SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 今回、≪例のキャラ≫の正体を大体の人が把握できる内容が含まれてます。つまり、答え合わせです。
 果たして、正解した人は何人いたかな?


メインシナリオ 第三章 第二十五話

 どうして、こうなった。

 

「マリン! そっち!!」

「了解もも姉!!」

 

 どうして、こんなところにいる。

 

「A! スイッチ!」

「はい!」

 

 何故、私はボス攻略会議にいない。

 

「さすが、やりますね! ヤスミさん!」

「ふふん、当然じゃない! あたしを誰だと思ってるの?」

 

 どうして、こんな場所でのんきにしていられる。

 

「アスナさん、どうしたんですか?」

「どうして?」

「え?」

 

 どうして、そんな姿を見て私は羨ましいと思っている。

 

 キバオウの稚拙な策略によってボス攻略戦の会議に参加することもできなくなったイインチョウたちは、その後、昨夜の宴のメンバーとメッセージ交換を交わしながら、いくつかのクエストに挑戦しようという話になった。

 トールバーナと言う街自体、発見され、攻略が進んでかなり立っている。しかし、その街が迷宮区に一番近い町という事もあってか、ほとんどその周辺のモンスターのデータ収集やクエストの調査がどがえしされてしまっていた。

 だが、≪運のいいことに≫キバオウによって暇を貰った形となった各プレイヤーたちは、これ幸いにと、全員でトールバーナにまだ潜んでいるクエストや、またトールバーナ周辺で出るモンスターの情報を収集しようという事になった。

 イインチョウ他、ブロッサム、マリン、ミラクル、オーシャン、ヤスミ、キョン、ちう、レイアース、ナデシコ、A、みぽりん、はれかぜ、アミカ、リーファ、シリカそしてアスナといった面々は、トールバーナ近くのフィールドでモンスター狩りを行いながら情報収集にいそしんでいた。

 かなり多くのパーティーが乱雑して集まっているではないかと思われるかもしれないが、これはイインチョウをはじめとした各々のパーティーのリーダー格がメッセージで話し合った結果できたパーティーだ。

 安全のために人数を確保することはもちろん、その強さや経験を加味しあいながら作ったパーティー。なお、ヤスミはプリキュア組を全員連れてこようとしていたがキョンその他もろもろによって拒否されたそうな。

 とまぁ、色々な思惑―主にヤスミだが―がありつつも、集まった彼女たちのパーティーは、フィールドのモンスターを狩りながら情報収集に努めていた。

 現在は、≪Kobold Henchman≫なる名前のモンスターと戦いながらその情報、そしてドロップするアイテムを吟味していた。≪コボルド・ヘンチマン≫と、読むのだろうか。小さい斧に粗雑な鎧を着た怪物。でも、まだ小さい方だ。これがもしボスクラスになってくるとこの四倍ほどの大きさになって来るのでこの程度のモンスターを相手にして怖気づく彼女たちではない。

 

「フッ! ハァァ!!」

「たぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 一体、また一体とコボルドが倒されて、その身体をガラス片に変えていく。その様子は、美麗でありなおかつ、彼女たちの洗練された動きもまた、印象的だった。

 シリカはそんな彼女たちに着いて行くので必死だった。ディアベルと他のプレイヤーたちのデュエルを見て、自分なんかじゃまだまだ程遠いところに、彼女たちはいるのだとそう感じていたシリカ。

 

「ッ! ハァァァァァ!!!」

 

 だからこそ強くならなければ、目の前にいる、お姉さんたちに負けないくらいに、シリカは張り切って戦っていた。その姿をみて、シリカを守りながら、しかし必要以上に前に出て彼女の出番を取らないように見守っていたブロッサムやミラクル≪も≫笑ってた。

 そう、その場にいる誰もが笑っていたのだ。モンスターを相手にして、HPを減らされて、殺されれば本当にゲームオーバー、死んでしまうデスゲームの世界において、モンスターを相手に笑顔で戦っている。

 それは、あまりにも彼女たちのレベルが高くて、その辺にいるモンスターじゃ相手にならないから、それもある。

 でも、それ以上にもっと大事な物があるからこそ、彼女たちは笑っていられるのだ。だからこそ、彼女は言うのだ。

 

「どうして?」

「え?」

 

 と。そして、続けて言った。

 

「どうして、貴方たちも! 皆、そう呑気に笑っていられるの!? どうしてそうやって笑顔で戦うことができるの! 死ぬのが怖くないの!? 攻略から外されて、ボス戦に参加することもできなくなって、どうしてそこまで笑っていられるの……」

 

 まるで、二日間溜まっていた鬱憤を晴らすかのような大声で、彼女は叫んだ。どうしてそう笑っていられるのかと。ボス攻略から仲間外れにされて、それでも前を向いてまた別にこのゲームクリアに貢献できることはないかと、モンスターを倒したりクエストをクリアして情報を集めたり、そして何より、何故そこまで笑顔でいられるのかまるで分らなかった。

 

「分かってるでしょ、この世界じゃHPを0にされたら死んでしまう。たった一度のミスで、死んでしまうような世界なのよ! なのに、どうして笑っていられるの? 貴方たちも死にたがりなの! 私と同じ、必死に戦って、この世界から消えたいの? 現実世界から消えたいの? どうして、どうして……」

「アスナさん……」

 

 アスナには理解できなかった。彼女たちの行動が、何も。彼女は泣き崩れるかのようにその場に座り込み、顔を覆った。勿論涙なんて物は流れないわけなのだが、しかしもし出すことができていたならきっと、顔がぐちゃぐちゃになるくらいに涙を流していたことだろう。

 理解できない。そう、もう脳の理解が追いつかなかったのだ。アスナの現実世界に取り残されてしまった凝り固まった脳では、彼女たちが死が迫るこの戦場で笑って戦える理由が全く分からなかったのだ。

 

「そんなの、ブロッサムやもも姉がいてくれるからに決まってるじゃん」

「え?」

 

 答えのは、マリンだった。マリンは自信をもって言う。

 

「あたしだってたった一人じゃ心細くて笑って戦うなんてできないと思う。でも、もも姉に、一番の親友のブロッサム。それに、皆がいて、一緒に戦ってくれてるんだから、安心して笑えるのも当然でしょ!」

「マリン……」

「フフッ」

「そうだね」

 

 その言葉に同意したAはさらに言う。

 

「≪武偵憲章第一条 仲間を信じ、仲間を助けよ≫。私は、ここにいる仲間たちを信頼している。だから、安心して戦う事が出来ているの」

「武偵憲章? 貴方、武偵だったの?」

「はい。お姉ちゃんは東京武偵高の一年生なんですよ」

「へぇ凄いわね、少し興味がわいてきたかも……」

「あ、あははは……」

 

 ヤスミはAが武偵というこの日本においては少し特殊な職業に就いている人間だと知ってプリキュアの時と同じような興味を示しているようだ。

 一方で、アスナはやはり理解することができなかった。

 

「プリキュアだからって、武偵だからって、仲間だからって何? だったら、友達も誰もいない私は、この世界で孤独に死ねって言うの? 誰も助けてくれる人間なんていない私は、このまま死んで行けって、そう言いたいの?」

 

 アスナは忘れている。この世界に、友達、とまではいかないのかも知れないが、顔見知りの人間、社交界でよく顔を合わせていた人間がいた事を。

 しかし、それほどまでに彼女は追い詰められていたのだろう。≪自分自身≫に。

 

「アスナさん。それは、違いますよ」

「え……」

 

 そう言いながら、彼女に近づいてくるのはつい先ほどまでモンスターと戦っていたシリカだった。

 

「私も、最初は心細かった。友達の一人もいない、自分と同年代の子もほんの少ししかいない。そんな世界で戦うんだって、怖くて、立ち止まりそうだった。でも、私は……プリキュアの皆さんと出会えて、友達になれて、信頼できる仲間ができた……現実じゃ、絶対になれなかった友達、現実じゃ作れなかった友達に出会うことができた。だから私も、この世界で戦える。そう思えるようになった」

 

 シリカはそう誇れるように言った。まるで、この世界に来れて良かった。そう言っているかのようにアスナには聞こえた。いや、きっと、彼女にとっては良かったのかもしれない。

 現実世界でいじめにあい、不幸がたくさん押し寄せてくるのは自分自身のせいだとこのデスゲームに巻き込まれた時も思い込んだ。そんな自分。

 でも、そんな自分を助けてくれたのが、プリキュアだった。プリキュアの、頼もしい仲間たちだった。デスゲームに巻き込まれたことは確かに不幸だったかもしれない。でも、プリキュアの戦士たちに接して、一緒に話しをして、かつて自分と同じようにいじめられていたというエールの励ましを受けたこと。自分と同じ小学生の時にプリキュアとして戦っていたマシェリと一緒にいる事で、なんだか元気を貰えた気がした。

 プリキュアは、自分の心まで救ってくれたのだ。そんな人たちと一緒だから、自分は戦える。そう、この世界での出会いがあったから、自分は今戦えているのだ。

 

「アスナさん。確かに最初はアスナさんも孤独だったかもしれません。でも、今は違う。今は……私たちが、一緒に戦う仲間です」

「なか、ま?」

「うん!」

「そうそう!」

「ま、そう言う事ね!」

 

 といってその場にいた全員が自分に向けて手を差し出してきた。優しい。こんなに優しくされたのは、生まれて初めてなのかもしれない。こんなに温かみを感じるのは今後の一生で絶対になかったかもしれない。こんなに、自分の事を本当に仲間だと、友達だと心の底から言ってくれる人間と出会う機会なんて、この先もないかもしれない。

 そう、こんな自分には、あまりにもその光はまぶしすぎた。

 

「でも……でも……」

 

 アスナは言葉を探した。彼女たちを否定するための言葉を。でも、何も出てこなかった。自分の中のボキャブラリーが少ないから、というわけじゃない。自分もまた、彼女たちの優しさを欲していた。その事に気がつかされたからだ。

 自分もまた、彼女たちの仲間になりたい。ゲームクリアして、その先の現実でもまた、友達になりたい。

 でも、ゲームがクリアされたところで自分の人生は既に詰んでいる。そう考えている自分が、彼女たちとともに戦って、本当にいいのかと自問自答を繰り返す。

 その時だった。

 

「アスナさん」

「え?」

 

 イインチョウが、アスナの手を取って言った。

 

「今のアスナさんは。気が動転して本来のアスナさんを見失っています。私が、アスナさんの本当の姿を、笑顔を取り戻して見せます!」

「はぁ、出たよイインチョウの悪い癖」

「癖?」

「あぁ、まっこれでもまだ遅い方……だな」

 

 と、あきれるように言ったちうをよそに、イインチョウはすっ、と立ち上がるとアスナに指を指しながら言った。

 

「例えここがどんな世界であろうと、私が、アスナさんを最高の≪モテ子≫にしてあげます!! 名付けて……」

 

 すぅ、と息を吸い込んだイインチョウは、タメをつくってから言った。

 

「めちゃモテ! ミラクルチェンジ! 大作戦!!! 目指せ、ゲーム世界でもとびっきりの笑顔になれるめちゃモテミッション!!」

「え……」

「スタートですわ!」

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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