SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
人生は人の数ほど。
人の出会いは星の数ほど。
命は、無限に等しいほど存在する。
その中で、本当に自分の心の底から友達であると言える人と出会うことなどできるのだろうか。
一緒にいて楽しい、一緒にいて頼もしい、一緒にいて愛おしい。そんな人たちと出会うことが、本当にできるのだろうか。
彼女達は知っている。友達の、未来の、明日の、夢の、希望の、そして諦めないことの大切さを。
彼女達は知っている。ひとりだけじゃ生きていけないと、ひとりだけじゃ楽しくないと。
だから彼女達は知っている。未来が奪われる辛さ、明日が奪われる辛さ、友達を失う怖さ。
これは、そんな少女達が送ったとても辛い数年間の話。
もしかしたら、今生の別れにもなり得たかもしれない、そんな紙一重の戦いの歴史。
これは、戦士達の記録ではない。極普通の女の子達の、極普通の友達の元に帰るための戦いの記録。
そんな、尊い話の一つに過ぎない。
JR横浜線。その快速電車に乗っている一人の少女。ドアの近くでスマホを操作して友達と連絡を取り合っていた。
これから会いにいくのはとある事件で出会い、仲良くなった友達。直接会いにいくのは極稀、お花見であったり特別な時であったりというだけになってしまったが、今でも連絡を取り合っている友達。
初めて出会った日から、もうすぐ一年になる。最初は引っ越したばかりで慣れなかった横浜の街にもすっかり馴染んで、こちらでも友達はたくさんできた。
けど、そうなることができたのは、あの人達のおかげ。特別な友達と、その別れと、そしてその時にできた友達みんなのおかげだ。
喧嘩した私たちの仲を取り持ってくれて、たくさんの出会いをくれたあの人達。私は、みんなのおかげで変わることができた。そう思う。
今日会いにいくのは、その中でも特に仲良くなった二人の友達。私と、特別な友達を合わせるために頑張って応援してくれた友達。
何故、自分達が会う事になったのか、それはあるゲームが関係する。
≪SAO≫今世代最高のゲームになるとの呼び声の高いVRという種類のゲームだ。
それ故に、数多くのゲーマーはこのゲームをいの一番にプレイしようとわずか一万本販売の初回ロットという狭き門をくぐるためにあらゆる手段を尽くしている、という。
彼女は、そんなゲーマーという部類ではない。確かに、中学生という思春期真っ盛りの年齢であることもあって、人並みにはゲームをプレイしているとはいえる。しかし、ゲーマーと呼ばれる人たちに比べれば天と地ほどの差。
だから、このゲームの予約抽選に参加したのも、ただ好奇心が作用しただけの事だった。別にこれで当たってても外れてても自分には関係のないことだと、そう思っていた。
だから、本当にびっくりしたのだ。当選のメールが来た時には。
わずか一万本という狭き門を自分がかいくぐることが出来たなんて、夢のような話だった。
けど、元々人見知りの性格である彼女は、古今東西のゲーマーがプレイするであろうゲームの世界に入り込むことに少しだけ怖気づいてしまう。
新しい世界に飛び込むという事は、とても心細く、そしてとても怖い物である。それを彼女は知っていたのだ。
そんな時、もう一つのメールが届いた。それが、これから顔を合わせる友達からのメール。そして、その内容は―――。
「あ……」
気が付くと、いつの間にか見慣れた景色が目の前に広がっていた。
といっても、この駅に来るのはまだ二桁にも満たない程度。けど、その景色が見慣れた物であると思うほどに、彼女にとってこの町にいる友達は大切な存在であるのだ。
彼女は降り立つ。また、あの子たちに、友達と再会するために。
笑顔溢れる女の子と、とても頼りがいのある女の子。二人の友達に会うために、彼女は再び《七色ヶ丘市》の土を踏む。
そして、少女たちは駅のすぐ外にいた。
「あ、来た! おーい!」
「あゆみちゃん! こっちだよ!」
「あぁ……」
少女、
「響ちゃん! みゆきちゃん!」
通っている学校も違う、住んでいる場所も違う。
でも、大切な友達。永遠の友達。
そしてかけがえのない友達、である。
「久しぶり、元気にしてた?」
「うん、でもこうして会うのどれくらいぶりだろう?」
「えっと、前はお花見の時だったはずだから……」
こうして会うのはどれくらいぶりなのか、たぶん一か月か二か月か。しかし、何故かは分からないが何年もあっていなかったかのようにも感じてしまう。そんなはずはないお知っているのにそう感じてしまうのは、やっぱり二人があゆみにとって大切な友達であるからだろうか。
再会を果たした三人は、共に近くのカフェへと入っていた。色々と話したいことがある。他の友達はどうしているのかとか、自分がまだあったことのない友達の事とか。
あったこともないのに友達なんて言うのはおかしいのかもしれない。けど、友達の友達なのだ。きっと、自分もその友達と仲良くできるはずだ。そんな確証がないはずの自信が確かにあった。
ともかく、その話は後でもゆっくりとできる。今は例のゲームの事だ。
「そういえば、メール見たけど、本当なの? 二人も当たったって」
「そう、それに私たちだけじゃなくて何人もね」
「え、そうなんですか?」
そう、彼女が受け取ったメールというのは、響やみゆきもまたSAOを手にいれたという報告であった。
特にみゆきに至っては、同じ町に住んでいる友達4名も当選しているそうだし、他にも何人もゲットできているそうな。販売本数がたったの1万本しかないことを考えると運が良いという言葉では足りないくらいだろう。
でも、あゆみはそのことを聞いてほっとしていた。自分一人だけでゲームをプレイするという事はとても不安だったから。友達も一緒にいてくれるというのはとても心強いことである。
「でも、楽しみだね。ソードアート・オンライン」
「世界初のVRMMORPGって触れ込みだけでもワクワクもんだよね」
「みゆきちゃん、それってみらいちゃんの……」
あゆみは、みゆきの言葉に苦笑いを浮かべた。
何も知らない人間にとっては何でもないセリフに見える。しかし、知っている人間にとっては彼女の言葉はネタの一つとして受け取られるのだ。
彼女の発したセリフ《ワクワクもん》、という言葉は彼女たちの共通の友達である
と、みらいの名前が出たとたん、響が思い出したように言う。
「あ、そういえばみらいも当たったって、SAO」
「そうなんだ! それじゃ、みらいちゃんとも一緒にゲームが出来るね」
「あとはなぎささんと、咲ちゃん、舞ちゃん、のぞみちゃんに……」
「えっと、なんだかいっぱいいるね……」
聞くに、総勢30人の友達がSAOを手にいれたという。豪運の持ち主の集まりかこの集団は、あゆみもいれると合計31人だ。もはや何らかの思惑が左右したのかとも思ってしまう。
「リコちゃんにももう一度会いたかったな……」
「うん……」
あゆみが思い出したのは、朝日奈みらいのとても大切な友達である
あゆみは、みらいと初めて出会った件のお花見の際にリコとも顔を合わせていた。彼女とはその時に色々とあって、とても大切な友達として認識していたのだ。
けど、そんなリコは少し前に遠くにある自分の国に帰ってしまった。もう、二度と再会することが出来ないような、遠い場所へと。
「ルールーちゃんやことはちゃんやララちゃん、それにユニちゃんにも会わせたかったな……」
「それに、トワも……元気にしてるかな……」
それは、リコと同じく遠い国に帰った大切な友達。やはり彼女たちも、二度と逢うことが叶わないかもしれない友達だ。トワとは、件のお花見の時に顔を合わせていたあゆみだが、前者4人とは結局会うこともなく別れてしまった。
会ったこともないのに別れてしまったというのも少しだけおかしな話だが、しかし友達が合わせたかったと言ってくれるような子たちであるのならば、きっといい子ばかりであるのだろう。
実のところ、そんなみゆきたちもララやユニとは直接の面識はない。ただ、友達経由で話を聞いただけであり、この会わせたかったという言葉には、自分たちも会いたかったという意味も含まれていたりする。
「ねぇ、二人は高校……何処に行くの?」
「え?」
「急にどうしたの?」
そう、自分も突然、急に何を言い出すのかと思う。しかし、ふと思ったのだ。
「ううん……ただ……」
「ただ?」
「もしかしたら、友達と離れ離れになる……それが、怖くないのかなって……」
「……」
実は今の時点でみゆきたちは中学三年生。もう少ししたら彼女たちには高校受験が待ち受けている。
その結果、彼女たちにはそれぞれに別々の道に進むことになるだろう。
もしかしたら、自分たちが住んでいた街から離れる者もいるかもしれない。
そんなことになったら、ただでさえ疎遠になりかかっているあゆみと他の友達との仲も、もっと離れて行ってしまうかもしれない。あゆみは、それが怖かった。
それにみゆきたち自身も、同じ学校に通っている者たち全員と同じ高校に通えるとは限らない。だから、あと数か月もしたら全員集合することなんて叶わなくなる。皆の心が離れて行ってしまう。それが、怖くないのか。あゆみは、それが聞きたかった。
すると、みゆきはふんわりと笑顔を浮かべて言った。
「うん、怖いよ……でも、大丈夫だよ」
「え?」
「だって、例えどれだけ遠くに離れても、逢いたくても会えなくても……」
「うん……皆、同じ空の下にいるんだから」
「皆、同じ空の下……」
先ほど列挙した数名は、違うかもしれない。しかしそれ以外の《この地球》にいる友達は皆、同じ空の下にいる友達。例え離れていてもお互いを想う気持ちでつながっているから。だから、怖くはない。
「そっか、そうだよね……皆同じ空の下にいるんだよね」
なんだか、勇気づけられた気がした。《あの時みたいに》。そう、皆同じ空の下にいる友達なのだから、何も恐いことは無い。恐れることは無い。
お互いがお互いを想いあってさえいれば、どれだけ遠くにいても、離れ離れになっていてもすぐ近くに感じることが出来る。それが友達ならば、何を恐れる必要があろうか。
もしかしたら、受験勉強のし過ぎで疲れてしまっていたのかもしれない。第一志望の高校に行けるか不安だったから、それが言葉に出てしまったのかもしれない。
でも、大丈夫。二人に勇気づけられたから。二人から勇気を分けてもらったから。だから、大丈夫。
そう、信じていた。信じていたかった。
スイートプリキュア♪
スマイルプリキュア!
映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち
参戦
因みにSAOをプレイするメンバーに関しては目下のところ考え中です。
この小説、本編と外伝を……(希望する方を選んでください)
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一つの小説でやってもらいたい
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本編と外伝を分けて投稿してもらいたい