「・・・あれからもう2年か。」
透流はそう言って・・・ホテルのベッドから起き上がった。
あの事件の後に防人からある事を伝えられた。
それは・・・。
「君のご両親は残念だが・・・あいつの仲間によって喰われてた。」
最初は受けいられなかったが家に戻ってみるとそこにあったのは・・・。
血だまりと父と母であった・・・肉塊だけであった。
その後に防人達『錬金戦団』によって掃討されるも透流には何もかも
亡くなってしまった。
家族を失い天涯孤独となり両家の祖父母も年齢が年齢だけあって自身を
養うなんて無理だと悟っているために透流が決めたのが・・・これである。
「俺を『錬金戦団』に入れて下さい!!」
そう言って無論最初は反対されたがそれでもと言われ、取敢えず
予備隊員としてからで決まった。
その後から透流は家を離れて『錬金戦団』に入団して辛い選抜試験を幾つも
潜り抜けてやっとこさある物を渡された。
それこそが・・・『錬金戦団』の持つ対ホムンクルス兵器。
「核鉄」である。
最もそれをたった2年で授与されるほどともなればそれは
既に才能でしか言えないのだが本人はそうとは思っていない。
そして透流は本部からある任務を言い渡された。
その為に透流は既に受けた試験をクリアしておりとある学校の潜入任務を
言い渡された。
その場所の名は・・・・。
「『晃陵学園』・・・か。」
そう言って透流はクローゼットに入っている制服を見た後にカバンからある物を出した。
それは6角形の金属で出来た小さな物体。
これが「核鉄」だとは誰も気づくまい。
それを見た後に制服に着替え直してこう言った。
「さてと・・・行くか。」
そう言って透流はチェックアウトしてから晃陵学園に向かって行った。
「桜がきれいだなあ。」
透流はそう言いながら歩いていた。
無論何かないかチェックしながらである。
正直な話まさかと思ってしまう所があるがそれの調査次第では乗り込むか増援を送るとも言われている。
そして講堂に入って適当な所に座ると・・・鈴の音が聞こえた。
それを聞いて振り返るとそこにいたのは・・・。
腰まで届くほどの銀髪
透き通るような白い肌
そんな中で際立つ深紅の瞳
まるで西洋人形の様に小柄で可愛らしい少女が革靴の音と鈴の音色が
一緒になって響き合い、その光景をまるで映画のワンシーンの様に見ながら
透流から見て前から3列目の席に座ったと同時に殆どの人間がため息をついた。
恐らく彼女の一挙一動を見てその感想を言っているようだ。
すると隣にいるポニーテールの少女がこう言った。
「はあ・・・美少女ってああ言うのを言うのねえ・・・。」
「・・・・・」
溜息交じりでそう言うが当の本人はというと・・・周りの監視であった。
対象は教職員だが見ていると・・・ポニーテールの少女がこう言った。
「・・・ねえ、せめて相槌くらい打ってくれないかなあ?」
そう言いながら肩に指先で触れようとすると・・・。
「・・・・・!!」
透流はすぐさまにその手を掴んで殴りかかろうとした。
「ちょちょっとマテ!!」
後ろにいた黒髪の少女がすぐさまに止めにかかろうとすると寸でのところで
透流はそれを止めてこう言った。
「あ・・・ああ、悪い。」
すまないと言って頭を下げて謝るとポニーテールの少女はこう返した。
「う、ううん。こっちこそごめんね。後ろから何も言わなかったから。」
慌ててそう言うとポニーテールの少女はこう聞いた。
「ねえさ、ちょっと聞いて良い?」
「?」
「どうしてそんなにしかめっ面しているのかなあって思っててさ。」
どうしてと聞くと透流はこう答えた。
「ああ、ちょっと考え事しててな。」
其れでだよと言うとこう続けた。
「それってあの女の子を見ても?」
そう聞くと透流はこう答えた。
「いや、ちょっと気になってな。」
「何で戦闘技術を教える学校にあんな女の子が来るのかなアあって思ってな。」
「ああ、私もそう思ってたけどもしかしたらあのこ日本在住とかかな?」
そう言うが透流はこう答えた。
「いや、あの顔つきと肌の色から見て欧州系ぽいからそれだったら姉妹校に
いるはずだろう?」
そう言って成程と言った。
晃陵学園にはイギリスに姉妹校がありそこからのほうが近いだろうと
言っているとポニーテールの少女はこう言った。
「それにしても凄く可愛くて綺麗だよねえ。あーあ、羨ましいなあ。」
そういうと透流はこう言った。
「いや、アンタも十分に綺麗だぞ。」
「そう?ありが・・・・ってええええええ!」
ポニーテールの少女はそれを聞いて暫くすると驚くが透流はこう続けた。
「いやさ、顔立ちは可愛いし社交的だから中学じゃあモテたんだろうなあって思ってさ。」
「普通は思ってても言わないでしょう!」
「・・・そうか?」
透流は目を点にしてそう言うがポニーテールの少女はそれでも続けようとすると黒髪の少女は二人の間に割り込んでこう言った。
「いい加減にしないか?迷惑だぞ」
「「あ、ゴメンナサイ。」」
お互いそう言うとポニーテールの少女は透流に面と向かってこう言った。
「と、とにかくね、いきなりさっきみたいなことは言わないほうが良いわよ。
人によっては色々とその・・・勘違いするからね。」
「あ・ああ・・・分かった。」
透流はそう返事した後にポニーテールの少女は深呼吸して自己紹介した。
「えっと・・・なんだか色々あったけど初めまして。私は『永倉 伊万里』。
宜しくね。」
そう言うと透流も自己紹介した。
「ああ、俺は『九重 透流』だ。よろしくな。永倉」
「伊万里で良いわ。透流」
ポニーテールの少女、伊万里はそう言ってウインクして笑みを浮かべた。
そしてお互い握手を交わした。
お互いがここで切磋琢磨し合えると・・・信じて。
次回は恐らく理事長登場。