SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
現場への強制捜査、そして全員の逮捕まで物の数分で終わってしまった。逮捕者は十三名。全員がまだ二十代から三十代という若者で占められており、この上にはまだまだ黒幕的な存在がいることを匂わせる。
とはいえそれは今後の捜査次第で明らかになっていくだろうと杉下は考え、今回自分とともに犯人逮捕に協力してくれた女性の下に向かった。
「さすが、国際警察。ICPOの春麗刑事。お見事でした」
春麗刑事。ICPO所属の刑事であり、その名前を見てわかる通り日本人ではなく中国人の刑事だ。しかし、その所属先が国際的な活動を余儀なくされるICPOであることからか、日本語も堪能、むしろ下手な日本人よりも日本語が上手と思われる女性である。
彼女は格闘家であり、中国拳法の使い手であるのだ。現在は犯罪組織≪シャドルー≫の専任捜査官であり、世界各国を飛び回ってその壊滅のために奔走している。の、はずなのだがどうしてこんなところにいるのか、それはひとえに、今回日本で発生したSAO事件が関係している。
実は、SAO事件は日本国内にとどまらず世界各国にも影響をもたらしていたのである。海外にも当然ゲーマーと言う物が存在しているため、数名の海外の人間がSAOに囚われたり、また国際指名手配されている人間がSAOに潜入したとの情報もあったり、そして何よりも茅場晶彦の足跡が一切つかめていないことからも日本国内外様々な場所での捜査が急務となった。
そのため、ICPO、つまるところの国際警察もその捜査を担うことになり、また、犯罪組織≪シャドルー≫の本部が日本にある可能性も掴んだため、しばらくは日本に滞在、こういった特殊犯罪に関しての介入も行うと言う事になったのである。
「いえ、私なんてまだまだ修行が足りない……知り合いの言葉を借りると、功夫が足りない……ってところかしら? 杉下警部こそ、相手の力を利用したり、囮になっての亀山刑事との連携、鮮やかでした」
「おほめにあずかり、光栄です」
「さすが、最強の相棒、ですね」
「ありがとうございます!」
と、杉下の相棒たる亀山は鼻の下を伸ばしてお礼をする。こんな姿、奥さんに見られたら殴られるぞと、どこかの誰かさん言いそうだ。
「う、くそ……」
と、拘束されてパトカーに乗せられ、護送されて行った男たちを見ながら亀山が言う。
「にしても、SAOのせいで人生狂わされた人たちを餌にするなんて、とんでもねぇ奴らだ」
「そうね、人の弱みに付け込んで金儲けをしようとするなんて……」
春麗もまた、亀山の意見に同意する様子だ。今回のこの特殊詐欺は、この一か所で行われていることじゃない。他にも色々な支部があり、それを軒並み潰していかなければならないのだ。こんな、人の弱みに付け込んでさらにその人の心をも壊そうとするような案件を許しては置けない。それが三人、いや全警察官の共通の認識であった。
「春麗刑事!」
「ん?」
と、その時であった。突入部隊の先頭をきって入っていった男性が敬礼をしながら彼女に話しかける。
「ご協力感謝いたします!」
それに続くように、隣にいる二人―一人は男性で、一人は女性―もまた敬礼をした。それはもう綺麗で、すがすがしいほどの敬礼だった。
「いいのよ。私もたまには身体を動かしたかったし。貴方たちもお疲れ様……警察戦隊パトレンジャーの朝加刑事、陽川刑事、明神刑事」
「ありがとうございます!」
先も言った通り、ICPOとはつまり、国際警察の事。故に、彼らにとって春麗は国際警察の仲間であると同時に、大ベテラン―というと春麗は怒るのだが―の先輩にあたるのだ。
そしてもう一人。彼女にお礼をする人間がいた。いや、しなければならないと思っていた人間がいた。
「春麗刑事」
「あら、あなたは確か……」
それは、≪バベル≫の特務エスパーチーム≪ザ・チルドレン≫の現場運用主任である皆本光一である。彼は、他の三人とは違い、深々と頭を下げて言う。
「ブラック・ファントムの一件では、大変世話になりました。ありがとうございます」
と。そう、彼女春麗刑事は、かつて犯罪組織ブラック・ファントム壊滅作戦に参加していたのである。それは、彼ら≪ザ・チルドレン≫の面々がブラック・ファントムの重要拠点にて、彼らの大切な友人を取り戻しに行ったとき、同時に発生した戦闘。
以前にも話しただろう。多くの組織が、個人的な思想を持った人間たちによって壊滅作戦が行われたこと。そして、ブラック・ファントムのボス、並びにその実質的な支配権を持っていた御曹司たる男性も捕縛され、今は厳重な監視下に置かれているのだと。その作戦に参加していたメンバーの中に春麗刑事がいたのである。
彼女たちがいなかったら、今でもまだ自分の仲間であるエスパー達はブラック・ファントムの脅威に苦しんでいたかもしれない。ソレを考えたら、彼女には感謝せずにはいられなかったのだ。
「いいのよ、あんなの日常茶飯事……それに、一番暴れてたのは……」
『人間の自由を縛ろうとする悪魔に……俺は負けん!! ハァッ!!』
「あの人だったし……」
と、一人の、ちょっとどこか自分がかつて出会った人間の顔にそっくりな、人間の自由のために戦っている男の顔を思い出した春麗は苦笑いを浮かべた。
「皆本」
と、その時だった。赤髪の女の子、明石薫が彼の前にやって来た。とうぜん、今回犯人グループの潜伏していた部屋のドアをぶっ壊した張本人である。
そんな薫は彼の前に来ると言った。
「もう、やることないんでしょ? だったら、さっさと帰ろ」
「あ、あぁそうだな。事後処理は警察に任せるとして……では、お疲れさまでした」
「えぇ」
「ご協力、感謝します」
と言って、皆本は薫と共にその場から去っていった。身分をむやみやたらに明かされないようにスモーク付きの車に乗って、スゥとその場から去っていった二人を見て陽川が言う。
「あの二人も、これから仲間たちのお見舞いに行くんでしょうか?」
「……だろうな」
かくいう陽川も、この事後処理が終わったら彼女の見舞いをするために警察病院に行くつもりだ。
そう、自分たちがかつて敵対した快盗戦隊ルパンレンジャーのルパンイエローであった少女、早見初美花。陽川は以前彼女とSAOに関してある事件を起こしたことがある。
「咲也、分かっていると思うが……」
「大丈夫です。俺はもう……」
「……」
と、苦々しい表情を浮かべながら言う咲也。実は彼、今回の特殊詐欺事件が謹慎開け最初の事件であったのだ。
あの、SAO事件が始まった次の日、彼は押収された≪三つ≫のナーヴギアとSAOを無断で使用しようとした。早見初美花は、彼にとってただの怪盗以上の存在だった。そう、恋心と言う物を抱いていたのである。
しかし、それも彼女が怪盗であると明らかとなった後は、自分の警察官としての使命とのはざまで何度も悩み、苦しんできた。彼女があの世界から帰ってきた後も、そして彼女が保護観察処分という比較的に軽い罪となった時も素直に喜ぶことができた。
でも、そんな彼女がSAOに囚われてしまい、混乱した彼は押収されたソレらを勝手に使用しようとした。結果、上司からは説教を受け、先輩である圭一郎からも私情を持ち込み、警官としての立場を忘れた自分の事を咎められた。故の、謹慎処分。
俺はもう―――。その言葉の先に何が隠されていたのか。ソレを推し量ること等できるわけがない。なぜなら彼の中ではまだ燻っていたから。彼女への思いが、あの幻想の世界への思いが、自分の警察としての使命と私情の狭間での苦悩が、まだ続いていたから。
ストリートファイターシリーズ
参戦
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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