アブソリュート・錬金   作:caose

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 この世界の透流は少し厳しめです。


戦闘終了

「透流、もう一度言うわ。《焔牙(ブレイズ)》を出して・・・!」

 伊万里はその状態でそう言うが透流の答えは同じであった。

 「何度も言うが俺のは戦闘向きじゃねえから拳一つでお前を倒す。」

 そう言うが伊万里は怒ってこう言った。

 「ば、バカにしないでよね透流!こう見えても剣道じゃあ県大会の

上位常連だったのよ!!」

 そう言うと透流は伊万里に向けてこう言った。

 「伊万里、これは実戦だ。大会の様に正々堂々な訳じゃない。」

 「俺と君とじゃあはっきり言って・・・格が違う。」

 「!!・・・後悔しないでよね!!」

 伊万里は透流の言葉を聞いて激昂しながら踏み込んだ。

 最初の振り抜きを透流はしれっと避けた。

 そしてさらに弐撃、参撃と繰り出すもそれらを全てを透流はいとも容易く

避けた。

 「くうう!」

 伊万里は透流に対して更に数回振り下ろすも全く聞いていなかった。

 お互いに《ルキフル》で身体能力を超化されており実力は互角なので後に残るのは本人自身の能力、技術、経験がものを言う。

 その点で言えば2年とは言え常識では考えられないほどの戦闘訓練をしている

透流と県大会出場の伊万里とでは正直な所・・・格が違うのだ。 

 それらは幾合かの戦いで伊万里自身も既に納得していた。

 そして伊万里その現状に対して焦りを感じてこう言った。

 「負けられない!アタシは・・・アタシには目的が・・・!!」

 伊万里は透流に対してそう言いながら刀を振るうと・・・透流はそれを余裕で

伊万里の手を捉えて受け止めてこう言った。

 「!!」

 「もうわかったろ。伊万里は俺には勝てない。」

 「・・・」

 「其れでもと言うなら・・・本気でお前を倒す。」

 「!!!」

 伊万里は透流から溢れ出る殺気の様なナニカに驚くがこう続けた。

 「冗談じゃないわ!アタシは自分から諦めはしない!!」

 絶対にとそう言って透流から離れた。

 すると透流は伊万里に向けてこう言った。

 「それなら・・・!!」

 透流はそう言って1瞬の間に・・・伊万里の目の前まで詰め寄った。

 「!!!」

 伊万里は透流のその行動に驚いて下がろうとするも透流は・・・こう言った。

 「御免。」

 そう言って伊万里の腹部に思い一撃を・・・与えた。

 「グフ・・・!!」

 伊万里は透流から受けた攻撃にそのまま壁に向かって・・・突っ込んでいった。

 そしてぶつかって気を失う前に見えたのは・・・。

 「(・・・何で・・・泣きそうになるの?)」

 目に涙を浮かべた透流の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・大丈夫か?」

 透流は講堂の外に臨時で作られたテントの中で寝ている伊万里に向けて

そう聞くと伊万里は透流を見て・・・。

 「・・・・」プクーー。

 顔をむくませていた。

 「・・・結局《ブレイズ》出せなかったなあーー。」

 「あはははははは。」

 透流はそれを聞いて苦笑いしていると伊万里は透流に向けてこう聞いた。

 「そういえばあの戦い方だけど誰に習ったの?」

 結構実戦型だよねと聞くと透流はこう答えた。

 「まあ・・・色々あってな。」

 「ふーーん。」

 そう言いごまかすしかなかった。

 何せ錬金戦団で鍛えられたなんて言えないしね。

 すると透流はこう言った。

 「それじゃあ俺は戻るけどお前これからどうするんだ?」

 そう聞くと伊万里は透流に向けてこう答えた。

 「私は理事長が言ってた予備施設の方に行くよ。せっかくだからね。」

 そう言うと伊万里は透流に向けてこう言った。

 「じゃあまた来年。」

 「おお。」

 透流は伊万里と別れた。

 未だ来年があるのかなと・・・思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 晃陵学園は東京湾北部にある懸垂型モノレールでしか入れない埋め立て地に

出来ている。

 周囲は巨大な石壁に覆われておりそれと同サイズの門が聳え立っていた。

 そして敷地の中央には全体を見下ろせるほどの巨大な時計塔があった。

 校舎や学生寮等の建造物は全て洋風であるため本当に学校なのかと言う前に・・

 「俺達何時から明治時代に来てるんだ?」

 透流はそう思っていた。

 確かにドラマとかでは重要施設などは西欧風であるためそれに似ているなと

思っていた。

 透流は洋風な廊下を見ながらこれからどうしようかと考えていると・・・

後ろから声が聞こえた。

 「お前・・・《九重 透流》か・・・・?」

 「?」

 透流は何だろうと思って後ろを向いても・・・誰もいなかった。

 「何だ気のせいか。」

 そう言うと下から・・・声が聞こえた。

 「おい貴様態とか!!」

 こっちだと言って透流は下を向くとそこにいたのは・・・。

 「お前・・・トラ・・・か?」

 「そうだ!!」

 少し後ろだったがいたぞと言うと透流は申し訳なさそうにこう言った。

 「いやあトラって小さいから分からないよなあ。」

 「貴様!人の気にしていることを毒吐いて言うな!!」

 怒りながらそう言うとトラと言う眼鏡をかけた少年がこう言った。

 「・・・久しぶりだが元気そうだな。」

 「ああ・・・あの時以来だな。」

 透流はその言葉に対してそう答えた。

 最後に彼と会ったのはあの道場での合同葬儀以来である。

 そしてそこから少し離れた場所で透流の両親の葬儀も行われていた。

 妹の遺体も同じ葬儀でやって貰ったのだ。

 できれば最後くらいは・・・両親と一緒にさせてやった方が良いとあの時

助けてくれた錬金戦団の戦士であり戦士長《キャプテン・ブラボー》の心遣いであった。

 その後に透流は錬金戦団に入団することになったので家を売り払って

引っ越したというプロフィールを作ったのも悪しからず。

 するとトラがこう聞いた。

 「あれから2年たったが貴様は引っ越し場所の報告どころか手紙も出さずに

こっちはどれだけ心配したんだと思っているんだ!!!」

 そう言うと透流はこう答えた。

 「あ、・・・ああ・・・悪い。」

 「本当にそう思ってるのか!?」

 トラは透流の言葉を聞いて更に怒るが少し深呼吸してこう聞いた。

 「まあ貴様もあの事件で色々と整理しなければいけんことがあるからな。」

 「だが!これからはちゃんと報告ぐらいは心がけておけ!!」

 良いなと言ってトラは教室に向かうと・・・また声をかけられた。

 「そこの君。」

 「・・・・・ああ、君は。」

 透流はその声の主を見て思い出した。

 後ろの席で自分が伊万里を殴りつけそうになった時に止めに入った少女で

あることを。

 よく見れば黒いストレートロングヘアで可愛いというよりも綺麗と言った

容貌に加え、スタイルの良さとも相まって同い年とは思えないなと思った。

 更に言えば彼女が持つ空気が何やら凛とした感じがしたためにその疑問を

更に加速させていた。

 「あの時は悪かったな。危うく伊万里を殴り飛ばしてたよ。」

 「いや何当然のことをしたまでだ。」

 そう言うと少女はこう続けた。

 「そう言えばあの戦いの中であるが君の戦い方は何やら独創的と言うか・・・

実戦的と言うか・・・型が決まっていない様に見えるが気のせいか?」

 そう聞くと透流はアハハと言ってこう答えた。

 「んまあどちらかと言えば俺のは引っ越した場所の近くにそう言うのを

教えていた師匠がいたんだ。」

 「ふむふむ。」

 「それで教わったらこう言われたんだ。」

 「何と?」

 「《基礎は教えるが後はお前が作れ.》」

 「・・・何だそれは?」

 少女はそう言うと透流はこう続けた。

 「《人間は可動領域や癖が一つ一つ違う。》」

 「《だからそれでも無理やり型を教えるのではなく自分に合った型で

戦わる。》」

 「そう言われたんだ。」

 「成程な、癖とかは人間によって違うからな。型を教えても無駄に

なってしまう」

 「ならば最初から型を本人が作って会得させるとは少し変わった人間だな。」

 「ん・・・まあな。」

 透流はそう言う中である事を思い出していた。

 「《まさか『キャプテン・ブラボー』のあれが武装錬金の一つって言われても

あれって酔狂でしか見えないんだよなあ。》」

 私服は全部あれに近いしなと思いながら話していると少女はこう自己紹介した。

 「ああ、紹介が遅れたな。私は『橘 巴』、今日から宜しくな。」

 「ああ、こちらこそよろしくな。」

 透流はそう言って少女『橘 巴』の手を握った。




 次回は教室編です。
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