SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

212 / 361
メインシナリオ外伝 第二章 第68話

「ゲキワザ! うさちゃんパンチ!!」

 

 ハニーの繰り出した激を込めた技、ゲキワザにより、ハニーの目の前にいた数多くのバグスターウイルスが吹き飛び、消滅していった。

 元々ハニー自信が武道の達人であったという事も幸いしているのだろう。たった数日前に教えられたばかりのはずの激獣拳をすでに自分の物として、オリジナルの技まで組み込んでいる。もしもハニーがこのまま激獣拳を何年も修業していたら、師範として門下生を持てるほどになるだろう。そう、スクラッチ社のある獣拳を極めしもの、≪マスター≫が言っていた。

 そうなつめは語っている。

 

「因みに私もあれほどじゃありませんけど、多少は使えるんですよ?」

「へぇ、凄いねありす!」

 

 なお、偶然同時期に習い始めたというありすもありすで、彼女も元々武道の心得があったからなのか、ハニーには及ばないもののオーラ、つまり激気を放つほどまでは習得していた。彼女ももし、激獣拳をこれからも学んでいくつもりがあるのならば、ハニーに負けず劣らずの力を持てるだろう。

 全く、とんだ才能が隠れていた物だ。と、ハニーの隣で同じく獣拳を用いて戦っていたなつめも呆れていた。自分が激獣拳に触れ、スクラッチ社で学ぶ者たちと同じ域に達するまで約一年。そして、実践で扱う事ができるようになるまで十年以上もの時間を必要とした獣拳を、こんな短時間で会得するなんて、世界にはまだまだ素質溢れる者たちがいるのかもしれない。

 

「凄いね、二人とも……」

「あぁ、ニッキニキだぁ~!!」

「ニキニキ?」

 

 と、多くの人間が聞いたことがないような言葉と同時に、赤いオーラ、赤い激気を纏った男性が次々とバグスターウイルスを襲った。

 

「ッ! うりゃうりゃうりゃうりゃ! ハァッ!」

 

 まるで野生児のような、しかし力強いその攻撃に、バグスターウイルスは一気に消滅する。その力は、先ほどハニーがオリジナルで編み出した激技を使用した時の何倍もの力を持っていると、遠目からでも見てわかる。

 ただ、激気を込めただけの攻撃でそれだけの力を出せるなんて、いったい彼は―――。

 

「ゲキレッド……」

「え?」

 

 と、その時呟いたのは、やはりキラメイジャーのメンバーの一人であった時雨だった。

 時雨は、ゆっくりと立ち上がりながら言う。

 

「彼は、漢堂ジャン。かつて、獣拳戦隊ゲキレンジャーのゲキレッドとして戦っていた戦士の一人だ」

「その通りだな」

 

 っと、時雨の言葉を受けた鏡夜が、やはりタブレット端末を操作しながら現れて言う。

 

「漢堂ジャン。詳細は不明だが、ジャングルで十数年野生動物同然の暮らしを送っていた人間だ。十五年前の戦いにおいては、獣拳タイガー拳をほぼ自力で取得し、ゲキレッドとして戦ったと、そう記録にある。因みに、ニキニキ、と言うのは面白いという事を表すジャン語。彼独自の言葉だそうだ」

「ジャン語……あ、それじゃさっきの通話でスクラッチ社の人が言っていたゾワゾワって!」

「そう言う事だ」

 

 そう、そもそも自分たちがこの場所に来ることになったり理由。来れたわけ、それは、ジャンがスクラッチ社から向けてこの学校の方にゾワゾワ、つまり嫌な物があったからという事なのだ。

 つまり、ここにいる全員を引き合わせたのは、全て漢堂ジャンという男のおかげでもあると言っても過言ではない。

 

「それじゃ、もう一人の男の人も……」

「いや、彼は……」

 

 ならば、もう一人戦っている男性もまた、スクラッチ社、ひいては獣拳戦隊ゲキレンジャーの人間であるというのだろうか。と考えたが、鏡夜はそれを否定する言葉を述べようとする。

 

「あの男には、覚えがある」

「え?」

「はい、この夏にあったあの大事件……その中心にいた人間です」

 

 しかし、その間に割って入ったのは照井、そしてGトレーラーからG3-Xの破損部位を交換するためにやってきた尾室であった。

 

「この夏にあった大事件って」

「一体どれの事? ゆらぎって奴が日本中いろんなところで起きていた事件の事?」

「それとも、私たちの学校で起こった事件の方?」

 

 確かに、ひとえに事件と言っても色々ある。前者の、蒼乃美希が言ったように、ゆらぎとよばれる現象が日本各地、ひいては世界中を巻き込んで発生して政治経済が多くの打撃を受けた事件。

 公式には発表されていない、通称境界石事件の事である。この時は、特務機関森羅のエージェントやここにはいない多くの人間たちの尽力によって事件は終結を迎えた。だが、その爪痕は今もなお残っており、東京のいたるところではいまだにゆらぎが収まっていない場所が多いとのことで封鎖都市指定されている場所が存在しているほど。

 後者の、この一夜限りのバンドのギタリストの女性が言った事件と言うのは彼女が所属している学校、と言うよりも学園都市内で発生した多数の怪物が学園都市を襲った事件の事。これもまた公にはされていないが、異世界からの侵略の一つであり、その学園にゆかりのあった人間たちによって解決された事件であった。

 といった感じに、彼彼女たちが知らないような大事件が各地で発生していたのだが、その中でも最も警察という組織に大打撃を与えた事件が、まさしく今目の前にいる彼が関連している事件であった。

 

「800年前の王の復活」

「え?」

「信じられないかもしれないが、この夏。800年前に封印されたはずの王が、復活し、都市部が次々と襲われる事件が発生した」

「そういえば、そんな事件が……」

 

 確かに、そんな事件があった。そんな程度にしか記憶していな大きな、しかし小規模に終わった事件。

 800年前に封印されたはずの王が突如として復活を果たし、都市部の大きな町を襲っていたという大事件、のはずだった。しかし、不幸中の幸いにも先ほど言った通りにゆらぎが収まっていない場所が多かったため800年前の王が襲った町は、そのほとんどが封鎖都市指定を受けた都市ばかり。人的被害、と言うよりもけが人が出たのは、当時全国麻雀選手権大会を行っていた会場位な物。

 それほどまでに被害が出ていなかったために、あまり記憶の中にはなかったのだ。

 そう、それほどまでに、迅速にかつ、大掛かりな戦いによって、800年前の王は倒された。

 今、自分たちの目の前にいる男性の手によって。

 

「あの時は、僕たちG3ユニット、それにZECTが最初に動員されました。けど、800年前の王の力は凄まじくて……そんな時、彼らが……彼が、現れたんです」

『今、この手が届く誰かを、傷つけさせたりなんてしない! 変身!!』

≪タカ! トラ! バッタ!≫

 

 そう、その男はその800年前の王と浅からぬ因縁を持つ男。その男が使った≪コンボ≫を主に使って、一年に渡り戦い続けた男。そして、その戦いが終わり、800年前の王との因縁に決着をつけたその後、世界中を回っていたはずの男。そんな彼が、今、再びこの場所に舞い降りたのである。

 

「フッ! ハァァァ!!」

「火野、映司……仮面ライダーオーズ!」

 

 かつて、ある錬金術師たちが作った≪十枚≫ずつの様々な色のメダルがあった。

 彼らは、その十枚の中から一枚ずつメダルを取り除いた。

 すると、彼らはその欠けた一枚に固執し、足りないが故に満たしたいという≪欲望≫が生まれた。結果、自立意識を持つ人工生命体、通称グリードが誕生した。

 その800年前に生まれたグリードたちは、王とともに封印されていたのだが、あるきっかけをもってして復活してしまい、日本中で自らの欲望を満たすために戦った。

 そんなグリードたちに対して立ち向かった人間こそが、≪欲望≫のなかった青年。火野映司。

 彼は、仮面ライダーオーズへと変身し、グリードが繰り出してくる多くのヤミーと呼ばれる怪物たちと戦い、そしてすべての戦いを終えた。たった一人の、≪グリードの命≫と引き換えに。

 彼は、世界中を回る中でそのグリードをよみがえらせるための方法を探した。それが、彼の、新たな欲望となった。彼に生まれた欲望は、彼の生きる糧となり、そして彼を彼とする指標のようなものとなった。

 そして、彼は見つけたのだ。その≪グリード≫をよみがえらせる方法を。

 とても残酷な、決してやってはならないその方法を。

 そんな時、日本で800年前の王が復活したとの情報を受けた映司はすぐさま急行し、800年前の王と戦った。だが、相手の力はあまりにも強大で、命を落としかけるほどの重症を負った彼。

 強力な攻撃を受け、致命傷に近い傷を負い、倒れ伏した映司。しかし、そのすぐ近くには親と離れて、泣いている少女がいた。≪あの時≫助けることができなかった子供のように。

 それを見た瞬間、ボロボロの身体で立ち上がった彼は、その子供に容赦なく攻撃を仕掛けようとする800年前の王の攻撃から少女を守るためにその身体を投げ出した。

 そう、自己犠牲によって、一つの、幼き命を助けようとしたのだ。あの時、自己犠牲ではすべての命を救うことはできない。一人の力じゃ救える命は多くはないと、知っていたはずなのに無意識に出た行動。

 ある意味で彼らしく、それ以外の行動を取るはずがないとそう思えるような、無我夢中で取った、彼の行動。だが。

 

『『『はぁぁぁぁ!!!』』』

『ッ!』

 

 彼は、一人ぼっちじゃなかった。

 

『君たちは……』

『今度は、俺が助ける番だ。映司さん!』

『ライダーは、助け合い……だろ?』

 

 その場に現れたのは、仮面ライダービルドや仮面ライダークローズ、仮面ライダーWといった自分と親交のあったライダー達。いや、それだけじゃない。アギトや響鬼、ウィザード、他多数の戦隊の者たちもいた。

 

『そうだ。どれだけ遠くても、たくさんの手があれば必ず届く……それを、あの戦いで学んだんだ……』

 

 映司は、ボロボロの身体をおして立ち上がると、再びその腰にベルトを、オーズドライバーを取り出すと三枚のメダルを入れて変身した。

 

≪コブラ! カメ! ワニ!≫

≪ブラカ~ワニ!≫

『行こう、この手で……誰かの手を掴むために!!!』

『しゃあ! 俺はもう止まらねぇ!!』

『『『さぁ、お前の罪を数えろ!』』実験を始めようか』

『ド派手に行くぜ!!』

 

「こうして、800年前の王は倒され、世界は平和になった……とさ」

「そんな戦いがあったんだ……」

 

 という言葉を最後に、鏡夜は説明を終わらせた。

 

「というか、本来極秘情報のはずなのにどうしてそれを……」

「フフッ、うちの情報網を侮らないでもらいたい」

「四葉グループの情報網もですわ。ね、マナちゃん」

「アハハ、確かにね」

 

 いや、いくら何でもそれはおかしい。本来国が機密情報として保管していたはずの情報を、そう簡単に手に入れられるはずがない。が、しかし鳳グループと四葉グループはそんな秘密を簡単に暴いてしまうほどの情報網を持っているのだ。特に四葉グループ、四葉ありすに関しては、彼女の友達である相田マナ、そして当時まだ正体が不明だったキュアソードというプリキュアの正体をも監視カメラや指紋照合を用いることによって明かした実績を持っている。

 そんな彼女たちにかかればこんな情報、機密でもなんでもないのかもしれない。

 まぁ、そんな相田マナも、何故か、本当に何故かこの場所にいるわけだが。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

  • 最近の創作物が好き(男性)
  • 最近の創作物が好き(女性)
  • 5〜10年前の創作物が好き(男性)
  • 5〜10年前の創作物が好き(女性)
  • 10〜20年前の創作物が好き(男性)
  • 10〜20年前の創作物が好き(女性)
  • 20〜30年前の創作物が好き(男性)
  • 20〜30年前の創作物が好き(女性)
  • 30〜40年前の創作物が好き(男性)
  • 30〜40年前の創作物が好き(女性)
  • 40〜50年前の創作物が好き(男性)
  • 40〜50年前の創作物が好き(女性)
  • 50年以上前の創作物が好き(男性)
  • 50年以上前の創作物が好き(女性)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。