アブソリュート・錬金   作:caose

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第19話

「ウウウ・・・。」

 「緊張する・・・。」

 透流はそう言いながら・・・ユリエの足を触っていた。

 ・・・・いや何やってんだお前は!?

 「トール?」

 どうしたのですかとユリエがそう聞くと透流はこう答えた。

 「え・・・ナンデモナイよ。」

 片言でそう答えるが・・・大丈夫なのかよと思いたくなる。

 「(何でこんなことに・・・。)」

 そう思っているようであるが仕方があるまい。

 ・・・授業なのだから。

 《新刃戦》まであと2日。

 四時限目は保健体育であり授業内容は・・・応急処置に伴う包帯の巻き方である。

 幾つかの巻き方(無論錬金戦団で習得済み)を教わり、《デュオ》で

実践しているのだが異性同士でやっているのは透流達だけである。

 授業の一環とはいえ女子の生足に触れるとなると・・・それもユリエみたいな

綺麗な子なので猶更きつい。

 心臓が間違いなく聞こえてるなというくらいに鼓動が高まる中でユリエが小さくも驚きの声を上げた。

 「あ・・・トール、手順を一つ飛ばしました。」

 「え!?マジで・・・・ブッ!!」

 顔を上げてユリエの足から顔へと視線を移そうとした時に・・・。

 スカートがかなりぎりぎりの所迄捲れあがっていたので吹き出した。

 「?」

 ユリエは何だろうと思っている中で透流は集中することとなった。

 暫くして互いに包帯を巻き終えると月見が両手をパンパンと叩いてこう言った。

 「さー、それじゃあ次は《デュオ》以外の相手とペアになってやってみよー。」

 そう言うと透流は陰ながらほっとした様子でこう思っていた。

「(良かったーー。流石に女の子相手だと緊張するし・・・やっぱりこう言う時は同性の方が落ち着いて出来そうだぜ。)」

 そして後ろではみやびがユリエと組んでいた。

 そして透流も相棒を見つけようと今度は親友でもあるトラにしようかと

思って探してみると・・・。

 「あれ?・・・トラは??」

 そう言った。

 教室中見回してもいないのでトイレかなと思っていると・・・後ろから声が

聞こえた。

 「何を言ってるんだ九重。」

 「!!・・・何だ橘か。」

 透流はいきなりだったので後ろを振り向くと・・・橘を見てそう言うと

橘はこう説明した。

 「トラとタツは先ほどの授業中に散々揉めていて騒がしいからという理由で

月見先生が廊下に放り出されていたぞ。」

 「・・・・何やってんだあの凸凹コンビは。」

 橘の説明を聞いて透流は呆れ顔でそう言った。

 よく見れば橘も同じ表情であったため考えは同じのようである。

 そして透流は仕方ないと言ってこう続けた。

 「それじゃあ俺は他の奴と・・・・」

 そう言いながら周りを見てみると・・・男子全員終わっていた。

 そして現在余っているのは・・・彼女だけ。

 「如何やら他の者は全員組み終わったようだな。余り者同士組むとするか、

九重。」

 「え?・・・・マジで・・・・。」

 透流はそれを聞いてまたかよとそう思った。

 然し次の実習はさっきよりもやばいのだと後に透流はそう語った。

 「どうした九重?早く巻かないか?」

 「ああ、分かったよ。」

 そう言うと透流は次にやるべき内容を見て・・・目を点にしてこう言った。

 「マジで」

 その内容は・・・肩を脱臼した際の巻き方。

 これが想像も絶する難関なのだ。

 やり方。

 ①腕に包帯を巻く

 ②次いで体(胸)を1周するように巻く

 これを数回繰り返すのが基本である。

 然しそれをする際に気を付けなければいけないことがあった。

 それは・・・。

 体に巻き付ける際に・・・胸に当たらないようにしなければならないのだ。

 相手は女性なので胸が膨らんでいることから当たらない様にしなければ

いけないのだ。

 然も厄介な事に橘の胸部はみやびに次いで大きい為

手が当たらないようにするにはかなりの緊張と労力を必要としたのだ。

 それ故に加減を間違えて・・・こうなってしまった。

 「は・・・ふう・・・・ん、はあ・・・九重、ん。・・・少し・・・きつい」

 緊張によって巻き方を間違えてしまい胸を強調するような

巻き方になっただけではなく呼吸が乱れてしまい妙に色っぽい光景が

見えてしまった。

 

 

 

 

 

 「ゴク」

 

 

 

 

 

 誰かが唾を飲んだか分からないがそう言う音が聞こえた。

 すると月見先生が・・・ある一言を言い放った。

 「おやおや?九重君、最初からアブノーマルなプレイをしていると

ノーマルじゃあ満足してもらえなくなっちゃうよー?」

 「あぶのーまる・・・?」

 橘がそう聞くと月見先生はこう続けた。

 「趣味とはいえ胸を強調するように縛るのは授業じゃなくて人気のない所で

ヤッテネ、このエッチマン♡」

 「・・・・・!?」

 橘はそれを聞いて自身の置かれた状況に気づいて・・・こう言った。

 「き、緊縛行為で人を辱めるのが嗜好とは・・・き、君と言う男は

何と破廉恥な!!」

 「誤解だアアアアアアア!!」

 透流はそれを聞いて反論しようとすると橘がこう言った。

 「この不埒者!!!!」

 そう言って立ち上がろうとすると未だ透流は包帯を持っていたため体勢を

崩してしまい・・・。

 「あ!!」

 透流は倒れる橘を見て助けようとするもそのまま一緒に・・・倒れてしまった。

 ガシャアアアアンという音がして暫くすると・・・。

 「(・・・何だ?何か暖かいな。)」

 そう思って腕を動かそうとすると・・・。

 もにゅっと何か柔らかいナニカを感じた。

 更に言えば頭の上に何やら柔らかいものが当たっているのを感じた。

 そして暫くして起き上がるとそこで目に映ったのは・・・・。

 「/////////////」

 「あ・・・ええと・・・・。」

 右手に橘の胸。

 左手は尻。

 然も当の本人は真っ赤になって然も泣きそうになっていた。

 透流はヤバいと思って離れると橘は素早く下がった。

 そして暫くして透流は・・・こう言った。

 「す・・・す・・・すみませんでし」

 「九重の大バカ者がアアアアアアア!!」

 「ター○----ン!!」

 透流は意味不明な断末魔を上げてそのまま・・・教室の隅っこ迄飛ばされた。

 そして・・・。

 「ウワ(*´Д`*)アアアアアアアアアン!!」

 橘は泣きながら走り去っていった。

 『『『『『・・・・・・・・・・』』』』』

 あまりの光景に全員が唖然とする中で月見先生は殴り飛ばされた透流を見て

こう言った。

 「それじゃあ次は臨時で応急手当の仕方を教えちゃうよーー♡」

 月見先生はそう言って包帯を巻いた。

 ・・・ラッキースケベの後にこれは・・・自業自得だな。




 この後晃陵学園においての伝説。
 包帯エッチ騒動の真実として語り継がれた。
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