SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
「こんなの、ってのは心外だな」
「そうそう、僕たちもいるんだから」
と言って現れたのはアンフィニに勝るとも劣らない程の顔の同じ美男子、その姿を見た一部の女性プレイヤーから歓声が上がるくらいに顔が整っている男子二名、そしてあとから現れたのは美男子、というよりも小動物系と言ってもいいような≪男の子≫と。
「……」
「むっ……」
バンと同じくらい目つきが鋭い、男性プレイヤーであった。
「貴方たちは確か……」
「常陸院の……」
「そ、桜蘭高校の常陸院カオルと」
「常陸院ヒカル、こっちではオルカとルカって名前使ってるけど」
「まぁ、常陸院で桜蘭に通っていらっしゃるお坊ちゃまという事は、あのファッションブランドの!」
その言葉に反応したのは意外なことにイインチョウであった。いや、これは当たり前の事なのかもしれない。
お洒落に気を配っている人間で常陸院の名前を知らぬ者はいない。常陸院は、主にファッションブランドで有名であり、なおかつその衣装の身綺麗さ、華やかで気品あふれるその小道具の数々を、オシャレに気を遣うめちゃモテ委員長が知らないはずもなかった。
「まぁ、確かにうちはファッション関係の会社を経営してるけど」
「時々お世話になっています」
「時々、ね」
というルカの言葉に、イインチョウは笑顔で言った。
「どれだけ服にお金をかけたとしても、その着方、なにより内面が美しくなければつりあいませんから。それに、私たち学生にはブランドものは高級ですし」
ファッションブランドと言う物は優雅さ、華やかさだけが売りになっているわけではない。時にそのブランド名で服を売り出すことがあり、そのためには本来そこにあるべきである服で魅せる、と言う物をかなぐり捨てている場合が、時としてある。
常陸院の家は違うのかもしれないが、ソレを抜きにしても、やはりブランド物の衣服というのは高級品。学生の委員長にはとても手が出せない高根の花的な存在であった。
それに、だ。
「一生懸命に自分でオシャレを磨いて、服のコーデを合わせればどんなブランド物よりも輝いて見せることができるんですよ」
「あ、そう……」
とイインチョウの言葉にルカは黙り込んでしまった。そう、人間の価値を決めるのは服の価値ではない。己の価値だ。服を買う事は、下世話な話になってしまうがお金さえあればいくらでもできてしまう。お金さえあれば、そして服さえあれば人間の外側をいくらでも小奇麗に見せることができうる悪魔、それがブランド品なのだ。
でも、それでは本当のモテ子にはなることができない。己を磨き、己を高め、自分に一番似合う服をコーディネートし、成長し続ければ、いつかはブランド品に勝るとも劣らないような自分に出会うことができるかもしれない。
イインチョウはそう考えてずっと自分を高めて来た。あの日、オシャレと言う物に目覚めてからずっと。だからこそ、このイインチョウがいるのである。
「ま、そう言う意見があるのも当たり前ですね。でも……」
と言って一人の男の子、こちらも桜蘭高校に所属しているお坊ちゃまなのだろうか。しかし、その雰囲気にはどこか庶民的な一面を持ち合わせている少年、のように見える人間が言った。
「たまにブランドものの服を着るのも悪くないと思いますよ。違う自分になったみたいで」
「たまに?」
桜蘭高校に行けるくらいのお坊ちゃまが、ブランド物の服をたまに着ている。その言葉に、どこか不思議なところがあった少年少女たち。と、その時だ。オルカが補足するように言う。
「あぁ、ハル、いやコハルは桜蘭高校でも珍しい一般庶民だけど、成績優秀で特待生として桜蘭に入って来た猛者、だから」
「特待生?」
「はい」
なるほど、そう言う人間もいるのか。確かに、桜蘭高校というのは≪一に家柄、二にお金≫と謳われるくらいに財ある物を沢山集めている学校。その分、そんじょそこらの優秀な家庭教師からも教えてもらえないような授業を受けさせてもらえる学校だ。
故に、成績が優秀な人間であったのならば、その桜蘭高校を目指す人間もいるのかもしれない。コハルも、その中の一人だった。
しかし、成績優秀であることが求められ、さらに通っている上流階級のお嬢様お坊ちゃまに物怖じしない程の忍耐も必要となって来るという、よほど図太い神経の持ち主でなければ特待生制度を用いて桜蘭に来る庶民はいない。そう、彼らの学校では言われていたのそうだ。
とはいえ、≪彼≫の場合は、図太い、というよりも天然でそのことについては考えていなかった、と言った方がいいのかもしれないが。
そんなことはさておきだ。
「それにしても、
大事な事なので、透華は二回、同じ言葉を繰り返した。確かに七条家は名家。桜蘭高校の人間と一緒にいてもおかしくはない。だが、彼女が通っている学校は確か桜蘭ではなかったはず。なのに、何故、何故寄りにもよって純粋無垢なお嬢様ばかりがいる桜蘭高校のメンバーと一緒に攻略に励んでいるのだろうか。それがはなはだ疑問であった。
「あ、それはですね……」
と、タカが困った顔をしながら言う。
そう、言うまでまでもない。そもそも彼らはあのチュートリアルが始まる前まで≪
だから、チュートリアルが始まった時も一緒。そこからはこちらももはやテンプレである。説明する必要もないくらいに。
「そうヌルっと簡単に」
「はいはい話に入らない」
「あ~れ~」
「それはさておき」
「さておけるの?」
と≪三人目≫のボケキャラを連れて行ったクロシェットはさておきコハルは続ける。あのあたりさすがは特待生の図太さの持ち主であると言えるか。
ヌルっと、とはともかくとしてこのデスゲームになった世界で安全に行動するために一緒に行動しようと言う話になった彼、彼女たちはそこから一緒に行動していたのである。
だが、その中でも一番気をもんでいたのはタカやクロシェットであるのは間違いないだろう。桜蘭高校のお嬢様である三人の女性と、桜才学園、並びにもう一つの学校の生徒会長という思春期真っただ中の女の子たちと一緒にいるとどうなることか、彼らにも分かっていた。
なので、何とか彼女たちを引き放そうと努力はしてみた物の、というか女性メンバーには始まりの街に残ってもらいたいと願ったのだが断られ、結局こうして最前線に来れるくらいに成長してしまった。
この辺り、お嬢様特有の好奇心のなせる技だったのか、それとも自分の信頼してる者達といる方が良いと考えたのか、いまいちよくわからないが、ともかく、お嬢様組もまた、トップランナーであることはまちがいないだろう。
果たしてそれが良い事なのか悪い事なのか、タカには既に判別できないくらいに彼女たちといるのが当たり前になってしまっていた。
その中でのツッコミ役と下ネタ伝授回避には相当苦労したが、とはタカとコハルの談である。
「タカ、随分と苦労してたんだね」
「まぁ、現実でも毎日のようにツッコミ役をしてたから慣れてるけど」
「……そのツッコミ役ってまさか」
あの、ツッコミ、とブラックローズがあらぬ妄想をした瞬間である。
「ブラックローズ、その発言もまた下ネタに一歩踏み込んどるぞ?」
「ハッ!?」
とフミコに言われて気がついた。そう、彼女もまたこの一か月、フミコと一緒にいてツッコミを磨いていた。彼女もまた、アライア程ではないにしても時折色々な意味合いできわどい言葉を使う事があり、そのツッコミに奔走していた結果あれよあれよという間にツッコミ属性という無駄なスキルが付属、そして自分でも知らない間そっち方面へのツッコミまでこなせるようになってしまった。
アライア、ウオミー、そしてミコトの三人がこっちにおいでと手招きをする姿が思い浮かんだブラックローズは。
「あ、あたしはそっちにはいかないからね! 絶対に!!」
と、当然断固として断るのであった。しかし、彼女もまた思春期の女の子、いつそっち側の人間になるかは―――。
「絶対にそっち側にはいかないから!!」
分からない。
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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