歪な愛   作:糸守

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最近書くスピードが絶望的に落ちてきてます。
どうにか完結まで一定ペースで書きたいなぁ。



6-3 こちらにも周知されてゆくナザリック

転移した後アインズはシャルティア、アウラ、マーレと馬車に乗ってリムルが待つテンペストまで向かっていた。

馬車の周囲には多数のアンデットなどの魔物もおり、新人の商人などが運悪く出会してしまった場合卒倒するレベルの統率された魔物の軍がそこにはあった。

そう、群ではなく軍なのだ。魔物がフルメタルプレートの装備をしているのだ。

一体どんな悪夢なのか、と常人ならば発狂してしまうであろう。

しかしそんな人間達が抱く感情など知ったものかと馬車の中は穏やかな雰囲気であった。

「アインズ様!ここは本当に異世界転移しているんですか?

ナザリック付近のトブの大森林とあまり変わらないように思うのですが、、、?」

「そうでありんすね、ぱっと見いつもと同じ森でありんすね。」

「え、っとでも、ここら一帯はトブの森と違って魔力が溢れていますよ????」

「ああ、そのようだな、マーレ。ここは異世界。世界の法則がまず異なっているのであろう。

我々が先ほどまでいた世界では魔力は大気中に存在するものではなく我々の体内から生じるものであったのだからな。

このことだけでもここが異世界であると判断出来よう。」

 

 

「確かにそう言われるとここらの魔力は異常でありんすね。

妾たちが普段魔力のない空間で暮らしているからでありんしょうか?

気になるとなんだかむず痒い感じでありんす。」

「んー私は魔法をそもそも使えないからなー。

まだあんま異世界に来たって実感しないなー」

「それでアインズ様、今回は一体どのような用向きでリムルの国まで訪れることになったでありんすか?」

「デミウルゴスから聞いていないのか?」

「はい、私たちはただアインズ様の護衛として同行するようにって。ね!マーレ?」

「う、うん!デミウルゴスさんからは特に何も言われてないです。」

「そうか。まぁ今回は特に大した理由はないからな。

伝えることはないとデミウルゴスは判断したのであろう。」

「どういうことでありんすか?」

「リムルは国を作ったからと建国祭を行うと張り切っているらしくてな。

それで各国に招待状を送りまくっているらしい。それが私の元まで来ただけの話だ。」

「建国祭ですか?でも私たちって同盟は結んでますけどそもそもあまり干渉しないことにするんじゃなかったんですか?」

 

 

「ああ、そうだな。同盟相手の国が異世界に存在するからこそ適切な距離感というものは大切になってくるだろうし、

そもそも私たちはテンペスト以外の国とこの世界では国交を持つつもりも全くないからな。

参加して他国の貴族などと知己を深める理由も必要性もないな。」

「でもそれならどうしてリムルはアインズ様を招待なさったでありんすか?」

「まぁおそらく一般的な政治的配慮だろうな。

異世界の国とはいえ自国に同盟国の大使が視察に来ているのだ。

当然建国祭が行われることは把握しているだろう。

ならば招待しないのは今後の関係を考慮するとあまりよろしくないと考えたのではないか?」

「な、なるほど」

「リムルって意外とよく考えているんでありんすね」

「確かに、アインズ様ほどじゃないけど結構頭のキレる王なのかもしれないね」

とアインズは久しぶりに胃の痛くならない会話を大切な子供達とできたことで大変満足していた。

しかしアンデットになっても楽しい時間というものは過ぎるのが早いらしく、あっという間にテンペスト国の正門まで辿り着いてしまう。

馬車の中からリムルを探してみるが見当たらない。

まだ準備でもしているのだろうか。

などと考えるがその思考は外の喧騒によって掻き消える。

 

 

建国祭というだけあってテンペスト国の活気は素晴らしいななどとアインズは思っていたが無い耳を澄ますと聞こえてくるのは人々の楽しそうな声ではなく、

引き攣ったような声や、少し遠巻きにこちらを見ながら何か話している声だった。

そこでようやくアインズは「あぁ」と得心する。

そういえば自分の周りには200以上の完全装備した魔物がいるのだったなと。

すると恐る恐るといった感じではあるが装備したゴブリンがフルプレートのシモベに近寄り声をかけている。

しかしその声をかけているのは骸骨戦士の1人。

当然<第4位階使者召喚>で召喚した魔物であるため知性はおろか会話することすらできない。

話しかけているのはこの国の警備隊のものであろうか?

もう少し利口そうなやつに話しかけて欲しいものだとアインズは思う。

馬車内にいる他の守護者三人も外の様子を気にしてはいるが特に動く気配はない。

外の様子を気にしているのは単純にアインズの護衛として役割を果たしているのだろう。

そのためこれは自分で状況説明を行わなければないのかとため息をつかざるを得なかった。

結局また胃が痛くなるのかと思いつつアインズはリムルが早く来てくれることを待ち望んでいた。

 

 

 

 

リムルはテンペストから30分くらいの距離の場所に転移を使ってアインズ達を送ると自分は急いで国に戻る。

寝室に戻るとソウエイが緊迫した様子で報告に来た。

「リムル様、ご報告がございます。

ただいま街道警備していたものから連絡があり、未確認の馬車数台と200ほどの魔物がこちらに向かっているそうです。いかがいたしますか?」

「あ、それ、この間同盟を結んだ国の馬車だから何もしなくていいよ。

ただ魔物を引き連れていて人間たちとの間で何か問題が起こるかもしれないから警戒だけはそのまましておいてくれ。」

「御意」と一言つぶやくとソウエイはすぐに消えてしまった。

先程のソウエイの緊迫した様子を見てリムルは急いで情報共有しないと面倒なことになりそうだと感じたため<思念伝達>でリグルド、ミョルマイル、ベニマル、シュナ、シオン、ディアブロといったメンバーを招集する。

数分して皆が集まる。

「みんな忙しいのに悪いな。急に呼んじゃって。」

「いえ、それでリムル様一体どうしたんですか?」

とシュナが訪ねてくる。他の皆も同じように疑問を浮かべている。

「この間、同盟を結んだ時ナザリックも建国祭に招待していてな。

もうあと10分ほどで到着するから俺は出迎えしないといけないんだ。

だからベニマル、シオン、ディアブロは俺について来てくれ。」

「俺ら三人ともですか?何か警戒でもしているんですか?」

「いや単純に相手の人数が軍隊並みに多いからこっちも対抗手段があることを周りにアピールしておかないといけないと思ってな。」

「軍隊並みに多い???」

「ああ、馬車数台にそれを護衛している魔物が200以上いるからな。」

「それは、まぁ確かに多いですね。」

と苦笑するベニマル。しかしシオンとディアブロのもう2人はなぜか戦意を漲らせている。リムルは一応戦うなよと釘はさしておく。

 

 

「だよな、多いよなー。まぁ来ちゃったもんは仕方ないからな。

それでシュナにはアルベドさんを連れてきて欲しいんだ。」

「アルベド様をですね、かしこまりました。」

と一言いうとシュナはすぐに部屋を出て行ってしまう。

やけに淡白な感じだなと思うリムルだったがまだやることがあったためそのことを意識のはじに追いやる。

「それでリグルドとミョルマイル君は極悪非道な見た目をした恐ろしい軍隊がこちらに向かっているけど

同盟国の軍だから気にする必要はないってことを国全体に広まるように色々なところに声かけをして欲しいんだ。

忙しいと思うんだけど頼めるか?」

「かしこまりましたぞ、リムル様。」

「任せてくだされ、リムルの旦那。」と2人とも二つ返事でokしてくれた。

みんなにやってもらいたいことを伝えると再びソウエイがやってきた。

「リムル様、先程報告した馬車が正門前に到着したようです。

今は警備兵のゴブリンが確認を取ろうと魔物に何か訪ねているそうですがいかがいたしますか?」

「あー、そのゴブリンにはひとまず下がるように伝えてくれ。

俺も今からそっちに向かうからひとまずソウエイが状況説明をしていてくれないか?

アインズは馬車の中にいるだろうから。」

「御意。」

ソウエイが行った後リムルたちも急いでアインズ達の元へ向かった。

向かっている途中にリムルはこんなにてんやわんやするのなら、事前にアインズが来ることを皆に伝えておけばよかったと後悔したのであった。

 

 

 

 

アインズはソウエイというリムルからの使者の説明を聞き、ひとまず馬車の中で待つことにした。

他の守護者三名はアインズ様を待たせるなんて不敬だと怒っていたが、アインズからしてみれば突然連絡した挙句、中隊規模の軍で建国祭に参加すると言っても快く受け入れてくれる相手なのだ。そんな準備に時間がかかることくらい何の問題もない。

むしろ迷惑をかけてしまっていて申し訳なく思っていたのだった。

そんな守護者との考え方の違いに気が遠くなっていたアインズだったが、外が再び騒がしくなったことで現実に引き戻される。

どうやら正門が開いたようだ。

アインズは馬車を出て外を確認しに行こうとするも三人に止められる。

しかしここにずっといるわけにもいかないため外の様子をシャルティアに確認しに行ってもらう。

数分後シャルティアが戻ってきた。リムルたちが正門前で待っているということなのでアインズはアウラとマーレも引き連れて門まで向かった。

 

 

側から見ればその4名は1人は骸骨、1人はゴスロリそしてもう2人はダークエルフの子供。

綺麗な骸骨以外は一見脅威とは言うには無理があるものの一定以上の実力者からすれば彼らは厄災以外の何者でもないが今回、

アインズたちは純粋に建国祭を楽しみにやって来た。

だからこそリムル陣営から感じる警戒心の理由がわからない。

考えていても埒が明かないためリムルに向かって歩き続ける。

そしてちょうどいい距離になった時に挨拶をしようと声を出そうとした時、

向こうも同じことを考えていたのだろうか。リムルが話し始める。

 

 

「ようこそ、アインズ。同盟国の王としてそして友として言わせてくれ。

ぜひこの建国祭を楽しんで欲しい。

初めはアインズの見た目の怖さに俺の仲間の警戒しちゃっているみたいでな、そこは大目に見てくれると助かるよ。」

「招待、心から感謝する。ぜひ貴国の建国祭楽しませてもらおう。

私の見た目が怖い?随分と酷いことをいってくれるではないか。

私はお前と違って愛くるしい姿を取ることはできないからな、勘弁してくれ。」

と軽く談笑しあい握手をする両者。その様子を見ていくばくかは緊張が解れる両陣営。

その後各陣営のメンバーを紹介しあい、その後ナザリックメンバーを用意された部屋へ案内する。

案内と言ってもアインズが連れてきた軍はアインンズが個人で召喚した者であるため部屋は不要。

 

 

そのためリムルがラミリスに頼み迷宮内に空き部屋を作り、その部屋に軍隊を置かせてもらうことにした。

残り数名はナザリック内の地位をアインズに聞き、そのランクごとに部屋を分けていく。

そしてアインズはリムルから明日、立食パーティがあるから参加してほしいと頼まれる。

アインズは正直何も食べれないため参加する意義を見出せず初めは断ったのだが、リムルから何度も頼まれるため渋々了承した。

そして今は自分に充てがわれた部屋にいた。

明日の夜に待つ憂鬱な立食パーティに備えるために今は1人でいたい気分だったのだが

先にこちらに来ていたアルベドの報告を聞かなければならないため部屋にはこちらに来ている守護者たちを全員呼んでおいた。

アルベドと2人きりでは内容が難しかった時に何か理由を立てて詳しく聞くこともできないために三人を呼んでおいたのだ。

それに長期間離れていたとかを理由に押し倒されるのもしんどいのでそれを警戒してという理由もあった。

 




トマス2世さん誤字報告ありがとうございます。
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