SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 わーい200話突破だー(棒)。
 一体どこの界隈に200話も突破したのにまだ第一層攻略会議すら至ってないSAO二次創作がある!? 書いてる間に原作と現実の時間換算でもSAOが始まってクリアされとるぞ!?


メインシナリオ外伝 第二章 第65話

「な、え?」

 

 シノの言葉に、周囲にいた人物。それどころかアナザーポッピーからの攻撃を受けて地面に這いつくばっている形になっている人間たちもまた全員が、唖然とした表情を見せた。

 それもそうだろう。それまで清楚だと思われていた女性が、突如として自分が使用している生理用品の名前をでかでかと暴露したのだから。

 その意味を知っている女性陣は誰もが赤面し、逆にそんなものの意味をあまりよく知らないような男性陣は誰もが不思議な顔をしていた。

 

「ちょ、シノちゃんなにを」

「なんだ? そのナプ」

「先輩、ダメですって!?」

「は? なんでだ?」

 

 と、どうやら捜査一課の刑事、伊丹はその言葉の意味をあまりよく知らなかったようで、何の疑問も持たずにシノに関して件の生理用品の事を聞こうとする。

 知らないとはいえ、もしもこれを女性に聞こうとしたら、セクハラ発言として問題になるだろう。それは、警察という立場の人間にとっては汚点以外の何物でもない。それを知っていた彼女もち芹沢は、必死になってその言葉を発しようとするのを止めた。

 

「もう、シノちゃん……」

「ナプ……」

 

 一方、背後にいた小夜、瀬奈の両名は当然ソレの事を知っているのでそれぞれに頭を抱えたり赤面したりしている。それほどまでに、彼女たち乙女たちにとって彼女の発言があまりに馬鹿げている物である事という事の証明でもあるのだ。

 正直、この状態のときにアナザーポッピーによる攻撃が来なかったのはあまりにも運のいいことだ。現在進行形で誰もがシノの飛んでも発言でその動きを止めている。いわば、無防備な状態のため、もしここで攻撃を受けたらひとたまりもなかったのだろう。

 逆に言えば、だ。何故アナザーポッピーは攻撃をしてこなかったのだろう。

 答えは、明白だ。

 

「ふふ……」

 

 彼女が、笑っていたから。

 

「梓?」

「アハハハハハ!」

 

 梓は、突如として腹を抱えて笑い出した。それこそ、シノの衝撃発言と同じくらいに周りを唖然とさせてしまうほどに、まるでおかしくなってしまったかのように笑い始めたのだ。

 その笑いは、腹の底から、空遠くに響き渡ると思えるくらいに大きく、そしてとても明るくて、なによりも、希望にあふれた笑いだった。

 

「ハハ……いつぶりでしょう。こんなに……笑えたの……」

 

 一通り笑った梓は、目からこぼれた涙、それが笑い泣きによってこぼれた涙だったのか、それとも嬉しくて流した涙だったのかは、今はもうどうでもいいことだ。

 とにかく、彼女にとって大事なのは笑えたという事実。

 そう、彼女は笑うことができたのだ。彼女の耳を疑うような想定外の発言によって。

 そして、確信を得ることができた。彼女は、違うのだと。

 

「分かりました。貴方は……澪先輩じゃありません。あり得ません。澪先輩だったら、絶対に口には出さない言葉ですから」

 

 と、梓は自信を持って言った。

 そうだ。秋山澪は絶対にそんな台詞を言わない。もし言おうものなら、あるいは周りから言う様に促されたとしてもきっと最初の一文字を発した直後に赤面してそれ以上の言葉を発することなく、頭から湯気を出して赤面し、しゃがみこむことだろう。

 それが、秋山澪。

 対して、目の前の女性は、天草シノはどうだ。自分の発した、いわゆる卑猥ともとれる発言を臆面もなく叫んで、堂々としている。間違いなく、彼女とは違う。天草シノと秋山澪は全然違うのだ。

 

「たとえ姿形や声が同じでも、その言葉が全然違う。ただ、それだけでこんなにも違ってくるものなんですね……私、とても安心しました……」

 

 もう、この時彼女には何も恐れる者はなかった。いや、最初から恐れていてはならないことだったはず。それなのに、自分はかってにそれを恐れて、彼女から距離を取ろうとして、彼女を避けて、勝手に身代わりにして。

 でも、違う。秋山澪はこの世界で唯一の存在、天草シノも、この世界で唯一の存在。たとえどれだけ、ドッペルゲンガーのよう似ていたとしてもその心の本質は違うのだ。

 それが知れたこと。ソレが、彼女にとって転機となった。それと同時にこの戦いにも転機が訪れた。

 

『うおぉぉぉぉ!!!!』

「アナザーポッピーの様子が!」

「あぁ、まるであの嬢ちゃんの笑い声に呼応するように苦しみ始めていやがる」

「おい、どういうことだレーザー!」

 

 貴利矢は、傷ついた身体をゆっくりと起こして言う。

 

「元々あの子のなかには二つのストレスがあった。一つは、岩沢雅美に対しての罪悪感。そしてもう一つが……」

「彼女、天草シノを自分の仲間と同一視していたというストレス……か?」

「そう言う事。さっき、その一つが取り除かれて、そして今……もう一つのストレスも取り除かようとしている」

「つまり……」

「アナザーポッピーの強さの原因は、単純に変異型のバグスターだったからじゃねぇ。たくさんのストレスを抱え込んだことによって生まれた強さだったってことだ」

「なるほどな……」

 

 この時、飛彩の脳裏にある物語が思い出された。それは、今もなおSAOの世界で戦っている自分たちの仲間であり、そして医師として後輩でもある人間、宝生永夢が初めてバグスターウイルス感染症と対峙した時の話だ。

 己は海外から帰国の途に着いたばかりで詳細な話は後々に人づてに聞いた話であったが、永夢は、偶然バグスターウイルス感染症に罹患した少年と遭遇。当時はまだその病気の存在すら知らなかった彼は、その症状をストレスからくるものであると診断し、少年が熱望してやまなかった新作ゲームの発表会へと連れだしたそうだ。

 当然、そんなことでバグスターウイルス感染症が完治することはない。だが、カルテによればその少年を連れ出したことによるバグスターウイルス感染症の増悪は見られなかった。本当にソレが発生したのは、その会場から、ポッピーピポパポによって病院に連れ戻されそうになったことによる≪ストレス≫だったようだ。

 

「病気を治すだけじゃない、患者が笑顔にならなければなんの意味もない……か」

「ハッ、どこかで聞いた言葉だな」

 

 そう、バグスターウイルス感染症はストレスによって増悪する。なら、そのストレスを除外してやればいい。そして、そのストレスを除外する一番簡単で、しかし最も難しいと言われている方法。それが、笑顔。

 人間には自律神経という物が存在しており、そこから交感神経と副交感神経という二つの神経に分岐している。人間は交感神経が優位であると、心拍数を高めたり、血圧を上昇させる。結果、不眠や疲労感、頭痛などの体の不調を訴える鯨飲となってしまうのだ。

 逆に、副交感神経が優位の状態というのは、心がリラックスしている状態であるという事で、大本である神経である自律神経を整えるという効果があり、この状態であれば睡眠の質も改善され、穏やかな気持ちになることができる状態なのだ。

 人間の身体は、ストレスを感じると前者の交感神経が優位となる。結果、自律神経が乱れ、生活習慣の乱れが起こり、様々な病気にかかりやすく成ったり、また病気が増悪することになってしまう。そう、バグスターウイルス感染症のように。

 その交感神経優位から副交感神経優位へと変えるには様々な方法がある。岩沢雅美が聞かせてくれた≪音楽≫もその一つ。だが、当然他にも副交感神経優位にするための方法がある。その一つが、≪笑顔≫。

 人間は、笑うことによって体内に存在しているナチュラルキラー細胞という細胞が活性化され、免疫力が向上すると言われている。よって、永夢が提唱した、患者に笑顔になってもらいたいという理念は、結果的にはバグスターウイルス感染症への特効薬の一つとして最善であると言えるのだ。

 

「照井警視! 大丈夫ですか!」

 

 と言ったのは、仮面ライダーG3-X、氷川誠である。彼は、地面に膝をついている照井に向けて、手を差し伸べた。が、しかし照井はその手をはじくという。

 

「俺に質問するな」

 

 と。いつものように。そして、自らの変身アイテムであるアクセルドライバーを腰に装着すると言った。

 

「アナザーポッピーが弱体化している今なら、倒すことができる」

「はい!」

 

 不死身の男照井竜。自身も相当の傷を負っているはずであるのに、それでも人の手も借りずに立ち上がるその姿は、まさしく不死鳥のようにも見えた。

 その立ち振る舞いは、彼の先輩であるはずの氷川もまた、仮面の下で笑顔にさせるほどに心強い物であった。

 

「かれんさん、美希ちゃん。まだ、戦えますか?」

「もちろんよ」

「えぇ、あたし、完璧だから」

 

 三人の少女たちも、また立ち上がり、それぞれの変身アイテム、そして相棒を手元に引き寄せる。

 誰もが、勝つことを諦めていなかった。

 誰もが、笑顔をその顔に浮かべていた。

 誰もが、絶望を感じていなかった。

 どうやら、シノの発言でリラックスというか、肩の力が抜けたのは梓だけではなかったらしい。

 彼女のその乙女とは思えないような発言に、周りの人間たち皆緊張がほぐれ、そして立ち上がる気力をもらえた。

 思春期真っ盛りの普通の女の子の発した言葉は、そこここにいる人々に勇気を与えたのだ。たとえ、それがどれだけ道化じみて、滑稽な台詞であったとしても、その言葉で救われた人間がこんなにいる。

 もしかしたら、天草シノには一種のカリスマ性という物があったのかもしれない。だからこそ、彼女には多くの仲間が、一緒について来てくれる友がいてくれた。たとえ、本人にそんな自覚がなかったとしても、その片鱗を見せつけてくれたのだ。

 負けるわけにはいかない。誰もが、再び戦士の姿になろうとした。

 その時だった。

 

『ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!!』

「え?」

「今の声は……」

 

 遠い空から、聞き覚えのある声が聞こえてきて、そして―――。

 

ポン……

「え……」

 

 耳を滑り抜けるようなピアノの音色が学校に響いたのである。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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