「トールとリーリスは今みたいではなかったんですね。」
ユリエは二人に向けてそう聞くと二人とも苦笑いでこう言った。
「お互いに切羽詰まってたしな。」
「切羽詰まってたのは透流でしょ?私は純粋に心配しただけなんだけどね。」
透流とリーリスはお互いにそう言った。
するとみやびが二人に向けてこう聞いた。
「それだったらどうしてそんなに仲良くなったの?」
そう聞くと透流はこう返した。
「いや、違うぞみやび。あれはこいつが一方的にだな」
「さてと、そろそろ続き話すわね。」
「おいマテや!!」
透流はそう言って無視して話を進めようとするリーリスに向けてそういうが
リーリスはこう続けた。
「あれは確か・・・・ジャングルの行軍訓練の時ね。」
錬金戦団は人のいない場所で訓練を行っている。
ジャングルもその一つであるが訓練の際に使うのは・・・・ステルス型の
オスプレイである。
これはただ単なるオスプレイではなく光学迷彩が施されており完全に消える様になっているため傍目から見ても誰も気づかない。
然もこれは武装錬金ではなく科学によって作られているのだから
これもまた凄い。
そして訓練生はここから・・・飛び下ろされる。
ちゃんとキャンプセット1式は持たせておりその訓練もしていた。
然し所詮は訓練なので実際にやれば・・・酷いものである。
「ねえさ、血まみれマン。これで良いの?」
「誰が違う血まみれマンって・・・違う違うピンが違うっツウの!!」
キャンプで使うピンを刺す方向を間違えてたり・・・。
「ねえさ、お米を洗うのに洗剤ってどれ?」
「何で食品を洗剤で洗うんだ!?」
往年のギャグを言ったり・・・。
「ねえさ、火ってこれくらい焚いたほうが良いの?」
「燃やしすぎだあああああ!!!」
引火するぞとそう言ったり・・・。
もうてんやわんやであった。
そんな中で透流とリーリスはお互いに文句を言いあいながらも黙々と
行軍して・・・あることが起きた。
「スコールか。」
「何時やむのかしらね?」
透流とリーリスはある古い大木の木の根で出来た空洞で休んでいた。
お互いにびしょびしょでボロボロであった。
お互いに外を見るが雨は酷く降っていた。
そして透流は近くで拾った木の枝を燃やして暖を取る事にした。
パチパチと火が燃える中で・・・・。
「くしゅん!」
リーリスがくしゃみをした。
「おい、大丈夫か?」
透流はそう聞くがリーリスはこう答えた。
「煩いわ。貴方には関係のな・・・ㇸクシュ!」
リーリス何か言いかけたがくしゃみをして中断すると透流はバッグからマットを引き出してリーリスに渡した。
「ほら、寒いから風邪ひくぞ。」
そう言うとリーリスは小さい声でこう言った。
「あ・・・ありがとう。」
リーリスはそう言ってマットを受け取って体に巻いた。
そして暫くすると・・・。
「ハックション!!」
今度は透流がくしゃみをした。
するとリーリスは・・・鼻から鼻水が出ている透流を見て笑いながら
こう言った。
「何ソレ!変なのーー!!」
あははははははと笑っていると透流は鼻の頭を掻いてこう言った。
「うるせえ。」
そう言うとリーリスは・・・こう聞いた。
「ねえさ、一つ聞いて良い?」
「?」
「何でアンタ・・・戦団に入ったの?」
そう聞くと透流はこう答えた。
「・・・ホムンクルスで俺は家族を失ったんだ。」
「へえ・・・・。」
「だから俺は敵討ちと・・・もうこれ以上俺みたいな人たちを
出さないために入団したんだ。」
透流はそう言いながら右手を見ているとリーリスもこう言った。
「そっか、貴方もなんだ。」
そう言うと透流もこう聞いた。
「貴方もかって・・・お前も?」
「ええ、アタシもホムンクルスに家族を殺されたわ。」
そう言うと透流はこう返した。
「ま、錬金戦団にいる連中の大半がそれらしいけどな。」
そう言うとリーリスはこう言った。
「そう言えばあたし達ってあの時からあんまり話さなかったわね。」
「?・・・そうだな。」
リーリスの言葉を聞いて透流はそう返した。
するとリーリスはこう言った。
「折角だからさ。もう少し話さない?他の・・・ホムンクルスに襲われる前に
何してたとかって?」
そう聞くと透流はこう返した。
「んまあ・・・暇つぶしにはちょうどいいかもな。」
そう言うとお互い昔の事を話していた。
家の事。
家族の話題。
これまでの事。
お互いに時間が許す限りに話した。
そして夜になると透流はリーリスに向けてこう言った。
「《九重 透流》」
「?」
「俺の名前だ。血まみれマンじゃなくてそう呼べよ。」
「俺もお前の事邪魔虫なんて言わねえから。」
透流はそう言うとリーリスもこう名乗った。
「《リーリス=ブリストル》」
「生まれはイギリスで元貴族よ。」
「俺は一般人だな。」
「「・・・・ぷふ。」」
「「アハ( ̄∇ ̄;)ハッハッハあっは・・・・・」」
そしてお互いに笑いながら寝たが・・・一つ難点があった。
それは・・・。
「何で何時も寝るときに全裸なんだ!!」
「こうじゃないと眠れないのよ!!」
「お前はターザンか!!」
そう言ってお互いに寝た。(寝る時は別々)
それからと言う物お互いに鍛え合い、研鑽を研ぎ合う仲となった。
「そして今に至るって訳ヨ。」
「うむ、一夜を共にして芽生えた友情という事だな。」
リーリスの言葉を聞いて橘はそう解釈した。
するとみやびはある事を聞いた。
それは・・・。
「あれ?それだったらどうしてユリエちゃんを養子にしようって言ったの?」
そう聞くとリーリスはしれっとこう答えた。
「ああ、簡単よ。ああ言っておけば後後で任務終了した後に噂が出なくて
済むでしょ?」
「逆に噂が立つわ!!」
透流はリーリスに向けてそう言うがリーリスはこう続けた。
「それに・・・ユリエちゃんって凄く可愛いからに決まってるでしょ~~~!」
リーリスはそう言いながらユリエを抱きしめていた。
正に人形の様な感じである。
そして暫く話して橘とみやびは部屋に戻って透流達も寝ることになったが
リーリスはユリエに向けてこう言った。
「一緒に寝ましょ♪」
そう言ってお互いに寝た。
これを境に透流のベッドにユリエが入る日数が減ったのは透流にとって救いだ。
次回はレベルアップⅡに昇格してから。