歪な愛   作:糸守

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生きがいが欲しい今日この頃。
お腹痛くなるほど笑いたいなーって最近よく思います。


6-6 結局、胃が痛くなる2人

その後立食パーティが再開され和やかなムードで終了する。

各国の貴族達からは明日の闘技場大会や明後日の迷宮について質問されたり、

本当にあのアンデッドは大丈夫なのかと訝しがられて大変ではあったが、

テンペスト国に対して嫌悪感や警戒心を抱くのではなく感心を持ってくれていることに嬉しく思う。

しかしその後の会議は荒れた。荒れに荒れた。本当に筆舌に尽くし難いほど荒れた。

まず初めの話題に上がったのは金貨の件。

正直他国の重鎮であるガゼルやエルメシア、それにヒナタやユウキのいる前で話すような内容ではないのだがそんな外面を取り繕っている余裕はないので仕方がない。

まぁ恥を捨てたことで金貨が不足している問題はなんとかなりそうなのだから問題ない。

 

 

ヒナタからは冷たい視線を向けられっぱなしなのだがそれになんとか耐えるリムル。

なんとかなりそうだと思い安心した途端、今度はエルメシアから<英雄覇気>をリムルはぶつけられる。

初めは唖然としたがこちらも負けじと<魔王覇気>で対抗する。

しばらく睨み合いが続いたと思ったら突然エルメシアがリムルに尋ねる。

「貴殿に聞きたいことがある。」

「?」

「そこの危険極まりない原初の黒と、朕ですら知らないあの凶悪なアンデッドをどう処するつもりだ?」

しかしリムルには質問の意図が分からず率直に思ったことを口にする。

「いや、別に?そもそも原初の黒ってディアブロ?それに凶悪なアンデッドってアインズのことですか?

どう処するって、特に何も?そもそもディアブロは俺の執事だし、アインズは友人なんですけど??」

「‥‥‥‥‥聞き方を変えます。どちらかが暴走し、人間に害をなそうとした時、貴殿はどう対応するの?そしてどう責任を取るのかしら?」

(暴走?責任?、、、、確かに暴走して俺の責任問題になりそうだよな、、、、今日の件もアインズの暴走っちゃ暴走だし、、、

ただ暴走しそうなのはこの2人だけじゃないしな。そもそもアインズなんかは割と常識人サイドな気がするんだけど。

もっと暴走しそうなやつここにいっぱいいるのに、なんでこの2人に対して聞くんだ?)

とやはりリムルはエルメシアの質問の意図を正しく汲み取れていなかった。

 

 

「そりゃ被害が出る前に止めるしかないですよ?」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥は?は?本気?思わず<英雄覇気>とか全部止めちゃったんだけど?

君がその受肉して名を得た原初を止める???それにおそらくその原初以上に強力なアンデッドも???」

「はい、そりゃ、被害を出さないためにはそうしないとダメじゃないですか?

そもそもディアブロが本気になったら相手できるのこの国にも数人しかいませんし。

そいつらを危険に晒すよりは俺1人で対処した方がいいですし。

アインズは確かに俺より強そうだから暴れられたら困りますけど対応策はありますし。」

とリムルが言うと人間サイドは皆、いや1人を除き唖然とした表情でこちらをみている。

話していたエルメシアは当然のこと、ガゼルも。

それにいつもニコニコしているユウキでさえもこの時ばかりは驚いていた。

ただヒナタは呆れを通り越して頭が痛くなったのか、かこめかみを抑えてため息をついていた。

「ねぇねぇ、ガゼル坊聞いた?魔王リムルってすっごい大物なのね。彼ってこれが平常運転なの???」

「はぁ、否定したいがこれがいつも通りだ。

もうこいつと関わりを持ったんだ。振り回される用意はできているだろうな?」

「え、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

とエルメシアが答えに窮するとガゼルは日頃いじられている分をやり返せたのが嬉しかったのかにやけだす。

 

 

リムルは突然蚊帳の外に追い出されたかと思ったら自分の正気を疑われ出した。

そして誰か否定してくれないのかと周りを見渡し助けを求める。

しかし周りを見ても、先ほどまで話題の中心にいたディアブロは何故か嬉しそうだし、シオンは何故か羨ましそうにディアブロを見ていた。

シュナはこの会話に興味がないのか特に何も言ってくれそうにない。

テンペスト内ではだいぶ常識人のベニマルにリグルドも頭をぽりぽり掻きながら困った様子で当たりをみている。

ここでリムルはあぁ誰も助けてくれそうにないやと気づいた。

救いの手がないことに絶望していると再びエルメシアから話しかけられる。

しかも再び王者然とした<英雄覇気>を纏わせた状態で。

「ひとまず貴殿がいれば原初が暴れても対応できるとしましょう。

ただあのアンデッドはどうするつもり?

朕は戦闘に関して詳しいわけではないから断言はできないけれどあのアンデッドは正直貴殿よりも強いわよね?」

とアインズに対する質問が来た。

 

 

「そもそもテンペスト国にいる奴らでアインズと戦って勝てる可能性があるのって俺とヴェルドラそれにディアブロくらいですからね。

俺は多分勝てないですし、ヴェルドラは、んーどうなんですかね。

人型だと勝てないんじゃないですか?竜に戻れば話は別ですけど。」

とリムルが言うとエルメシアの<英雄覇気>は再び解除されてしまう。

「ちょっと待ってちょうだい?暴風竜ヴェルドラが復活していること自体眉唾物だったのに、何?

人型って、、、そもそも竜種に匹敵するの?そのアンデッドって、、、。」

「はい、今この場にはいないですけどこの国の中にちゃんといますよ?

どうなんですかね、でもアインズは戦えると思いますよ?竜種と。」

「そんな相手の暴走をどうやって止めると言うのかしら?」

「それは、、、アインズとの関係に関することなのであまり詳しくは話せませんけどちゃんと手があるのは確かです!」

 

 

「はぁ。その手段を聞きたかったんだけど、、、、まぁいいわ。

暴風竜がこの地にいるのにテンペスト国が無事なんだもの。それだけでだいぶ信頼に値するわ。

今は魔王リムルの言葉を信じることにする。貴殿が人類に仇をなす存在にならない限り朕は、魔導王朝サリオンは貴国と正式に盟友関係を築こう。」

「?まぁなんか信用してくれたなら良かったです。」

とリムルとしては少々解せない形ではあったが話は上手くまとまったようだ。

各国の王族を交えた国内会議は終了した。

リムルはガゼルとミョルマイルを誘って飲みにでも行こうと思っていたのだがヒナタに声をかけられる。

「悪いけど、ちょっといいかしら?」

「どうしたんだ?ヒナタ。」

「どうしたんだ、じゃないわよ。あんな化け物連れてきて。

あなたの気が変わって人類を滅ぼすつもりなのかと思ったくらいよ。」

と言ってヒナタはため息をつく。

「アインズのことか、んーとなんかごめんな?

ないない、ってかそもそも俺は元人間なんだし急に人類滅亡なんてするかって。」

「‥‥‥はぁ、そうね、、、、。それでこれからが本題なんだけどルミナス様が用があるそうよ。

会議が終わり次第今日一緒にいたあのアインズとかいうアンデッドと部屋に来てほしいって言ってたわよ。それじゃあ、私は伝えたからね。」

「ヒナタは一緒に行かないのか?」

「ええ。私もそのアインズってアンデッドに少し興味があったのだけど、ルミナス様が3人で話がしたいっておっしゃるから。

それに私はそろそろ寝なきゃいけないし。それじゃあおやすみ。」

「あ、ああ。おやすみ。」

 

 

 

 

リムルがこの事態の収集のため各国の王侯貴族に説明しに行った。

その後すぐに、アインズに別室が用意されるということなので案内に来た者について行き部屋に入る。

アインズは1人部屋に入ると椅子に腰掛け、先程の出来事を考えていた。

(「あのアナウンスみたいな声は一体、、、?

リムルにも聞こえていたようだったがあの声はこの世界特有のエフェクトなのか?

そしてこの体。確実に以前よりも強くなっている。

私のレベルは既にマックスの100lv。これ以上上がるはずがないのに。なぜ?

やはりあの言葉通りレベルの上限が解放されたということだろうか。

となるとこの体の最大レベルが気になるが、、、あちらの世界でレベル上げを行うのは難しいだろうな。

それに『不死者之王(アルシエル)』というものを獲得した後の言葉が一部聞き取れなかったがあれは私だけなのだろうか?

そもそもあの声は誰が聞くことができるのだ???」)

とアインズはほんの数刻前の出来事を再び思い出していた。

 

(《究極能力(アルティメットスキル)『不死者之王(アルシエル)』のスキル<不死の空間>により特定の種族以外への世界の言葉を遮断します。

種族スキル黒の叡智、暗黒の魂、漆黒の後光を統合します。、、、、成功しました。

3つの能力統合成功により究極スキル『慊焉之王(サタン)』が誕生しました。

『慊焉之王(サタン)』の効果により系譜の異形種への祝福の授与を**しました。

『慊焉之王(サタン)』の効果により系譜の異形種への祝福の授与を**しました。

さらに『慊焉之王(サタン)』の効果によりこの効果の一部を隠蔽しました。》)

 

(「特定の種族以外に聞こえなくすると言っていて、

私が聞こえているということはアンデッドには有効なスキルであることは確かだろうが、

もう少し自分で使ってみないことには分からないな。

それにあのスキル<不死の空間>というのも、あの世界の言葉とやらを参考にすると、

究極能力(アルティメットスキル)『不死者之王(アルシエル)』のスキルの一部でしかないのだろう。

つまりまずは『不死者之王(アルシエル)』を全て把握しないといけないということだろうか。

それにもう一つの究極能力(アルティメットスキル)『慊焉之王(サタン)』も確認しなければならないのか。

これは私の個人的な直感だがこのスキル、、、なんだか嫌な予感しかしない、、、、。

はぁ、、、、新たに能力を得て強くなったことを喜ぶべきなのか、新たな能力が未知であることに恐れるべきなのか、、、、分からん、、、。

それにリムルにも迷惑をかけてしまった。はぁ、、、。ほんと胃が痛い。

リムルが後で来ると言っていたが、私が聞くべきことはなんだ?

まず究極能力(アルティメットスキル)というものについて聞くこと。

そして私の能力がどのようなものか把握できるのが最善だな。

次に確認すべきことはアルベド達の容体か。

あのリムルの口振りからして以前に同じような経験をしているのだろう。

ならばどのくらいで目を覚ますのかなど聞くべきことが大量にあるな。

あとは、、、、まぁ謝罪は確実にしなければならないな。」)

リムルが来るまで何もすることはないアインズはただひたすらに思考の海に沈むのであった。

 

 

 

 

あれからどれくらいの時間が経過しただろうか? 

2、3時間くらいだろうか。

アンデッドになってから時間の感覚が鈍くなっていることがもしかしたら一番今困っていることかもしれない。

などくだらないことを考えていると部屋がノックされ外から声がかけられる。

「アインズー?入っていいかー?」

アインズは返事をし、扉を開ける。

「もう各国への対応は済んだのか?」

「あぁ、なんとかな。ほんと大変だったんだからなー!」

「悪い、悪い。緊張してしまってあのオーラが出てしまったんだ。」

「緊張かよ!?てか緊張するたびにあんなオーラ出されてたらたまったもんじゃないぞ!」

「そこは本当にすまない。私も人前に立つことは慣れたと思っていたのだがな。

各国の王侯貴族にたちに萎縮してしまった。」と苦笑いするアインズ。

「ったく、仕方ないな。それでちょっと聞きたいことがいろいろあったんだけどさ。」

「あぁ、私も聞きたいことがある。と言うか部屋に入らないのか?」

「ええっとな、諸々のことで話があるんだけどお前と話がしたいってやつがいてな、今からそいつのとこまで行くからついてきてくれないか?」

「私に話?誰だ?」

「俺と同じ魔王の1人、ルミナスってやつなんだけどな。」

「ルミナス?もしかして銀髪のメイド服を着た女か?」

「!?そうだけど、なんでわかったんだ?」

「いや、今日のパーティの時、世界の言葉とやらが聞こえた時物凄い形相でこちらをみていたからな。

もしかしたらそうなのかと思っただけだ。」

「まぁあの言葉聞こえるのは究極能力(アルティメットスキル)保持者だけっぽいからな。」

「そうなのか?その辺りのことも詳しく聞きたいのだが」

「それじゃあちょっとついてきてくれ。」

「ああ、了解した。」

 




トマス二世さん誤字報告ありがとうございます。
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