SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
「ドラクエで魔王の城目指すところとかあるじゃん。あそこで勇者は仲間とどんな話してるのかな?」
「いきなしなんなのよ!?」
と言ったのはコナコナである。現在彼女たちは薄暗い迷宮区をゆっくりとしたスピードで進んでいた。当然だ、今回自分たちはレイドというこのデスゲームが始まって以来一番大きな軍隊のようなモノで動いているのだから、その分道も狭くなり、モンスターの強襲なんて受けたらパニックになりかねない。
そこで、レイドを分割、パーティー四つに付き二つくらいのパーティーが護衛に付くという形式で歩を進めていた。護衛のパーティーは二レイド目のパーティーであるのだが、もしもピンチに陥ったのなら当然一レイド目のパーティーが助けに入る。そんな感じで徐々にではあるが迷宮区の開拓は進んでいったのである。
その中でのコナコナの言葉である。
「だって、勇者だって無言で魔王の所に行くわけじゃないじゃん。世界を救ったら何をしようかとか、どんなおもてなしを受けるのかとか、お姫様と結婚できるとかそんなこと考えているかもしれないでしょ?」
「そんな欲望にまみれた勇者もいやね」
確かに、勇者が世界を救って、町に帰った後どんな祝福を受けるかとか、どんなおもてなしを受けるかとか、そんなことをいちいち考えているなんて、考えたくもない。だが、である。
「でもさ、そういうのがないなら勇者はどうして世界を救おうとするのかな?」
「そりゃ、世界を救いたいからでしょ?」
「でもさ、世界を救おうとしているならそれ相応の対価を求めてもいいんじゃない?」
「まぁ、それは……」
カガミはコナコナの言葉に帰す言葉がなく詰まってしまった。確かにそうだ。勇者としてその世界のラスボスたる魔王を倒す。そのためには命をかけて、傷つき、倒れ伏しそうになったとしてもそれでも立ち上がる気力が必要になって来る。それで、世界を平和にしたら何も貰わずにはいさようならというのも、命を懸けた甲斐がないと言う物。
確かに報酬はしかるべくしてもらうべきであるし、それを望むことは悪くないかもしれない。でも、だ。
「そんな俗っぽい勇者に世界を救ってもらいたくないわね」
「なら、ドラクエの世界の登場キャラは皆、無償で勇者に世界を救てもらおうとしているのかな?」
「……」
それこそ、人間らしいものであり、そして勇者にとっては人間らしくない考えだ。
報酬を求める事、それは人間らしい。しかしその報酬を願わないことは人間らしくない。人間は報酬があるからこそ動くことができるし、褒美があるからこそ命を懸けてでも戦う事ができる。
実際自分たちもそう。この戦いを経て、次の階層に進んで、また次の階層に行ってと、それを繰り返すことでゲームクリアを、つまり現実世界への帰還を目指しているのだから、無償で戦っているわけじゃない。でも、だ。
「で、でも、始まりの街にいるプレイヤーは皆私たちに期待しているよ、いつかラスボスを倒してくれるんだって……」
こばゆーが言った。始まりの街にいるプレイヤーだけじゃない。今回のボス攻略には参加することができなかったプレイヤーたちは皆が皆彼女たちに期待している。ボスを倒して、次の階層に進んでくれることを。けど、それこそ。
「それこそ、ドラクエの世界の登場キャラっぽいよね」
「うぅ……」
ただ勇者に世界の事を任せっきりで、自分たちはほとんど何もしない。ただ願うだけで何もしてくれない。道具や武器を売ってくれるだけで勇者に協力した気になっている。そんなNPCのキャラのようになってしまっている始まりの街に残されたプレイヤーたち。
「それじゃ、最初の質問に戻るけど。勇者はボスと戦う前に仲間たちと何の話をするのかな?」
「そうね……」
命を懸ける戦い。ソレに臨む、いやそれまでずっと望んできた戦い。その最後の敵を前にして、一体どんな言葉を紡いでいるのか。カガミはそう考えてみると猛烈に頭が痛くなってきてしまう。
考えたこともないから、というのもあるかもしれない。もしも、それを考えてしまったら自分が何のために戦っているのか、それが分からなくなるから。
「分かんないわよそんなの……」
だから、カガミはただそう答えるしかなかった。残念なことに、自分たちが今その状態に陥っているのに、である。
「お、見えて来た」
「あ、あれが……」
そして、ついにコナコナたちは到着した。とても巨大な二枚の扉。灰色の石材表面に恐ろし気な獣頭の怪物がレリーフされた、まるで地獄の門ともいえるような扉。これからもボス戦に挑むたびに、自分たちはこの扉をくぐる。でも、そのたびにもう一度その扉から出られるのか、分からない。
もしかしたら、この場所で死んでしまうかもしれない。この場所で、自分の人生が潰えるかもしれない。この場所で、この、とても大きな扉の向こうで、そう考えた時コナコナたちの表情が一気に引き締まった。
そして、後続のプレイヤーたちが到着、ボス部屋の前はかなりの人数によって狭められ、あたかも満員電車の中を思わせる感じとなってしまった。
そして、そこから数分の間、各プレイヤーたちは作戦の最終打ち合わせや、それから自分の装備を確認したりアイテムをすぐに取り出せるように腰に付けてあるポシェットに入れたりしていた。
そんな中である。
「では、最初のレイドメンバーは前に」
と、ディアベルが、各々の準備が終わったのを見計らったように≪小さく≫声を上げた。というのも、この迷宮区に現れるモンスターも人型なのだが、そう言った人型モンスターはプレイヤーの大きな声に反応して寄ってたかって集まって来るから。こんなボス直前でHPを減らすような真似、したくない。それはディアベルの、そして多くのβテスターの考えであるだろう。
そして、ゆっくりと最初のレイドメンバーに選ばれた二十二パーティーが前に出る。
一番隊
ちう、アスナ、リーファ、シリカ、グレース、ユウキ
二番隊
ヤスミ、キョン、みっくるん、ナガトユキ、ミズノ、キバオウ
三番隊
イインチョウ、かじゅ、セノ、アンチョビ、ペパロニ、カルパッチョ
五番隊
ドリーム、ルージュ、うらら、ミント、サニー、マーチ
八番隊
ラブリー、ハニー、フローラ、マーメイド、セブン、サンデーゴーゴー
十二番隊
メガR、リョウマ、RR、デカG、デカM、フジコY
十三番隊
シンケンR、シンケンM、ナデシコ、レイアース、シグナム、フィアッセ
十四番隊
タメトモ、キラメイR、キサラバ、パメル、ゲイツ、ツクヨミ
十五番隊
M、クウガ、アギト、アナム、キッド、ナイト
十七番隊
チハヤ、フルムーン、オーシャン、ムーンライト、フォーゼ、コペル
十八番隊
コナコナ、カガミ、こばゆー、ミー、ぴの、ぼぼろん
十九番隊
タカ、ミコト、クロシェット、トッキー、ウオミー、ムツミ
二十番隊
コハル、オルカ、ルカ、ボサノバ、キョウ、アライア
二十二番隊
カイト、ブラックローズ、アイリ、テンザイ、ミィ、フミコ
二十三番隊
ハルカ、キクチ、ユキホ、イオリ、アミ、マミ
二十四番隊
みぽりん、バロッサ、エリーゼ、ラビッツ、ミーテ、カリナ
二十五番隊
エイミー、クレール、ベーゼラ、シズク、ローウェル、ノエル
二十八番隊
オウタ、カネコ、パワー、ツイン、トゥナイト、カオル
三十番隊
ユー、アイ、リッツン、ミオ、ムギ、サーバント
三十一番隊
サキ、シズ、あこちゃー、のどっち、バンセイ、ハワード
三十三番隊
コジカ、ハツネ、ワンステップ、ナオミ、ゴッデス、エンプレス
そしてディアベル率いるパーティー。これが今回の第一レイドとなる。
そのほかのパーティーはバックアップメンバーとして後方で待機、時と場合を見極めてディアベルが交代を支持すると言う。
因みに、ディアベルはもしも、考えたくないことだが自分が死んだときにはイインチョウをリーダーとして体制を立て直してもらいたいと言っていた。
そう、あってはならないことだ。だが、念には念を入れておかなければならない。何があってもおかしくはない、このボス戦に挑むに置いて。
「行くぞ!」
そして、短く一言だけ叫ぶと、思い切りその扉を押し開けたのだ。
その瞬間だった。ディアベルを含めた、大勢のβテスターが目を見開いたのは。
「な、に……」
そう、そこにはこのボス部屋の主たる≪イルファング・ザ・コボルドロード≫の玉座があったのだ。
≪二つ≫も。
どうも、くどいで有名な作者です。
あと、バレバレの展開を書くしかできない作者です。この後の展開、察しの良い読者ならどうなるのか、わかりますよね?
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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