SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
まるで、イタリアのコロッセオと呼ばれる観光地のような場所だ。そうプレイヤーのMは思っていた。実際には石畳の上に幾重にも連なる柱と、ソレをかこっているかのように半円状の階段状の座り場があると言うだけの質素な場所。コロッセオと比べるのも失礼なほどだ。それでも、ソレを思い出してしまったのは、あのデスゲームの始まりを聞いた場所が、そもそもコロッセオと似た場所だったからなのかもしれない。
そう、自分達仮面ライダーを、引いては一般人を大勢巻き込んだ、あのはじまりの町での一件を忘れるなと言われても困難な、SAO正式チュートリアル。あれから一か月。ようやく、自分たちはその攻略の最前線を一歩進めるかもしれない時が訪れたのだ。
「思えば、今日が来るまで長かったな……」
「はい。丸々一か月もかかりましたね」
と言うのは、シンケン・Rとシンケン・Mである。その後ろには前述した通りMやアギト、そしてシグナムの姿も見える。彼、彼女たちはこの町で情報収集を目的として残っていた面子だった。その途中で知ったのだ。今日、今からこの場所で、この第一層のボス戦攻略会議、その第一回目が開かれるという事を。
レイアース、リーファ、それからナデシコと言った第一層迷宮区のマッピングに向かったプレイヤーは、もう≪トールバーナ≫に戻ってきていて、他に接触した多くのプレイヤーとともにこの場所で落ち合う事になっている。
「でも、それまで一人の犠牲もなく来れて良かったです」
「ふ、そうだな……さてと……」
そして、もう一組。この場所で落ち合う事を約束していたプレイヤーたちがいた。シグナムはその姿を探すために、殺風景な風景の中を見渡した。確か会議が始まるまであと二時間近くあるはず。そのおかげもあってか、その場にいたプレイヤーの数は極めて少なく、それが功を奏し、彼女たちはすぐにシグナムの姿を発見することができた。
「あ、いた! シグナム!」
「美由紀、それに……」
「シグナムさん…‥」
「た……シズク、だったか。お前たちも、元気そうだな」
このゲームの際序盤で分かれたっきりになったフィアッセ、つまり高町美由紀。そして、その妹のプレイヤー名シズクことなのはとその友人たち。
その姿を見たシグナムは少しだけほっとした。良かった。無事に合流することができたと。
美由紀から、いやフィアッセから―――。もうどちらのネーミングを使った方がいいのかシグナムにも分からなくなってきた。
もはや個人情報の漏洩と言われるネットゲームの世界では絶対にやってはならないことの心配は顔が出た時点で既に破綻しているし、元々の現実世界での名前も顔も知っている友人を相手にして、本名で名前を呼び合うという事のリスクはないにも等しい。
だからこそ、ナデシコもあの日、あのデスゲーム最初の朝を迎えた日に自分の本名を明かしてくれたのだから。
いや、本名で呼ぶことはやめておこう。すべては、デスゲームが終わってから。そこでようやく、自分たちの本当の名前を取り戻すことができるのだから。
だから、今はプレイヤー名で呼び合うことにしよう。
ということで、話を戻そう。フィアッセからは、ローウェルとシズクの間で少しトラブルがあったとは聞いた。そのため、彼女達の人間関係に少しの心配をしていたのだ。しかし、自分の心配は杞憂のものだった。
彼女達はその困難を乗り越えて、共にこの世界でできた仲間たちとともに攻略にいそしんでいる。この世界で、戦っている。
恐らく後ろにいる初めて見る面々が、その仲間たち、なのだろう。
「色々と危ないところはあったけどね……」
「メッセージでは何度かやり取りしてましたけど、こうして顔を合わせるのは初めてですね」
「あぁ、君が……シズクの言っていた次元漂流者か」
「はい。今は、はれかぜ、です」
当然のことながら、同じ時空管理局員であるシグナムにも、話はいきわたっていた。他次元から魂、あるいは記憶か肉体がこの世界にやって来た人間が、このゲームをプレイしているのだと。
今の自分たちではどうすることもできない。しかし、このゲームがクリアされた暁には必ず彼女を元の次元に帰すために全力を尽くす。そう、シグナムは約束をする。
それにはれかぜはとても、その名前の通りに晴々としたえがおをみせてくれた。
「さてと、プレイヤーも……だんだん集まったね」
と、バロッサが言う。確かに、さっきまでは閑古鳥が鳴くと言わんばかりに人がいなかったはずなのに、徐々に徐々にその場にいるプレイヤーの数が増えて言っている。まだ会議の開始時刻まで時間があると言うのに。
いや、それも当然の事なぜなら今日は、誰もが待ち望んだ日の一つ。
「当たり前じゃん。だって、今日は……」
「このSAO最初のボス戦。その作戦会議なんですから……」
なのだから。
何度も言う事だが、このゲームが完全にクリアされたと認識されるには、第百層まで到達してそこにいるラスボスを倒さなければならない。そのために迷宮区という各階層に一つある巨大な塔の最上階に位置するボス部屋という物を探し、中にいるボスを倒して次の階層へ、次の階層へと行かなければならないのだ。
普通のゲームであるのならば、今頃は階層全体のマッピングも隅から隅まで行われて次々に上の層上の層に向っているはずだった。しかし、このゲームがデスゲームとなってからは最初のアスナのようにはじまりの町から外に出ようとしないプレイヤー、つまり攻略に参加しないプレイヤーも多くなってしまった。
当然のことだった。はじまりの町を含めたすべての町の中にはモンスターは絶対に入ってこない。つまり、絶対に安全な場所であるのだから。そんな絶対の安全が保障されて前線に出て来れるような人間なんて、ほんの一握り。
だからこそ、今日と言う一日は大切な日なのだ。自分たちは前に進むことができる。そう、はじまりの町で肩身を狭くして待っているプレイヤーたちに教えるために必要な、大切な一日。
「あれ? あそこにいるのは……」
「あ、お前!」
「ッ!」
「お前は……」
と、その時だった。Mはプレイヤーの群衆の中に六人の人影を見つけた。一人は、フードをかぶっているためにその性別は確認できないが、それ以外の面々は三人が女性、そして二人が男性であることは分かった。
そして、その男性の姿に、Mは見覚えがあったのだ。そう、アギトのように仮面ライダーの姿としてあっただけじゃない。実際に変身を解いている状態で、面と向かって話したことのある、仮面ライダーの仲間の一人。
「やっぱり、弦太朗さん!」
「おう、こっちの世界の名前はフォーゼだ。よろしくな!」
如月弦太朗。元仮面ライダーフォーゼであり、現在は仮面ライダーとして戦っていた時に通っていた学校である天ノ川学園高等学校で教鞭をとっている、いわゆる先生、である。
元、とついてしまっているのは仮面ライダーとしての戦いを終えた後、とある事件を解決する際に自分の教え子を奮起させるために自ら、フォーゼの変身ベルトを溶鉱炉の中に投げ入れて失ったため、二度と仮面ライダーになることができなくなったから。
だが、それでも仮面ライダーとして、そして何より先生として教え子を守り抜くその姿は仮面ライダーに変身することができなくなった今でも面影が残る程、Mにはとても印象の強い仲間の一人だった。
因みに彼の髪型はリーゼントなのだが、これは別にこの世界のキャラクターエディットで設定したわけではなく、現実の世界からそうだったものと言う少々時代遅れ感が否めない形になっているが、そこは気にしないでもらいたい。
「はい!」
「あれ、確か君は……」
「お、アギト先輩! それから、もしかして、シンンケンジャーの先輩方!?」
「まぁ、そう言う事になるな」
「よろしくお願いします!」
と、その風貌とは似ても似つかない様な挨拶をしたフォーゼ。案外その上下関係と言う物はきちんとしているらしく、彼から見て先輩にあたるアギト、それからシンケン・M並びにRに礼をするフォーゼ。
戦闘の場面で会う事は、シンケン・R以外はよくあったが、しかし実際にその顔を見るのは初めての事。だからなおの事彼は丁寧にあいさつをしたのかもしれない。
そしてもう一人、知り合いのいるプレイヤーがいた。
「し、シンケン・R」
「コペル、久しいな。彼らと一緒にプレイしていたのか」
かつて、森の秘薬クエにおいてであったコペル、である。彼は申し訳なさそうに、しかしシンケン・Rは堂々と笑顔で会話をする。
後に聞くと、自分たちと別れた後彼はソロプレイヤーとしてこの世界で戦っていたそうだ。自分の知識を活かし、時には他のプレイヤーの手助けをして、そんな時、彼らと出会ったそうなのだ。
この世界でパーティは六人で組める。フォーゼのパーティは五人だったので、残り一人入れることができる。なので、フォーゼの提案もあり、彼をパーティに入れる事にしたのだとか。
「一月で良い顔つきになったな、コペル」
「はい、ありがとうございます!」
コペルは、シンケン・Rのその声に嬉しそうに頭を下げる。
その二人の対応を見て何かあったのかと思ったフォーゼは、しかし笑顔を振り撒くとアギト等他のメンバーに向けていった。
「アギト先輩! 俺のダチを紹介します!」
と言って、彼は背後にいるコペル以外の四人に対して手を向けた。そこまで行くとフードをかぶっている人間の顔も見えるようになって、どうやら女性であることが見て取れた。という事は、彼らは男性二名、女性四名のパーティーで戦っていたという事か。
いや、しかしフードをかぶった女性。どこかで見覚えがあるような、そうMが思っていた時だった。女性たちは自己紹介を始める。
「ムーンライトよ」
「フルムーンです、よろしくお願いします!」
「オーシャンよ。よろしく」
「……」
「?」
と、最後の一人、つまりフードをかぶった人間は一人、その名前を口にすることはなかった。どうしたのだろうかと、アナムが首をかしげていると、フォーゼは、頭の後ろを掻きながら言った。
「あぁ、そのもう一人は……ちょっと訳ありでな」
「訳あり?」
訳ありとは、どういうことなのか。もちろん、その訳と言う物すべてを聞きたいわけじゃない。でも、せめて名前だけでも教えてもらわないと、これから大事な攻略戦が待っているのだからその名前を呼ぶ機会が何度も訪れるはずだ。そう、彼らが思っていた時だった。
「ゆりさん!!」
「え?」
「貴方は……」
一人の、赤寄りのピンク髪の少女が現れたのは。
プレイヤー№ 114 如月弦太朗(フォーゼ【Forze】)≪原作:仮面ライダーフォーゼ≫
仮面ライダーフォーゼ参戦
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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