今日の内容一回全部消えて吐きそうでした。
無駄労力です。萎え萎えです。
萎えすぎて萎えってめっちゃ打ちます。
アルベドは焦っていた。
前日に紹介された封印の洞窟もそうだが今回案内された迷宮、これは本当にまずい、と。
封印の洞窟にいた竜はまだこの目で正確に確認したわけではないし、相手のブラフという可能性もまだ捨てきれない。そして仮に存在していてもあのスライムと同じであくまでそれは「個」でしかない。まだ対処できると考えていた。しかし今回の迷宮は全く話が異なる。話を聞いた限りではその迷宮主が存在している限りその迷宮主の任意で死者蘇生などを行えるという。つまりナザリックが侵略戦を仕掛けたとしても国民全員があの迷宮内に逃げ込んでしまえば誰1人として殺せないということになる。その一方ナザリック陣営は死んでも蘇生できるが魔力が必要になるためそう何度も蘇生できない。つまりアンデッドの軍勢で不死身の軍を相手にしなければならないのだ。とんだ茶番であり、どちらがアンデッドなのかすらわからなくなってくる。
そしてさらに恐ろしいことはその迷宮主の力の適応される範囲がわからないということだ。もしかしたら一度その力の恩恵を受ければ迷宮の外でも死者蘇生などの力を発揮することができるかもしれない。そうなれば今度はナザリックに攻め込まれるかもしれない。最悪だ。詳しいことはあの小娘に聞いてもわからないと言われたが確実に嘘だろう。あの小娘はクソスライムの信頼厚い部下、それならばどの情報がこの国にとってのウィークポイントになるか把握しているに違いない。なんとしてでも昨日考えた通りの話運びに持って行くしかない。あの私の推測が外れていたらもうおしまいだけれどそれしか思い浮かばなかったのだから仕方がない。それよりあの迷宮の主とさっきからあの小娘は言っているけど、こんなどでかい迷宮を1人で運営できるなんてあのクソスライムより強いんじゃないかしら、ほんと意味がわからない。とやや自暴自棄になりながら表面上は淑女然とした態度でシュナに話しかけたのだった。
アルベド様から2人で話がしたいと言われました。
私は驚きつつも自分の方からも話があったのですぐに部屋を用意しました。
そして再び私はアルベド様に驚かされました。なにせあんなにも高慢で人を見下してくる方が部屋に入り、話を始めるなり深々と謝罪してきたのです。
「先日からの貴国に対する度々の無礼誠に申し訳ありませんでした。同盟締結の際の私の推測はシュナ様のおっしゃる通り私の妄言でした。」
私はついどんな意図があるのか勘繰ってしまいましたが、純粋にそれは私たちの国に対する評価を改めたからだと考えました。もしかしたら何かしらの裏があるのかもしれません。しかし現状は何も分かりません。だから私はそのひとまずその謝罪を受け入れました。そして真意を探るべく鎌をかけてみました。
「分かりました。アルベド様の謝罪受け入れたく思います。
謝罪の意図は私たちの国がアルベド様に認められた、ということでよろしいでしょうか?」
「はい、先日より貴国を視察させていただき私たちによる援助など不要なことをはっきり理解いたしました。差し出がましいことを申しまして、申し訳ありません。」
やはり私の予想した通りアルベド様は私たちに対する評価を大幅に変更したようです。ただこの変わりよう、、、
確かに今の姿が大使として、国の重要な役職に就く方の態度としてふさわしいと思います。しかしこれほどに態度が隷属国相手と同盟国相手で変化する方なのでしょうか?
もしこれが演技でないとすればこの同盟関係の維持はどうしても不安が大きいですね。
それにこの態度の変化を故意に行なっているとしたらその目的は一体、、、
何故なのでしょうか?
もしかしたら不信感を与えることが目的?でもどうして?
そんな不信感を与えてしまっては信頼関係が重視されてくるこの同盟において悪手すぎる行動、、、。
まさかアルベド様はこの同盟を白紙にしたいのかしら???
やはり直接聞いてみるしかないのかしら、、、?
私が謝罪した後あの小娘は黙って何かを考えている様子。
それはそうよね、あの態度の変わりよう、何かしらの裏があると考えるのは当然。
もし気が付かないようならそれこそ本当に同盟を組む価値を見出せないわ。
あの小娘がどこまで私の考えを理解しているかはわからないけど何か気になっていることは確か。それならば私からきっかけを作って話の主導権を握るのが吉かしらね。
「少々話は変わりますがシュナ様は本当に今回の同盟に利があるとお考えですか?」
私は相手の表情を探りつつもいきなり本題を伝えてみる。
小娘は一瞬目を見開きまた何かを考えるように俯きながら何かをつぶやいている。
「それはどういうことでしょうか?」
「それはもうお気づきになられているのではないですか?
この同盟を結ぶ意味がないことに。」
「そのようなことはないのではないでしょうか?この同盟を結ぶことによるデメリットも確かにありますがメリットだって十分にあるのではないでしょうか?」
「確かにメリットはあるかもしれません。今回のように互いの研究者や技術者を交流させただけで彼らは異世界の知識を自国の利益につながるように昇華させようとしています。しかしそれはこの同盟を結んだことによる副次効果で本来私たちの王と貴国の王が願った主なる目的である保険の役割を果たすことができない可能性があることくらいシュナ様ならばとっくに気がついているのではないですか?」
と私が尋ねると小娘はため息をつきこうきりかえしてくる。
「その原因があなた自身であることをわかっていての発言ですか?」
この発言でアルベドはシュナが自分の想定通りに考えていることを確信し思わずにやけそうになってしまう。
「ええ、そうですね。」
「それはあなたの同盟国と隷属国に対する態度の違いが私の懸念材料になっていると、そうおっしゃっているのですね?」
シュナは語気を強めて問う。しかしその途端アルベドは笑みを作り、以前のような口調に戻る。
「ええ、むしろ気がついてもらうためにいつもより少し過剰にしたのよ。
感謝して欲しいくらいね。」
「気が付かせるため、、、?」
「そうよ、気づいてもらい貴国から同盟を白紙にしてもらうためにね。」
「何故白紙に?そもそもそれならばまず同盟を持ちかける必要がなかったのでは?」
「同盟を持ちかけたのはアインズ様らしいけれどその場にはアインズ様とリムル陛下しかいなかったのよ。
その場でどのような会話がされていたのかもわからないわ。何故同盟を結ぶことになったのかなんて皆目見当がつかないわ。」
「そちらから持ちかけた同盟だから破棄するためにはこちらが主だって行動する必要があると?」
「まぁ簡単に言ってしまえばそうね。
アインズ様の面子を部下である私が潰せるわけないでしょ。
それにここに来るまでは別に同盟もまぁなくはないと考えていたわよ。
でもそうね、、、あなたたちの国は私たちにとって少し危険すぎるわ。」
「危険ですか?」
「ええ、国力にしても武力にしてもね。」
「それはおかしくありませんか?そもそも同盟国なんですよ、どうして戦争を前提に話を進めるのでしょうか?」
「はぁ、そうしたことも考慮しておかなければならないでしょ。
国の政治を担うものならば特に。
武力衝突になった際に戦争の可能性を失念していましたでは話にならないわよ。
第一その見通しの甘さで国民が死ぬ可能性すらあるのよ?理解している?」
シュナはアルベドに言われたことに全く反論できなかった。
その通りだった。確かに今は比較的有効な関係を維持できている。
しかしその関係がいつ壊れるかは誰にもわからない。
仮に他国、例えば武装国家ドワルゴンなどであれば一応隣接する国であるため両国は友好でいるための努力をする。
しかし今回の同盟相手の国は異世界に存在する。同盟という関係が常に続く訳ではない。
そもそも今回締結した同盟の国は異世界に存在するため情報を得ることすら困難だ。もしかしたらこちらの知らないうちに相手は攻め込む準備をしているかもしれない。
それが原因で市民の非難が遅れ都市戦にでもなったら被害甚大である。そのことに気がついたシュナは言葉を失ってしまっている。
しかし助言をしたアルベドは内心で笑いが止まらなかった。
そもそもアルベドにとって大切なことはアインズのみであり臣民がいくら死のうがどうでもいい。むしろ敬愛するアインズのために死ぬことができるのだから喜ぶべきだとも考えている。
しかしその考えがこちらの世界では受け入れられないことはここを視察しているうちに理解した。
だから今回のように話を進めればシュナというリムルの信頼厚い仲間を丸め込めるのではないかと考えたのだ。
しかしそこでシュナに問いを投げかけられる。
「確かにその可能性があることは私含めこの国もものの多くが失念しておりました。
ご指摘ありがとうございます。しかしやはり気になるのですが、同盟を持ちかけたのは貴国の王、アインズ陛下ですよね。それはそちらのミスではないのでしょうか?」
シュナは確かにその可能性について失念していた。しかし本来同盟はナザリック側から持ちかけているためどうしても腑に落ちないとこがあった。
シュナの質問にアルベドは端的に答える。
「それはバランスが取れていたからよ。」
「バランスですか?」
「ええ、おそらくアインズ様はナザリックが武力であなたたちを圧倒すると考えていたの。
そして我々は異世界転移ができない。だからアインズ様は武力で、そしてリムル陛下は転移でという点でそれぞれにアドバンテージがあった。
だからそれぞれに楔を打ち付けることでこの同盟はうまくいくだろうと考えていたの。」
「理由としては分かりましたがどうしてテンペストの武力が貴国に劣ると考えたのでしょうか?」
「私はアインズ様のお考えが全て分かる訳じゃないから、これは私たち従僕(シモベ)の考えだけれどリムル陛下の実力が理由ね。確かにリムル陛下は強いわ。
でも言ってしまえば私たちナザリック陣営の守護者1人と戦えるレベルってだけなの。
当然我々の主人アインズ様は我々よりも強いわ。
従ってあなたたちの国にはアインズ様の身を脅かす者がいないと判断した。
仮に奇襲を受けたとしても対処できると考えていたわ。
しかしこの国を訪れ視察する中でその推測が誤っていたと実感した。
リムル陛下ほどではないにしてもこの国には強者が多い。
ましてリムル陛下よりも強い者がいるというのはこちらとしては大問題なのよ。」
「魔物の習性から逆算してリムル様より強いものはいないと考えた、そしてリムル様に並ぶ実力の者も普通に考えて少ないだろう、と結論を出したということでよろしいでしょうか?」
「そうよ」
「なるほど、理解いたしました。確かに危険ではあります。
この同盟は私たちもそうですが貴国も不安の種を抱えることになるのですね。」
「ええ、だから今回のことは非常に残念だけど同盟は白紙に戻す方向で進めた方が両国のためだと思ったのよ。」
シュナは黙り込む。
非常に悩んでいるようだ。一方アルベドは悠然とした態度で微笑を浮かべて立っている。
しかしその内心では自分に対する拍手が鳴り止まない。
こうした理由ならば誰からも後ろ指を刺されることなくクソみたいな同盟を破棄できると。
しかしシュナはアルベドの思惑通りには動かない。
「確かにその危険性を考慮して同盟を白紙に戻すことが一番安全だと思います。
ですが貴国と友好的な関係を築くことで利点もたくさんあるのが現状です。
であるならば私はリムル様を信じついていくだけです。」
とあっさり断られてしまうアルベド。
一瞬額面に青筋が浮かぶもののまだ諦めない。
「そう。では仮にあなたの国の王が国益を無視して己のためにこの同盟を結んでいたとしたらどうするの?」
「それは、、一体、、?」
「リムル陛下はこちらの世界に何度か足を運ばれているようだけど毎回アインズ様にお会いするために来ているわけではないらしいわ。」
「では一体何をしにそちらの世界に行くというのですか?」
「リムル陛下はアインズ様に会うのと同じくらいの頻度で、向こうで冒険者をしている女に会いに行っていると部下から報告を受けたわよ。」
アルベドは一体どこから入手したのだというような情報を悠然とした態度でシュナに開示する。
しかしアルベドが余裕でいられるのもアインズとイビルアイがリムルの仲介でデートするということを知らないからなのだが、そんな事実に気がつくのは後の話。
一方シュナは今度こそ本当に思考が停止してしまう。
アルベドの言葉を素直に受け取ったシュナには自国の王が異国の女に逢いに行っているようにしか思えなかったのだ。
「え、、、、、、、、、、リムル様が?、、、、、、、、、、、え、、ええ、え、え、え、え、ええ、え、えええ、え、、え、え、、、
え、え、え、、え、え、え、え、え、、え、え、え、、え、え、え、え、え、、え、え、え、え、え、え、え、、え、え、え、え、、え、え、え、え、え、え、え、え、え、、、ええ、え、え、、、え、え、え、、、、、ええええ?」
止まった思考にアルベドが考える隙を与えないように次々情報を流し込む。
「ええ、これは確かな筋からの情報よ、あら、知らなかったの?おかしいわね。リムル陛下がアインズ様に会い来る時は必ず国の者に伝えてからいらっしゃっていると聞いたのだけれど。」
「、、、、、、はい、、、確かにアインズ陛下に会いに行かれる時は必ず私に一言伝えてくれていました、、、、。」
「ではなぜその女冒険者と会う時はシュナ様にお伝えせずに行かれたのでしょうね?」
「それは、それは、、、それは、、、、」
答えに言い淀むシュナ。
「まさかあちらの世界で良い仲になられた方でもいるのかしら。」
「そんなこと、、、そんなことあ、り、、、ま、、せ、、」
最後まで言い終わる前にトドメの一言。
「その女冒険者と会う時はほとんどが2人きりの時らしいわよ。」
そうアルベドが伝えるとシュナは崩れ込んで顔をくしゃくしゃに歪めてしまう。
「ゥゥ、、、リ、、、ムル、、、ザマ、、、、ヒック」
アルベドは泣き崩れたシュナに近づき笑いを必死に堪えて声をかける。
「大丈夫?そんなに悲しかったの?」
「だって、だってリムル様が、、、ずっと、、、好きだったのに、、、」
と先ほどまでの凛とした態度で外交問題について話していたシュナの面影はどこにもなく、そこにいるのは好きな人を知らないうちに奪われ泣きじゃくるただの子供だった。
アルベドはそっと寄り添い、後ろから抱きしめながらシュナにこう囁く。
「そんなに嫌ならば奪ってしまえば良いじゃない?」
「う、、、、ば、、、う、、、?」
「ええ、そうよ。リムル陛下があなた以外を好きになってしまったのならその女から奪えばいいのよ。簡単でしょ。」
「で、でも、、私には、、、そん、、な、、、こと」
「できるわよ。あなたならきっと。それにリムル陛下が会っている女はこの世界の者じゃないんだもの。それなら異世界との関係を切ってしまえばいじゃない。」
「それ、それでも、、リムル様は、、、転移で、、、グスッグス」
「それならあなたがどこにも行かないようにずっとお世話してあげれば良いじゃない?」
「私が、リムル様の、、お世話?」
「ええ、そうよ。リムル陛下をどこにも行かないようにするの。
そしてあなたがリムル陛下の全ての面倒を見てあげれば良いじゃない。
大好きなリムル様と朝一緒に起きて、服着替えさせてあげて、ご飯食べさせてあげて、一緒に仕事して、
お風呂一緒に入って、夜ご飯食べて、そして一緒に寝るの。どう?最高じゃない?もう誰にも取られる心配なんてないわよ。」
「でも、でも、そんなことしたら、、リムル様に嫌われるんじゃ、、、」
「大丈夫よ、だって全てあなたがリムル様を思ってする行動なんだもの。
全て喜んで受け入れてくれるわよ。」
「ほんとう、、、?」
「ええ、本当よ。」
「うん、、わかった、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、私はどうすればいい、、、?」
「まず私の質問に答えてくれる?」
「うん。何?」
「今日迷宮で話していたことは本当?」
「ええ、本当よ。」
「迷宮の蘇生機能は外に出ても効果を発揮するの?」
「いいえ、外では認識の範囲外になってしまうから蘇生はできなかったはずよ。」
「そう、ありがとう。後は私に任せて。」
「ううん、これくらいのことならいつでも聞いて。」
アルベドは魔法の効果が発揮されているか確かめるために気になっていたことを聞いてみた。
そしてすんなり返答が来たことで今度こそ堕とした、と拍手喝采を自分に送る。
ついでにナザリックに攻め込まれる心配も減ったことに胸を撫でおろした。
初めは魔法系統に強そうな彼女に第四位階魔法<全種族魅了(チャームスピーシーズ)>を使用した時はバレないかと柄にもなくヒヤヒヤした。
しかし精神的にまいらせて正解だった。おかげで簡単に堕とせた。
シュナがリムルを異性として愛しているという前提なしには今回の策はうまくいかなかったので昨日の晩死ぬ気で頭を回転させてよかったとアルベドは思った。
そしてアルベドは異世界同盟を白紙に戻すべく更なる計画を練るのだった。