SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 やべえ、この話本当ならプロデューサーと風鈴アスミの出会いの前に投稿しないといけないのに忘れてた。
 ということで、変なタイミングでの投稿となりますが、原作から完全に剥離した一人の少女の物語を、どうぞ。


メインシナリオ第三章 外伝 第七話

 どうして、私は戦っているんだろう。

 

「―――!!」

 

 何のために、誰のために戦っているのだろう。

 

「―――い!!」

 

 目標となる物を失って、後輩を失って、そして自分自身の生き方を見失って。

 

「―――先輩!!」

 

 私は、この薬莢と消炎の匂いで充満された世界で、どう生きていけばいいのだろう。どうやって、生きていけば。

 

「アリア先輩!!」

「ッ!」

 

 と、その時だ。≪マミ≫の声が聴こえて来たのは。そうだ、自分は今。

 アリアは、自分に襲い掛かろうとしていた≪使い魔≫数体を手に持った銃で撃ち抜いた。使い魔は、地面に倒れるとまるで元からそこにいなかったかのように消え去り、そして新しい使い魔が遠くから現れる。

 今頃、自分のアミカであるあかりも、こうやって無数の敵を相手にして戦っているのだろうか。不慣れな、剣という武器を用いて、武偵として戦うよりももっと過酷な環境の中で戦っているのだ。

 ずっと、ずっと、ずっと。永遠の、牢獄の中で。でも、生きているだけまだマシなのかも知れないとも、そう思うようになってきた。だってーーー。

 

「アリア先輩どうしたんですか!」

「マミ……悪いわね、気を抜いてたわ」

「しっかりしてください先輩! 私はともかく……ここは魔法少女じゃないアリア先輩には過酷な環境なんですから……」

「えぇ、ごめんなさいマミ」

 

 年下のマミに叱責確かに自分の行動があまりにも危険な物であったことを再認識させられる。そう、獰猛な獣が山ほど住んでいるジャングルの中でボーっと突っ立っている。自分はそんな状態になっていたのだ。

 不覚だった。彼女の魔法少女としての活動に着いていくと、自ら宣言したのに、彼女の足手まといになる行動をするなんて。それも彼女は自分の事を先輩と慕ってくれる。彼女と、あかりと、同じように。

 魔法少女、そして魔女。その関係性を聞いたとき、最初は正直本当の話なのかと疑問に思った。願いを一つ叶える代わりにとして、魔法少女として戦い、人々の命を裏からひっそりと奪う魔女と戦う。そんな存在、初めて知った。

 けど、嘘をついているとは思えなかった。これは、自分の観察力じゃなく直感で推理した結論。間の諸々の推理を全てすっ飛ばして、結論だけが分かる。その直感が言っていた。彼女は嘘をついていないのだと。

 とはいえ、そもそも直前に魔女や使い魔、それから魔法少女としての彼女の活躍を見させられたのだから、信じないと言い切る方が無理があるかもしれない、とアリアは思っていた。

 そう、信じなければならないのだ。この現実、魔法少女と魔女との戦いも。

 そして、自分のアミカである間宮あかりを含めた数名の後輩がSAOに閉じ込められた事実にも。

 そしてなおかつ母の―――。

 

「マミ、ゴメン。私、結界の外で待ってる」

「……分かりました」

 

 このままだと、マミに迷惑をかけっぱなしになってしまう。ならば、自分は、専門家ではない自分はここにいてはいけないだろう。アリアはそう考えたのだ。いつもの、自信たっぷりの彼女からしてみれば、あり得ないような行動だ。

 しかし、マミはアリアに深くを聞くことはなかった。先も言ったが、魔女退治の専門家は魔法少女である己だ。アリアを≪幾度≫か魔女退治に誘っているのも、アリアの方からの願いであったり、マミからしてみても、目の前で憧れの先輩の姿を見ていられるしで、双方ともにデメリットはなかった。

 でも、今日のアリアは違う。マミは、合流した時からずっとそう考えていた。その理由として考えられるのは、やはりアミカであるあかりがSAOに閉じ込められたことだろうか。

 いや、違うだろう。その報告をしたときのアリアの声色は、自分のそれとは違いいたって冷静だった。そして、その後何度か魔法少女としての活動に着いて来てもらっていた時も冷静で、格好よく、いつもの自分の知っている憧れの先輩の姿を見せてもらった。

 でも今日のソレはあまりにもひどいもの。まるで周囲への警戒をしていないその様は、まるで戦いを知らない赤子のように脆く、儚い。マミはそう考えていた。

 結界から出ようとしているアリアの後姿を見たマミは、一つの決意をして、結界の奥に進む。≪前と同じ≫ように、たった一人きりで、でもあたりまえに、一人きりで戦うのだった。

 

 それから、三十分ほど経った頃だろうか。結界が崩壊し、マミの姿が現れたのは。

 

「マミ……」

「……」

 

 アリアは、そんなマミの事を出迎えると同時に、とてもしおらしく言った。

 

「今日は、その……ゴメンなさい、マミ」

「……何が、あったんです?」

「え……?」

 

 マミは、決意していた。彼女に一体何があったのかを聞くのだと。たとえそれがプライベートな問題であったとしても、例え相手が先輩であったとしても、聞かなければならない義務がある。そう、感じていた。

 アリアは、まるで諦めたかのように、違う、諦めて言った。すべてを、諦めて吐露した。

 

「昨日、マ……母の……死刑が決まったの」

「え……」

「それも最高裁でね。もう、判決は覆らない……」

「そんな……」

 

 マミは驚愕に顔をゆがめた。そう言えば、今朝の新聞で大きく乗っていたような気がする。

 武偵殺し、つまりアリアの仲間のような存在を次々と殺していた。そんな事件を含めて多くの罪状に問われて、有罪が決まっていた女性に死刑が言い渡されたのだと。

 確か、その女性の名前は≪神崎かなえ≫。確かにアリアと同じ苗字だとは思っていたが、まさか、母親だったなんて。

 

「あの武偵殺しの犯人が、アリア先輩のお母さん」

「ママは何もやってない!! 全部≪イ・ウー≫が吹っかけた冤罪よ!!」

「え……」

「ッ……」

 

 ≪イ・ウー≫、知らない単語だ。ヨーロッパの多くの国々が加盟している欧州連合、≪EU≫なら知っているのだが、果たして≪イ・ウー≫とは一体。

 

「何なの、≪イ・ウー≫って……」

「知らなくてもいい。いえ、知ってはいけないわ。あの組織の事は……絶対に……」

 

 アリアが悔しそうに拳を握りしめてそう言った。だが、その反応からしてとても一般人である自分が関わっていいような問題ではないことだけはマミにも理解できた。

 武偵の任務の中には、極秘情報、他人には決して口外してはならない情報が山のようにある。故に、武偵は秘密を隠すのも得意なはず。特に超一流と言ってもいいアリアに関しては言わずもながだろう。そんな彼女が、ポロポロと情報を漏らすなんて、よほど母親の死刑判決が身に応えているのだと分かる。

 そして、アリアは続けて言う。

 

「私は、母さんの無実を証明するために武偵を続けて来たと言ってもいいわ。母さんの無実の証拠を、冤罪だって言う証拠を集めるために、必死で努力して、必死で戦って、命を懸けて……女の子に大事な肌まで傷つけてでも救いたかった……なのに……」

 

 ふと、彼女の眼から水滴が零れたのをマミは見た。今まで見たことのなかった、アリアのその姿を、あえて見ないようにしたマミは、ただ彼女を抱きしめて言う。

 

「先輩、今日はもう帰りましょう。次は、たっくさんのケーキと、紅茶を用意するわ。だから……」

「マミ……」

 

 自分は彼女を、先輩を慰めることもできない。ただただ抱きしめて、デザートと言う女の子にとって誘惑でしかない物を引き出して、彼女に楽しみを作ってあげる事しかできない。そんな自分が、恨めしかった。

 そう、かつてあの子を苦しみから救い出すことができなかった。そんな自分が、誰かを救おうだなんて思うのも憚れることだった。ただ、それだけなのである。

 

『神崎・H・アリアか……いい素質を持っているみたいだね』

「そう、なのですか……」

『戦闘経験も豊富のようだし、魔法少女になってくれればすぐにでも活躍できそうだ』

「……」

 

 そんな、二人の姿をビルの屋上から見ている存在が三つ、いた。

 一体は、白い身体に赤い目をした猫のような、しかし全然違うようにも見える者。

 その隣にいるのはまさしく子犬その物。少し変わっているのは、頭にハート型の何かを埋め込んでいるくらいか。

 そして、もう一人いる女性は―――。

 

「QB、貴方は今までも、ああして絶望の中にいる少女に声をかけて来たのですか?」

『それは違うね。この地球の人間は誰しもが絶望を心に隠している物さ。僕たちは、そんな彼女たちに救いを上げているだけだよ』

「ですが、その代償としては……あまりにも……」

『何だい?』

「いえ……」

 

 女性は、ビルの上からマミとアリア、二人の少女を見守ることしかできなかった。

 反論することができなかった。きっと、言っても彼は理解してくれないだろうから。理解できないから。ソレを、≪自分が一番理解できるから≫。悲しい事である。そう自分が思っても、無駄なのであろう。

 女性はそう思うとともに、しかしいつの日にか分かってもらえる日が来ることを願い、街の影の中に消えていく。

 ただひっそりと、誰にも知られることなく。




 本小説のアリア→参戦作品の都合で原作の展開ができない→緋弾のアリア原作の諸々の設定が使用不可能→結果、こうなりました。
 果たして彼女達を待つ運命は如何に……。
 因みにどの参戦作品のせいなのかは、分かりますか?

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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