SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
「そっか、ウサギさんチームからは三人来てるって言ってたっけ」
「はい。他のチームの人とはまだ合流できてなくて、私たちはかろうじて会長に出会えて……」
と、説明するのが澤梓。大洗女子のウサギさんチームの戦車長をしており、そして一年生ながらもチームの主軸の一つを担っている。みほからは将来的には大洗女子学園を束ねる役割を担ってほしいと思っていた女の子だ。
と言っても、もうことこの状況になってしまったら大洗女子で戦う事はおろか、戦車道の世界で戦う事も難しくなってしまったが。
だが、彼女ほどの人材がいるのは助かる。いや、少なくとも自分がかつて指揮を執ったことのある人間が一人でも多くいると言うのは、みほにとっては心強い物だった。
梓と、ウサギさんチームでは操縦手をしていた坂口桂利奈。そして、装填手という、砲弾を装填する役割を担っていた無口な、しかし口を開けば適切なアドバイスをもたらしてくれる不思議な少女丸山紗希。この三人がウサギさんチームからこのSAOに参戦していたメンバー。
因みに、この世界では順番に≪ラビッツ≫≪ミーテ≫≪カリナ≫と名乗ってるらしいー一名名前を、それもここにいる人間の物を使ってるのだが許可は貰ってるそうだー。
「もう会長じゃないって、にしてもよく一か月生き残ったねぇ、西住ちゃん」
そして、全ての元凶ともいえる女の子。元大洗学園生徒会長にして、自分をもう一度戦車道に戻し、そしてたくさんの仲間を作ってくれた、トラウマと向き合うチャンスをくれた先輩、角谷杏。今はこの四人しか、大洗のメンバーでは攻略会議には参加していないようだ。
その、杏からの言葉に、みほは自信をもって言う。
「はい、シズクさんやみんなのおかげです!」
「そう堂々と言われると照れると言うかなんというか……」
「うん。みほさん、じゃなかった。えっと、みぽりんさんもいてくれたから! ここまでこれたから」
「ううん、私だってはれかぜには……」
とまぁ、互いに互いを褒め合う面々。だが、確かにこのパーティーは恐ろしかった。元々戦うことに慣れているシズクに加えて、戦略を立てることを得意とするみぽりんとはれかぜ。さらにこの世界でもその秀才ぶりを発揮したエリーゼや現実世界でも剣の達人でもあるフィアッセ。そして、頼れる友たちがいてくれたから、彼女たちはほとんどピンチというピンチを迎えることなくここまでやってくることができたのだ。
その後は、彼女たちの輪の中でこの世界での自己紹介を始めていくみぽりんたち。
一方で、イインチョウから離れたかじゅとセノは見慣れた集団を見つけて近づいていた。
「サキ、やはりいたかお前たちも」
「あ、かじゅさん」
そう、以前の戦いにおいて共闘し、一つのクエストを共に攻略した、麻雀でつながった少女たちだ。かじゅは、サキの発した言葉に対して頭を抱えて言う。
「だからその名前は……誰一人、欠けていないようだな……」
使ってもらいたく無いのだが、そう思いながらもしかしかじゅは安心するように呟いた。考えたくはなかった事、しかしもしもという場合がある。その、もしもが起こらなくてよかった。サキをはじめとして、あの戦いにいた麻雀部員は、どうやら全員揃っているようだ。
例え別の学校の人間であるとはいえ、一度は現実でも、そしてゲームの世界でもかかわりを持った人間たち。
実はかじゅはあの戦いの後、サキたちを自分達のギルドに誘おうと思っていたのだ。サキは目の前でプレイヤーの死という最悪な物を見た後だったし、安全のためにはもっと大勢の人間で動いたほうがいいとそう考えていたから。
しかし、自分たちももっと腕を磨きたい。目の前の命を救って自分自身の命も守れる。そんな人間になってからにしてもらいたいと、サキたちは一時はギルドへの参加を断ったのである。
「はい! 何度か危ないことはありましたけど……」
「ですが、徐々にこの世界も楽しめる様になる程、余裕が出てきました」
「楽しめる、か。人の事は言えんが、よくデスゲームの中でそんな言葉が出るモノだな」
「あははは確かに……」
と、シズやのどっちの言葉にかじゅとキョウは苦笑する。確かに自分たちのように攻略もするけれどアクセサリーや服を作って売っているようなお気楽な集団は、このゲームにおいては珍しいことこの上ない。そんな自分が、彼女たちの言う楽しいという言葉を否定するわけにはいかなかった。
「もう、なんだかこの世界に慣れてしまった気がしました……」
「だな……」
そう、慣れてしまったのだ。自分たちは。一か月前までは、現実の世界に帰ることができないと言うことに嘆いて、どうすればいいのかと悩んでいた。なのに、たった一か月、この世界で戦っているうちに自分達は変わってしまった。
この世界になじんでしまった。
全く持って現実とは違うこの世界でも、生きる価値と言う物を見つけ出してしまった。
それこそ、何もない現実の世界に帰った時に何もないという事に不安を見出すんじゃないかと、思えるほど。
「全く、にわかばかりだな。緊張感を持て、これから大事な会議が始まるのだぞ」
「え?」
と、その時だった。サキたちの後方から一人の女性の声が聞こえて来たのは。振り返ると、そこにいたのは片方の髪だけ縦ロールをしているという特徴的な髪形の女の子。背は自分たちと同じくらいか、やや下くらいに見える、自信にあふれた少女だ。サキやかじゅはその女性に見覚えはなかった。が、しかしシズやあこちゃーは違っていた。
「あっ! あなたは確か!!」
「久しいな、阿知賀女子の高鴨隠乃。それに、新子憧」
「晩成高校の!」
「ふっ……そっちにいるのは長野県代表の清澄高校の人間だな」
「え? あ、はい……」
晩成高校。どこかで聞いたことがあるような。それに、どうして自分たちの事を知っているのだろうか。いや、でも長野県代表の、なんて言葉を付けたからには、麻雀に関係がある女の子であるのは確かだろう。
そう、彼女は麻雀にとても関係が深い。そして、阿知賀女子の人間たちにとってはとても思い入れの深い女性だった。
「二人にすでに言われてしまったが。私は奈良県の晩成高校の部長だった。小走やえ。この世界では、≪バンセイ≫の名前を拝借している」
小走やえ。元晩成高校という学校の麻雀部の部長をしていた女性だ。ふと、のどっちは≪奈良県の≫という言葉に違和感のようなものを覚えた。
「奈良県という事は……」
「あぁ、団体戦では、阿知賀女子にしてやられた」
そう、シズやあこちゃーの所属している阿知賀女子は、奈良県にその校区を置く学校だ。そして、今年あった全国大会では奈良県代表として阿知賀女子が出場している。つまり、奈良県の予選に置いて敗退してしまった学校の部長なのだ。
いや、それだけ聞くと普通の高校の部長、という立場にしか聞こえないのかもしれない。しかし、彼女が部長をしていた晩成高校は、特別な学校なのだ。なぜならば、晩成高校は麻雀全国大会の歴史において過去四十年で三十九回も全国大会に出ている強豪校。その部長をしていたのだから、彼女自身も特記する力を持っていたはずだ。
そして、今年の全国大会予選、奈良県代表を決める大会においても、晩成高校は並みいる学校の中でも出場最有力候補と言われていたし、それほどの実力があった。
だが、誤算があった。それが、突如として麻雀部を復活させて、初戦でぶつかった新星、阿知賀女子。その先鋒松実玄と対戦したのが部長でありエースの彼女だったのだが、ダークホースとして現れた彼女たちを相手にし、さらに東一局、つまり一番最初の卓という相手の情報を全く得られない状況に置いて彼女に点を与えてしまった。
なんとか巻き返しを図ろうとしたが、しかし時すでに遅く。一番最初に彼女に与えた点棒が大きく響いてしまい、自分、そして次鋒、中堅、副将、大将の五人でその点を取り戻すことはできず、初戦敗退。晩成高校の輝かしい歴史に大きな汚点を作ることとなってしまった。
もしも、初戦で彼女たちに当たらなければ、そう嘆く部員たちに、全ては最初に阿知賀に点を許した自分に落ち度があると慰めた記憶は、今でも毎晩夢で見るほどだ。
何とか、個人戦においては、阿知賀女子の面々が出ていなかったとはいえども県大会優勝の名誉をもって、全国大敗に出る≪予定≫だった。
が。
「今年は個人戦で全国に出る予定だった……だが、一度も打てずに終わってしまったがな…‥」
「……」
今年の大会は個人戦はおろか、団体戦もまた途中までで終了。彼女もまた、そこに不完全燃焼を持っている。サキもソレを感じていた。自分も同じだから。自分もまた、その全国大会で、姉に会うという、目標を潰されてしまった人間の一人だったから。
プレイヤー№ 119角谷杏(ヘッツァー【Hetzer】)≪原作:ガールズ&パンツァー≫
プレイヤー№ 120澤梓(ラビッツ【Rabbitt】)≪原作:ガールズ&パンツァー≫
プレイヤー№ 121阪口桂利奈(ミーテ【Meete】)≪原作:ガールズ&パンツァー≫
プレイヤー№ 122丸山紗希(カリナ【Karina】)≪原作:ガールズ&パンツァー≫
プレイヤー№ 123小走やえ(バンセイ【Bansei】)≪原作:咲-Saki-阿知賀編episode of side-A≫
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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