イビルアイと別れたのちリムルは連絡手段の確立とイビルアイの件についてアインズに伝えるため動き始めた。
トブの森からさほど遠くないということもありランガに乗りながらナザリック地下大墳墓に訪れた。
リムルが墳墓に到着したはいいがどこから入ればいいか思案していると後ろから突然声をかけられる?
「人間がここでなんのようっすかー?」
振り返るとそこにいたのはメイド服にスラッシュアックスのような武器を装備しており、明らかにこの墳墓の関係者であるように思える。
軽い言葉使いとは裏腹にこちらを警戒しているようにリムルは感じたため両手をあげ話しかける。
「アインズに会いに来たんだけど今ここにいるか?それと俺は人間じゃないぞー」
「アインンズ様の御知り合いっすか?失礼ですけど誰っすか?」
「一応この間そっちの国と同盟を結んだ国の王でリムルっていうんだけどアインズから聞いたりしてないか?」
「あぁ、聞いてるっす。あんたがその国の王様なんすね。失礼したっす。ちょっと確認してくるから待ってて欲しいっす。」
相手が自国と同盟を結んだ王だというのに一向に言葉遣いを直そうとしないメイドだがリムルは言葉使いに対して気にしていない。
それよか最初に来た時と違っていきなり攻撃されなかったことにひどく安堵した。
武装メイドが墳墓に入って10分くらいが経っただろうか。
中からさっきのスラッシュアックスを装備したメイドとガントレットを装備したメイドが現れた。
「大変お待たせいたしました。私は国王リムルの案内を任されました、ユリアルファと申します。」
「ルプスレギナベータと申します。」
さっきの軽い口調は聞き間違いだったのかと思うくらいの丁寧な口調でリムルは心底驚いた。
一瞬返答に窮するもののラファエルさんに助けてもらい丁寧な言葉使いを心がける。
「いや突然の訪問すまない、アインズ殿は今お時間よろしいだろうか?」
「アインズ様は現在手が離せない状況ですので30分ほど待ってほしいとのことです。それまでこちらで案内するお部屋でお待ちいただけないでしょうか?」
「了解した」
と言いリムルは案内された部屋のソファに腰掛ける。
すると先程のスラッシュアックスを装備したメイドが
「飲み物をご用意させていただきました。」とやはり丁寧な口調で話し、給仕を始める。
ガントレットのメイドが一礼して部屋を後にするとスラッシュアックスのメイドが近づいてくる。
どうしたのかと目線をそちらに向けると、メイドが両手を合わせながら
「さっきのことは黙っていて欲しいっす!同盟国の王にあんな話し方してたってバレたら怒られるっす!」と頼み込まれてしまう。
「いや俺は別に気にしてないから大丈夫、特に誰にも言うつもりないぞ」
「ほんとっすか?助かるっす!!!いや〜話のわかる王様っすね!それもう一杯どうすっか?」
とジュースをもう一杯進められる。そうこうしているうちに30分ほど経過し、扉がノックされガントレットのメイドが再び現れる。
「お待たせしました。アインズ様の準備が整いましたのでこちらにどうぞ」
と言われ転移門のようなところの前まで連れてこられる。
「この先でアインズ様がお待ちですのでどうぞ」
「この先?了解、案内ありがとう。」聞きたいことはあったもののアインズが待ってくれているためさっさと門を潜ってしまう。
門を通るとそこは前回のような大広間ではなく個人の書斎といった感じの部屋だった。書斎といってもバカ広いのだが。
「久しいなリムル、突然どうした?」と重く荘厳に響く声が聞こえる。
その方向に目を向けると座っているアインズ、そしてその後ろに控えるアルベドが目に入る。
「急に来て悪いな、少し話があってな。」
「話?連絡手段についてか?」
「あぁ、それもあるんだが他にもな。まずは連絡手段の方から話せるか?
いつまで経っても俺がこれるタイミングで転移してメイドさんに案内してもらうのも大変だろうし。」
「そうだな、私が留守である時もあるだろうしな。
早めに解決しておきたい問題ではあるな。解決策として私が今さっと思いつくのは二つだな。
一つが、こちらが普段用いている連絡方法が異世界にも通じるか試す方法。
もう一つが技術者に何か作らせてこちらとあちらにその装置を固定し、そこから連絡を取り合う方法だな。
前者の方法でやりとりができるならば簡単で良いのだが望みは薄いだろう。後者は前者よりも可能性はあるが時間と手間がかかるな。」
「あぁそうだな。俺も今んとこ思いつくのはその二つくらいかな。
前者は魔法の発動方法が違うからどちらかの魔法でできればいいんだけど難しそうだよな。」
「そうだな、どうしても他空間にまで影響を及ぼすことができるようには思えないな。
ここに来たばかりで悪いんだが一度この部屋の前に出てくれないか?
私らが用いる<伝言>が使えるか試してみたいのでな。」
「部屋の前に行けばいいんだな。了解。
できなかった場合俺の方からもスキルの<思念伝達>が効果を発揮するか試してみるよ」
と言いリムルはひとまず部屋を出た。しばらくすると脳内に声が届く。
(「聞こえるか?リムル?」)
(「ああ、聞こえるぞ」)
(「どうやらこちらの世界ではこちらの世界の法則が異世界のものにも適応されるようだな。
あとはこれが異世界にいるものにも届くかどうかなのだが、試してもみないことには分からないな。ひとまず部屋に戻ってきてくれ。」)
(「了解、」)と一言つげてリムルは部屋に戻った。
「さてこれでこちらにいる時はこの連絡方法で問題ないな。
あとは緊急で連絡を取りたい場合に異世界とこちらの世界でやりとりをする方法だな。」
「そうだな〜これでこっちに来たらアインズに連絡できるからすれ違いとかの問題は解消できたな。
あとはやっぱこの方法が、俺があっちに戻っても使えるか、使えなかった時にどうするかってことだな。
転移できるってことは魔力を使えば声だけ飛ばすことはできるはずだよな?」
「理論上はそう考えられるだろうな。そもそも転移より電話の方が遥かに簡単なはずだからな」と言って苦笑するアインズ。
それに釣られてリムルも笑う。
「って考えるとやっぱ携帯とかより固定電話とかの方が作りやすいのか?」
「国家間の連絡手段としてもそちらの方が記録しやすいしいいだろうな。
ただ技術者でもない我々が話し合っても詮なきことだ。」
「確かに俺らだけじゃどうしようもないな。
研究者たちに任せるしかないかな。まずは両世界につい調べないといけないよな。
それぞれ研究者、技術者を送り合うか?」
「そちらのやり方の方が効率はいいだろうが、何か見落としがあるといけない。
時間はかかるだろうがどちらかの世界でまとめて研究させたほうが良いのではないか?」
「なるほどな、それも一理あるなぁ、そうするか。
アインズの方が大丈夫なら俺が戻るときに一緒に連れて行こうか?
そしたら次来る時そいつらと俺の国の研究者と連れてくるから。」
「私の方は構わない。アルベド、通信技術などを専門としているものを2名選び準備させろ。」
「かしこまりました。」と言い、一礼した。
左耳に手をあて<伝言>を使用しようとしたところアインズから声をかけられる。
「アルベド、<伝言>で部下に命じるのではなくお前自らが出向き、指名してこい。」
「かしこまりました。後ほど早急に準備いたします。」
「いや、今すぐだ」
「し、しかしそれではアインズ様の身に何かあった場合この身を盾とし、お守りすることができません!」
「それはつまり、同盟国の王であるリムルが私に危害を加えると言うことか?」
「い、いえ、そう言うことでは、、、、、、」
「ならば早急に技術者選抜に取り掛かれ。
仮にリムルが私を害そうとしてもここには八肢刀の暗殺蟲もいるのだからそこまで過剰に警戒する必要はない。」
「かしこまりました。」とアルベドは渋々といった感じで第九階層のアインズの仕事部屋を後にする。
その際リムルは軽くではあるものの殺気をアルベドから向けられておりスライムであるのに鳥肌が立ちそうになっていた。
「すまないな、リムル。どうにもあいつはお前のことを警戒していてな。」
「いや、大丈夫だよ」(警戒ってより目の敵にされてる気がするんだけど)
「それでもう一つの話とはなんなんだ?他に聞かれたらまずい話なのであろう?」
「気づいててアルベドさんを退出させてくれたのか。悪いな。ああ、ちょっと他に聞かれたくない話でな。
二人で話したいんだけど場所移すか、ここにいる奴ら下げてくれないか??」
「それほど聞かれたくない話なのか。わかった、場所を移そう。こちらに来てくれ。」
とアインズは立ち上がり奥の部屋に進んでいく。
次回更新は明日、1月16日土曜です。
トマス二世さん誤字報告ありがとうございます。