SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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メインシナリオ第三章 外伝 第九話

 警視庁は騒然となった。当たり前のことだ。今の今までその行方が露として掴めなかった男、茅場晶彦が突然各種様々なネット媒体をハッキングして犯行声明を出したのだ。上から下まで部署に関わらず混乱状態をきたしていた。

 その中でも捜査一課長、大岩は、冷静に自分の目の前にいる片腕、ともいえる二人に聞いた。

 

「大福、今のところ分かっていることはあるのか……」

「今回のテレビ、ネットジャックは北は北海道、南は沖縄まで、ほとんど時間差なしで行われたそうです」

 

 果たして本当にそんなことができるのだろうか。もはや老人ともいえる域にまで達している自分達では到底理解しがたい物だ。いや、このようなハッキングが行われるなんて、その道のプロ、とも言える人間ですらも思わなかったそうだ。

 日本中、北から南まで全てのテレビとネットの類をジャックするなんて、そんな行いができる人間などいるはずがない。そうどのハッカーも断言するほど、今回のハッキングは忍者の様にひっそりと、そして花火の様に大きく爆発したのだ。

 大岩は次に小山田に聞く。

 

「ヤマさん。サイバー犯罪対策課からは何か情報は来ているか」

「いえ、特に……今回は自分たちのパソコンまでジャックされた上、その追跡すらもできなかったとのことで、相当落ち込んでいるようです」

「そうか……」

 

 あろうことか警視庁の全ての電子機器までハッキングされてしまったのだ。それどころか、パソコン内に残されているであろうハッキングの痕跡も見つけることができず、サイバーセキュリティ対策課の人間たちの面目は丸つぶれとなっているらしい。

 

「それからもう一点。今回の茅場晶彦による犯行声明は動画サイトに即アップロードされています。チャンネルは数時間前に建てられたもので、恐らく、茅場晶彦の物かと……」

「そこからなにか探れないのか?」

「今のところは何も……残念ながら……」

「……」

 

 警察の完全敗北、そう思わざるを得ない。これほどまでに大規模な事件を引き起こし、日本全国にテレビやネットをハッキングし、なおかつ動画サイトに自らの犯行声明を残すためのチャンネルまで作ってそれでもなお逃げおおせる。

 

「まるで、雲をつかむような男ですね……」

「あぁ……そう言えば、あの男から警察宛にSAOとナーヴギアの配送先を送ると犯行声明にはあったが?」

「はい、既に警視庁の全てのプリンターにハッキングをかけられて送られています。これが、そうです……」

「ありがとう……」

 

 と、大岩は一枚の紙を小山田から受け取った。なるほど、日本全国、様々な場所にSAOとナーヴギアを送り込んでいるようだ。しかし、その中には同じ場所に何個もナーヴギアとSAOを送り込んでいる痕跡があった。

 

「気になるな」

「何がです?」

「いくつかのナーヴギアとSAOが同じ場所に送られている。これには何らかの意図があるんじゃないか?」

「意図……ある特定の人物をSAOに入れようとしている、とかですか?」

 

 だが何のために。営利目的か、いやそんなことはないだろう。何故なら今の時点でも茅場晶彦は金銭の要求は一切していないし、既に多くの金銭的に潤っている人間を捕らえている。この状況で営利目的はまず考えられない。

 

「かもしれない。とにかく、この複数個送られている場所にも捜査網を広げる。ヤマさんはこの場所に、大福はこの場所に向ってくれ」

「分かりました」

「はい」

 

 とにかく、今は少しでも情報が欲しいところだ。茅場晶彦が何のためにSAOとナーヴギアを同じ場所に送ったのかはよく分からないが、とにかく今は自分たちがやれることをしなければならない。そう考えた大岩の言葉に、二人は頷いた。

 そう言えば、と。大岩は部屋から出ようとする大福に聞く。

 

「大福、お前の……中学時代の友人のリハビリはどうなっている?」

「……順調だそうです」

 

 と、大福は笑顔で答えた。そう、実は彼女には昏睡状態から最近目が覚めたばかりの中学時代の友人がいたのである。正確に言えば、とある事件で重傷を負い、その身体を癒すためにオーバーテクノロジーともいえるコールドスリープ状態にされ、身体を休めていた女の子が、ついこの間意識を取り戻した。

 もっと詳しく言うならば、現代の技術での治療が可能になったためにコールドスリープから離脱し、治療を受けて昏睡状態から復活した少女、である。そのおかげで、随分と年齢を重ねてしまった自分とは違い、その少女は若々しいままなのだと、そう大福は語る。

 

「そうか。それは良かった……」

 

 彼女は、警察にとっても大事な女性。この日本の平和のために戦ってくれたと言っても過言ではない人間であるからな。そう、大岩は心の中で呟くと、二人を見送り、電話を取り、各部署への連絡を取ったのであった。

 今できる、最善を期して。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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