SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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メインシナリオ 第三章 第三十二話

 第一層ボス攻略会議は、一時中断。元βテスターやその仲間たちが集合するための時間を用意するために、その場にいた者たちは皆待つことになった。ヤスミたち元βテスターの人間たちを。

 その中で、一番早くやってきたのは。

 

「こ、このちゃ、いえ、木乃香お嬢様!?」

「あ、せっちゃんやぁ~」

「なんでだろうな。来ると思ってたよ……」

 

 このちゃんの姿を見たせっちゃんは、あまりの衝撃に言葉を失ってしまっていた。しかし、このちゃんの方はそんなことを微塵も感じさせないくらいに朗らかな笑顔で、せっちゃんに向かう。

 ちうは、なんとなくだが彼女の性格なのだから始まりの街にずっととどまっているはずがないとは思っていた。だから、なのだろう。クギミーからのメッセージがせっちゃんに届いた時、呆れたり、頭を抱えることはあってもせっちゃんのように驚くことはなかったのは。

 

「お前も大変だったろうな、釘宮、いやクギミー、か」

「まぁ、色々と危なかったけれど……」

 

 クギミーは、頬を掻きながらしかし、その目ではある人物たちを捉えていた。そう、一組の男女、テンザイとミゥのペアである。

 

「あの二人や、風香や史伽のおかげで、助かったところもあるから、かな?」

 

 というと、ちうは悲しげな顔を浮かべてクギミーに言う。

 

「あの双子か……ソレにお前も、とうとうこっち側に来ちまったな……」

 

 こっち側、つまり非日常側という意味だ。

 彼女たち三人は、ちうのクラスメイトの中でも異質な存在。自分が経験した多くの冒険、多くの危険な出来事に一切かかわることのなかった少女たち。本来、異質と言われるべき人間たちの方が少数派のはずのあのクラスのなかで、別の意味で異質、と言う少女たち。

 確かに異質な世界観に少しくらいは関わることはあった。でも、それでも命を懸けた戦いとか、そう言った物には点で縁のなく、日常を謳歌していた少女たちだ。

 そんな少女たちまで、≪自分達≫のような非日常的な戦いに巻き込むことになってしまった。それが、ちうにとっては悔しかったのかもしれない。

 だが、彼女の手を取り、首を振って言う。

 

「ううん、むしろ長谷川……じゃない。ちうやネギ先生、明日菜……みんなが経験していた冒険や戦いにようやく参戦できた……ようやく、一緒に歩くことができるようになったから……むしろ感謝してる」

「……そうかよ」

 

 クギミーの言葉は、ちうにとっては強がりに聞こえていたのかもしれない。しかし違う。彼女のその言葉に嘘偽りなんて物はない。彼女は本気で、この状況になったことを感謝している。

 ようやく、自分たちもまた彼女たちと、麻帆良学園3-Aのクラスメイトとして、同じ土俵に立つことができたのだから。

 思えば、風香や史伽を含めたごく数人はどこか疎外感のようなものを感じていたのかもしれない。いや、そもそもそんなものを感じることもできていなかったのかもしれない。

 仲間たちが、自分の知らない間に危険な冒険をして、危険な戦いをして、もしかしたら死んでいたかもしれない戦いをして、ソレを自分たちはのほほんとした顔つきで見送ってばかりで、背中を追ってばかりで、いつしか見失ってしまっていた。

 仲間たちが、どこか遠いところに行ってしまったかのような、そんな印象を受けてしまっていた。

 だからこそ、クギミーは思う事ができるのだ。これでようやく、彼女たち≪白き翼≫と呼ばれるグループの仲間入りができたのだと。

 本当は、そんな危険な世界に関わってもらいたくなかったと言うちうの本音はともかくとして、彼女はとても嬉しかった。その感情が、異常であると知ってても。

 

「はるるん!」

「アミ、マミ! 良かった出会えて……」

「全く、やよいや貴音のナーヴギアとSAOを勝手に使うなんて……」

「だって、楽しいゲームなんだからやらなきゃ損っしょ!」

「ふふ、なんだか思っていたより元気そうでよかった」

 

 と、キクチーマコトだと剣崎真琴とかぶるから名前は彼女に譲り苗字にしたらしいーはそんな二人の様子を見て笑っていた。

 全く持って変わっていない。この二人は、この二人もと言った方がいいか。プロジェクトSAOに参加していた自分達アイドルは誰一人としてこのデスゲームに参加したことによって変わっていなかった。

 ひとえに、それは彼女たちなりの信念があるからなのかもしれない。けど、どこかで不安に思っていた。もしかしたら、このデスゲームに巻き込まれ、その精神を病む、あるいは、心変わりして、現実世界のような笑顔を忘れてしまっていたらと、そう、アスナのように。

 でも、その心配は無用だったようだ。この世界で仲のいい友ができ、安心できる仲間を得たことによって、彼女たちは本来の自分たちを失う事はなかったのだ。それが、心のどこかで嬉しかったらしい。

 

「しかしまぁ、なんじゃな。とんでもないお転婆娘どもと旅をしてたんじゃな、テンザイ」

「ちょっと、それじゃ私もお転婆娘ってことになるじゃない!?」

「まぁ、ある意味ではお転婆だがな、お嬢は」

「なんですって!?」

「まぁまぁ……」

 

 と、同じ機関に所属して、なおかつ共に戦った仲間である三人の再会、並びに喧嘩になりそうだったのを、その時の冒険でも一緒だったカイトが仲裁に入った。まぁ、この程度喧嘩、というよりももはや挨拶に近い物なのだとフミコは思っているのだろうが。

 

「久しぶりね、テンザイ、ミィ」

「ブラックローズ! でも、久しぶりって程時間たってないような……」

「まぁ、実際俺たちが一緒に戦ってから四か月程しか経っていないからな」

「うむ……考えてみれば全盛期の桃色レディーたちよりも過密スケジュールで戦っとったんじゃな、わしらは」

 

 そう、テンザイやミィ、ブラックローズがフミコやカイトと共に世界を救う冒険をしたのは八月の下旬の事だった。あれから、まだ四か月しか経っていないのに、久しぶり、というのもおかしな話だが、しかしそれだけその数か月があまりにも長く感じた証拠、なのかもしれない。

 しかし、だ。フミコは笑顔で言う。

 

「じゃが、同じ森羅のエージェントとして≪なまか≫……じゃない仲間に出会えたことは重畳じゃて!」

「そうだな、今は諜報員となっているが、元々は俺も戦いを主としていた人間だ。役に立つこともあるだろう」

「これからもよろしくお願いします、ってね!」

「うむ、まかせんしゃい!」

「任せて大丈夫なのかしら……」

「まぁ、でもテンザイさんとミィさんの実力は折り紙付きだから」

「なんじゃ!? ワシは頼りにならんか!? この一か月一緒に戦っとった仲であろうに!」

 

 と、言葉尻だけを捉えてぞんざいな扱いをされていると気がついたフミコが怒りの表情を浮かべた。

 いや、頼りにならないわけじゃない。むしろ戦闘経験抜群でゲーマーとしての知識もバッチリとあるフミコによって助けられた場面が多々あるのは事実だ。しかし。

 

「アンタのツッコミは色々としんどいのよ!」

「零児さんの辛さがよくわかる気がする……」

 

 そう、彼女の発言は色々とツッコミどころが多すぎるのだ。主に、色々なゲームのネタとか、アニメのネタとか、現実的なネタとか色々とてんこ盛りの発言に対していちいち対応していた、そんなブラックローズ、カイト、他プリキュアのツッコミ担当の辛さ、彼女には一番分かるまい。

 

「当たり前田のクラッカーじゃ! ワシと零児は、ベストマッチじゃからな!」

「それ、どこのネタよ?」

 

 こうやって随分と古いネタを使う事もあれば、彼女たちにとっては理解できないようなネタも使うから油断できない。まぁ、後者に関しては、特務機関であるが故に知りえた知識だから、という事もあるのかもしれないが、ともかく頼りになる仲間たちが再び合流できたことを今は喜ぼう。そのカイトの言葉で、ここでの自己紹介は締めくくられた。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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