歪な愛   作:糸守

28 / 40
脱力タイムズってなんであんなに面白いんですかね。


2 従者の猜疑心

 

私は不思議に思っていました。それはアルベド様についてです。

以前同盟締結の際にあり得ない妄言をさも当然のように考え、リムル様を侮辱したあの女が突然態度を軟化させました。

この国に来て初めはそんな様子は一切なく、以前と同様に高慢な態度で私に接してきました。

 

 

【「それではこれから案内いたします。何か聞きたいことはございますか?」

「特にないわ。そもそもあまり興味ないもの、だから早くしてくれる?」

「そうですか、では宿泊する場所へ案内いたします。

その後はお好きにしてください。

私も今後のことで忙しいのでつきっきりでご案内できませんがご了承ください。」】

 

 

この国に来た当初の会話を思い出すだけでもイライラしてしまいます。

完全にこの国を舐め切った態度。

そんな態度に耐えきれず思わずこの会話から数日相手を放っておいてしまいました。

リムル様の大切な同盟国の大使であるのに。

数日経ち流石にあの対応はまずかった、それに自分も子供だったと反省し謝罪しに行きました。

しかしそこからがまた驚きでした。

 

 

【「失礼いたしました。

 私の代わりに案内役の者を遣わせる手筈だったのですがこちらの手違いで大使の方を放っていてしまい申し訳ありません。」

「いえ、構いません。こちらこそお忙しい中突然の来訪申し訳なく思っていますので。」

「それでは遅ればせながらではありますが私がご案内させていただきます。よろしくお願いします。」

「ええ、よろしくお願いします。」】

 

 

私の手違いの件(くだり)は確実に文句や皮肉を言われると考えていました。

それなのにアルベド様からは謝罪。本当に戸惑ってしまいました。

だから私は本当にやり過ぎてしまったのかとも一瞬考えました。

しかしテンペスト内を案内するうちにアルベド様が態度を急変させた理由が分かりました。

単純に彼女は私たちの国を実際に見て、私たちの国の評価を修正したのです。

この国は隷属ではなく同盟だというように。

 

 

これは好意的に捉えれば彼女から私たちの国が同盟に値するというふうに評価されたことになります。

しかし彼女に認められることを好意的に捉えて良いのかという問題も残ります。

なぜなら彼女に認められるということは前段階では彼女からは評価されてない、なんならこの国は隷属まで要求しても問題ないと考えられているのです。

前回お会いした時はこれほど計算高い方だとは思っていませんでした。

リムル様は今回の同盟を一応の保険として締結しましたがこれでは私たちの国が窮地に追いやられた時に本当に助けてくれるのか判断できません。

リムル様は同盟国の王と親しいようでしたが、だからといって絶対に助けてくれるというわけではありません。

むしろ大使として視察に来る彼女の人柄の方こそよく把握しておかなければならないように私は思います。

だから私は明日の迷宮の案内が終わり次第至急アルベド様と話さなければならないと感じました。

もちろん建前を抜きに本音で。はぁこの同盟本当に必要なのでしょうか。

リムル様がこの世界にいらっしゃらないというのは本当に嫌で、不安に押しつぶされてしまいそうになります。

こんな同盟無くなってしまえばいいのですが、、、。

 

 

 

 

翌日アルベド様にテンペスト国観光の目玉スポットとなる予定の迷宮を案内します。

朝10時にアルベド様が宿泊している宿までお迎えに行き案内をします。

道中はアルベド様から何かしらの質問があれば回答しますが世間話などの会話は一切ありません。

そして迷宮の前まで到着し、説明をします。迷宮の詳細についてはリムル様だけでなくラミリス様の個人情報も含まれるので細かくはお伝えしていません。

しかしアルベド様はここの迷宮の有用性に気付いている様子。やはり頭の回転が早い方なのでしょう。

開示した情報は今後迷宮がオープンした後に説明するような内容、迷宮主の任意で死者蘇生ができることや階層を自由に変化できることなどしか伝えていませんのに、、、。

そしてこの迷宮攻略アトラクションについての説明をしました。

この迷宮は第100層まであり、一定の階に階層ボスが存在することをお伝えしました。

 

 

アルベド様はその階層ボスを確認したいとおっしゃっていましたがゼギオンや竜たちがまだ成長しきっていないためお断りさせていただきました。

しかしそれ以上にアルベド様はこの迷宮の階層ボスが外でも活動できるのか、

また外でも自由に復活できるのかという階層ボス個人というより何かしらの迷宮内の制約を探っているようでした。

当然私は答えを濁し、迷宮主に聞かないことには私ではわからないと伝えました。

アルベド様は渋々といった感じでしたが引き下がってくれました。

説明をし終えた後は実際に迷宮内に入り案内をしました。

建国祭で他国の方にはお披露目するのでアルベド様がテンペスト国民を除いて初の入場者です。

 

 

しかし初の入場者といっても挑戦者ではありません。

ですので、95層にまず転移します。

アルベド様はご自身が想像された迷宮と違うといった感じで困惑されていましたが

ここを迷宮内のリゾート施設だということをお伝えすると得心された様子で何か考え事をなさっていました。

それからしばらくして迷宮の案内がひと段落したことで、ひとまずテンペスト内で案内できる場所の視察は全て終わりました。

案内が終了しアルベド様を宿舎にお連れすることになりました。

もう視察が終了したためアルベド様とゆっくり2人で話をする機会が今後あるのかわかりません。

ですので宿に戻る途中がアルベド様を呼び止める最後のチャンスだと思い、私はアルベド様に話があることをお伝えしました。

するとアルベド様も何か私と話したいことがあったようでちょうどよかったと言われた時は再び驚いてしまいました。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。