SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
実際のSAOがクリアされてるのにこの小説はまだ一層の、ボス攻略戦にすら届いてねぇ……。
「どうしてあの子を追い詰めるような真似をしたんですか!?」
「……」
警視庁、地下にあるG3ユニットの本部の中。氷川は、照井竜の胸ぐらを掴むと、その場にあったロッカーに彼を押し付けながら問いただした。
「落ち着いてください! 氷川警視!」
と、霧子が氷川のことを止めようとするのだが、しかし彼はソレを振り払い、更に問い詰める。
「元々、彼女に関しては≪不能犯≫ということで決着がついていたはずです。そのために、聖都大学附属病院が手を回していた。ソレを知っていて、なぜ! 彼女のことを追い詰めるような真似をしたんです!」
彼女、というのは当然中野梓のことだ。
不能犯。それは簡単にいえば、実際に思惑を持ってソレをなそうとしたが、しかし結果的に見れば元からそのようなことを不可能な犯罪のことを称する言葉。
本来であれば、今回彼女が行った行為。病院のブレーカーを落とすという行為は完全なる殺人未遂、及びSAOプレイヤーに対する殺人罪に値するものだ。しかし、元々聖都大学附属病院はそのようなことが発生する可能性を考慮にいれていた。
そう、SAOプレイヤーが多数搬送されてきたあの日に、すでに予測されていたことだったのだ。
結果、あの部屋ができたのだ。
偽物の配電盤に偽物のブレーカー。電気に直結しているはずのないブレーカーを設置することによって、それを降ろしたとしても、その人間を罪から逃れさせることがができる。家族や、今回の梓のように友の死の可能性に絶望した人物を守るために。
なおかつ、その部屋を設置した場所は二十四時間出入りが可能な、いわゆる≪アミューズメント施設≫という体で置かれていた部屋の中であったため、不法侵入に問われることもない。つまり、彼女を罪に問うこと、そして逮捕することなんて実質不可能だったのだ。
無論、ソレを決めるのは検察や弁護士といった法の番人だ。しかし、状況的に考えれば不起訴になる可能性が高いのは確か。
それは、照井だってわかっていたことのはずなのだ。それなのに、彼は梓の罪を問いただすような真似をし、彼女を追い詰め、結果的にそのストレスによってゲーム病を発症させてしまった。そんなこと、許されるわけがないのだ。
「確かにお前のいう通りだ」
照井は、氷川の手を胸ぐらから外す。照井も氷川も同じ警視という立場ではある。しかし、刑事歴で見れば、明らかに氷川の方が長いのだが、彼はそのようなことも関係ないかのように言ってのける。
「だが、それは結果論だ。不能犯にしてもな」
「なっ……」
「あの少女のやろうとしたことによって、多くの人間が死ぬ可能性があった。彼女自身の仲間が死ぬ可能性が、いや、彼女は実際に殺そうとしていた。その真実から目を逸らそうとしているのは、お前の方だ」
「っ……」
確かにそうだ。氷川は悔しそうな顔で照井の顔を見続けるしかなかった。今回梓が罪に問われないのは、先に言った通り聖都大学附属病院やカラットがホログラム装置を提供してくれたことによるもの。もし、ソレがなかったとしたら。
たしかに病院などの施設には停電になった時に予備の電源が作動することによって電気の完全なる消失は避けられる。けどもし、自暴自棄になった梓がその予備電源まで破壊していたとしたら。結果は変わっていたのかもしれない。
結果論。確かに彼のいう通りだ。彼女が元々ゲーム病に罹患していたことだって、彼をはじめとして、自分ですらも知らなかったこと。ソレをつかって照井のことを糾弾するのは筋違いだ。自分でも、そう思う。しかし。
「けど、彼女はまだ十七歳の子供ですよ!」
「だからと言って、全ての犯罪が見過ごされていいはずがない」
正論だ。例え、子供であったとしても、許されない罪なんて山ほどある。けど、だからと言って氷川も引き下がるわけにはいかなかった。
「でも……」
「もうやめてください!」
「ッ!」
と言ったのは、霧子、ではなくその場にいるもう一人の人物。小夜であった。
彼女は警察関係者というわけではないのだが、今回の事件に関わった一人ということで特別にこのG3ユニットの本部に足を踏み入れることを許可された人物なのである。
また、医療関係者として、ゲーム病と戦う仮面ライダーというわけではないのだが、何かの助言ができるのではないかと考えてこの場所に来た。
そんな彼女は、今回の戦いにおいて腕を負傷し、その手には包帯が巻かれていた。メスを握るドクターにとっては痛い負傷である。
「今は、言い争っている場合じゃないはずです。二人とも落ち着いてください」
「そうですよ。今は、逃げたバグスターの追跡が最優先なんじゃないですか!?」
確かに、小夜と霧子の言う通りだ。今自分たちがすべきことは喧嘩することじゃない。今もなお、梓の事を苦しめているバグスターを発見し、そして撃破する事。少し頭を冷やせば分かることだと言うのに、自分たちは互いの正義を振りかざしてその冷静さを欠いてしまっていた。
『その通りだ』
「え?」
と、小夜と霧子の言葉を受けて同意したような言葉が、G3ユニット内の大きな画面の一つのむこうから聞こえてきた。
「大岩捜査一課長!」
小夜を除く三人が敬礼をする。そこにいたのは、東京で発生する事件を一手に引き受ける捜査一課長の大岩だったのだ。彼は、SAOプレイヤー移送作戦の責任者に引き続いて、茅場晶彦捜査本部の本部長も兼任していた。いや、ソレ自体は彼の役職からしてみれば当然のことなのだろうが、しかしこの事件の本部長を請け負うということは、日本中の警察官への指示系統をも統括する責任を持つということになるので、より一層重荷を背負う立場となっている。
そんな人間が、深夜も回った時間まで仕事に勤しんでいるは、当然今回の事件が関係してあった。
『今回の事案に当たり、衛生省とも議論を交わした。結果、茅場晶彦の捜査を一時中断。氷川、照井両警視、並びに泊刑事を含めた複数の刑事には、現場から逃走したバグスター、通称アナザーポッピーを追ってもらう』
「分かりました!」
今回の、中野梓の事件は遠因として茅場晶彦が関わっていると言っても過言ではない。故に、この事件も片手間で捜査をするのではなく、本腰を入れて捜査に取り掛からなければならない。そう、大岩は思っていたのだろう。
この度、偶然にもこの事件に関わった警察官は誰しもが仮面ライダーにかかわりのある人物たち。これまた何かの縁のようなものを感じた大岩は、引き続き彼らに捜査を依頼したのだった。
しかし、である。
「でも、一体バグスターはどこに……」
今回現れたドレミファビートのゲームをモチーフにしたバグスター、と言っていいのかは少しずれているかもしれないアナザーポッピーは、その圧倒的なる力を彼女たちに見せつけた後、暗闇に姿を消した。正確には、瞬間移動したと言ったほうがいいのかもしれないが。
ともかく、一度姿を消したバグスターを見つけるのは困難を極めると言ったほうがいい。それに、もし見つけたとしても相手は突然変異をしたバグスターで、とても強い存在であるということは、身に染みてわかっている。
果たして、自分たちでバグスターを見つけ出し、なおかつ根絶することができるのだろうか。
いや、それ以上に、である。
「本来なら、地道な捜査……と行きたいところですけど……」
「あまりにも時間がない……」
それがいちばんの問題だった。本来こういったパターンの時には、靴の裏が数ミリすり減るくらいに歩き回って、情報を地道に集めていくというのが常套手段のはずだ。しかし、こと今回に限ってはゲーム病という病気が関わってくる問題。もしも、放置し続けていれば、そのうち罹患している中野梓の肉体が消失してしまう。
何としても、それだけは回避しなければならない。けど、どうやってバグスターを探せばいいのか。
「そのことなら、俺に心当たりがある」
「え?」
と言ったのは照井である。そう、こう言ったときに頼りになる人間を、彼は知っていたのだ。彼は、携帯電話型のガジェット≪ビートルフォン≫を取り出した。
「まだ起きていればいいがな……」
と言って、彼は電波の通じる上層階へと上っていった。
一方、残された三人は、自分たちが取るべき行動がなんなのかハッキリとしているが故、それぞれに自分の考えを出し合っていく。
と、その時画面の向こう側にいた大岩が聞いた。
『氷川、そういえば泊……進ノ介はどうした?』
大岩は、名字でいうのなら、霧子もまた泊であるということを考慮し、フルネームで彼の名前を呼んだ。
確かに、つい先程バグスターと出会う瞬間まで一緒にいたはずの泊進ノ介がいつの間にやらいなくなってしまっている。果たして、どこに行ったというのだろう。
「えっと、泊さんは……その……」
『?』
と、氷川は困り顔を見せて言った。
まさか、大岩も思ってもみまい。彼が今、呑気に麻雀を打っているなんて。と、考えながらどう伝えればいちばん穏便に済むだろうかと思案していた。
タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。
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ヴァルキリーズfeatボーイ
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プロジェクトSAO
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アルティメットカオス
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無への逃走
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肯定あるいは否定
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フィクションスターズ
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〜いろんな著作物から以降はいらない
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タイトルはそのままでいい