SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
今日がエイプリルフールだからといって、全話に至って暴走しすぎたかもしれません。
ある、特殊な事情を持つ女性が住む部屋があった。
窓の外には、何十年前かにはその姿形もなかったはずの高層ビルが立ち並ぶ。まさしく、内装を除けば極普通のマンションの一室だ。そう、内装を除けば、である。
部屋を見渡すと、本棚には多数の漫画、ゲームのパッケージ、そして薄い本と言われるものがところ狭しと陳列されている。
また別の棚には、あらゆるアニメやゲームのフィギュア、プラモデルが我よ我よと言わんばかりに立ち並び、この部屋の持ち主がどんな趣向の持ち主であるのかをよく知らせてくれる。
近年女性のオタクと言うものは珍しくない。いや、正確に言えばオタクと言うものが世間的には認識され初めてからは珍しくない存在になった。
だが、そうは言ってもここまでグッズを揃えることができるのは、なんとも筋金入りであり財力があり、そして同じ毛の持ち主であればさぞかし羨ましがるであろう。
その時、キィッという音と共に1人の女性がその異質な空間へと現れた。
「なんじゃ電話なんぞよこしおって、わしは今日から非番じゃと言っておるじゃろ」
この部屋の家主である女性だ。昼間だと言うのに寝巻き姿でズボラに見える女性は、電話に対応中であるようだ。
よく見ると、外の日の光を浴びて可視化された湯気が若干ではあるがホンワリと見えている。先ほどまで風呂に入っていたのだろうか。黄金色にも似た黄色の長い髪をタオルで丁寧に拭いている様子は、何か幻想的なものすらも感じる。
『いや、今日は仕事の話じゃない。お前が有給をとったことも確認済みだ』
「じゃったらなぜ電話をよこしてきたのじゃ、わしはこれから忙しいんじゃ」
女性は時折時計を気にしながら、ベッドにやんわりと座り込み、先ほどまで頭を拭いていたタオルをベッドの下に投げ捨てる。電話の相手は男性のようだ。話の内容から、彼女の仕事場の同僚らしい。
フカフカのそのベッドが、女性の豊満な尻を優しく包み離さないでいると、電話の向こうの男性が呆れながらに言う。
『ゲームをすることがか?』
「ゲェー! なぜ知っておるんじゃ!? お主はわしのストーカーか!?」
『お前が有給を取るようなことと言ったら、これぐらいしかあるまい』
女性は自分がこれからしようとすることを言い当てられて大げさに驚く。確かに電話の相手の言う通り、彼女はこれから本日13時からサービスが開始されるゲームをプレイするための準備をしていたのだ。
限定発売されたゲームを手に入れた彼女は、有給を破格の七日間取得、そして今か今からとその時を待っているのだ。
そう、彼女は極度のゲーマーなのだ。それも、最近発売されたばかりのゲームから、今の若者が知らないような古いゲームまで愛好する筋金入りである。
電話相手は彼女がその類であることを知っていたことと、最近発売されたゲームの情報を手に入れていたこともあり、彼女が有給を取った理由が把握できた。いや考えなくても分かっていた。
「相も変わらず鋭いの~」
『まぁ、正式な書類を提出しての有給なら俺も文句は言わん。ただ、ゲームばかりに入り浸るなよ?』
「なんじゃ?
『以前なりかけただろう』
「今のわしは過去のわしとは一万二千光年違うんじゃ!」
『まったく意味が分からんが……』
因みに光年は距離ではない。速さだ。
漫才のような会話の途中、スンと男の方が言葉を濁す。まるで何か言葉を探しているかの様だ。
それから、暗闇の中を探って歩くかのような時間を掛けた後、意を決したように彼、零児はため息をついて言った。
『お前の休暇は1週間だけだ。其れだけは忘れるな』
「なんじゃそんなことで電話をかけたのか、暇なやつじゃのう。安心せい。零児の隣にいられるのはわしぐらいなもんじゃ、ほかの若僧には勤まらんて」
『ふッ、そうだな。それじゃ休暇を楽しんで来い……
「合点承知の助じゃ!」
そうして二人はほぼ同時に電話を切る。そして小牟と呼ばれた女性は枕元にあるゲーム機、ナーヴギアを手に取りそれがあったスペースに携帯をそっと置く。
小牟のその肉体は20代と言われればそうかと言われるほど若々しく、先ほどの零児と言われた男性に言った言葉、ほかの若僧には勤まらないというのと若干の矛盾があるように思える。しかし、それは、彼女のある情報を知らないからこそ言える事。
彼女の年齢は20代や30代、いや二桁の年齢には収まらない。そんな人間いるはずがないと思うかもしれない。当たり前だ。彼女は、人間ではないのだから。彼女の正体はーーー。
ふと時計を見れば、ゲームの正式サービスが開始まで1分もない。彼女はナーヴギアをかぶり、パソコンの電源が入っていることを確認すると、ベットの上に寝転がる。
そこから見えるものは天井のみ。正確に言えば、ゴーグルの形の画面には時計の表示や、バッテリー表示がなされている。しかし、それ以外は本当に何も見えない。
「見知った天井じゃ……」
何故そんな言葉を発したのか、彼女自身もわからなかった。
もしかしたら察知していたのかもしれない。これから自分の身に降りかかる大事件を。
もしかしたら男性の方も予感していたのかもしれない。しばらく、自分の≪妻≫に会うことができなくなると言う可能性を。
時計の表示が13:00に変わった。そのタイミングで彼女はその言葉を発した。
「リンク……スタート!」
彼女の有給は1週間、まさか休暇がそれを大幅に超えるなど、また≪旦那≫とコンビを組めるのがずっとずっと先になるなど、ふたりとも、否誰も思っていなかった。
こうして、彼女の新たなる旅は始まったのであった。
NAMCO x CAPCOM
&
Project × Zoneシリーズ
参戦
1年前の伏線回収。.hack?の?はこのためだった。
この小説、本編と外伝を……(希望する方を選んでください)
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一つの小説でやってもらいたい
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本編と外伝を分けて投稿してもらいたい