しかしフィールド上となると、HPを削られる可能性、つまり逆上した二人によって、その少女が死ぬ可能性だってある。早く助けに行かなければ。
「それで、サキはどこに向かっていたんですか!? ヒースクリフさん!」
「あぁ、あれは確か……」
運命の悪戯、という物を恨んだ。
「え?」
ヒースクリフがある方向を指刺した。
間違いであってほしい。その前にあった、あのモンスターにたくさん出くわした草原や、また別の場所であってほしいと、心の底から願った。
「この先の、フィールドを二つほど超えた先にある、〈迷いの森〉の中。そこに逃げて行った」
だが、現実は非情だった。エイミーの心に、暗く、深い闇がともった。
あたかも、あの森の中の暗さのように。
プレイヤー№ 84 ???(シズ【Shizu】)≪原作:???≫
プレイヤー№ 85 ???(あこちゃー【Acochaー】)≪原作:???≫
タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。
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ヴァルキリーズfeatボーイ
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プロジェクトSAO
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アルティメットカオス
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無への逃走
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肯定あるいは否定
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フィクションスターズ
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〜いろんな著作物から以降はいらない
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タイトルはそのままでいい