SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
それは、余りにも一般人である少女には理解し得ない出来事であった。
一体、何が起こった。
梓は、グラウンドで起こった出来事に困惑するしなかった。
この、桜が丘高校の屋上に、黒服スーツの男性たちによってさわ子と共に連れて来られた後、グラウンドでは自分が想像することもできないような激戦が繰り広げられていた。
グラウンドを明るく照らしたライトの光。あんなもの、本来はこの学校には存在しないライトで、さわ子もそれには驚いていた。
黒服スーツの男性に聞くに、ソレは、今回の戦いの際に暗闇での戦闘を避けるために用意したライトであるらしく、一台何十万もする代物だとか。
ともかく、そのライトの光のおかげで照らされたグラウンドには、色とりどりの頭を持った怪物たち、そして自分の事をあの軽音部の部室で襲ったバグスターの姿もあった。
それだけじゃない。戦士たちの姿、色とりどりの、鮮やかな戦士たち。その中には、昨夜の事件の際に戦っていた、仮面ライダーと呼ばれる者たちもいた。
拳銃を持ち、生身で怪物たちと戦っている人たちや、同じ生身でも超人的な力で敵と戦っていた少女たちもいた。もしかして、あの少女たちはこれまで何度も世界を救ってきたプリキュアという子たちなのだろうか。
自分と同い年、いやもしかしたらソレ以下かもしれない女の子たちが縦横無尽に戦う姿は、当事者であるはずの梓の心をワクワクさせるものがあった。
ふと見渡せば、それこそ海外の戦場とも思えるような爆発や、戦闘音が明るく照らされたグラウンドの中で響き渡る。それも、自分が、自分たちが通っている高校のグラウンドで。
梓には、それが信じられなかった。それこそ夢うつつのような、そんな気もした。だが、そんな夢の世界から現実の世界に引き戻されるような物が、突如として開かれた。
あれは、確か。
「シノ、先輩……」
先ほど、自分が命の危険を心配した別の学校の生徒会長の姿が確認できて、梓はホッとした。
よかった、どうやら無事だったようだ。梓は黒服スーツから渡された双眼鏡で改めて彼女の姿を見た。
そして、梓は確信した。やっぱり、そうだと。
見れば見るほど、彼女は錯覚してしまう。シノに、彼女の姿を。重ね合わせてしまうのだ。しばらく会う事の出来ない、彼女の、姿。彼女の形。
そして―――。
「ッ!」
歌が始まった瞬間に、自分は、自分を制御できなくなった。
あぁ、懐かしい。その気持ちで胸がいっぱいに膨らんでしまって、涙が溢れだしてしまう。そんなことしてはならない。そんな事は、自分には決して許されないのに、自分は、彼女の、ソレに、感極まる。
そう、この≪声≫だ。自分は、この≪声≫が聴きたかったのだ、と。
彼女と、自分の、先輩、と、同じ、その、声、≪だけが≫、聴きたくて。
「嫌!!」
その言葉を思い浮かべた瞬間だった。梓は叫んだ。心の底からの絶叫。拒絶。そして、動揺。
「ダメ、そんな事、考えちゃ、ダメなのに……」
そんな事で、自分の中の心に整理をつけてはならない。ソレは分かっている。でも、梓の心は完全に彼女にも制御することができない程に困惑し、混乱していた。
もしかしたら、アナザーポッピーはそんな梓の心を理解したのかもしれない。
「あ、あぁ……」
アナザーポッピーが、彼女の、シノの下に向かう。その声を、途絶えさせるために。
無論、そんな事戦士たちが許すわけもなく、次々と戦士たちは様々な攻撃をしてその侵攻を何とか食い止めようと必死になる。
だが、決して止まることのないバグスター。どんな攻撃も、まるでゾウに対するアリの一嚙みのように効果はなく、どんどんと、彼女のいるトラックのステージに向かう。
「ダメ、だめ、だめ!!」
それは、何に対してのダメ?
シノの命が途絶えることに?
それとも、自分の知っている声が途絶えることに?
多分、後者だ。きっと、そうだ。
もう、梓は分かりきっていた。どうして自分がシノに対して親近感を持つのと同時に、嫌悪感を抱いたのか。
似ているからだ。彼女と、容姿も、声も。
自分の尊敬している先輩の一人、秋山澪に、よく似ているからだ。
性格は違うかもしれない。シノの事を良く知らないから。でも、そんなよく知らない人物に対して、自分は親近感を覚えてしまった。先輩とソックリだという、ただそれだけの理由で。
そんな自分に、嫌悪感を覚えてしまうのは、むしろ当然の事だろうと自分でも思う。そんな単純な理由でシノのすぐそばに居たい、ずっといたいと一瞬でも頭の中に浮かんでしまった自分に、嫌悪感を抱くのは、十分な理由だった。
そんな事、決して許されないのに。そんなの、シノにも、そして澪にも失礼だと言うのに。尊敬する先輩の代わりを、ミツケタという嬉しさに、心が弾んではならないのに。
それでも彼女はそのあまりにも醜い自己中な心を抑え込むことができなかった。きっと、それが、自分の弱さ。それが、自分がバグスターウイルスに負けた原因。そんな弱い自分だからこそ、自分は、彼女をSAOの世界に送り込んだ。
そんな罪のある人間が、先輩の代わりを見つけて笑っていられるなんて、そんなこと、してはならない。
そう、しちゃいけないんだ。
ここに、いちゃ、いけない、んだ。
こんな、場所で、彼女の、声を、聴く、権利、なんて。
「だったら」
「え?」
「すぐ近くまで行こうよ!」
誰?
「ッ、く……」
強い衝撃を喰らった。シノは、それだけはハッキリと分かっていた。≪外≫は、一体どうなっているのだ、そう思うのと同時に背後にいたメンバーの安否が気になった。
「皆さん! 無事ですか!」
「あぁ、なんとかな……」
「トレーラーの壁が閉じたおかげで助かりました……」
と、泊、伊丹、そして芹沢の三人が話している。どうやら、危機一髪トレーラーの中に入り込んだおかげで生身の彼らもまた攻撃から身を守れたようだ。
現在、トレーラーはその蓋が完全に閉じられている状態にある。
無論、その理由は敵から彼女たちを守るため。
シノは思い出す。最後に見た、あの光景を。
「プリキュア! ロゼッタリフレクション!!」
巨大な音符が自分たちの乗っているトレーラーに激突する瞬間。キュアロゼッタが武器、ラブハートアローを出現させて発動した必殺技、プリキュアロゼッタリフレクションを発動させたのだ。
最初に自分たちを守ってくれた光のバリアよりもより強固で、かつ巨大な障壁を生み出すことができる技を使用し、自分たちの事を、彼女は守ろうとしてくれていた。
「クッ! うぅ……」
しかし、敵の攻撃も強大で、次第にヒビが入り始めていくバリアを見た時には、絶望という二文字しか頭には昇らなかった。このままでは自分たちも危ない。そう感じた時、ロゼッタが叫んだ。
「早く! トレーラーの壁を閉じてください!!」
と。きっと、それはこのトレーラーを用意した鏡夜に叫んだのだろう。その瞬間にゆっくりと、閉じていくトレーラーの壁。その合間に外で生身で戦っていた刑事たちが入り込んだりして、色々とあった物の、何とか完全にトレーラーの壁が閉じ切った。
その瞬間だった。爆風が、トレーラーを襲ったのは。いや、正確に言うと、爆音と振動。外で一体何が起こったのか、想像するのも難しくないことが起こったのだろう。
あの音符が、爆発した。それしかない。だが不幸中の幸いにもその音符は、トレーラーに激突したわけではなかったのだろう。
もしもあの音符の攻撃が本当にトレーラーを襲っていたとするのなら、今頃自分たちは木っ端みじんに吹き飛んでいるはずだから。
だから、彼女は最後まで防いでいてくれたのだ。その攻撃を、自分たちに来るはずだった、その爆撃を、たった一人で。
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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