SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 今回、ネギま組+とある双子、そして原作ゲームで主人公のはずなのに影が薄いとよく言われている二人組の話となります。
 個人的にはあの二人もなかなかにいいキャラしてると思ってるのですがね。


メインシナリオ 第三章 第二十八話

「はぁ、やっとついたわぁ!」

 

 と言って、この≪トールバーナ≫の街の中に一人の女の子を先頭にした集団が入って来た。フィールドだったら、一人だけ抜け出すと言うのは危険極まりない事であるが、しかし安全エリアである中でのことであるためソレを咎めようとする人間はいない。

 

「はぁ、本当に来ちゃった……」

 

 と、がっかりしている女の子もいたりするのだが。

 この集団は、今回の第一層ボス攻略会議に参加するためにやって来た集団だった。本来だったら、会議は前日に行われる予定だったため間に合ってはいなかったのだが、しかし今会機せずして一日遅れの会議をやることになったために間に合った、不幸中の幸いと言っても良いだろう。

 

「もう、このか……じゃない。このちゃん。せっちゃんが心配するから前線にいるのはナイショなのにあんなにはしゃいで……」

「まぁ、しょうがないっしょ!」

「そうそう!」

「二人が仲いいのは」

「私たちもよく知っていますです!」

 

 と言ったのは、同じ顔をした二組の美少女だった。

 そして、その後ろにいる一組の、こちらはそれまでの中学生たちとは違った大人の男女なのだが、その二人は言った。

 

「だが、ここまで無傷で来れたのは彼女の力もあってこそだ」

「そうそう! まぁ、フォローも大変だったけど、助け合いも大事ってね」

「あ、あははは……」

 

 少女、クギミーは笑うしかなかった。

 さて、そろそろこの八人の紹介をしなければなるまい。

 まず、最初に声を上げた少女は≪このちゃん≫。以前にせっちゃんが始まりの街に残してきたはずの女の子である。後ろにいる≪クギミー≫はそのせっちゃんに後を託されて、彼女の監視役に回ったのだが、しかし好奇心旺盛というか、行動力豊かな彼女を抑えきることなんて当然できるわけもなく、あれよあれよという間に攻略にこっそりと参加して、二人して、そのレベルは前線の攻略組と大差なくなってしまっている。

 このちゃんは、現実では前線で戦うタイプの人間ではなかった。むしろ、サポート枠としてある仲間たちの中で動いていた女の子だ。

 だが、SAOというゲームは、その人間の身体能力が少しだけ加味される部分はある者の基本的には最初は全てのパラメータに置いて同じ状態から始まる。

 なので、それぞれのプレイヤーが成長したい、強くなりたいと願えば願うほどに、戦えば戦うほどに、その危険性が増していくと同時に強くなることができる。故に、彼女はここまで強くなることができた。

 まぁ、それもこれも、一番後ろにいる二人の指導もあっての事、なのかもしれない。

 その二人との出会いもまた劇的だった、と言ったのは一緒にいる二組の双子。自分のクラスメイトでありいたずらっ子という言葉が一番似合う、自分たちのコシくらいまでの身長だけど中学生である鳴滝風香と史伽の姉妹。そして今を時めくアイドルの一組である双海亜美、真美の四人である。

 誰も忘れることができないあの正式チュートリアルの際、四人は偶然一緒の場所にいたそうなのだ、互いに双子同士であるという事もあって、ソレが始まるまでは和気藹々とした雰囲気でゲームを楽しんでいたらしい。

 しかし、チュートリアルが終わると一片。嘆く暇もなく周囲の人間たちが皆狂ったかのように怒号を発し、その場の混乱が徐々に増し、四人はそれぞれに離れ離れになりそうになった。

 そんな時だった。二人のプレイヤーが現れて、四人をその騒動の場から救い出してくれたのは。

 

「ここまで来れれば、安心かな?」

「そうね、四人とも、大丈夫?」

「は、はいです……」

「ありがとう、おじさんたち」

 

 と言われた男性は、フッと笑うと言った。

 

「おじさんか、せめて、お兄さんと呼んでもらいたいところだ」

「ここ最近の任務で、しわでも増えたんじゃないの?」

「まぁ、諜報任務にストレスはつきもの、そんな時にこそ余裕を持たなければならないのだよ、お嬢」

「全く。まっ、一応まだ私の家庭教師として席は残してあるから別にいいけど」

 

 お嬢、それに家庭教師。この二人はどこかのお嬢様とその家庭教師という関係なのだろうか。でも、先ほどの動き、正直言って見事だった。

 たくさんの人間が乱立して隙間のないはずだった空間を、スルリと、まるで自分の知っている忍者のように、駆け抜けていく姿は確かに格好よかった。そう、鳴滝姉妹は感じていたと言う。

 

「あの、おじさん。じゃなかった。お兄さんたちは?」

「俺は≪テンザイ≫。いや、現実じゃ、天斎小吾郎。探偵と家庭教師、それから≪特務機関≫のエージェントとして活動している諜報員だ」

「探偵と家庭教師?」

「特務機関?」

「諜報員?」

 

 なんか、色々とキャラ付けが重ねられているけれどつまるところいったい何者なのだろうか。

 

「ちょっと小吾郎いいの? 森羅の名前出しちゃって、先輩たちに怒られるわよ」

「フッ、名前を出しているのはお嬢だろ? 俺は、≪特務機関≫とまでしか言っていない」

「あ……」

「森羅?」

「よく分からないけど、とりあえず凄い人たち、ってこと?」

「……まぁ、凄いかどうかはともかくとして、私の名前は≪ミィ≫。現実じゃ、黄龍寺美依よ。よろしく、ってね!」

 

 天斎小吾郎と黄龍寺美依。色々とそのプロフィールに疑問点が浮かぶ二人なのだが、信頼して大丈夫なのだろうかと、四人が訝しもうとした時だった。

 

「黄龍寺? あれ、その名前どこかで……」

 

 そう、どこかで聞いたことがある。あれは、どこだったか。

 

「あぁ、私の家、黄龍寺財閥ってところ。今回のSAOにも資金提供している財閥の一つだから」

「あぁ、それで……」

 

 なるほど、だから聞いたことがあったのか。亜美は納得した。なぜなら、彼女たち二人は765プロ所属のアイドル。プロジェクトSAOにも参加して、SAO普及という任務をかせられたアイドルの内の二人だったから。

 なので、そのプロジェクトのどこかで黄龍寺財閥の名前を聞いていた、その可能性は確かになくはないだろう。

 

「まっ、こんなことになっちゃったから、家の方も大変なことになってると思うけど」

「それと、特務機関の方も、かな?」

「あ……」

 

 そうか、もしもこの事件が本当の者だとすると、そこに資金援助をしていた財閥やグループまで炎上してしまう。その事に気がついた亜美と真美は、それと同時に現実世界にいる、プロジェクトSAOに参加していた自分の仲間たち。そして、この世界にもいるはずの仲間たちを心配し始める。

 

「はるるんたち、大丈夫かな……」

「天海春香さんね。βの時に私も一緒にプレイしていたけど、あの実力だったら大丈夫、ってね」

 

 とミィは言う。そう、実は彼女もβテスター。その時、アイドルであるので本名でプレイしていた天海春香と出会い、交流をしていた。彼女のその実力であれば、めったなことで死ぬことはないだろうと言う確証もあったし、危険なリスクは犯さないだろう。そう考えていた。

 それより問題は、だ。

 

「亜美さん、真美さん。それとえっと……」

「あ、鳴滝風香。こっちの世界じゃフゥって名乗ってて……」

「私は鳴滝史伽。こっちじゃフミって名乗ってるです」

「ありがとう。四人は、この世界での戦い方は分かる?」

「えっと……」

「それは……」

 

 この時の四人は、それまでずっとフィールドに出ることなく始まりの街の中を探索していた。なので、フィールドに出て戦うなんてこと考えたこともなかった。そのため。ソードスキルの出し方すらも分からない。

 と言ったようなことを伝えると、ミィはため息をついて。

 

「しょうがないわね。どうする? テンザイ?」

「……一つ聞いておくことがある」

「な、何ですか?」

「な、なんか緊張感が出て来た……」

 

 スッ、とそれまでのお兄さん面した顔から真剣な顔になったテンザイ。いや、それが本来の彼の顔なのかもしれないが、ともかくそんな顔を見せた彼は言った。

 

「君たちは、この世界で戦う覚悟はあるかな?」

「……それって、どういう意味?」

「これから取るべき行動は二つ。この安全な始まりの街から出ることなくクリアされるまで過ごすか、あるいは死ぬかもしれない危険なフィールドに出て戦うか、だ」

「……」

 

 なるほど、つまりテンザイは問うているのだと、四人は瞬時に感じ取った。安全な世界の中で、他人が死の恐怖の中で戦うのを黙ってみているのか。それとも、危険と隣り合わせの世界で、自ら自分たちの世界を取り戻すのか。

 二つに一つを選べと、そう言う事なのだ。

 そう分かった瞬間だった。

 四人は、笑っていた。

 

「そんなの、答えは決まってるっしょ!」

「そうそう! 友達が戦ってるかもしれないのに、黙って引き下がれないって!」

「僕たちだって、危険な戦いは経験した事ないけど!」

「伊達に、あのクラスにいたわけじゃないです!」

「フッ、なら決まりだな」

「えぇ、私がこの世界の戦い方を教えるわ。冒険は、その後からってね」

「「「「はい!」」」」

 

 と、こうして、六人の、後に紆余曲折会ってこのちゃんとクギミーに出会い八人のパーティーとなってこの世界を戦うことになる冒険の幕が上がったのだった。

 

「やれやれ、今回は一日、二日で済みそうもないようだ」

 

 と、ぼやいたテンザイだったが、彼の目は既に先を見据えていた。すなわち、先ほどまでチュートリアルの会場を支配していた茅場晶彦がいたその空。そして、その茅場晶彦が待っているであろう頂を。




プレイヤーNo.172釘宮理恵(くぎみー【Kugimi】)≪原作:魔法先生ネギま!≫
プレイヤーNo.172近衛木乃香(このちゃん【konothan】)≪原作:魔法先生ネギま!≫
プレイヤー№ 173双海真美(マミ【Mami】)≪原作:アイドルマスター≫
プレイヤー№ 174双海亜美(アミ【Ami】)≪原作:アイドルマスター≫
プレイヤーNo.175鳴滝風香(ふう【Fu】)≪原作:魔法先生ネギま!≫
プレイヤーNo.176鳴滝史伽(フミ【Fumi】)≪原作:魔法先生ネギま!≫
プレイヤーNo.177天斎小吾郎(テンザイ【Tenzai】)≪原作:PROJECT X ZONE≫
プレイヤーNo.178高龍寺美依(ミィ【me】)≪原作:PROJECT X ZONE≫

 クギミー&鳴滝姉妹。アイマスの双海姉妹。そしてプクゾーの主人公ユニット。何故この組み合わせになったのかは作者の個人的な采配によるものです(と言うか、一度考えて没にしたプクゾーとネギまのクロスオーバー小説が元ネタ。双海姉妹が合流したのは本当に偶然)。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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