SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
『こちら警視庁。こちら警視庁。バグスター出現の報告あり、急行願う。繰り返す。バグスター出現の報告あり、急行願う』
「バグスターが……」
Gトレーラー内部。氷川誠は通信によって送られてきた情報に、そのキリッとした眉を上げた。
そして、ソレを見た小沢は耳に装着していたヘッドホンを外すという。
「出番よ、すぐ準備をして氷川くん」
「はい!」
そういうと、彼は上着を脱ぐ。上着の下には、体にぴっちりとあわさったような黒いシャツを着ており、その下にある筋肉質な体をより濃く鮮明にさせている印象がある。
氷川は、できる限りの薄着となった後、トレーナー内にある一つの扉を開ける。そこには、彼の仮面ライダーとしての姿、仮面ライダーG3の、いわゆるアーマーと装備一式が置かれているのだ。
しかし、本来の彼の装備はG3ではないはずである。確かに、現在の尾室が作り上げたG3ユニットの基本装備としては、G3のアーマーが適切だ。だが、彼には、そのG3をさらにグレードアップさせたG3ーXの装備があったはず。それはどうしたのだろうか。
そんな読者諸君が感じているであろう疑問に対して、答えるかのように小沢が言った。
「G3ーXは対バグスターウイルスのためのアップグレードのためにメンテナンス中。悪いけれど、今日はG3で出てもらうわ」
「問題ありません。G3も、僕にとっては相棒のようなものです」
と、氷川は表情を変えることなく言った。
そう、現在彼の愛機たるG3ーXは、対バグスターのための改良の途中であるのだ。本来はドクターライダーたる者たちでなければ対処することもできないはずのバグスター、だが、だからと言って手をこまねいている小沢ではなかった、というわけだ。
バグスターという存在を知った彼女は、その詳しいデータを解析し、有効な対抗手段を、海外で教授をしている間にも構築していたのである。しかし、それはあくまで理論値的なものが大きすぎて、果たして実戦で使えるかどうかは怪しいものであることは彼女も重々承知だ。
だがやらなくて後悔するのなら、やって後悔するべきだと、帰国してからの氷川からの提言で、G3-Xの大型アップデートに踏み切ったのだ。
だがそのためのデータがあまりも膨大すぎるため、G3-Xは今もなお、警視庁でそのデータのインストールの最中。故に、いまここには旧式のG3しかないという本末転倒っぷりなのだ。けど、それでも時間稼ぎには十分だった。
「氷川さん、小沢さん! 聖都大学附属病院と連絡が取れました。あと一時間後には到着するそうです!」
「一時間、ですか……分かりました!」
そういうと、氷川はG3のアーマーを装着していく。
そう、G3-Xのアップデートが完了するまで、バグスターを切除することができるのはバグスターウイルス感染症専門のドクターだけだ。だから、今の自分たちの役目は、事件現場に現れたというバグスターを彼らが到着するその時まで足止めしておくということ。もちろん、市民の安全を守りながらの話だ。
おそらく、かなり困難な任務になることは想像するのに難くはない。しかし、それでもやらなければ、彼女と、そして今もなお事件現場で恐怖に打ちひしがれている市民を守るために。
「話は終わったか?」
“彼”と共に。
このGトレーラーの中にいたのは彼らだけではない。風の都、風都からきた刑事、照井竜もまた捜査に加わっていたのだ。
氷川にとっては先日の中野梓を追い詰めた一件から彼に対しての不信感は募るだけであったが、しかし今は一人でも多くの仲間が必要なタイミング、私怨なんてもの不要。一刻も早く、中野梓を助けなければ、それは彼もまた同じ思いだった。
「なら、俺も行かせてもらう……」
照井は、立ち上がるとオートバイクのハンドルのような形状の変身ベルト、アクセルドライバーを腰に巻きつけた。そして―――。
≪アクセル!≫
赤色の、ガイアメモリと呼ばれるUSB型のアイテムを取り出し、そこに付属しているボタンを押した。すると、ガイアメモリ、アクセルメモリから音声が流れ出し、それに呼応するかのように彼もまた言った。
「変……身!」
仮面ライダーにとってのキーワードたる、その言葉を。
そして、彼はアクセルメモリをアクセルドライバーの中央部に装填し、右側のハンドル、パワースロットルを二回、捻る。その都度、バイクのエンジン音を模した音声が鳴り響き。
≪アクセル!≫
再び、ガイアメモリが叫んだ瞬間だった。
真っ赤なアーマーを装着した戦士、仮面ライダーアクセルが出現したのは。
そう、これこそが風都署の刑事、照井竜が変身する仮面ライダーアクセル。照井竜と最も相性の高いアクセルメモリの力を極限にまで凝縮させ、とても高い戦闘能力を有する仮面ライダーである。
彼は、その力を用いて本来の職場がある風都の街を、もう一体、二人の仮面ライダーと共に守ってきたのだ。
「G3アーマー、装着完了しました」
一方で、氷川誠の方もG3の装備に包まれて準備万端、いつでも出撃できる体制が取れる様になった。
自分が戦っていた時には誰かに装着を手伝ってもらわなければならなかったのだが、今では一人でも装着が可能になるなんて、技術の進歩とはすごいものだと感じながら、彼は一度、二度と手を開いたり閉じたりしてそのフィッティングを確認した。
そして、Gトレーラー後方に格納してあった専用のバイク、ガードチェイサーに跨ると、尾室に言った。
「いつでも行けます!」
「ガードチェイサー離脱します!」
すると、≪走行中≫のGトレーラーの後部ハッチが開き、ガードチェイサーがまるでロボットアニメに出てくるかのようなカタパルトから射出され、警察のサイレンを鳴り響かせながら一般道へと躍り出た。
ガードチェイサーに乗った仮面ライダーG3は、そのままの勢いでGトレーラーを追い越すと、すぐに現場へと向かっていく。
一方、取り残されたアクセルの方はどうするのだろうか。
「それで、バイクなしであなたはどうするの?」
小沢から投げかけられた疑問。このままGトレーラーと一緒に現場に向かうつもりなのか、という問いに対し、アクセルは小沢のことを一瞥すると。
「俺に質問するな」
と、決め台詞の一つともなっている言葉を投げ返して、アクセルドライバーを取り外した。
そして、そのままGトレーラーの開いたハッチから飛び出すと、空中で、ありえないような関節の動きをしながらバイクに変形した。
「バイクに変形した!?」
バイクに変形した。大事な事だから二回言おう。
「資料では読んでたけど、実際に見ると凄いわね」
突然のことに驚く尾室をよそに、冷静に、しかしなにか創作意欲が湧いてきているかのように小沢が呟いた。何かよからぬことを考えていなけれいいのだが。
とにかく、これが仮面ライダーアクセルの能力の一つ。専用のバイクを持っていない代わりに、彼自身がバイクフォームという形態に変形してバイクとなることができる能力。
もちろん誰も乗っていなくても照井竜の意志で動くことができるので、無人運転も可能という、安全なのか危険なのかよく分からないような形態。しかし、知らない人間、というか知らない警官が見たらすぐに止められてしまいそうな姿である。
ともかく、バイクフォームに変形したアクセルは、G3と同じくGトレーラーを追い越して行く。
そして、すぐにG3の乗車したガードチェイサーに追いつくと、一瞬の内に抜き去っていく。
「あ、くっ!」
それを見たG3もまた、アクセルに追いつき追い越せと言わんばかりにアクセルをふかし、そのスピードを上げた。
「新しいGシリーズにも、ああいう機能つけようかしら」
「えぇ……」
などと、少々危険な発言をしている小沢がいることなんて知らず。これこそまさに知らぬが仏というものだろうか。
しかし小沢の開発能力があれば、確かになんなくそう言った機構が作れそうな気がするのは恐ろしい。まぁ、問題は中に入っている装着者の命に危険が迫るという事なのだが。
タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。
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ヴァルキリーズfeatボーイ
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プロジェクトSAO
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アルティメットカオス
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無への逃走
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肯定あるいは否定
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フィクションスターズ
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〜いろんな著作物から以降はいらない
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タイトルはそのままでいい