SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO   作:牢吏川波実

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 祝! 300話達成!!
 ーーーえぇ、と。今まで第一層攻略されるまでに300話も使ったSAOの小説がこれまであったのだろうか?


メインシナリオ第三章 外伝 第二十二話

「それじゃ、行くわよ、クイーン!」

「あぁッ!」

 

 澪は、その瞬間感じ取った。薫の、苛立ちと、覇気、オーラと言ってもいいのかもしれない。エスパーの力を超えた何らかの力。彼女だけが持っているカリスマ性という武器の出現を。

 澪を含めた多くのエスパーは、何度もその状態になった彼女を見て来た。それはエスパーが敵味方問わず傷つけられたときや、ノーマルであったとしても自分たちがパンドラのエスパーが見捨てようとした時、そう言った場面でよく出くわした事。

 澪には薫の気持ちが分からなかった。当然だ、彼女は知らなかったから。薫と皆本の間で交わされた約束を、呼称をどうするかなんて物、知ったこっちゃなかったから。だから、彼女の怒りの理由が分からなかった。残念なことに。

 

「念動……」

「待て、薫! うかつに飛び出すな!!」

 

 薫は、いち早く飛び出すと、怪物の形をしたモノに向かった。敵がどんな組織なのか、どんな能力を持っているのかなんて知ったこっちゃないが、ともかく異形の姿をしたソレがこの集団の切り札なのは確かだろう。

 だから、ここは先手必勝で敵を倒してしまえば、そう考えた薫は、念動力をその拳に集めた。

 

「メガトンパンチ!!」

 

 その力は、本来であれば重戦車一両を簡単に吹き飛ばすことができるほどのパワーを持っているはず。そのため、普通の人間相手にやったら木っ端みじん。エスパー相手にやっても大ダメージを与えることができる技。

 

「ッ!」

 

 しかし、相手は普通ではなかった。確かに後ろに滑るように下がった怪物だったが、その怪物は薫の攻撃を真正面から受け止めると耐えて見せたのだ。この時点で、この怪物の堅牢さが分かった薫は、思ったと言う。

 

「手加減して勝てる敵じゃない……」

 

 と。

 一方で、他の面々の戦いも始まっていた。

 

「フッ! ハァァ!!」

 

 澪の能力は、身体の一部分のみを手レポートさせる部分テレポート。文字通り自分の手足、顔に至るまで部分的に相手のすぐ近くにまで接近させることができる能力。自由自在に扱う事ができるために普通の敵であれば、そのランダム性の高い攻撃を避けきることができずに体力がなくなってしまうだろう。

 しかし、だ。彼女が戦っている敵もまた普通の敵ではなかった。

 

「フッ! ハァッ!」

「ッ!?」

 

 女性の声、だろう。ともかく、フードをかぶった女性の動きを見た澪は驚いた。自分が繰り出している手足を、まるで予見していたかのように体を翻して避けていく。その姿は可憐であり、美麗でもあると言っても過言ではない程に軽やか。敵対しているはずの自分ですらも一瞬唖然となるくらいに虜にされそうになる。

 彼女は、その隙を逃さなかった。

 

「ッ!」

 

 女性は、澪が一瞬手を止めたのを見た瞬間に澪の前に跳んだ。テレポートとかそんなんではなく、地面を蹴り、本当に彼女の前まで一歩でたどり着いたのだ。そして。

 

「フッ! ハァッ! ハァァ!!」

「クッ!!」

 

 ここからは澪は防御に回ることにある。そう、部分テレポートによって遠中距離戦が得意と言う事は、近接戦闘に置いてはほとんど役に立たないと言う事。澪は自分の左側から来た蹴りを上手く腕でガードした。この辺りは、パンドラ内にあったエスパー専門の学校にて格闘技の分野で習ったソレが功を奏したと言ってもいいだろう。

 しかし、連続して繰り出されるキック。さらには。

 

「フッ!」

「ッ!?」

「はぁぁ!! ハッ!!」

 

 腹部、正面からの蹴りを受け止めた澪、しかし相手はそれを土台にするかのように空中に跳びあがると後方に一回転しながら降りて来て澪の肩部にかかと落としを決める。

 

「クッ!!」

 

 強い、澪は痛む肩を抑えながら後方に一度下がって体勢を立て直すことにした。

 

「フッ! はぁぁ!!」

 

 一方で、カズラの方もまた苦戦を強いられていた。

 

「フッ! ハッ! ハァァ!!」

 

 前にも説明したが、カズラの攻撃手段は、身体を職種のように伸ばす空間変異だ。ソレを用いることによって敵を拘束することも、その後接触感応能力を用いることによって敵の思考をも暴き出してしまう。

 だが、敵は軽やかなジャンプと、時折放つ銃弾による土煙で上手にカズラの視界を遮ってその攻撃をことごとく回避していく。

 

「単純に身体能力が高い!? 何なのこいつ!!」

 

 カズラは、自分がエスパー戦ならばともかくとして、単純な身体能力で圧倒されていると言う事に驚きを隠せないでいた。これが、新人類と自分たちを呼称する面々の力。なるほど、確かにノーマルともエスパーともいえる、でもどちらでもない力。ノーマルの身体能力と、エスパーの力を持った人類。新人類、か。

 

「一筋縄じゃ、行かなそうね……」

「フフッ……」

 

 一度伸ばした職種を戻したカズラ。一方で、不敵に微笑むフードの中の人物。こちらも、どうやら女性の様だった。

 

「ウホォ!!」

「くッ!!」

 

 一方で、カガリ、バレット、ティムの三人は共に行動し、戦っていた。途中で、恐らく採掘場の廃工場の一つであろう場所におびき出された。しかし、これは銃器のプロ、そしておもちゃのプロのバレットとティムにとっては自分たちが戦うのに適した場所であると考えていた。

 

「ティム、良いな!」

「あぁ!」

 

 というと、ティムは辺りにある廃材を超能力によって集めると、相手に幻覚を見せる。すると、相手にはまるでその廃材の塊が巨大なロボットのようなモノに見えるのだ。

 加えて、バレットはいわば傭兵のような形で戦場を駆け巡っていたこともあり、趣味でも銃器を扱っているエスパー。故に、こういった死角の多い場所でこそその本領を発揮するエスパーであると言える。

 

「いけぇ!」

 

 ティムは、自分が作り出した巨大ロボットを敵の一体に向かわせ、その腕(仮)で攻撃した。

 だが、湧き上がった土煙の中から上に脱出したその影は手をそのロボットに乗せると言う。

 

「鉄骨二十三本、ドラム缶十七個、ネジ二百三十二本、針金九十九本。それを催眠でロボットのように見せていると、なるほどね」

「ッ!?」

 

 接触感応能力。いや、しかし。

 

「そんなに細かく分析されるなんて」

 

 そんなことができるのは、そこまで詳細に分析を可能にできるのはザ・チルドレンのメンバーである三宮紫穂くらいだと思っていた。そう思っていたティムにとってはあまりにも衝撃的な発言。そして。

 

「でも、廃材を集めた物だから弱点はある。そこ!」

「ッ!?」

 

 と言って、フードの人物は正確にある部分を狙撃した。そう、その部分は廃材の量が足りなくて脆い、と言っても過言ではない場所だったのだ。そこを正確に、しかし一切ぶれることなく撃ち抜いた敵に、ティムは恐怖心を抱く。

 

「クッ、早い!!」

「チューチュチュチュ!!!」

 

 まるで鼠のようなすばしっこさだ。バレットは視界には捕らえられる物のしかし銃口の先に入った瞬間に動く敵に対して何もできないでいた。

 あまりにも乱射すると、近くで戦っている二人にも危害が及ぶ、というのもある。しかし、それ以上にここは先ほども言った通りに廃工場。誤射すれば、何が落ちて来るかどうか分からない場所で、銃の乱射はできないため正確な狙撃を求められる。その中でそのすばしっこさはまさに自分を苦しめるのにふさわしい物だった。

 だがしかし、一番戦い方に苦戦しているのは。

 

「ウホッ! ウホォォ!!」

「く、この、ゴリラかよ!!」

 

 カズラ、であるだろう。彼の能力は主に発火能力。つまり、先ほどまでのように屋外で戦うのならともかく、屋内で戦うとなると不利になる。今この廃工場の中で戦っているのは敵三人とバベル所属のエスパー二人、つまり厳密的には仲間というわけではないが、しかし自分の力で火事になってそれで大やけどを負われても後々面倒なことになる。

 等と、澪程ではないがツンデレっぽさを垣間見せたカズラは、熱風を自分の手に集めるとソレを用いて徒手空拳で戦っていた。

 しかし、敵はそんな事意にも返してこない。恐らく、身体を念動力によって強化しているのだろう。どれだけ殴ってもその厚い脂肪を超えることはできずに跳ね返されてしまう。さらに、その身体の堅さと比例して腕力も強力であり、殴られればすぐに吹き飛ばされてしまう。

 なんだ、何かがおかしい。

 あまりにも自分たちの攻撃方法を熟知しすぎている。バレット、ティム、そして自分。その攻撃手段と弱点を明らかに意識している。出なければこの場所には連れてこないだろうし、ここまで自分たちが不利になることはなかっただろう。

 カズラは、何か不思議なものを感じ取っていた。

 

「こんのぉぉぉぉ!!」

 

 一方で、外で怪物と戦っていた薫はようやくその身体を念動能力によって抑え込んでいた。地面に、まるで重力の負荷が何倍にもかかったかのような力ではりつけにされた怪物は、身動き一つ取れなくなっている。

 

「よしいいぞ薫! そのまま貼り付けにして、敵の体力を奪うんだ!」

「あぁ!」

 

 敵が頑丈で、攻撃があまり通らないのならば、その動きを封じればいい。そう皆本に助言された薫が出した技は怪物を完全に抑え込んで離さない。

 そう、超度7の彼女の実力であれば本来ならばそのはずだった。

 本当の、力が出せていれば。

 

(ここに紫穂や葵がいれば、もっと……)

 

 彼女は仲間たちの姿を幻視した。もしも、ここにザ・チルドレンの残りの二人の仲間がいてくれればもっと楽に戦う事ができたはずなのに、どうして二人はいないのだろう。どうして、自分はたった二人でこうして戦って、そしてこれからは自分一人で戦わなければならないのだろう。

 何のために戦うのだろう。自分は、何のためにこの世界に残るのだろう。仲間たちを笑顔で死の世界に送って、自分は一体、どうして、この世界に残って、戦うのだろう。

 どうして、どうして。

 その心の隙を突かれたのだろう。

 

「薫、危ない!」

「え……」

 

 怪物の身体がひび割れ始めたのだ。薫の念動能力に身体が耐えきれなくなったのか。

 いや、違う。これは。

 

「ッ!!」

 

 その瞬間だった。雷が落ち、薫の身体が大きく吹き飛ばされたのは。

本小説、見てわかる通り参戦作品にあまりに年代的に幅を持たせすぎてる上になかなか読者に知られてない作品が今後も増えていくと思います。そこで、素朴な疑問ですが、そもそもこの小説見てる層がどこなのか、どの層に需要があるのか知りたいため質問したいと思います。質問は、大雑把ですが、気楽にお答えください。では、あなたはーーー。

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