SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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メインシナリオ外伝 第二章 第51話

「なんだ、この赤い車は……」

「誰かが先に来てる?」

 

 聖都大学附属病院から桜ヶ丘高校に向かった飛彩、明日那、そして大門の三人は、小夜たちに遅れること数分、ようやく現場に到着していた。

 そして、これみよがしに校門の前に駐車している赤い車を見て誰かが先行して到着している可能性について考える。

 だが、まさか彼らも思っていなかっただろう。最初に学校に到着したのが、仮面ライダー、戦隊と言った戦士などではないごく普通の一般人であったなんて。

 

「そんなことより」

 

 だが、そのようなこと彼女には構っている暇はない。そう言わんばかりに大門未知子は被っていたヘルメットを外すと言った。

 

「この学校に梓がいるのは確かなの?」

「真咲さんたちからの話を統合すれば、少なくとも敵はいるはず……」

 

 と、スクラッチ社所属の真咲美希の話を思い返した明日那。

 そう、中野梓がこの場所にいると断言したのは、彼女だったのだ。しかし、その理由は一種の勘のようなもので、そもそも本当に彼女がいるのかどうかははっきりしない。梓ではなく、怪人だけ、つまりアナザーポッピーだけがそこにいるという可能性もあるのだ。

 そんな美希も、今スクラッチ社から数名の人物と一緒に向かっている最中であるという。

 

「けど、もしあの子がいなかったら……」

「……」

 

 と、一瞬不安に陥る明日那。そう、中野梓がここにいるということはまだ確定事項じゃない。

 まだ、この場所じゃない他の場所にいる可能性だって考えられるのだ。

 それだけじゃない。自分たちがそうやって検討はずれの場所を探している間に彼女の身体が完全に消滅するという可能性だって十分に考えられる。そうなってしまえば、自分たちは永遠にいないともいるとも、そして生きているとも死んでいるともわからない虚無を、これからも追い続けることになってしまう。

 何者かは知らない。そんな人間の直感を信じて、本当に良かったのだろうか。

 そんな明日那に対し、大門は言う。

 

「ここじゃなかったなら、他の場所を探せばいいだけでしょ?」

「それは、そうだけど……」

「大門未知子のいう通りだ。そして……」

 

 というと、飛彩はゲーマドライバーを取り出して言った。

 

「もしアナザーポッピーがいるのなら、俺が切除する」

「まぁ、その方法もまだ百%ってわけじゃないらしいけど」

 

 大門は背伸びをしてあくびをするように言った。

 

「泊って男の推理、信頼できるの?」

「……」

 

 その言葉に、飛彩はやや下を向いた。確かに、自分も泊刑事から話を聞いた時にはまさかとは思った。しかし、彼が探した状況証拠や、現実問題発生した事象、そして“彼女”のパーソナリティを考えると、確かにあり得ることとなる。

 しかし、それはあくまで推理、憶測に過ぎない。物的証拠もないままにアナザーポッピーと、その方法を用いて戦うこと。それがいかに危険であるのか、考えていない飛彩ではなかった。

 それでも、飛彩は目線を上げて学校の方を見るという。

 

「それでも、俺はドクターだ。ドクターは、いかなる手術も必ず成功させなければならない。できるできないにも関わらず、大門未知子。ソレを一番よく知っているのは、アナタのはずだ」

「……」

 

 背中でそう語って見せた飛彩に、大門はふぅと息を吐くと、その背中を叩いてから歩き出しながらいう。

 

「ほら、とっとと行くよ!」

「あ、ちょっと!」

「……ふっ」

 

 そんな大門に明日那と飛彩も遅らせながら着いていく。本来なら逆のはずなのであるが。

 この時、大門未知子は飛彩というドクターのことを認め始めていた。最初は、かなり嫌味な人間で、重箱のすみを突くような人間だと思っていた。しかし、彼と同じ病院で働く阿須那を含めた数々の病院関係者、また彼自身の手術を見ている内に思ったのだ。

 この男は、自分とよく似ている人間なのだと。

 飛彩もまた同じことを考えていた。最初に彼女が岩沢に行った手術の記録を見せられた時には、その術式に眉を歪めた。彼女が手術に失敗したのだと思った。しかし、岩沢という患者と直接会い、また彼女のそれからの手術を見学するうちに思った。

 この女は、自分とよく似ている人間なのだと。

 決して、失敗しない。絶対に、患者の命を諦めない。患者を、見捨てない。

 それが、互いが互いに与えた印象だった。

 そんな二人が一緒にいるのだ。例え、この先にどのような難病を持った人間が、死にかけの人間がいたとしても大丈夫だろう。そう、考えられるほどに。

 と、その時だった。

 

「!?」

 

 ガラスが割れる音がした。どこか遠くの方で、そして、その後に聞こえてきたのは重いものが地面に落ちた音だった。

 

「今のって!?」

「行くぞ!」

「ッ!」

 

 飛彩たち三人は、その音が聞こえてきた方向、そして、グラウンドの方に向けて足を向けたのだった。

 

「痛ったぁ……」

「一歩間違えれば、俺たちも危なかったな」

 

 と言いながら、時雨は瀬奈の手を取りながら起き上がった。

 だが、見たところ自分たちに大きな傷はないようだ。自分にも、瀬奈にも、そしてもちろんーーー。

 

「うぅぅっぅぅぅ!!」

 

 アナザーポッピーにも。

 音楽準備室でのいざこざがあったのち、二人はアナザーポッピーを音楽室の、外に通じる窓のすぐそばまで追い詰め、二人同時に体当たりを喰らわせたのである。その時の体にかかった衝撃、そして窓ガラスを割った時に耳に聞こえてきた音。そして、外に躍り出た時の浮遊感は今でも覚えている。

 確か、三階からだったか。自分たちが飛び降りたのは。もしもアナザーポッピーをマットがわりに使っていなかったら、間違いなく自分たちも大怪我を負っていたはずだ。

 とにかく、これでアナザーポッピーを梓から引き離すことには成功はした。

 後は―――。

 

「後は、コイツを倒すだけ!」

「行くぞ、瀬奈!」

「うん!」

 

 というと、二人は自分たちの左手首にキラメイジャーに変身するための機械、“キラメイチェンジャー”を付けた。アップデートのために博多南に預けていたそれを、返してもらっていたのだ。

 

≪≪キラメ〜イGO!≫≫

 

 そして、二人は同時にキラメイチェンジャーに映る四つのボタンの内、赤いボタンを押した。瞬間、響き渡った声。

 

≪≪キ・ラ・メ〜イ!≫≫

 

 ソレと同時に鳴り響くハイテンションな声と、カーレースのスタートシグナルのような音が鳴り響く。そして―――。

 

「「キラメイチェンジ!!」」

 

 二人は、同時に左手を突き出して、キラメイチェンジャーの周囲を囲うタイヤを右手で回転させた。

 瞬間、時雨の体には無数の青色の宝石が、そして瀬奈の体には無数の緑色の宝石が、その身を覆うかのように出現し、その周囲を何か、小さな飛行機のようなものと車のようなものが一周、二周と飛び交う。

 その飛び回っていた小さなもの二つが、宝石が離散して現れたスーツの道路の様な造形になっている場所に着地した瞬間、その左胸に宝石となった。

 そして、最後にその顔がそれぞれの色のヘルメットで覆われた瞬間だった。

 

≪≪キラメこうぜ!!≫≫

 

 魔進戦隊キラメイジャー、キラメイブルーとキラメイグリーンが降臨したのだ。

 

「う゛うぅぅぅぅぅ!!」

「なに!」

 

 その瞬間だった、アナザーポッピーが唸ると、その周囲にノイズのようなもの走り、五色の顔を持ったバグスターウイルスが出現した。

 

「コイツ、あの時の……」

「これが、例のバグスターウイルス!?」

 

 キラメイブルーにとっては、昼間に見た時以来、そしてキラメイグリーンにとっては、そもそも初めて見るバグスターウイルスだ。

 自分たち、キラメイジャーが戦っていたヨドン軍の戦闘員であるベチャットとは全く違う造形。しかし、数多く徘徊するという意味では、似たような存在。

 で、あるのだが一番の違いは、やはり。

 

「今の俺たちには、コイツらを斬ることはできない……」

 

 ということだろう。

 

「マッハ、急いで……」

 

 ダメージを与えられないという事はわかっている。しかし、キラメイグリーンはそれでも、キラメイソードを構えると、今ここに向かっているであろう者たちに心の中で願っていた。

 自分たち、ドクターライダーでなくともそのバグスターに対抗できるかもしれない手段。それが、到着するまではとにかく、時間稼ぎだけでもしなければならない。そう、二人が考えていた時だった。

 

「術式レベル2!」

「え?」

「ハァァァ!!」

≪タドルメグル! タドルメグル! タドルクエスト!≫

≪miss!≫

≪miss!≫

 

 仮面ライダーブレイブ、鏡飛彩が、クエストゲーマーレベル2に変身しながら空から現れ、二人の前にいたバグスターウイルスを斬り裂いたのだった。

 

「やはり、ダメージは与えられないか……」

 

 だがやはり、目の前に現れるのはダメージを与えることができなかったという表示のみ。しかし、ここでの加勢は心強い。

 

「飛彩先生!」

「仮面ライダーブレイブだ。キラメイブルー押切時雨と、キラメイグリーンの速見瀬奈だな」

「はい!」

 

 と、三人は速攻で自己紹介を終わらせると、それぞれに武器を構えながらバグスターウイルスと距離を取った。

 そして、ブレイブが現れた方向から、二人の女性、大門と明日那が現れた。

 

「あれが、仮面ライダー……」

「飛彩、私も!」

 

 と、明日那もまた仮面ライダーポッピーに変身しようとする。しかし。

 

「いや、いい」

「でも!」

 

 飛彩は、明日那のことを制するとその顔を彼女たちの方に向けることなく言った。

 

「お前は中野梓の担当看護師じゃないのか?」

「ッ!」

 

 確かに、中野梓が入院してから、というよりもゲーム病の患者が入院してきた時には必ず自分が担当看護師になっていた。今回だってそうだ。

 飛彩はさらに続ける。

 

「患者のことを一番に考え、サポートしろ。それが、今お前がやらなければならないことじゃないのか?」

「飛彩……」

「音楽準備室だ。そこに梓と、それに……岩沢という少女もいる」

「え……?」

 

 大門は、まるであり得ないものでも見たかのような表情をする。ソレもそうだろう。

 本来、岩沢雅美は聖都大学附属病院にいるはずの人間だ。それがどうしてこの学校にいるのか。

 いや、決まっている。彼女に、梓に歌を聞かせるため。ソレ以外に、考えられない。

 

「速く行ってあげて! ここは、私たちがくいとめるから!」

「……わかった。行こう! 大門先生!」

「……」

 

 大門は、明日那の言葉に強く頷くと、校舎への入り口に向けて走り出した。

 それを背中で感じ取ったブレイブは、強い言葉で言った。

 

「これより、バグスター切除術を開始する!」

タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。

  • ヴァルキリーズfeatボーイ
  • プロジェクトSAO
  • アルティメットカオス
  • 無への逃走
  • 肯定あるいは否定
  • フィクションスターズ
  • 〜いろんな著作物から以降はいらない
  • タイトルはそのままでいい
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