SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 まぁ、あれだけ特徴ある名前と正体バレてる人と一緒にいたらそりゃバレるわ、と言うお話です。


メインシナリオ 第三章 第十七話

 宴も既に開始から一時間が経過していた、だろうか、あまりにも楽しすぎて時間の感覚を失っていた。

 本来だったらもうそろそろ盛り上がりも下火になってきてもいい物なのだが、残念ながらそうはならない。理由は簡単、そこに集まったプレイヤーのほとんどが中学生、あるいは高校生という思春期真っ盛りの子供たちだったからだ。

 かくいうこの宴の発起人であるイインチョウやヤスミだって高校生だし、何ならこの中で一番最年少のプレイヤーははじまりの街のあのチュートリアルが発生した直後ブラックたちのパーティーに保護されてそのまま≪何故か≫一緒に行動をしている≪シリカ≫。

 シリカにはブラックやマコトたちから、はじまりの街という完全に安全な場所でクリアまで待っていてもらいたいと進言されたのだが、彼女自身がソレを拒否した。それは、もしかしたらブラックたちのすぐそばがとても心地良くて、さらにとても安心できる場所だったからなのかもしれない。

 彼女は知っていた。マコトのその正体を。まぁ、彼女に関しては全世界の人間がその正体を知っているのでシリカに限らずその正体を知っていたのだが。そのマコトと同じようなプレイヤー名を付けているプレイヤーたち、そしてそのチームワークの良さを見て、シリカはある確信を持っていた。

 だからなのだろう。彼女たちと一緒にいることで自分が強くなったと錯覚してしまったのは、けど、そんな思い上がりもまたブラックたちは受け入れて、シリカを一緒にこの世界を冒険する仲間の一人として、絶対に死なないようにと常に二人以上で彼女の周囲を行動。さらには実際の戦闘に積極的に参加させてレベルやスキルを上げ、いつしか、彼女の中の思い上がりはその実力に目に見えるようになっていた。

 ソレに、シリカは温もりは感じていたと言う。とても頼りになるお姉さんたちに囲まれて、時に一緒に笑って、時に自分の身の上話を聞いてもらって励ましてくれて、中には自分と似たような境遇のお姉さんもいたりほとんど同い年の子もいたりと、その人たちにも励まされてシリカは心身ともに強くなったと断言していいだろう。現に、今ではSAOのトップランナーと一緒に並び立つ猛者の一人。

 シリカは、最年少の攻略組の一人であったのだ。

 

「ただいま帰りました」

「ん? 随分とにぎやかだな」

「おかえりなさい、ノルゲイさん、ビショップさん、それにクウガさん」

 

 とその時だった。二人の男性と一人の女性が、共に外から帰ってきたのである。イインチョウが出迎えてくるところを見るに、どうやらこのギルドのメンバーのようだ。その姿を見たブロッサムがいの一番に駆け付けた。

 

「あ、あぁ!! 雄介おじさん!!」

「え? あ、つぼみちゃん!?」

「はい、そうです!」

 

 そう、クウガ、つまり五代雄介、花咲つぼみの叔父にあたる人間である。双方ともに驚きを隠せないでいた。まさか、おじさんが―つぼみが―このデスゲームをプレイしていたなんて、と。

 それにもう一人。

 

「あれ? もしかして、鎌倉ででおった……」

「あ、君は確か……」

「川谷レイカ。この世界ではパメルじゃ」

 

 パメルである。彼女もまた、つぼみ、つまりブロッサムと彼の再会の場に居合わせ、その後彼女の知り合いが経営する喫茶店、≪MAHO堂≫でお茶を飲んだいわゆるお茶友達。

 彼女もまたこの世界で再会することになるなんて、思いもよらなかった。

 

「おじさんはどこにいってたんですか?」

「ちょっと迷宮区の奥を、散策しにね」

「迷宮区の奥……あ!」

 

 その時、ブロッサムは思い出した。イインチョウが、破綻した第一回目のボス攻略会議において、こそこそ話で、迷宮区で自分のギルドの仲間が今もボス部屋を探しているのだと話していたのを。

 

「イインチョウさんが言っていたボス部屋を探している仲間って、おじさんたちの事だったんですね」

「その通りですわ。クウガさんとブロッサムさんは、お知り合いだったんですね」

「親戚なんだ。つぼみちゃんは、俺の姪っ子」

「そうなのですか」

 

 イインチョウはクウガとブロッサムの関係を改めて知ると、ただニコっと笑うだけだった。その笑みに何が含まれているのかは、まだ分からないが、少なくとも裏表のない純粋な笑顔だったのは確かだろう。

 

「あ、貴方たちは!」

「確か、サージェス、ボウケンジャーの……」

「ん? 君は確か……」

「SPD、特捜戦隊デカレンジャーデカピンク、胡堂小梅です」

「同じく、デカグリーン。江成仙一です」

「やはり……私たち以外にも大勢戦隊の人間が来ていたのですか」

「そのようだな」

 

 とビショップとノルゲイは会話を何気ない会話をするが、しかし周りの人間にとっては衝撃的な発言に他ならない。

 

「な、なぁ戦隊ってまさか……」

「あのスーパー戦隊の事か?」

「凄ーい! スーパー戦隊の人に出会えるなんて、サインとかもらってた方がいいかな?」

「貰っても現実には持って帰れないけどな」

「ウッ!」

 

 桜が丘高校軽音部を含めた何十人もの人間がざわついていた。

 スーパー戦隊。それはこの世界において仮面ライダー、プリキュアと並んで有名な戦士たちの名称だからだ。まぁ、だからと言ってこれ以上騒いだりしないのは、やっぱり誰もが≪ある事≫に気が付いていたからだろう。

 

「あ、あのぉ……」

「メッセージを見てここに来たんですけど……」

 

 と言って現れた少女たち。そう、彼女たちもまた攻略組の一員として迷宮区の中を歩いていた少女たちだ。

 

「あれ!? なぎささんに咲、舞! それにいちかにはな! のぞみ! えみるまでいるじゃん!?」

「え!? えりか!?」

「ど、どうしてえりかさんがここにいるのですか!?」

 

 反応したのはえりか、つまりマリンであった。マリンが声をかけたのは、先にパーティーに参加していた女性メンバーたちによってメッセージを送られてこの場所に来てと誘いを受けていた少女たち。

 

「いやぁ、実はこっそりプレイしてたんだけど……でもまさかプリキュアがこんなにたくさんこのゲームに」

「マリン!!」

「え? うわ! ゴメン!!」

 

 とぶっちゃけそうになったマリンにブロッサムが叱責した。そう、いくら宴がかなり盛り上がっている状況にあるとはいえ、自分たちの現実世界での正体をそう簡単にしゃべってはならない。そういう意識があったから、が。

 

「あぁ、プリキュアなんでしょ? 貴方たち?」

「え……」

 

 ヤスミの言葉に驚く間もなく彼女は続ける。

 

「だって、キュアソードの剣崎真琴と一緒にいる同世代の女の子たち、何てヒント貰ってたら誰だって気が付くでしょ」

「え、えっと……」

 

 そう、先ほどノルゲイやビショップと言った存在がスーパー戦隊であるという事を聞いてほとんどの人間が驚かなかったのはそれが理由。スーパー戦隊、仮面ライダーと並んで地球を守る存在として有名なプリキュア。その、プリキュアの約半数に当たる存在がこの場所にいると分かっていたから。

 暗黙の了解で気が付かないふりをしていたが、やっぱり自分達がプリキュアであると明かしている上に超人気アイドルのマコトと一緒にいる女の子たち、というとても大きなヒントを貰って、気が付かない方がおかしいのだ。

 

「え? プリキュアだったんですか?」

「ちっとも気が付かなかった!」

 

 気が付いていない人間がいるのがおかしいのだ。

 

「お姉ちゃん気付いてなかったの?」

「え、ウイは気が付いてたの?」

「うん」

「まさか、天海まで気づいてなかったとはな」

「うぅ……」

「あ、因みに私とアイラやフミコにパメル。それにシリカはプリキュアじゃないから。そこの所間違いなく」

「うむ! じゃが、わしは現実じゃプリキュアもビックリの戦闘能力を持っとるから、現実に帰ったらよろしく頼むぞ!」

「よろしくって、何を?」

 

 と、ブラックローズが補足するようにいうのにかぶせるようにフミコがよく分からないようなことを言う。まぁ、とにもかくにも、だ。

 

「さて、コレで遠慮する必要もなくなったわね」

「え……」

 

 と、言いながらヤスミがブロッサムとマリンの肩を持つと言った。

 

「プリキュアの事、後でじっくりと洗いざらい話してもらうから!」

「え、な、なんでですか!?」

「私、元からプリキュアには興味があったのよね、どうにかして会おうとはしたんだけど全然上手くいかなくて、でもこの世界で出会えるなんて本当に≪ラッキー≫だったわ」

「あ、あの、えっとキョンさん、でしたっけ? この人は……」

「あぁ、諦めろ。そいつは不可思議現象に関しては目の色が変わると言うか人が変わる……いや平常運転か、とにかく今夜は寝れないことも覚悟してろ。俺は知らん」

「えぇ!?」

 

 と、ヤスミの暴走を止める役目を持つキョンですら匙を投げてしまった。無理もない。今まで自分が探し求めていた、プリキュア。プリキュアを超常現象と処理していいのか分からないが、とにかく超人的な力を持った人間がすぐそばにいるのだから、彼女の眼の色が変わっても何ら不思議ではない。

 結果的に、この夜はあることが理由でプリキュア勢が眠れなくなる、という事はなかった。≪この夜≫は、の話である。




 多分シリカは、この作品で今現在一番救われているSAO原作キャラ、であると思います。まぁ、命を失わないで済んだコペルが一番救われてるともいえますが。
 あ、因みに恒例の参戦プレイヤーリストの更新ですが、あまりにも膨大なキャラ、そして喋っているか喋ってないか読者が分からない程キャラが集まってるので、この宴の最後に載せようと思ってます。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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