未来を視る者   作:ハエ缶

2 / 5
次の更新は未定です


1話

「....どさん、彼はこれで6度目です。これ以上記憶処理を行えば脳にどう支障をきたすのか分からないです!」

 

「しかし、まだ我々の存在すらも公に晒すのはまだ早い。

それよりも彼を見てきた限りでは、此方側に勧誘する方が我々的にも彼的にも良いのでは無いか?」

 

「ですが、彼はまだ若い!」

 

「年齢を言うのであれば、迅は14歳。小南は12歳であり彼は既に16歳だ。年齢の問題はあるまい。それにまだ決定では無く、あくまでも彼の意思を尊重する」

 

(起きにくい)

 

現在の状況を顧みるに、あの後は視ていたように救助されてベットで治療を受けているようだ。

今までと違うのはその時の記憶があること。それでいて自分が寝ているベットを挟んで、二人の男性が自分に関して話し合いをしていることだ。俺を挟むな、隣合え。

 

「それにどうやら彼は目覚めたようだ」

 

これは起きなければならないやつか、細めで確認すれば渋面の男性の方が顔を向けている方に存在し自分の顔を見つつ声をかけてくる。

 

一度体勢を仰向けに戻し、天井を見つめ

 

「知らない天井だ」

 

「無事でよかった。いきなりだが、いくつか確認したいことがあるんだが、大丈夫かな?」

 

渋面の男性と反対側に位置していた、醤油というより豆腐のパッケージのような感じの男性に話しかけられ顔を向ける。

 

「大丈夫です、マサヒロさん」

 

「......自己紹介がまだだったな、私は忍田、忍田真史だ。こちらが「両手が右手の?」.......城戸政宗、この施設のトップを務めている人だ」

 

悉く自分の言葉が無視されているのを感じながら、城戸と呼ばれた男性に視線を向ける。まずは通常の右手、そして左手。....左手だった。

最後は、顔を見て表情を伺う。相変わらずの渋面で仏教面、一応軽く目礼を行いマサヒ...忍田へと視線を戻し自己紹介を返す。

 

「瀬賀です、瀬賀美琴です。瀬戸際の佐賀に美しい琴で瀬賀美琴です。」

 

「自己紹介ありがとう、いきなりだが瀬賀くんはどうしてあの場所で倒れていたんだ?」

 

質問の意味を理解し、当たり障りの無い答えを出す。

 

「...自分は倒れていたんですか?すみません。あまり記憶に残って無いのですが、ここは何処なんですか?」

 

静寂が流れたのも束の間。次は城戸が切り出す

 

「単刀直入に聞こう。あの化け物を殺す力が君は必要かね?」

 

どうやら色々と違ったみたいだ。忍田は何も知らない、衝撃で何も覚えていない体を取らせて自分を解放しようとしていた。それに対し自分は最初から落ち着きすぎていたのだろう、誰しも目を覚ましたときに知らない空間に居れば焦る。更に知らない人間が2人もいたら尚更だろう。

それに対して自分は、おふざけを交えて普通に対処してしまったのだから。

 

城戸はどのタイミングかは分からないが、自分が気付いている事に対し気付き切り出したのだ。

自分の目的の為に、忍田同様自分の事を予め知っており、それでいて忍田と違い自分達の組織に引き入れる為に。

 

「君のことは前々から知っていた。」

 

黙っていた自分に対し、城戸が話し出す。

城戸の言葉に対し、驚く素振りを見せず視線で次を促す。

その間、忍田は何の行動も起こさず静かに城戸を見つめていた。

 

「君は覚えていないかも知れないがこれで6度目だ。あの化け物達に立ち向かい、敗北し傷付きこの場所に運び込まれては治され返される。君はこれを繰り返し6度敗北した。

君の特異能力を持ってしても勝てない相手に対し、君を勝たせる事が我々にはできる。

もう一度聞こう。力が欲しく無いか?」

 

「あんたの言うことが正しいのであれば、本当に奴らを殺せるのであればその力が欲しい。俺に差し出せるものがあるのであれば、全てを差し出す!俺に力を貸してくれ!」

 

自分は考える間も無く、力強く答えていた。

忍田の表情は分からない。しかし、城戸は薄くニヒルに笑っていた。

 

「我々が瀬賀に与えるのは力と訓練時間だけ、あとは活かすも殺すも君次第だ。歓迎しよう、ようこそボーダーへ」

 

「まずは瀬賀くんの体を休める事から始めよう。幸い肋骨は折れていなかった事から内臓は無事、だが右腕の骨折に全身の打撲。頭を守るように着地していた事から、そちらは大丈夫だろう。

契約書類等は後で準備して持ってくるから、安静にしておくように」

 

「わかりました」

 

忍田が言うならそうなのだろう。取り敢えずは返事をしておいた。自分の返事を聴くと、我々はまだする事をがあるからと残し二人は退室していった。

 

やっとここまで来たのだ。過去5回挑戦して、失敗。6回目でようやくチャンスを掴めた。

必ず間に合わせる。

 

いつか視たあの未来に立ち向かう為にやっとスタートラインに立てたのだから

 

 




少し短いのかな?
1話あたり何文字位が丁度いいのかわからない...

ちなみにマサヒロさんは豆腐です
気になった方はググってみてね

ここまで読んで貰えたのであれば気付かれたでしょうが、今はまだ大規模侵攻の前です。
しかし、旧ボーダーによる同盟国の戦争に介入した話の後ですので既に風刃が存在します。
まだ誰も手にしていない状態ですので、迅さんもまだ孤月一本です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。