その日の昼休み。
透流、ユリエ、橘、みやび、トラ、タツの今日の話題について学食で話し合った。
みやびはそれを聞きながら牛乳を飲んでいた。
・・・多分それ飲むから胸が大きくなるんじゃね?
そしてみやびはこう呟いた。
「はあ・・・まだ《デュオ》が決まったばかりなのに。」
憂鬱そう言った。
そしてその言葉に対し橘はこう答えた。
「決まったばかりだからだと私は思うぞ、みやび。」
そして透流もこう続けた。
「俺も橘に同意見だな。組んだばかりだからこそ今のうちに実戦形式の戦闘を
積み重ねておくべきだろうと思っているがトラはどう思う?」
透流はそう聞くとトラは眼鏡をかけ直してこう答えた。
「確かにこれからの授業で僕らは《デュオ》としての動き方や心構えを
教わることとなるがそれはあくまでも知識でしかない。」
「経験として蓄積させることで知識は真に身につくものだ。」
トラがそう言うと透流はこう答えた。
「先ずは習うよりも慣れるだ。時間帯や広範囲に広がるバトルフィールド。
ルールからしても不確定要素の多さがこの《新刃戦》の鍵となるだろうな。」
そう言うとみやびはこう聞いた。
「時間帯?・・・そう言えば随分遅くにやるなあと思ってたけど
其れはどうしてなの?」
そう聞くとユリエはこう答えた。
「開始から30分経てば夕暮れですし、終了30分前になれば日没になりますので
視界が非常に悪くなるからです、みやび」
そう言うとトラが不機嫌そうにこう言った。
「ふん。視界の悪さは時に戦況に大きな影響を及ぼすからな。
それも経験させておこうと言う腹積もりなのだろうな。」
そう言う中においても透流はこう思っていた。
「(前にジャングルの行軍の時も闇夜の中で進んだ時は神経が逆撫でるような
感じで進んだからな。俺の《ブレイズ》は防御型だから闇の中だと行動が
制限されるからそれを応用してやってみるか。)」
そう思っていた。
何せ錬金戦団に於いてもホムンクルス相手だと必ず誰もいない廃墟の中か
夕闇の中で戦闘を行う為そう言う訓練は必須事項として行っているのである。
するとみやびがこう呟いた。
「そっかあ、色々な理由があるんだねえ・・・。」
「理由は分かったけどやっぱりもっと《ブレイズ》に慣れてからでも良いと
思うのになあ・・・。」
そう言うがそれは全員同じであろう。
今後《新刃戦》終了まで《ブレイズ》を扱う授業はないが・・・
訓練が出来ないわけではない。
その理由は・・・これだ。
「みやび、今回は入試とは違って負けたら終わりじゃないんだ。
背伸びせずに自分のペースで戦おう。」
「今日の放課後からは許可申請さえすれば学園限定とはいえ
《ブレイズ》を使えるのだから地道に慣れていこうじゃないか。」
そう、橘の言う通り、放課後からは事務局に申請さえすれば
《ブレイズ》を使用した訓練が出来るようになったのだ。
恐らく全員が許可申請書を求めて事務局に向かい、訓練を始めるのは
目に見えている。
更に言えば他の《デュオ》の訓練を無許可で・・・
つまり、スパイ行為をして見ることも可能なのだ。
《デュオ》を決める際のプロフィールにも書かれているがそれだけでは
足りない。
同じ武器においても所有する人間の実力や癖、戦闘スタイルは
千差万別である為《新刃戦》は既に始まっていると言っても過言ではないと
思われている。
いつの世においても情報戦こそ戦争の要である。
「全く、厄介な話だな・・・。」
トラはそう言いながら眼鏡をかけ直した。
そして透流に向けてこう言った。
「《フィストプラクチィス》では貴様に徹底的に負けはしたが
今度は負けんぞ。」
そう言うと透流はこう答えた。
「ああ、俺もユリエと一緒に勝ち進んでやるさ。」
なあ、というとユリエはこう答えた。
「ヤー」
そう言うとそれを見ていたみやびがこう言った。
「うわあ・・・皆凄いなあ・・・。」
「やっぱ私じゃあ足手纏いに・・・。」
そう言うと橘はこう言った。
「大丈夫だみやび。」
「・・・巴ちゃん。」
「確かに現時点においてみればみやびの技量や能力に於いて見ても
彼らには劣る。」
「・・・・うん。」
みやびは力なく答えるが橘はこう続けた。
「それならば力量を埋めるための策を立てればいい。」
「だからこそ、私というパートナーがいることを忘れないでくれ。」
「これは1対1ではなく《デュオ》による勝負なのだからな。」
そう言うと透流は何か考えるような顔をしていた。
それを見たユリエがこう聞いた。
「どうしたのですか ?トール。」
そう聞くと透流はこう答えた。
「イヤな、《デュオ》で思い出したんだが前に理事長が言ってた
《アブソリュート・デュオ》。あれがどうも気になってんだ。」
そう言うと橘もこう言った。
「ふむ、あれか。私も気になってパンフレットを見返してみたが、
そのような言葉は載ってなかったな。」
するとユリエもこう続けた。
「ヤー、確かにそうでしたね。恐らく《デュオ》に関係していますでしょうし、態々理事長が言ってました。」
『願わくば、汝が何時か《アブソリュート・デュオ》へ至らんことを』
それを聞いてトラがこう言った。
「ふん。彼女にとって僕らが有益な実験体、つまりモルモットと
認識された時にでも明らかになるんじゃないか?」
「モルモット。・・・ですか」
ユリエはトラの言葉を聞いてそう言うと透流がこう言った。
「まあ、そういう言い方だと気分が悪くなるよな。」
そう言うとユリエはこう答えた。
「ナイ、そうではなくて」
「そうじゃなくて・・・何だ?」
透流はそう聞くとユリエはこう答えた。
「私はハムスターの方が好きなので、そちらの方が・・・」
「そっちかよ!」ビシ!!
透流はユリエの言葉を聞いて即座にツッコミを入れた。
もう疲れるなあと思う今日この頃であった。
次回はユリエと透流の演習。