「あーったく、何でこんなことしなきゃならないんだよ。私は一刻も早くこんな国から出たいってのに。」
(せっかく生き返ったんだからもうあの化け物とは出会いたくねーだよ。
つっても私を生き返らせたのは法国の奴らだからこの命令には従わなきゃならないだろうな。
無視して反感を買うのは生き返ったばかりだし良くない、、、、はぁついてないわ。
こんな落ち目のクソオネェなんてほっときゃいいのに何の利用価値があるんだか)
法国は8本指がすでにアインズにより支配されていることを何故か把握しておりどうにか奴隷部門のコッコドールをこちら側に引き込み密偵のようなことをさせようとしているのだがそのことを全く知らされてないクレマンティーヌはただひたすら文句を言うのであった。
ティアとティナが墓地の調査に向かうと地下に続く道のようなとこへ入っていく人を見つけたのでついていくことにした。するとそこには、、、
「かじちゃん、まだ終わらないの?」
「ああうるさい奴め、まだだ。後少し負のエネルギーが足りないのだ。これも全てあの忌々しい女のせいだ」
「そんなことどうでもいいのよーこんなジメジメしたところにいたくないわー、早くこの国出ようよー」
「ええい、うるさいわ、黙っておれ、殺すぞ」
「あーもう怖いんだからー。かじちゃんマジな話後どれくらいなの、もうイライラが限界。早くこの国から出て行きたいんだけど、、、、」
「後2日もすれば終わる、そしたらアンデットたちを王都に攻め込ませてその間に国境を越えられるから辛抱せい。」
「後2日かーもっと早くならないの?」
「ああこればかりはどうにもならん、それより下手に冒険者狩りなぞして目をつけられるなよ」
「ええ〜しょうがないじゃーん、適度にストレス発散してないとイライラして手当たり次第に人殺したくなっちゃうんだもーん」
「とにかく後2日静かにしておれ」
「はい、はーい」
翌朝いつものように始まった会議だったがティアとティナの報告を聞いて空気が変わった。
「それでそいつらは明日、明後日にでもアンデットの軍勢を王都に仕掛けると、、」
「そう、鬼ボス」
「わかったわ、調査お疲れ様、今夜動くことになるかもしれないから後でゆっくり休んで。」
「ん」
「了解」
「相手はこの国を安全に出るために注意を自分たちから逸らすつもりね。」
「やはり法国が関わっているとみるべきか、、、?」
「モモンさんどうして?」
「このアンデット軍の攻撃を受ければリ・エスティーゼ王国はかなりのダメージを受ける。」
「でもそれなら帝国だっていう可能性は?アンデット召喚とかなら魔法に詳しいあのフールーダパラダインがやはり関わってたりしてるのでは?」
「可能性は否定できない。ただ帝国は毎年の戦争で王国の国力を徐々に減らしている。それなのにこんな急な予定を立てるだろうか、、それにアンデットの群が作れるのなら帝国は戦争でその軍団を使ってくるのではないか?」
「確かにそれはそうですけど、でもそれならどうして法国になるんですか?」
「法国と帝国は同盟とまではいかないが協力関係にある」
「え!?本当ですか」
「ああ、情報の出所は教えられないが確かな情報だ。
理由としては帝国は人類のために軍などの強化に努めているから人類の守り手である法国といい関係を築いているらしい。
しかし王国は近年8本指などの台頭により国が内部腐敗してきていると思われている。
だから法国は帝国に王国を併合するのが望ましいと考えているそうだ。だから私は今回の計画には法国が関与しているのではないかと思ったんだ。」
「なるほど、そんなことが。モモンさんの情報網はすごいですね」
「いやたまたまだ。それより襲撃はどうする?」
「こちらは人数も多くないし後手に回るのは避けたいですね。
明日相手の準備が整うのだとしたらやはり今日の夜にでも行動開始した方がいいのではないでしょうか?」
「わかった。では今日の夜に、先ほどティアとティナが伝えてくれた情報をもとに二手に分かれて攻めよう。」
「はい、そうしましょう。それではまた後ほど
「大丈夫か?イビルアイ?」
「あ、ああ問題ない。」
(どうしてだ?何でこんなに緊張しているんだ?この間話していた時はここまで緊張していなかったのに。
ああ、きっとモモン様から理由は何であれ私を求めてくれたことが嬉しくてたまらないんだ。
と言うか問題ないって!!もう少しくらい可愛い言い方できなかったのか、私!)
(なぜだか先ほどからイビルアイの様子がおかしい。
これからの戦闘に緊張しているのか?いやそういうやつではないと思うが、、わからない、、)
イビルアイの様子がおかしいことには気づいたアインズだったが見当違いな予想をしていた。
「とりあえずこの間のヤルダバオトの時のように私をあいつと1vs1にできるようにして欲しい。
あいつの周りに誰かいる場合は二人に任せる。誰もいなかった場合状況を見て柔軟に動いてくれ。」
「はい」
「ああ了解した」
その後両チームは軽く作戦を立てて夜、瞬時に行動すべく準備を開始したのだった。
「俺らの標的はあの赤いローブを着たハゲか?」
「そう」
「あいつ」
「そんなに強そうに見えないけど、油断しないようにね」
「おう、とりあえず俺とラキュースがあいつに近づくからうまいことやれそうなタイミングでやってくれ」
「わかった」
「ただ1度失敗してしまうと警戒されるだろうから慎重にね」
「こんなところで出会うとは奇遇だなクレマンティーヌ」
「は!?!?!?お前はあの時の」
(なんでこいつがいるんだ?どうする?戦っても絶対に勝てない。
かといってこのクソおかまを置いて逃げても法国から何かされるかもしれない、どうする。どうする)
「モモン様、あの女の横にいる男8本指の幹部だ」と小声でイビルアイが教えてくれた。
「8本指?どうしてこんなところに、あいつのことは任せてもいいか?できるだけ捉えたい」
「ああ任せてくれ、」
「どうした?そんな目で見られても困るのだが」
「お前どうしてここにいるんだ?」
「ちょ、ちょっと何よこいつら!あんた早くやって頂戴よ、そのための護衛なんで、、(ぐはっ)」
「悪いがお前は寝ていろ」イビルアイの第一位階魔法<魔法の矢>をくらい即落ちするコッコドール。
「イビルアイ、ナーベここらにいる奴らを頼む」
「さてクレマンティーヌ私たちはこちらで話し合わないか?」
「ああ、(断る選択肢なんてねーよ)」
「こんなところで何してんだ?爺さん?」
「貴様らこそ何をしている」
「そりゃ当然警備だよ、警備」
「それで私に何かようか」
「ああ、大アリだね。こんな真夜中に墓地で何してんだ?」
「そんなこと貴様らに話す必要などない」
「とりあえず大人しくついて来てもらおうか、もう1度死にたくないだろ」
「何?(こいつ今もう一度と言ったか?ワシのことを知っておるのか)」
「わしのことを知っていて声をかけてくるとはどこのば、、」グハッ
話している途中、突然胸部に痛みを感じたと思った瞬間にカジット・デイル・バダンテールの2度目の生はあっさりと終わってしまった。
「うわ、すごいあっさりとした終わりだな。何も苦労せず終わってよかったんだろうけど、、なんか釈然としねーな。とりあえずあいつらに合流するか」
「死体はどうする?」
「一応燃やして置きましよう。アンデットになられたら大変だしまた蘇生されるかもしれないし。」
「了解」
「それで何でお前がここにいるんだよ!!!」
「数週間前ミスリルの鎧を着た少年を殺しただろ?」
(は???ミスリル??あ、あの邪魔して来たガキか。あいつはこいつの知り合いだったのか?クソクソクソクソ!!!)
「ああ殺したよ、何だまたお仲間さんだったのか?怒っちゃった?」
内心死ぬほど後悔しているもののここで折れたらもう何もかも折れてしまいそうなクレマンティーヌは言葉と態度はいつも通りふざけた振る舞をした。
「いや仲間ではない。前回の時のように知り合いですらない」
「は?なら何で?」
「依頼だよ、依頼。君の殺した少年の主人が君を殺してくれと。」
「は?指名依頼?カッパーの、、、」
クレマンティーヌが以前見たモモンのプレートはカッパー、初心者のプレートだった。しかし今の色はカッパーではない。
一瞬自分の目を疑いたくなる現実に頭が追いついてこなかった。
(アダマンタイト?私が殺されてからまだ1年ちょっとしか経ってねーぞ、何でそんな色なんだよ、確かにあいつは強い。
けどいくら何でも異常すぎる。いや待て、今こいつは依頼だと言った。つまり、、、)
「取引がしたい。」
「ほう、取引?」
「ああ、あんたは今私を殺すことが依頼だと言った。ならば私はそちらの望むものを何でも支払う。だから見逃して欲しい。」
「この間とえらく態度が違うな」
「そんなこと当たり前だ、勝てないことは分かりきっているからな。で取引してくれるのか、してくれないのか?」
「君が支払えるのは金だけか?」
「金じゃなくても何でもいい、私にできることならば」
「そうか、ならば質問だ。君の後ろにいるのは法国か?」
「ッッツ、ああそうだ。それをどうして知っている。」
「今は私が質問をしている」
「あ、ああ」
「では法国を裏切り私の下につけ、これが取引条件だ。」
「は?何を言ってるんだ、お前」
「そのままの意味だが?さあどうする。」
「ひとつ聞かせてくれ。あんたは法国とやり合うのか」
「やりあうも何も先に手を出して来たのはそちらというだけだ」
(は?手を出した?法国の連中こんな化け物に手を出したのか?頭いかれてんのか?いやあいつら、私がいうのも何だがなかなか壊れてるやつらばっかか)
「私はあんたの下についたら何をすればいい?」
「お前は明日の混乱に乗じて法国に戻るつもりだったのか?」
「何でもお見通しってか、ああそうだよ。」
「そうかならば密偵をしてもらう。お前、法国でそこそこの地位だったんだろ?」
「何で知ってんだよ、ああ一応な。」
「まぁそれならば話は早い。お前の仕事は2つ。法国の情報を全て吐くこと。それと法国に潜り情報を集めることだ」
「あーあーわかったよ、どうせ断るなんて選択肢私には残ってねーしな」
「それで今回は見逃してくれるんだろ」
「いいえ、あなたはここでもう一度死んでもらいます。」
「ガハッ、、、なんで、、、」
「それはお前の殺害が依頼だからだよ、(まあ他にも理由はあるけど)。ご苦労だった、ナーベ。それでイビルアイの方はどうなった?」
「ありがとうございます。はい、向こうは合流した残りの奴らがここらにいるものを捕まえて縛り上げています。」
「了解した。我々もこの死体を持って彼方に向かうとしよう。
「そっちも無事終わったみたいだな」
「ああこっちは何事もなくっていうかほんとに何もなかったな」
「ええ、ティナが後ろからグサって刺して終わりでした」
「まあこちらも似たようなものだったな。ところでこいつはラナー皇女には見せるべきだと思うか?
本人かどうか確かめるためクライム君には悪いが確認してもらわなければならないが」
「彼女はきっと見たがると思いますが見せない方がいいでしょう」
「そうか、わかった。」
「リーダー打ち上げ」
「鬼ボス打ち上げ」
「あーそうね、ひと段落ついたし明日ラナーへ報告しに行ったらやりましょうか。モモンさんとナーベさんもどうですか?」
「お誘いありがたいが私は遠慮させてもらう。ナーベはどうする?」
「私もモモンさーんがお断りするなら私も結構です。」
「あ、そうですか、残念です。あの失礼だとは思うのですがひとつ質問よろしいですか?」
「ええ」
「モモンさんとナーベさんの関係ってどんな感じですか?付き合っているんですか?」
「いや、そういった関係では。私とナーベの関係?えーっと敢えて私とナーべの関係を説明するとしたら大切な友人の子かな。」
「友人の子ですか、、、」
平然と否定するモモンと少し俯いて顔を赤くしているナーベ。
ラキュースは「ああ、この人もか」と思うのだった。
翌朝王城に報告に行きクライムに確認をとり依頼達成となった。
その後蒼の薔薇は今日の打ち上げの準備をすると言い宿に戻ってしまいそうになったのでモモンは急いで声を掛ける。
「イビルアイ、この後少しいいか?」
イビルアイに声をかけたはずなのに他の面々が鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をし、呼ばれた本人は感情のキャパシティを超えたのか固まっている。
「えーっと、イビルアイ?」
「あ、ああ大丈夫だ、それで何のようだ?」
「少し話がしたい、10〜20分大丈夫か?」
「ああ構わない、ラキュース先、宿に戻っていてくれ」
「それじゃあ悪いが少しイビルアイを借りる。」
それだけ言って3人は去っていった。
「おい、まさか意外といけんのか?」
「びっくり」
「一方通行だと思ってた」
「ええ、ほんとにびっくり」としばらく唖然としてしまう4人であった。
トマス二世さん、誤字報告ありがとうございます。