SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
その宅配便の中身を見た瞬間、彼の脳裏に宿ったのは、やる、やらないの選択肢ではなかった。
これで、二人を助けに行けるという希望。二人を守ることができると言う希望。神といういるかどうか分からない存在に頼らない、自分自身で助けに行くことができると言うたった一つの願望。
彼は、すぐさまソレを開け、説明書通りにパソコンでの作業を終わらせると、それとナーヴギアを接続し、頭にかぶった。
そして―――。
「リンク・スタ」
ゲームの世界に―――。
≪clock over≫
「待て待て待て!! 天道!!!」
入ろうとした瞬間だった。彼、天道総司の親友である加賀美新が仮面ライダーガタックの姿で、クロックアップし室内に入ってきて、天道のやろうとしていることを止めたのであった。
あえて言おう、変身の無駄遣いである。
「何をする加賀美!」
「少し話を聞けって!!」
と、生身の天道と変身している仮面ライダーのいざこざと言うちょっとシュールな絵面が続く。だが、ここでナーヴギアを破壊しようとしないところが、加賀美が彼のやりたいことを理解している証拠なのかもしれない。
ともかく、それから十数分後。
「「はぁ、はぁ、はぁ」」
二人の男は、荒い息を立てながら向かい合っていた。天道はナーヴギアを外し、加賀美は変身を解くという条件付きでこの状態を産むことに成功したのだ。しかし、いつそうなってもおかしくない、一触即発の状況であると言うのはまず間違いないだろう。
まさしく、三週間前のあの、SAO事件初日の時と同じ。通称≪天道総司SAO事件≫と界隈で言われてしまっている事件を起こしてしまった時とほとんど同じ状況だ。
あの時はひどかった。天道総司が、自分の妹と義妹、つまり加賀美の妻と義妹ということになるのだが、その二人がSAOに囚われたと知った彼は発狂し、すぐさまナーヴギアを二人から外そうとした。その時も、何とか自分が変身して駆け付けて止めること自体には成功したのだが、しかし問題はその後だった。
いくら説得しても聞く耳を持たなかった天道、と言うか暴走した彼は仮面ライダーカブトに変身。そのまま仮面ライダーガタックと戦闘することとなったのだ。
だが、正直加賀美には勝てる見込みなんて全くなかった。なぜなら、彼の妹達に対する思いは半端な物ではないと言う事を知っていたからだ。結果、彼は他にも応援として知り合いの仮面ライダーである仮面ライダードレイクを急遽呼んだり、それだけでは止まることは当然なかったのでスーパー戦隊からも応援を呼んだりと、本当にとんでもないことが起こっていた。
特にスピード感あるレッドバスターと彼の戦いは鬼気迫る物があったし、何故か参戦していた―本当に一体どこで接点があったのかも謎な―カーレンジャーのレッドレーサーを除く面々が提案したトリモチ作戦なる訳の分からない作戦を実施したりと、本当に色々と疲れるような出来事があった。
で、ようやく止まったのが三日後の事と、因みに意外なことに最後はカーレンジャーが提案したトリモチ作戦で決着がついた。
まさしく、あの時と同じ状況。あぁなるのは二度と御免だ。特にトリモチ作戦なる変な作戦で終わるシュールな戦いなんて物見たくもない。そう思った加賀美は大声で言う。
「お前! 茅場から送付された手紙を見ろよ!」
「そんなものをみて何になる。俺は早く、ひよりと樹花を助けに行きたいだけだ」
「言うと思ったよ……だがな、今ログインしても無駄なんだよ!」
「何?」
加賀美は、その後天道が何かしでかさないようにとその目で捕らえながら、茅場晶彦の荷物の中にあった手紙を手探りで持ち出すと、それを天道の前に突き出した。
「ここに書いてるだろ? ログインは約一週間後の十二月四日の朝八時から! それ以前にログインしようとしても無駄だってな!」
「何?」
その言葉を聞いてようやく天道もその手を降ろし、臨戦状態が解除され、加賀美の持っていた紙を受け取った。ソレを見た加賀美はハァッと息を吐いて力を抜く。
確かに、加賀美の言う通りの事が紙には書いてあった。
「それはたぶん、SAOにログインするかしないかの最後の選択をする猶予時間……みたいなものだと、警視庁の大岩捜査一課長は推理していた。だから……」
というと、加賀美は変身道具であるガタックゼクターを手放す。ガタックゼクターはそのままどこかに飛んでいく。室内だと言うのにどこに行くのかと少しだけ疑問に思ったが、それはともかくだ。
「いいか天道、今回のログインに際して、何の保証もでない。お前が病院に入院している間の費用の負担も、あり得ないかもしれないが、死んだときの保証も一切出ないことは既に承認済みの事だ」
こういったことに関して内閣は実に素早く行動をとって来る。今回のディレイログインキャンペーンに置いてログインする全てのプレイヤーに対しての保証は全くしないと、既に宣言されてしまったのだ。
これは、これ以上SAO被害者を増やさないための配慮とも、あるいは自分たちは今回の件に関しては完全に無関係であると表明するためのパフォーマンスとも言われている。
ともかくいえる事は三つ。もしここで天道がSAOにログインしようとしてもそれは無駄に終わると言う事。政府は今回のログインに際して何の保証もしないと言う事。そして―――。
「俺は、別にお前がログインするのを止めたりなんてしない」
「加賀美……」
加賀美は分かっていた。自分が止めた程度でSAOの世界に、妹たちを守れる可能性を閉じるような男ではないのだと。天道総司という男は、そんな枠組みには収まるような人間ではないのだと、知っていた。だからこそ、彼は言うのだ。
「今回お前を止めたのは、今ログインしようとしてダメだった時に前見たく暴れられたらたまらないのと、あとそれからログインするなら病院でした方がいいってお前に伝えるためだ。今回は事前に知らせているから茅場晶彦は前見たく病院まで運ぶ時間を作ることはしないらしいしな」
確かに、紙にはそのような旨が書いてあった。つまり、天道はこれから一週間後の十二月四日の午前八時に、病院でログインするまで待たなければならないと言うことになるわけだ。
「一週間か、この三週間からしてみれば、短いが、俺にとってはそれよりもっと長い一週間だ」
「天道……」
「だが……」
というと、天道総司は、天井に、いや天を指さしながら言う。
「ひよりと樹花を待つよりははるかに短い一週間だ」
「……フン!」
そう言うと、天道総司はすぐさま出かける用意をし始める。
「おい、どこに行くんだよ?」
「食材の買い出しだ。自分のコンディションを良くしないとうまい料理が作れないように、一週間後のログインまでに、俺の体調を整えなければならない」
「そうかよ……本当、お前は変わらないな、天道」
「お前もな、加賀美」
というと、天道は家から出る。それからすぐにバイクの排気音が聴こえて来たので、本当に買い物に出たのだろう。残ったのは加賀美新だけ。
全く変わらない男だ。何年たっても、何年の時を共に過ごしても変わらない。それが、彼のいいところであり、そしてなおかつ悪いところでもある。
だが、そこが天道総司らしい。いや、それ以外になってしまったらそれはもはや、天道総司ではないのだろうと彼は思っていた。
「さてと、俺はSAOプレイヤーを受け入れてくれる病院でも、探すか……」
加賀美は、そう言うと軽く背伸びをしてから天道家を後にするのだった。勿論、鍵をかけて、である。
天道家に残されたナーヴギアは、そんな二人を見て一瞬だけ光った様な気がした。しかし、ソレを見た物は誰一人としていなかった。
プレイヤーNo.212(ディレイログインプレイヤー-以後DRPと呼称します-No.1) 天道総司(???【???】)≪原作:仮面ライダーカブト≫
本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。
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