SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 ようやく物語が前に進みます。


メインシナリオ 第三章 第三十一話

「なんやと、もう一度言ってみ!」

「何度でも言ってやる。ボス攻略に挑むのなら、βテスターの力は必要不可欠だ!」

「……」

 

 結局、≪第二回ボス攻略会議≫もまた、紛糾していた。今回の火種となったのは、最初の会議参加していなかった一人の男性プレイヤーだった。

 まず、最初にディアベルが昨日打ち切りになった事を詫びた。当然、彼のせいではないのは明白だったのにそんなことをするなんて誠実な男だと、昨日に引き続き参加していたエギルは思っていた。

 エギルに関しては、どうやらβテスターの仲間、扱いにされなかったらしくボス攻略会議へと参加できていたそうだ。

 そしてその後、ボス部屋が発見されたことや、βテスターが書いたと言う初心者向けガイドブックがバージョンの更新がされて町のいたるところに置かれていたことを話したディアベルは、しかし、今回そのガイドブックを使用しないと言う選択をした。

 これには、参加していたプレイヤーたちからは疑問の声が上がった。その時に、ディアベルが告げたのはこの言葉だ。

 

「このガイドブックの制作には、元βだった人間たちが関わっている。もしこのボス攻略戦にβの必要がないと言うのなら、このガイドブックの情報を用いるのはおかしくないか?」

 

 と。確かに彼の言う言葉には一理あると考える人間がほとんどだった。

 経験豊富で、なおかつレベル的に見ても上位レベルにあるβの人間たちを放り出した挙句、そのβの人間たちが一生懸命に情報収集にいそしんで、作ってくれたガイドブックの内容を確認しながら戦うなんて、不義理が過ぎる。

 そう、誰しもが思っていた。

 

「ちょ、待ってんか! ディアベルはん!!」

 

 この、男以外は、だ。

 

「キバオウ君、また何か発言かい?」

「せや! 確かにβは気に喰わんし一緒に戦う価値もあらへん。けどせないな事言っても情報がなければ危険やないか!」

「一緒に戦う価値もない……か」

 

 価値なら、十分にあるんだがな、とディアベルは思ったと言う。当然だ。元β、そしてその仲間たちは確かに強さを持っている。この世界での戦い方を十分にわきまえている。だから、彼らの力を借りてこそ、ゲーム攻略は進むのだ。

 それを分かっていない、この男は。

 

「一緒に戦う価値もないのはどこのどいつだ」

「なんやと!?」

 

 と、その時、一人の男が階段を降りながら発言した。その後ろには女性も付いている。

 

「失礼、発言するのならまず名前から名乗ってもらえないか?」

「≪ゲイツ≫だ」

「≪ツクヨミ≫よ」

「お、あの二人は……」

「アギト、知ってるか?」

 

 その二人を見た瞬間、アギトはニヤリと笑った。

 

「はい。あのゲイツ君もまた、仮面ライダーですよ」

「え?」

 

 そう、ゲイツは仮面ライダー。その名前も同じで仮面ライダーゲイツとしてかつて最低最悪の魔王となる男を倒すために未来からやって来た仮面ライダーだった。

 今では、その未来も無くなって、一度は消えかけたが、しかし何らかの力で同じく、未来から来たツクヨミ共々存在している男。

 アギトとは、そのかつての戦いの中で共闘し、敵を倒したという過去があったため、面識があったのだ。

 

「ど、どいつのことや! 一緒に戦う価値もない奴っちゅうんわ!」

「言葉の通り、お前のことだ」

「なんやと!!??」

 

 ゲイツは、そう言うとキバオウに詰め寄って言った。

 

「βテスターの協力は必要不可欠だ。経験豊富、かつレベルは最高位クラス。装備も整っていて、新聞を見た限りでは仲間も大勢いた。そんな沢山の経験豊富なプレイヤーを差し置いて、お前程度のプレイヤーをボス攻略に参加させる意味なんて、微塵もない」

「んな……」

 

 まるで、昨日の再現の様だとエギルは思ったと言う。ヤスミも、同じことを言っていた。経験豊富なたくさんのプレイヤーと、たった一人の、βでもなんでもない普通のいちプレイヤーをとるか、そんなの目に取るように分かるのだと。

 結果この悲惨なありさまだ。昨日は会場が満杯になるほどにプレイヤーで埋まっていたと言うのに、今日は閑散としていて、まるでチケットが売れなかったライブ会場のようになってしまっている。

 この人数でボス攻略戦に挑む、となったらさらにその人数が減る可能性もある。

 ならば、βテスターであるヤスミやイインチョウの力を借り、ボス攻略戦を優位に進めた方が得策である。そう、エギルも、そしてこの攻略会議に参加していた誰もが思っていた。

 

「そこまで自信持って言うからには、それ相応の実力があるんやろうな!」

 

 と言いながら、キバオウは剣を取り出し、メニューウインドウからゲイツに決闘を申し込んだ。

 が。

 

「こんなもの、使う必要もない」

「は?」

 

 と、言ってのけて決闘を拒否したゲイツはディアベルに言う。

 

「ディアベル。お前も分かっているんだろう。ボス攻略のためには、何が必要なのか?」

「……」

 

 ゲイツの言葉に、ディアベルは目を瞑って考えるそぶりを見せる。そう、そぶりだ。最初から分かりきっていたこと。今回の攻略会議は、ボス攻略のための作戦会議が主ではないのだ。勿論、これから数時間後には、本当のボス攻略会議を始めることになるが、しかしその前に、決めておかなければならないこと、そして決断をしなければ、ならないことがあるり

 ディアベルは、素早く目を開けると言った。

 

「ここにいるプレイヤーで決を採る!」

「へ?」

「……」

「今回のボス攻略会議に置いて、元β、そしてその仲間たちの参戦を望む物は、立ち上がってもらいたい!」

 

 昨日の、逆か。確か昨日はキバオウと一緒に戦いたくないプレイヤーに立ってもらった、が今回はβとともに戦っていいというプレイヤーに立ち上がってもらう。

 だが、どちらにしても、結果は変わらないだろう。ディアベルは、元βでも参加させるつもりだ。きっと、色々な理由を付けて。そうでなければ危険だから。ソレを一番よく知っているのは、元βであるディアベル本人なのだから。

 

「まっ、当然……」

「だな」

 

 と言って、まずはブラックやビショップが、続いてメガ・Rやリョウマ、R.R―本人曰くレッドレーサーという意味らしい―。そして、他のプレイヤ―達もみな、立ち上がっている。

 そう、皆気がついていたのだ。このボス攻略戦には実力者の協力が必要なのだと。不可欠なのだと。キバオウ一人に踊らされてしまったが、結局のところ本当にボス攻略に臨みたいと言うのなら、ゲームクリアを望むとするのならば、元βで何であれ、実力者が集まらないと意味はないのだと。

 結果、賛成多数、いや全員が賛成だった。この中には、何人かは俗に言われる集団心理の要領で立ち上がった者もいるかもしれない。しかし、それでも心の中で気づいていたことからは目を背けてはならない。そんな強い意思を感じ取ったディアベルは、笑顔で言った。

 

「ありがとう。元βを代表して、礼を言う」

「なッ!? ディアベルはん!?」

 

 この言葉に、その場にいたほとんどのプレイヤーがざわついた。と、同時にディアベルは頭を下げて言う。

 

「確かに俺たち元βが、このゲーム世界で生きるプレイヤーを混乱させたかもしれない。私利私欲に走ったプレイヤーもいたかもしれない。だが、それでも……」

 

 言葉を一度区切ると、ディアベルは顔を上げて叫んだ。

 

「ゲームを一日でも早くクリアし、始まりの街にいるプレイヤーにも、いや……全てのプレイヤーにこのゲームは攻略ができるという事を伝えたいと言う思いは変わることはない! ソレを含めて問う……ゲーム攻略のために、βの力が必要だと思う者は、手を挙げてくれ!」

 

 突然の言葉に、プレイヤーたちは皆驚愕し、言葉を出すこともせず、硬直してしまった。

 しかし―――。

 

ぱち、ぱち、ぱち

「え?」

 

 その拍手を始めたのは、ゲイツだった。それだけじゃない。ディアベルと共に戦っていたプレイヤーも、ツクヨミも、そしてエギルもまた拍手を始めた。

 一度始まったその波は、決して止まることはない。

 少しずつだったその音も、小さかったはずの音も、多くの人間の手が加えられれば、やがて一つの交響曲となるのと同じように、彼らの少しずつの手拍子が、この場の空気を一変させたのだ。

 

「いいぞ! ディアベル!!」

「βと一緒に戦うのに賛成だ!!」

「俺もだ!」

「皆、ありがとう……」

 

 こうして、一人の男の勇気ある告白を最後にし、元βであるなしに、その仲間であるなしに、ボス攻略戦に臨むことが決まったのであった。

 会議は、一時中断。そして、ヤスミ達元βテスターが達が集まってから再開する運びとなった。

 キバオウは、ただただその様子を呆然と見ているだけだった。

 滑稽である。




プレイヤーNo.195ゲイツ(ゲイツ【Geats】)≪原作:仮面ライダージオウ≫
プレイヤーNo.196ツクヨミ(ツクヨミ【tukuyomi】)≪原作:仮面ライダージオウ≫

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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