「はい、そうです。ええ、ええ、骸は大体10体ほど。後で学園の生徒簿から
調べる・・・ああ、はい。・・・すいません。」
透流はそう言いながら携帯で誰かと外で話している。
如何やらこういう事に関しての報告なのだろうと思っているが現在は・・・。
「ウいぇええええええええ・・・・・・。」
みやびが森で吐いているのを聞かなければならない。
何せ初めての人骨、然も中には未だ死肉が付いていた物が混じっていたため
その匂いでみやびは吐いているのだ。
そして三國先生はその骸を見てこう言った。
「誰かはわかりませんが恐らくは去年辞めた生徒が何人かいるはずです。」
少し調査しますのでと言ってそこから立ち去った。
九十九理事長は骸の骨を全員分1本ずつ失敬して遺伝子情報から特定すると言ってその場から立ち去って現在残っているのは透流、ユリエ、橘、みやびだけである。
そして暫くして吐く声が収まったので透流はみやびに向けてこう聞いた。
「大丈夫か?みやび。」
そう聞くとみやびは弱弱しくこう言った。
「う・・・うん。・・・けど暫くはお肉は遠慮しとく。」
「そりゃあそうだろうな。」
透流はそれを聞いてそう言った。
現に実地演習の時でさえ自身も吐いた経験があるからだ。
そして取り合えずは現場保存という意味で今日の所はここまでという事にした。
そして次の日。
ゴールデンウイークという事もあって生徒全員は未だ就寝、又は
外出しているのだがこの日透流は九十九理事長と三國先生、月見先生、ユリエ、橘、みやびと共に学園にある港に来ていた。
その目的は・・・。
「それで九重 透流。昨日話したそれについてですが。」
九十九理事長はそう言いながら透流の懐にあると思われる『核鉄」について
聞くと透流はこう答えた。
「まあ、待って下さい。もう直ぐ来ますから。」
そう言って暫くして・・・港のすぐ近くの海面が盛り上がった。
そこから出てきたのは・・・・鋼色の潜水艦であった。
そしてそこから開くと・・・キャプテン・ブラボーが出てきた。
「よう、透流。」
「キャプテン!!」
「成程な、・・・取り合えず遺骨はこっちで無縁仏として処理しておく。
向こうの話はお前も付き合ってもらうぞ。」
「はい。」
透流はブラボーの言葉にそう答えて九十九理事長の案内により
理事長室に向かった。
そして着くや否やこう聞かれた。
「それでは璃兎から聞きましたが件のバケモノと九重 透流が
保有するものについてご説明を。」
それを聞いてブラボーはこう説明した。
①表向きは失敗とされた錬金術は成功していた事
②ホムンクルスは遺伝技術から生まれた疑似生命体で人を食す。
③それに対抗するために作られたのが「核鉄」で合計して100個ある事。
④自身たちはそれらの駆逐と後処理、調査を目的とする組織「錬金戦団」に
所属すること。
「そして透流はドーン機関で行われている実験にホムンクルスが
絡んでいないのかを調査していたが如何やらそちら方の先生にホムンクルスが
いたことから黒幕がいる可能性が浮上した次第です。」
ブラボーはそう言って一息付くがユリエ達は未だ信じられなかった。
錬金術による遺伝子実験で生まれたホムンクルスだけでも驚いているのに
「核鉄」という超常的な物質迄ある事に頭が追い付いていないからだ。
そしてブラボーはこう続けた。
「俺達はその黒幕を突き止めて叩き潰す。研究資料も何もかも破壊してね。」
そう言うと九十九理事長はこう聞いた。
「それでは《核鉄》についてですがあれは適正は要りますか?」
そう聞くとブラボーはこう答えた。
「いや、あれは人間の中にある闘争本能を武器として顕現する奴だ。
やりようによっては誰でも使える。」
「「「「「「!!!!!!」」」」」
それを聞いて誰もが驚いた。
詰まるところ誰でも使えるとなるとそれは《ルキフル》よりも高い汎用性を
持っていることになるからだ。
そして九十九理事長はブラボーに向けてこう提案した。
「良いでしょう。そちらの任務が終了するまで九重 透流については
今まで通りの対応で良いでしょう。」
「ですが・・・条件があります。」
そして九十九理事長はこう続けた。
「そちらが保有する《核鉄》の技術と我々が保有する《ルキフル》の技術提携をご希望いたしますわ。」
「「・・・・・」」
「理事長、それは」
透流とブラボーはそれを聞いて三國先生が何か言いたそうであったが九十九理事長に止められて九十九理事長はこう続けた。
「私は《アブソリュート・デュオ》に至ることが出来るのであれば
どのような手段も厭いません。」
「例えそれで死人が出ようが何があろうが・・・
私はそれを成し遂げなければいけないのです。」
九十九理事長は確固たる思いでそう言うとブラボーはこう言った。
「はあ・・・正直技術提携は上層部に掛け合ってみますが期待しないで欲しい」
「構いませんわ。出来なかったら出来なかったなりに
今後の九重 透流が使用する「核鉄」のデータを取って出も実行いたしますわ。」
寧ろなければこちらで作るしかありませんしねと言った。
そして当面は協力関係でという事で話が決まるとブラボーは透流に向けて
こう言った。
「ああ、そうだ。透流。」
「はい?」
「あいつ・・・****がこっちに転入するからよろしくな。」
「・・・・・ゑ?」
透流はそれを聞いて裏声になるがブラボーはこう続けた。
「それじゃあ後は頼むぞ。」
そう言ってブラボーは潜水艦に乗って去っていった。
それを呆然と見送る透流は天に向かってこう呟いた。
「・・・マジかよ。」
次回へと続く。