SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
「ヤスミ、そっちの指揮は任せた!」
「言われなくたって!! はぁぁぁぁ!!」
≪イルファング・ザ・コボルドロード≫のHPゲージは四段ある。その内三段目までは右手の斧と左手の盾を武器に戦う。それを頭に入れ込みながら彼、彼女たちはそれぞれの獲物を手にその巨体に、あるいはその取り巻き達に向っていった
「フッ! ハァァァ!!!」
「うりゃぁぁぁ!!」
「来るぞ! カネコ! パワー!」
「「おう!!」」
≪イルファング・ザ・コボルドロード≫と戦い始めた戦士たち。仮に左側にいたのをA個体、右側にいたのをB個体としよう。A個体と戦っていた部隊は、ソレが斧を大きく振り上げたのに気がつくと、部隊の中で筋力を上げていたカネコとパワーに防御を託した。
二人は、それぞれの武器である斧で下から振り上げる形でコボルド王の斧をはじく。
「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
すると、それに続くようにカイトの部隊とディアベルの部隊が突撃した。本来指揮官であるはずの彼までも前線に来ていることに気になっている者がいるかもしれない。
実際彼も、一番最初のボス攻略会議が始まる前までは後方にて待機している予定だった。その理由は後方から指揮を執り、そしてLAボーナスを取得する事。
そう、元々彼はLAボーナスを狙っていた。だからこそ、ボス攻略戦の指揮官となってみんなをまとめ上げて、そして最後には自分が後方から突撃してLAを取る腹積もりだった。
けど、今は違う。イインチョウたちやヤスミといった、自分と同じいや、自分よりもカリスマ性があってみぽりんのように戦略性に長けたプレイヤーがいるし、LAボーナスの事も既に踏ん切りがついた。
だから、己もまたこのボス攻略の一助になる。前線に出て、戦うことによってその助けになることを願って剣を振るっていたのである。
「フッ! ハァッ!!」
「シンケンRさん!」
「分かっている! はぁぁ!!」
と、言ったところでシンケンRは≪曲刀≫を振りかざすと、ソードスキル≪リーバー≫を放った。あの日、まだこのゲームがゲームだったころクラインに伝えたソードスキルだ。
ここで不思議に思う者もいるかもしれない。どうして普通の剣で戦っていたはずの彼女が、曲刀を使っているのか。いや、彼女だけじゃない、シンケンMや他数人もそうである。これには、ある理由があるのだがそれはまたいずれ解説しよう。
「アスナ! スイッチ!」
「えぇ!! はぁぁぁ!!!」
と、ソードスキルの後の硬直時間を補うためにアスナがソードスキル≪リニアー≫を発生させながら突撃した。さらにもう一人。
「フッ! はぁぁぁ!!!」
リーファもまた、間に入ってコボルド王との間を開ける。連続二回のソードスキルを当てた後、無理をして相手のカウンター攻撃を喰らわないとも限らない。彼女はすぐに逃げられるようにスキルを使用しない斬撃を見せた後、二人とともに後方へと下がった。
「はぁッ! キッドさん!」
「応! てやッ!!」
コボルドではない、センチネルと戦っていた部隊もまた、当然の事であるがまだまだ余裕がある。キッドは、目の前のセンチネルを一体倒した直後に言う。
「この敵……サキを助けに行ったときに倒したモンスターの方が強かったけど……」
それは誰もが、というかあの時あの場所にいた全員が感じていた疑問だった。そう、センチネルは確かに素早く重い攻撃をしてくるのは確か。だが、恐ろしさを鑑みると、サキを助けに行ったときに出会ったモンスターである[アントニー]の方が多く、恐ろしかった。
それに比べれば、目の前のにいるセンチネルは直線的な動きというか野蛮な獣というだけ、という感じがしてあまり強くない。それが彼らの考えであった。
「あの時が異常だっただけだ。油断するな」
「いや別に油断何て、うぉ!」
とその時だ。ナイトがキッドの身体を押しのけた。その瞬間、彼がいた場所に再出現したセンチネルの棍棒が振り下ろされた。
「油断するなと言っただろ、バカ」
「誰がバカだって……」
「二人とも喧嘩してる場合じゃないですよ!!」
アギトはそんな二人をカバーするかのように剣を横にして、次なる攻撃を防ぐ。
他の場所でも同じように何人ものプレイヤーが合計九匹いるセンチネルの攻撃をうまくかわしながら撃破していく。
コボルドの武器は基本的に棍棒。しかし、よく見ると斧を持っている個体もいた。βの時とはやっぱり違う。そう思いながらも、彼らの中の共通認識は同じだった。
「お前ら! 絶対にこのセンチネルをボスの所に行かせるなよ!」
「うん、これに挟み撃ちにされたら……」
さしもの彼らでも打倒されてしまうかもしれない。そんな不安が一瞬だけ頭の中によぎったキラメイRではあったが、しかし首を振って目の前のセンチネルに向けてソードスキルを放った。
「す、すげぇアイツら……」
「あぁ、いくらβやβから教えてもらったって言っても……」
というのは今回のレイドの二つ目、つまり後方で待機している一般プレイヤーたちであった。その大多数が男性で占められているのは、ゲーマーが男性が多いと言うのもあるのかもしれないが、とにかく彼らの言う通り、第一レイドのプレイヤーたちの動きがすさまじいのは後ろから見ても分かった。
息の合った連係プレイ。時折言葉を交わすことは合ってもまるで相手がなにを言うのかが分かっているかのように動いたり、機敏で、そして洗練された動きを見せたりして敵を惑わせたりして、まさにその姿は圧巻と言っても過言ではなかった。
「当然……」
「なんてったってあそこにいるのは……」
「歴戦の戦士と、ゲーマーだからねぇ……」
「そして、俺たちのダチだ!!」
「勝手にダチ認定してるのもしかして?」
というのは、プリキュア勢とそれから今回のパーティーでは十七番隊に所属しているフォーゼである。
それにしても確かに強い。それは一般プレイヤーの一人のエギルの目から見ても明らかだ。確かに、これならヤスミの言う通りヌルゲーと言う物にできるかもしれない。
最初は、ボスが二体いると言う異常事態に動転していたもののこれならば、そう誰もが思っていた時だった。
「よし、一体目のHPバーが一本になったわね!!」
「みなさん! 一度離れてください!!」
「了解!!」
「エイミーも下がって、最後の攻撃の準備を!」
「はい!!」
ヤスミ、イインチョウの二人は自分たちが戦っていたコボルド王にHPバーが一本になったのを見て様子見のために一度全員に下がるように伝えた。特にエイミーに関しては例のスキルを使用するタイミングになったら合図を送ると言う事にして少し後方へと下がらせる。
本当だったらこんなにたくさんのプレイヤーがいるところでレアスキルを発動させるのはどうかと思ったし、彼女を第一レイドのメンバーとして参加させるのはどうかという意見も少しはあった。だが、エイミー自身が前線で戦いたいと名乗り出て、第一レイドのプレイヤーとして戦っていた。
そもそも彼女は〈救済の剣〉オンリーでも戦えるようにと自分自身を鍛え上げていたプレイヤーだ。そのため、他の数多くのプレイヤーと遜色のない戦い方ができるのも当然の事。結果、彼女はあまりHPを減らすことなく、その場から立ち退いた。
すると、≪イルファング・ザ・コボルドロード≫は持っていた盾と斧を投げ捨てて、背後から一本の剣を取り出した。
「武器はβと同じ、曲刀カテゴリーのタルワールね!」
と、ヤスミが分析した。そう、βと同じ、ならば戦闘方法も同じはずだ。どうやら、変わっているのはセンチネルの数と王が二体いると言うこと、それ以外は同じ様子。
だが、ここでフミコがふと思う。
「どっかで覚えがあるんじゃが……どこじゃ、いったいどこで……」
「フミコ?」
「……」
彼女は戦いの中でずっと考えていたのだ。この展開、というか王が二体いると言うこの現状に、実はテンザイもまたそれに同意していた。
「そう言えば、一度あったかな、あの魔界の村でッ! 二体の王が現れたことが」
「おぉそうじゃそうじゃ! 思い出したぞ!」
そうだ、確かにあった。テンザイやミィと一緒に旅をしたときに魔界村と呼ばれる魔界のある地域に行ったときに、その村の王が二体現れたことを。あの時は大層驚いたが、しかし自分たちはそれ以上の存在を知っていたからと件驚くこと等―――。
「それ以上の存在……王……三倍ッ!?」
「フミコ?」
「よし、もう一体のHPバーも残り一本だ!!」
と、誰かが叫んだ。そして、そのコボルド王が取り出したのもやはり曲刀のタルワール。順調だ。そう、全てが順調だった。その、はずだった。
しかし。
「用心せい! もしかしたらそやつらは!!」
「え?」
その、瞬間だった。
「ぐ、グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」
「!?」
二体の≪イルファング・ザ・コボルドロード≫をも上回るような地響きのような咆哮が鳴り響いた瞬間であった。その場にいた全プレイヤーがスタン状態、つまり麻痺の状態に陥ったのである。
「な、これ、は!?」
「やはり、そうじゃったか……」
「フミコ、どういうこと!?」
「あのボスはボスじゃ、しかし!」
その瞬間だった。玉座にひびが入り、その奥の壁が割れ、崩れ落ちた。
と、同時にその向こうから眼光煌めく一体のモンスターが現れたのである。
ソレを見た瞬間に、フミコが叫んだ。
「大ボスが、潜んでおったのじゃ!!」
「なっ!?」
そう、そこにいたのはもう一体の≪イルファング・ザ・コボルドロード≫、HPバーが五本も存在する、それまでのソレの上位互換と言ってもいい存在であった。
伏線雑いな思われた方正解です。実は元々ボス三体は念頭に置いてたんですが、伏線置くのを忘れてて数話前に急遽取り入れた伏線がアレでした。おかげでまた茅場晶彦の謎がひとつ増えてしまった。
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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