SAO/UNLIMITED プロジェクトSAO 作:牢吏川波実
怪盗は、闇夜に紛れると誰かが言った。
ならば、昼間に現れる怪盗はいったい何なのだと誰が言う。
決まっている。当然、怪盗である。
今、真昼間の日に照らされた怪盗が二人、ビルの真上に現れた。果たして、二人は目下のところにいる知り合いを見下ろしている。
かつては、ライバルとして、そして時には見守ってくれる大人として、そして時には≪とも≫に戦った。二人の内の一人は、ソレを見るとニヤリと笑って言った。
「そんじゃ、行きますか」
と。
世はまさに大怪盗時代。一つの怪盗の歴史に幕が降りると、すぐさままた別の怪盗が世間に現れ、活動する。彼らもまた、そんな大怪盗時代の後継者にして、犠牲者であった。のかもしれない。
「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ギャングラー、ボーダマンの攻撃が、朝加圭一郎が変身したパトレン1号を襲う。だが、彼はそんな物意に返すことなく突撃する。
地面に銃弾が当たり、その周辺で火花が散ろうとも、それでもなお進む。悪は必ず滅ぼすと、そんな当たり前の決意がその行動に現れてるようだった。
♪Flash 眩しいライトで♪
「フッ! ハァ! そこを、どけ!!」
ボーダマンに接近したパトレン1号は、VSチェンジャーから光の弾を発射しながらまず右の一体、左の一体を倒す。そして、真正面にいたボーダマンを大外刈りの要領で倒すとその腹部に向けて光弾を一発。
「はぁぁぁぁ!!!」
さらにその周囲にいるボーダマンに向けて乱射を続ける。しかし、それでもボーダマンの数は増える一方で、減ることはない。
♪Search 捜し出してあげる♪
「パトメガボー!」
≪撃退!!≫
「フッ! ハァッ!! ハァァァ!!」
パトレン3号は、警棒型の武器パトメガボーを取り出すと、一体二体と通りすがりざまに斬り伏せていく。そしてさらに、左手に持ったVSチェンジャーで前にいたボーダマン二体を撃破した。
「チャカ!!」
その時、背後から迫ってくるボーダマンがいた。しかし、パトレン3号は既にそれも承知の上。彼女は振り向くと、パトメガボーを口元まで寄せると叫んだ。
♪ジタバタしても 手遅れ♪
「ボーダマン! 止まれ!!」
「チャカ」
すると、すぐそばまで迫っていたボーダマンは急停止した。パトレンジャーが使用するパトメガボーには、強力な電撃をその棒に纏わせて攻撃する警棒モードのほかに、催眠効果のある声を発生するメガホンモードの二つの能力があるのだ。ボーダマンを止まらせたのは後者である。
「ハァァァ!!」
≪ダメ! 絶対斬り!!≫
そして、警棒モードに戻したパトメガボーでその止まったボーダマンを打ち倒して行った。
だが、それでもまだまだ加速度的に増え続けているボーダマン。これでは、倒しても倒してもきりがない。
♪フェイクの 正義を かざして 奪うの?♪
「チャカ!」
「チャカ!!」
「まずいぞ圭一郎。このままだと……」
「あぁ……」
果たして、どこからそれほどの数が現れているのか疑問だが、しかしここまで来ると問題は、これだけのボーダマンを倒す方法よりも、自分たちの背後にある救急車の中にいる彼女の、初美花の残り時間だ。
このまま足止めを喰らっていたら、いずれインターネット回線切断の猶予時間が過ぎて彼女の頭が焼かれてしまう。そうなる前になんとしてでも病院にたどり着かなければならないというのに。
♪罪の真ん中を撃ち抜く♪
「こうなれば、敵の集中している部分を一斉攻撃し、救急車の進路を確保する!」
「了解!!」
ならば、ボーダマン殲滅は後回しにし、今は救急車を病院に向かわせることを優先するのみ。そうと決まれば話は早い。
パトレン1号は、トリガーマシンバイカーを、パトレン3号はトリガーマシンクレーンとトリガーマシンドリルを取り出す。トリガーマシンは、VSビークルという武器にも乗り物にもなることができる不思議な装備品であり、ルパンレンジャーが主に飛行型のVSビークルであるダイヤルファイターを使用するのに対してパトレンジャーは、地上を主に走行しているトリガーマシンを使用するのだ。
まず、パトレン1号は自らのVSチェンジャーにトリガーマシンバイカーを装填する。
♪Hold up ! Lupin ! Run if you can Gonna chase you up ! Anywhere you are♪
≪バイカー! パトライズ!!≫
≪警察ブースト!≫
すると、敵に向けたその銃口からはそれまでの赤い光線ではない、タイヤの形をしたエネルギー体のような物が現れた。
♪この世界♪
「バイカー! 撃退砲!!」
パトレン1号は、引き金を引いた。その瞬間、VSチェンジャーから必殺技であるバイカー撃退砲が放たれ、ボーダマンの元へと向かう。
♪秩序守るため♪
「チャカァァァ!」
この攻撃によって多くのボーダマンが倒されたようだ。だが、それでもまだまだ大量のボーダマンが後ろにはいた。
ならばと、今度はパトレン3号がトリガーマシンクレーンをVSチェンジャーに装填する。
♪Hold up ! Lupin ! Run if you can♪
≪クレーン! パトライズ!≫
♪サヨナラは 言わない♪
≪警察ブースト!≫
すると、今度は巨大なクレーン車のようなものが彼女の腕に装着される。パトレン3号はトリガーマシンバイカーのようにVSチェンジャーを引き金を放つのではなく、大きく振りかぶった。そして。
♪逃がさないわ パトレンジャー♪
「ストロング撲滅突破! ハァァァ!!」
その巨大なクレーンがボーダマンの集団目がけて伸びて行った。
「チャカァァァァ!!!」
♪It's syouwdown♪
その先端には、トリガーマシンドリルが付いており、そのドリルの先が当たることによって次々とボーダマンが爆散していった。
だが、それでも次々とボーダマンは湧いてくる。横道から、道路に付属しているマンホールの下から、ありとあらゆる場所からである。
「これだけ倒してもまだ出てくるのか!!」
「こいつら……まさか、ただのボーダマンじゃない……ルパンコレクションの力なのか?」
いくら何でもこれはしつこすぎる。ボーダマンとはいえ、何故すでに衰退状態となっているギャングラーが次から次へと出てくるのか。まさか無尽蔵に敵が湧いてくるわけでもあるまいし。
パトレン3号は、ある推測を建てた。もしかするとこれはルパンコレクションの力なのではないかと。
ルパンコレクションとは、その名前の通り大怪盗アルセーヌ=ルパンが集めた数々の不思議な力を宿したコレクションで、犯罪者集団ギャングラーはかつてそれを盗み出して、その力を使用し、数々の世界を侵略してきたのだ。
だが、その大多数は既にルパンレンジャーが回収済み。トリガーマシン等のパトレンジャーの装備品を除いて、もう奪われたルパンコレクションなんてないはずなのに、何故。
「こうなったら……」
パトレン1号は、最後の手段として残してあったサイレントストライカーを取り出した。このトリガーマシンは他の物よりも強力でパワーもあるため、このように大量のボーダマンであったとしてもそのすべてを倒すことはできるはずだ。
だが、パトレン3号は1号の肩に手を置くと言った。
「よせ! 圭一郎! 今は咲也もいないんだ! フルパワーでそれを使ったら、お前の身体が持たないぞ!!」
そう。確かにこのサイレンストライカーによってパトレン1号はパワーアップすることができ、その分強力な技を使用することができる。
だが、ソレはあまりにも強力であり、フルパワーで攻撃を発射すれば使用者も後方に大きくフッ飛ばされてただでは済まない、大怪我を負う可能性もあるのだ。
それを防ぐために、最初にして最後の使用となったギャングラーの首領、ドグラニオ・ヤーブンとの戦いではパトレン3号と、そしてもう一人の仲間、パトレン2号が背後から支えてくれたことによって何とかフルパワーでの攻撃でも吹き飛ぶことなく使用できたのだ。
だが、今回パトレン2号である咲也はこのSAO事件の中でのある行動によって謹慎処分を受けて自宅待機の命令を受けて不在。だから、この状態での使用はとても危険極まりないと言えるのだ。
「それでも……市民の命を守るのが我々警察の仕事だ! 彼女の未来を守れるのは……!!」
「圭一郎……」
市民の平和と命を守るために戦う。それが警察官としての役目。その使命は、志は彼らが警察戦隊となった時にも一切変わらない。いや、警察戦隊となってからより一層強まったと言ってもいい。
例え、この身が砕け散ってしまっても市民の命を守る。自分にできる最善であり、そして最大の役目がそうであるのならば。
その時だった。
「相変わらずお熱いね……熱血お巡りさん」
「何?」
声が響き渡った。
二人は、その声色に聞き覚えがあった。聞き間違えるはずがない。自分たちは何度も彼らと出会い、時には戦い、争いながらもそれぞれの目的のために突き進んだのだから。
「ハァッ!」
「フッ!!」
この状況に現れるのならば彼ら以外にあり得ない。そんな二人が今、空中から現れた。
赤を基調とした服を着こんだ青年と、青を基調とした服を着こんだ青年。二人は、パトレンジャーの前に着地すると、二人に向かい振り向いた。
「魁利君……透真君!」
「久しぶり」
「どうも」
「あ、あの二人は確か!!?」
「怪盗!?」
後方でボーダマン達と戦っていた警官たちも、その二人の存在、そしてその正体に気が付いたようだ。
当たり前だろう。彼らの姿はかつて生中継されているカメラの前で明かされて、その後指名手配までされているのだから。
赤を基調とした服を着た青年、魁利はまるでその言葉に返すかのように言った。
「そっ、かつて世間を騒がした怪盗さ」
そして、パトレンジャーのように二人ともVSチェンジャーを取り出すと、それぞれレッドダイヤルファイターとブルーダイヤルファイターを取り出し、装填した。
♪超ヘヴィーな セキリュティ破るテクニック♪
「「怪盗チェンジ!」」
≪RED!≫
≪BLUE!≫
♪スリリングに披露して Catch me if you can♪
≪0! 1! 0!≫
≪2! 6! 0!≫
♪Don't miss it♪
≪≪Maspuaraze!≫≫
♪見逃すな♪
≪≪怪盗チェンジ!!≫≫
「「フッ!」」
♪予告は 未遂に 終わらせない Got your treasure♪
≪≪ルパンレンジャ~!≫≫
♪世界中の♪
「ルパンレッド」
♪煌めき集めてコレクション♪
「ルパンブルー」
♪ルパン 光るマスク Chase you up ! あの約束♪
「「怪盗戦隊! ルパレンレンジャー!!」」
怪盗戦隊ルパンレンジャー。とある人物によって奪われてしまったために怪盗となって数々のギャングラー怪人と戦った者達である。現在指名手配中の逃亡犯であるはずの彼らが何故現れたのか。その理由は簡単に想像できた。
♪ギラついた 野望満たすため♪
「二人とも、どうしてここに!」
「まさか、初美花ちゃんを助けるために?」
♪ダイヤル回せ♪
「まっ、そういう事」
♪ルパン 背中で聞く♪
「かつては同じ目的のために怪盗をしていた縁のような物だ」
彼らは怪盗をやっていた当時から、ただ同じ目的を果たすまでの同士で、仲間意識のようなものは当初はなかったそうだ。しかし、怪盗として共に戦っていくうちに、いつの間にかその心の中でソレが芽生えたらしい。
今回、初美花がSAO事件に巻き込まれたと≪ある人物≫から連絡を受けた彼ら。例え彼女の護送には関わることが出来なくとも遠くから見守ることができるだろうと考えてみていたのだが、まさかのボーダマンの出現によって傍観者としての立場を維持できなくなった。結果、ある種これ幸いと言わんばかりに彼らは出てきたのである。
♪銃声に「アデュー」 鮮やかに……ルパンレンジャー♪
「それより、圭ちゃんいつもながら無茶しすぎ、まっ、圭ちゃんらしいちゃらしいけど」
「俺たちが支えるのを手助けする」
♪It's show down♪
「何!?」
「そうか、我々の装備品のようなパワーはなくても、二人一緒なら……」
ルパンレンジャーとパトレンジャー。その変身方法が似ている両者ではあるが、しかし変身後のその特徴には明確な違いがある。
パトレンジャーの装備はパワーと装甲に優れているという事。それに対して、ルパンレンジャーはその運動能力をいかすための機動力を重視している。一人だけならともかく二人、そしてパトレン3号もいるのならばきっと耐えることができるはずだ。そうルパンレンジャーは言いたいのだ。
「……よし!」
ここは、二人の考えに乗ってもいい。いや、乗るしかない。パトレン1号は、サイレントストライカーをVSチェンジャーに装填し、その引き金を引いた。
≪サイレンストライカー!≫
≪超! 警察チェンジ!≫
「スーパーパトレン1号!!」
≪パトレンジャー!≫
すると、パトレン1号の肩部に巨大な左右合わせて四つの大砲が付いた金色の装備品が出現。その肩部にはさらに取っ手のようなものが見える。
これが、パトレン1号のパワーアップ状態、スーパーパトレン1号である。
♪絶対 譲れはしない♪
「フッ!」
「フッ!」
「フッ!」
そこに、パトレン3号が左肩の取手を、ルパンブルーが右肩の取って、そしてルパンレッドが二人の背中を背後から支える状態となる。
♪願いがかなうまで♪
「準備オッケー!」
「行け、圭一郎!」
「あぁ!」
♪最後には 独りきりでも……やり遂げて見せる♪
♪傷ついても きっと捕まえる♪
「ハァァァァァァァァァァ……ハァッ!!!!!」
♪ルパン 華麗に舞う♪
♪Hold up! Run if you can♪
チャージされた光線が大量のボーダマン達に向かって行った。それと同時に下がり始めるスーパーパトレン1号。
♪Chase you up ! 奪い返す♪
♪Gonna chase you up! anywhere you are♪
「ッ!」
「クッ!」
その時、マスクの下では苦悶の表情を浮かべるルパンレンジャーの二人、やはり、軽装備のルパンレンジャーでは無理があったか。
♪失いし 時を溶かすため♪
♪この世界 秩序守るため♪
「魁利君! 透真君!!」
スーパーパトレン1号は、そんな二人のうめき声に後ろを振り向こうとする。だが。
♪ダイヤル回せ♪
「俺たちの事はいい!」
♪ルパン迫ってくる Chase you up!♪
♪Hold up ! Lupin ! Run if you can サヨナラは 言わない♪
「圭ちゃんは、前だけ見てればいい!! あの時見たく!!」
♪ヤツラに「アデュー!」♪
「ッ! あぁ……」
あの時、それは最終決戦の前の夜から朝にかけて、怪盗である魁利のために警察を辞めるとまで言い放った圭一郎の背中を押した時の事。自分は圭一郎には絶対になれない。だからこそ、圭一郎が警察として出来ることをしてほしい。そう言って彼はその背中を押した。そして、圭一郎は走り出した。前に向かって。自分が信じる正義に向かって。
あの時のように、そう言われた圭一郎はだからこそ、あの時のように前を向く。一警察官として。
♪鮮やかに…ルパンレンジャー!♪
♪逃がさないわ パトレンジャー♪
「ハァァァァァァァァ!!! ハァァァ!!!」
♪♪It's showdown♪♪
いち、市民を守る警察官として。
数分後、他の警察車両と救急車両を進ませた圭一郎とつかさは、変身を解く。それと同時に、魁利と透真の二人もまた変身を解いた。あの圭一郎が放った攻撃によって、その場にいたボーダマン達は全て撲滅されたのだ。
こうして彼らが顔を合わせるのは久しぶりだ。本当はゆっくりと話がしたかった。今は何をしているのかと、自分たちが取り戻した大切な人たちの所に戻る気はないのかと。そして、礼がしたかった。例え、自分たちのためとはいえ協力してくれたことを。
だが、そんな時間はない。
「ゆっくりと話したいところだが、時間がない」
「あぁ、またいつかどこかで会うこともあるだろう」
「二人とも……協力を感謝する!」
「感謝するのはこっちだって……初美花の事、ありがチュー」
ただ、それだけ言葉を交わすと、圭一郎たちは国際警察のパトカーに乗り込み、サイレンを鳴らして救急車両を追って行った。その場には、街中には不釣り合いな二人、そして―――。
「アデュー」
そんな、短い言葉だけが残る。道のど真ん中であった。
その後、初美花はなんとかギリギリ警察病院に間に合い、適切な処置を受けることとなった。圭一郎たちは、また一人、市民の命を救えたのだった。
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー
参戦
と、言うわけで今回は『警察』が活躍する章であったため、警察戦隊パトレンジャーの戦闘シーンを細かく書いていきました。
因みに今回の話の中であったと思いますが、本当に怪盗が多いこと多いこと。
名探偵コナンが参戦作品にあるから、当然昔は怪盗キッド(初代)や怪盗淑女、それにルパ、おっとこれ以上は禁足事項です。
他、参戦予定作品にも怪盗は普通に出てきているし(この第一章外伝の中でヒントを出した二作品)。なんなら宇宙にも元怪盗のプリキュアとかいるし(冷静に考えてみれば大丈夫なのかあの子? 宇宙警察に追われてないだろうな……)。実はまだ予習中だから参戦を明かしていない三つの怪盗関連の作品もあるし。
タイトル、また変えようと思ってます。今度はシンプルに。でもそんな頻繁に変えていいものかと思ったので、ちょっとアンケートとります。なお、前提としてSAO、あるいはソードアート・オンラインを頭につける事としてます。よろしければお答えください。
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ヴァルキリーズfeatボーイ
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プロジェクトSAO
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アルティメットカオス
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無への逃走
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肯定あるいは否定
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フィクションスターズ
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〜いろんな著作物から以降はいらない
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タイトルはそのままでいい