SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
「ア、ギト?」
なんだか、聞いたことがあるようなない様な言葉だ、そう澪は思ったと言う。そんな彼女に対して、皆本が補足するかのように言う。
「アギト、それは人類の進化系の一つだ。バベルには、たくさんのデータバングがあるが……二十年前そのアギトの力をもった人物と、警察が協力してアンノウンと呼ばれた怪物と戦ったという記録が残されている」
「津上さんの戦いは、私も後から聞きました」
今から二十年も前の事、突如として出現した未確認生命体、アンノウンが人々を次々に襲うと言う事件が発生した。警察はその対応のために、その約一年前まで戦っていたグロンギとの戦闘データも使用したGシリーズという物で対抗したが、その成果は今一つだった。
現在、そして当時も警察の一部の人間の中で使用されている対未確認生命体用の銃弾すらも当たる前に止められる、それがいかに絶望に溢れたものだったか想像するに難くない。
そんな時、現れたのが金色の姿をした戦士。それが、仮面ライダーである男、アギト、またの名を津上翔一であった。そんな津上や、他のアギトの力を持つもの達と共に戦いぬき、アンノウンとの戦いがひと段落した後のことに話が移る。
彼は、アギトの力に覚醒、つまり人間以上の力に進化した人間たちを集めたアギトの会という物を秘密裏に設立した。そして、彼女、岡村加奈のようにノーマルであったのに突如としてエスパーとなってしまった人間を集めている。
岡村加奈は語った。当初、アギトの力に覚醒した時にはあまりの異変に戸惑って、自分の命まで絶とうとしたのだと。けど―――。
「そんな私を、津上さんやもう一人の男の人が救ってくれた。それからは、津上さんが作ってくれたアギトの会のメンバーの一人として、私みたいに突然アギトの力に目覚めて戸惑っている人たちを支援したり、その力を悪用しようとしている人たちと戦ったりしているの」
「それって……」
なんだかどこかで聞いたような話だ。そう薫が思ったのと同時に、風田が頷いた。
「そう、少年同盟と同じなんだ……もしかしたら、俺のサナギマンやイナズマン、それに少年同盟の仲間たちの力もアギトの物なのかもしれない」
「あるいは、また別の人間の進化の可能性……か」
「……」
何はともあれ、アギトの会と少年同盟の理念は近いものがあった。そのため、如月弦太朗からアギトの会を紹介されてからすぐに同盟のようなものを結び、共に世界中で突如として力に目覚めてしまった人間たちを秘密裏に守っていこうとなったのだ。
ふと、ここで皆本が疑問に思った。
「どうしてもっと早くバベルと連絡を取ろうとしなかったんだ? 僕たちの組織としての力もあれば、アギトや新人類の力に目覚めた人間を……いや、発見できなかった僕たちが言う事じゃないな」
「皆本……」
自嘲した皆本に対して、加奈は困った様な笑みを浮かべて言う。
「元々アギトの会は津上さんが時々集まって料理を振舞う、っていう目的で作った個人的な組織ですから。アギトの力を持ってしまった人たちを助けようってなったのは随分後の事なんです。だから、そう言う個人的なことにバベルっていう大きな組織を頼るのはどうかと思ってて……」
「俺たち少年同盟は……少し恥ずかしいですけど、できるだけ自分たちの力で、どこまでできるかを試してみたかった。だからこれまで、バベルには接触してこなかったんです」
と風田が加奈の言葉に続けるように言った。
そう、二組とも、それぞれにバベルに接触してこなかったのは、自分たちの活動があくまで内輪での物だったから。内輪での集まりに国からの支援を受けているような組織を巻き込むのはどうかと考えて居たから。
けど、事ここにきて状況が変わった。
「SAOは俺たちの恩師の先生だけじゃない。他にも大勢の人たちを閉じ込めた」
「津上さんや、津上さんにとっては娘みたいな存在で、私のお店でウェイトレスとして働いている子も……もう、内輪の関係でいられる状況じゃなくなったんです」
「そこで、俺たちパンドラやバベルに声をかけたと」
「そう言う事」
「ふぅ……」
とため息をついたパンドラを代表してきている真木は、皆本、いやその奥川にいるパンドラの少年少女たちを見て言った。
「そう言うわけだ。澪、カズラ、お前たちはいくら止めてもSAOに行くことは分かっている。この同盟は、いわばお前たち二人のために取り決めたことだ」
「……」
「……」
「そしてカガリ。お前にはパンドラの代表としてこのエスパーチームの一員となってもらう」
「え、俺も!?」
と、何故だか流れ弾が飛んできたことに驚愕の表情を浮かべたカガリ。紅葉は困惑している彼に向けて言う。
「交換条件よ。勿論、バベルからも人員は出してもらうわ、そうよね」
「はい。シャドウ・オブ・ザ・チルドレン、バレット、並びにティム両名にも、この合同チームへと参加してもらいます」
「え!?」
「自分たちもでありますか!?」
ここに、約三名の勝手知ったるところでバベル、パンドラ、宇宙警察、アギトの会、人類同盟。この五つの組織による≪ザ・チルドレン≫の代わりを務めるエスパーチームが完成したのであった。因みに、運用主任、つまり≪ザ・チルドレン≫に置ける皆本の役回りには、人類同盟のバックアップを担当している大木美代子が就任するらしい。
そして、このエスパーチームが結成されたことによって、≪ザ・チルドレン≫のメンバーがSAOに行ってはならない理由が取り除かれてしまったのである。いや、それどころか、だ。
「加えて≪ザ・チルドレン≫の明石薫さん。並びに運用主任の皆本君にはSAOへの本格的な潜入捜査を命令します」
「命令……ですか」
「はい、命令です」
命令、違う後押しだ。皆本は柏木の考えにすぐに行き当たった。
彼女は自分たちに大義名分を与えてくれたのだ。公式に、SAOをプレイするという私情を任務として与えることによって、彼、彼女たちがSAOをプレイする土台を作り上げてくれたのだ。ここまでおぜん立てをしてもらったのだ。もう、引き下がることなんてできなかった。
「分かりました。柏木さん。≪ザ・チルドレン≫は本日から、SAOへの潜入捜査を再開します」
「えぇ、ログインは一週間後。それまでに、したくは済ませといてください」
「……」
この時、薫の脳裏には母や姉の姿、そして小中学校でできた友達の姿、多くのエスパーの仲間の姿が浮かんだと言う。したく、というのはきっとそう言った仲間たちへの挨拶、という意味合いも込められているのだろうと彼女は考えていた。
「薫、引き返すなら今の内だぞ」
「何言ってんの皆本?」
というと、薫は左手の拳を大きな音を立ててぶつけると言った。
「あたしは、最初っから行く気マンマンだったって!」
「……あぁ、そうだったな」
今更の事だったな、そう皆本は心の中で呟いた。そう、彼女は最初からSAOをプレイするつもりだった。きっと、こんなおぜん立てしなくても、どれだけ皆本に反対されても、きっとSAOの地に足を踏み入れるつもりだった。
つまり、これは変えられない未来だったのだ。いや、変えなくてもいい未来だった、のかもしれない。少なくとも、薫にとっては。
「待ってろ、茅場晶彦! すぐにアタシたちがゲームクリアするから!!!」
こうして、バベル所属の皆本光一、エスパーの明石薫とパンドラのエスパー澪、カズラのSAO参戦が正式に決まったのであった。
プレイヤーNo.216(DRPNo.5)皆本光一 (???【???】)≪原作:絶対可憐チルドレン≫
プレイヤーNo.217(DRPNo.6)筑紫澪(???【???】)≪原作:絶対可憐チルドレン≫
プレイヤーNo.218(DRPNo.7)玉置カズラ(???【???】)≪原作:絶対可憐チルドレン≫
プレイヤーNo.219(DRPNo.8)明石薫(???【???】)≪原作:絶対可憐チルドレン≫
仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム 参戦