SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
「はーい! それじゃ、五分遅れだけどそろそろ始めさせてもらいます!」
パン、パン、と手を叩いて周囲の耳と目を集めたのは、青色に髪を染めた、すがすがしい顔をした男性プレイヤーであった。
その言葉に、和気藹々にしゃべっていたサキやみぽりんたち等と言ったプレイヤーもそれぞれのパーティーに合流、したのはいいのだが、ちょっとした問題が発生していたりするのだがそれは後述しよう。
とにかく、全員がコロセウムのような階段にその腰を据えた。
そして、ある程度人の移動が終わったのを見計らって、青髪の男性は叫ぶ。
「今日は、オレの呼びかけに応じてくれてありがとう! 知っている人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな! オレは≪ディアベル≫、職業は気持ち的に≪ナイト≫やってます!」
「そんなシステムないだろ!」
と、一人のプレイヤーが茶々を入れるように言うと、ドッと笑いが起こった。確かに、このSAOには、見た目でその服装を変えてそれらしくすることができるが、職業選択システムは存在しない。
もしあるとすれば、スキルを習得して、前述したとおりに見た目を変えてそれらしくすることくらいだが、そんなものに貴重なスキルスロットを一つ使用するのは、ごくわずかな奇特なプレイヤーだけまろう。
ディアベルという男の服装もナイト、と言うには貧弱な装備。今はゲームの序盤も序盤であるので仕方がないがしかし、ディアベルはソレを踏まえてのナイト、と言う言葉を発したのだろう。
「一度笑いを交えて緊張を解すか……」
シンケン・Rはそう呟いた。彼女の言う通り、今回の第一層攻略会議に際して、多くのプレイヤーが緊張感を高めてその場に集まっていた。そんなプレイヤーたちを一度笑わせて緊張を解したのは、ある意味で正解だろう。いささか侍として凝り固まった自分にはできないことだ、と彼女は思っていた。
「さて、こうして最前線で活動してる、いわばトッププレイヤーのみんなに集まってもらった理由は、もう言わずもながだと思うけど……」
其の時、ディアベルの顔がそれまでの笑顔から一片、キリッととした表情に移り変わった。ソレを見て、さっきまで笑っていたプレイヤーたちもまた右に倣えでその顔つきを変える。
「今日、オレたちのパーティーともう三つのパーティーが、あの塔の最上階へ続く階段を発見した。そして、三つのパーティーは安全を確保しながらも今現在もマッピングを続けてもらっている。つまり、明日か、遅くとも……明後日には、ついにたどり着くってことだ。第一層の……ボス部屋に!」
「因みにそのパーティーの内一つは私たちのギルドのパーティーですわ」
「もう一つのパーティーは、私たちの仲間ね」
と、イインチョウ、そして合流したラブリーという名前のプレイヤーが言った。合流、と言うよりいつの間にかその面子で固まってしまっていた、と言う方が正しいのかもしれない。
「なんだか、一気に人口密度が高くなった……」
「アハハハ……」
アスナの呆れるような言葉に、ハニーは苦笑いを浮かべるしかなかった。そう、前述した問題と言うのが、この人口密度。
知り合いがまた知り合いを呼んで、その知り合いがまた知り合いを呼び、そんなこんなをしていたら、いつの間にか複数のパーティーが合流して一気に人口密度が高くなってしまったのだ。それまで一人で旅をしていたアスナにとって、イインチョウのギルドのメンバー十人と言うのでも十分だったのに、それが今ではさらに十倍、つまり百人近いプレイヤーに囲まれて、少々頭を抱えることになる。
だが、まだコレでもマシな方だなとは思う。なぜなら、その場に集まったプレイヤーたちは、カイトを除いてほぼ全員が自分と同じ女性プレイヤー。見知った顔もいる。それに安心感を覚えることができた。
逆に言えば、カイトにとっては満員電車で女性専用車両に間違えて乗ってしまったかのような気まずい状態になってしまっているようなのだが、それはそれ、これはこれという事で。
「一か月。ここまで、一か月もかかったけど……それでも、オレたちは、示さなきゃならない。ボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームそのものもいつかきっとクリアできるんだってことを、はじまりの街で待ってる皆に伝えなきゃならない。それが、今この場所にいるオレたちトッププレイヤーの義務なんだ! そうだろ、みんな!」
『おぉぉぉ!!!!』
この、ディアベルの言葉に多くのプレイヤーが叫び声をあげた。そうだ、アスナもずっと待っていた。この一か月。ずっと、絶対に開かない攻略への道が、開くその時を。ずっとずっと開くことのなかった第二層への、引いてはクリアという終わりを、自分ははじまりの街でずっと待って、でも全然クリアされないままに犠牲者だけが増えて言って、絶望して、前線に出て自殺志願者になってしまって。
でも、それでもまだ臆病なプレイヤーは、はじまりの街にとどまっているプレイヤーは大勢いる。その日が来るまで、助けが来るまでクリアされるまでと、羽化をまつサナギのように固まってしまっているプレイヤーが大勢いる。
今は、そのプレイヤーたちに自分が勇気を与えることができる。なんだか、どこかそのディアベルの言葉に胸を動かされたアスナだった。
「へぇ、良い事言うじゃねぇかあのディアベルってやつ!」
「皆をまとめるカリスマ性を持つ男と言うのはどいつもこいつも言葉巧みに人間を動かしよるからのう」
「問題は、その言葉と実力が折り合っているか」
フォーゼ以下、フミコ、シシーラの言葉である。そう、言葉だけなら誰だって発することができる。でも、問題はその言葉にそぐう実力、そして統率力を持っているかどうか、だ。それを確かめない限りは、彼の言葉に賛同できる物もできないところがある。
果たして、ソレを試す場面はすぐさま訪れることになる。
「ちょっと待ってんか、ナイトはん」
「ん?」
と、大声を上げて階段の一番上から現れたのは、オレンジ色の頭で、まるでウニのようにトゲトゲした頭を持った一人の男性プレイヤーだった。
その男性プレイヤーは階段を二段、三段飛ばしで駆けおりていくと、ディアベルの前に出てやはり叫んだ。
「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」
「こいつって言うのは何かな? まあなんにせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するなら一応名乗ってもらいたいな」
「……フン。わいは≪キバオウ≫ってもんや」
キバオウ、漢字で書くと≪牙王≫と言ったところか。名前だけなら、ディアベルに勝るとも劣らない。だが、その本質は少し見て、感じただけでも彼よりも数段劣っていると言っても過言じゃないだろう。
「こん中に、五人か十人、ワビいれなあかん奴らがおるはずや」
特に、その言葉を述べた後では。キバオウの言葉に、心当たりのある一部のプレイヤーは眉をひそめた。まさかとは思うが、こんな、ディアベルがさっき言ったように全プレイヤーに希望を与えるための会議の場でその話題を持ち出すのか。
だが、そのまさかであった。
「詫び? 誰にだい?」
「はっ、決まっとるやろ。今までに死んでった千人に、や。≪奴ら≫が何も感も独り占めしたから、一か月で千人もしんっでしもたんや! せやろが!!」
「……」
「……」
やはり、愚か者だった、か。キバオウの言葉に、全員が静まり返った。ディアベルは、その空気を何とかして換えようと思ったが、しかし出てくる言葉も思い浮かばなかったのか、ド直球でその言葉の真意を聞くことにした。
「……キバオウさん。君の言う≪奴ら≫とはつまり……元ベータテスターの人たちの事、かな?」
「決まっとるやろ」
プレイヤー№ 133不明(ディアベル【Diavel】)≪原作:ソードアート・オンライン≫
プレイヤー№ 134???(ラブリー【LOVELY】)≪原作:???≫
プレイヤー№ 135???(ハニー【Honey】)≪原作:???≫
プレイヤー№ 136不明(キバオウ【Kibaou】)≪原作:ソードアート・オンライン≫
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
-
最近の創作物が好き(男性)
-
最近の創作物が好き(女性)
-
5〜10年前の創作物が好き(男性)
-
5〜10年前の創作物が好き(女性)
-
10〜20年前の創作物が好き(男性)
-
10〜20年前の創作物が好き(女性)
-
20〜30年前の創作物が好き(男性)
-
20〜30年前の創作物が好き(女性)
-
30〜40年前の創作物が好き(男性)
-
30〜40年前の創作物が好き(女性)
-
40〜50年前の創作物が好き(男性)
-
40〜50年前の創作物が好き(女性)
-
50年以上前の創作物が好き(男性)
-
50年以上前の創作物が好き(女性)